——たとえば、よくある「呪い」。もちろん、その言葉を聞いただけでも恐ろしいですよね。しかし、どうしてそこに「怖い」という認識が生まれるのか、考えたことがあるでしょうか——?
本作は、霊感のある主人公がクラスメイトにブレスレットを配るとある女子転校生と出会うのをきっかけに、抑揚なく展開していきます。
目に見える怖さを「怖い」と思うのは当然のことでしょう。でも、日常生活にねっとりと溶け込み、のほほんと暮らしているだけではわからない実に身近な「隠れ恐怖」もあるのです。
それに気づいたときにはもう手遅れ、もはや「怖い」を通り越して「悍ましい」ものに見えるかもしれません。
背筋にひそかにピトッと寄り添うようなホラー短編、奇怪と不気味の渦へとじわじわ引き込まれるような傑作です。
ぜひ♪( ´▽`)
これは現実に起きた事件なのではないか? 書き手は本当に霊能力があるのではないか? そう思わせるリアリティが、この小説の恐ろしさをさらに高めています。
主人公は霊能力を持つ少年。でも能力のことは隠して、普通に学校生活を送っています。
あるとき学校に転校してくる一人の女子生徒。彼女もどうやら、その手の能力を持っているようで――?
あなたにもし強い霊能力があったら、それをどう使いますか?
その一例が、この小説にあります。しかもとびっきり怖いやつ。
転校生にとってほかの生徒たちは、ただの遊び道具にしか見えていなかったのかも知れません。
力を持つ者特有の優越感があったのかとさえ思えてきます。
そして恐ろしいのは、彼女が自分の側に主人公を誘いこもうとすること――
ホラーと人間心理を巧みに絡み合わせた本作、ぜひ読んで震えて下さい!
全7話の短編ホラーです。
これはまさに秀作と言えるでしょう。
主人公の御門碧は高校生、そんな彼には不思議なものを視る力がありました。そこへ得体の知れない神子澤耶永という転校生がやってきます。
そこから、学校では、異変が起こり始めます。
耶永にもまた、不思議な力があったのです。
読み進めながら、ぞくぞくさせられます。
人間はなまじ力を持つと、それを使いたくなるのですね。そして、良い方向にではなく、悪い方向に使ってしまう。人間の醜さもまたホラー、それらは業とも言えるでしょう。
学校を舞台に、何気ない日常と何げない会話が繰り広げられる中、異質なものが混じったらどうなるのか。
それは、普通の学生には見えないものです。碧にだけ視えているのです。
そして、耶永が碧に誘いかけます。
ここです。ここが本作で最も恐ろしい部分です。
何と言ったか、それは是非読んで、確認してみてください。
そして、エンディング、これがまた何とも言えない読了感を残してくれます。
もう読まない手はないでしょう。推薦します!
霊感のある主人公の学校へ、突然一人の少女が転校してくる。
彼女の名前は耶永(やえ)。長い黒髪が印象的な、ミステリアスな美人。
手に組紐(くみひも)のブレスレットをつけているのが印象的。
ところが、耶永が転校して来てからというもの、主人公の周辺では次々と異変が起こりはじめる。
主人公達の行く末と、耶永の真の正体が気になる──そんなホラー作品です。
ミステリアスな黒髪ロングヘアの美人が放つ禍々しい感じ、そして打つ手のない状況での絶望感。
ちなみに耶永の真の正体については、私の中では一つの結論が出ていますが、貴方はどう考察するでしょうか。
全7話の短編で、さらっと読める作品です。
正体不明の恐怖を感じたい方は、ぜひ読んでみてください。
このお話は「怖い」です。あ、まぁ、ホラーだから当たり前でしょ?と言われればそうなんですが、そうではないんです。
ホラー読んでると、あ、ここから「ヤバい」ってわかるじゃないですか、それで「やっぱり」ってなりがちなんですが、このお話「やっぱり」ってなる癖に怖いんですよ。なんとなく「先」が予測できるのに「怖い」んですよ。読み終わった時に、心に「とりとめもない怖さ」が残るんですよ。ほんと、夜読んだら「トイレ」にいけなくなるレベルなんですよね。
で、物語の恐怖を引き上げる「小道具」の使い方が上手いのが、この作者さまの凄い所です。ネタバレになるからいいませんが、何気ないアクセサリーに恐怖を感じたり、何気ないものに謎が隠されていたり、よくこの文字数でと思う仕掛けが満載です。是非、「朝」か「昼」に読んでくださいね!