呪詛遊び

作者 碧絃(aoi)

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★★★ Excellent!!!

一気に読むと、怖さ倍増する気がします。
でも、やめられなくて一気読みしました……
怖いけれど、おもしろいです。
色の部分がよかったな。
あとは、結局「彼女は何者?」というのが謎なままなのがいい。
種明かしがないのって、やはり怖さを書きたてるし、
「もしかして、現実にもあるかも?」と思えます。

★★★ Excellent!!!

ソレは邪悪な人間なのか、人間の姿を模した化け物なのか。
どちらにしろ、その異常な能力と底知れない無邪気な悪意が他人に向けられるとき、そこは悲鳴と叫喚の中心となる。

ソレが常に浮かべる笑顔。その笑みは純粋で、きっと心から楽しくて笑っている。
目の前でどのような惨劇が繰り広げられていたとしても。

穏やかな日常を徐々に侵してくるソレの邪気。
静かな筆致で悪意と邪気と狂気を浮き彫りにする珠玉のホラー。

★★★ Excellent!!!

——たとえば、よくある「呪い」。もちろん、その言葉を聞いただけでも恐ろしいですよね。しかし、どうしてそこに「怖い」という認識が生まれるのか、考えたことがあるでしょうか——?

本作は、霊感のある主人公がクラスメイトにブレスレットを配るとある女子転校生と出会うのをきっかけに、抑揚なく展開していきます。

目に見える怖さを「怖い」と思うのは当然のことでしょう。でも、日常生活にねっとりと溶け込み、のほほんと暮らしているだけではわからない実に身近な「隠れ恐怖」もあるのです。
それに気づいたときにはもう手遅れ、もはや「怖い」を通り越して「悍ましい」ものに見えるかもしれません。

背筋にひそかにピトッと寄り添うようなホラー短編、奇怪と不気味の渦へとじわじわ引き込まれるような傑作です。
ぜひ♪( ´▽`)

★★★ Excellent!!!

ある日やって来た転校生。それをきっかけに、僕のいつもの日常は徐々に狂い始めていく。

短編ながら、丁寧な描写で一気に引き込まれてしまいました。
いつもの学校。そこから徐々に変わっていく周囲と忍び寄る恐怖に、いったい何が起こるんだろうと、ハラハラしながら読み進めていきました。

短いお話なのに、没入できるホラーを、皆様もぜひ、御一読ください!

★★★ Excellent!!!


一文のなかに氷片のように散りばめられている不穏の片鱗に
1ページ目からのみこまれます。
視えている経験でしか書けないのではと感じる描写、言葉。
ひたひたと暗闇に溺れさせるように現実でせまる
見えないものではない、人の姿をしたソレの、仄暗い呪い。
ここ、に。

★★★ Excellent!!!

 読了後も、あれは一体なんだったのだろうと思わせられるホラー作品です。

 読み終わってページを閉じて日常生活を再開して、ふとした時にこの作品の謎や不気味さについて思い耽ってしまう、そんなジャパニーズホラーらしい展開・結末です。完結したけど解決していない、ずっと引き摺られる気持ちになる作品でした。 

 ホラー作品の読後感としては、期待を裏切らない完璧な内容ではないでしょうか。

 

★★★ Excellent!!!

これは現実に起きた事件なのではないか? 書き手は本当に霊能力があるのではないか? そう思わせるリアリティが、この小説の恐ろしさをさらに高めています。

主人公は霊能力を持つ少年。でも能力のことは隠して、普通に学校生活を送っています。
あるとき学校に転校してくる一人の女子生徒。彼女もどうやら、その手の能力を持っているようで――?

あなたにもし強い霊能力があったら、それをどう使いますか?
その一例が、この小説にあります。しかもとびっきり怖いやつ。

転校生にとってほかの生徒たちは、ただの遊び道具にしか見えていなかったのかも知れません。
力を持つ者特有の優越感があったのかとさえ思えてきます。

そして恐ろしいのは、彼女が自分の側に主人公を誘いこもうとすること――

ホラーと人間心理を巧みに絡み合わせた本作、ぜひ読んで震えて下さい!

★★★ Excellent!!!

全7話の短編ホラーです。
これはまさに秀作と言えるでしょう。

主人公の御門碧は高校生、そんな彼には不思議なものを視る力がありました。そこへ得体の知れない神子澤耶永という転校生がやってきます。

そこから、学校では、異変が起こり始めます。
耶永にもまた、不思議な力があったのです。

読み進めながら、ぞくぞくさせられます。
人間はなまじ力を持つと、それを使いたくなるのですね。そして、良い方向にではなく、悪い方向に使ってしまう。人間の醜さもまたホラー、それらは業とも言えるでしょう。

学校を舞台に、何気ない日常と何げない会話が繰り広げられる中、異質なものが混じったらどうなるのか。
それは、普通の学生には見えないものです。碧にだけ視えているのです。

そして、耶永が碧に誘いかけます。
ここです。ここが本作で最も恐ろしい部分です。
何と言ったか、それは是非読んで、確認してみてください。

そして、エンディング、これがまた何とも言えない読了感を残してくれます。

もう読まない手はないでしょう。推薦します!

★★★ Excellent!!!

霊感のある主人公の学校へ、突然一人の少女が転校してくる。
彼女の名前は耶永(やえ)。長い黒髪が印象的な、ミステリアスな美人。
手に組紐(くみひも)のブレスレットをつけているのが印象的。

ところが、耶永が転校して来てからというもの、主人公の周辺では次々と異変が起こりはじめる。
主人公達の行く末と、耶永の真の正体が気になる──そんなホラー作品です。

ミステリアスな黒髪ロングヘアの美人が放つ禍々しい感じ、そして打つ手のない状況での絶望感。

ちなみに耶永の真の正体については、私の中では一つの結論が出ていますが、貴方はどう考察するでしょうか。

全7話の短編で、さらっと読める作品です。
正体不明の恐怖を感じたい方は、ぜひ読んでみてください。

★★★ Excellent!!!

 このお話は「怖い」です。あ、まぁ、ホラーだから当たり前でしょ?と言われればそうなんですが、そうではないんです。

 ホラー読んでると、あ、ここから「ヤバい」ってわかるじゃないですか、それで「やっぱり」ってなりがちなんですが、このお話「やっぱり」ってなる癖に怖いんですよ。なんとなく「先」が予測できるのに「怖い」んですよ。読み終わった時に、心に「とりとめもない怖さ」が残るんですよ。ほんと、夜読んだら「トイレ」にいけなくなるレベルなんですよね。

 で、物語の恐怖を引き上げる「小道具」の使い方が上手いのが、この作者さまの凄い所です。ネタバレになるからいいませんが、何気ないアクセサリーに恐怖を感じたり、何気ないものに謎が隠されていたり、よくこの文字数でと思う仕掛けが満載です。是非、「朝」か「昼」に読んでくださいね!

★★★ Excellent!!!

「一番恐ろしいのは幽霊ではなく人間だ」なんて言葉がありますがこの作品にぴったりだなと思いました!

私はスラスラと読めるものって描写が甘かったりすることが多いなと思うのですが、この作品は別でした。

読みやすく、それでいて描写も丁寧で暗い雰囲気が伝わってきました!

非常におもしろかったです!

★★★ Excellent!!!

 恐らく碧絃様もお読みになっていると思いますが、私は少し前に、江口之氏の『西洋魔物図鑑』という中古書籍を購入し、読んでいました。たぶんダイアン・フォーチュン氏の『世界魔法大全:第四巻心霊的自己防衛』を整理引用したものでしょう。その中で、「吸血鬼」の項目に、吸血は次の三種類に分類されています。第一が心霊的吸血鬼、第二が元素霊吸血鬼、第三が不死系吸血鬼と述べられています。

 第一の心霊的吸血鬼は、他人から無意識にエネルギーを接種する人間。言い変えればモンスター・クレーマーで、攻撃された人もこれに変わる。
 第二の元素霊吸血鬼は、主人を失った「使魔」。
 第三の不死系吸血鬼は、房中術系の道士。

 問題のヒロインは、心霊的吸血鬼に該当するかなあと感じました。学生のころ、霊能者だという方のご子息から、類似したケースをお伺いしたことがあります。
 書店にアルバイト勤務していた霊能者女学生は、店主夫妻が心霊的吸血鬼であると見破って、どのタイミングで仕事を辞めるか、霊能者のご子息に相談なさったのだとか。 
 あくまで伝聞なので、真偽のほどは不明ですけれど。

★★★ Excellent!!!

とても読みやすく構成もわかりやすいため読了しました!
短編ではありますが、導入に結果を持ってくることで話の道筋がとても頭に入りやすい状態ですらすらと読み進めることができました。

主人公である少年の無力感と抗えないという絶望の描き方が秀逸で、当たり前の日常が徐々に浸食される様に背筋がヒヤリとします。

これ以上書くとネタバレしそうなので・・・ここまでとしますが、短くあっという間に読み終えられるため、琴線に触れた方はちょっと覗いてみてはいかがでしょうか!

★★★ Excellent!!!

いったいこの子は何をやらかそうとしているのか……。
怖いもの見たさで一気に読み終えてしまいました。

物語は中学校が舞台ということでどこかノスタルジックな空気を感じました。

奇妙な転校生がやって来て、少しずつ日常がおかしくなっていく。

そんなストーリー展開は読者をドキドキ、ハラハラさせることでしょう。

主人公が少女を前にして無力を感じる姿は少女の異常性をより、際立たせているように思えました。

少女の引き起こす災い。私たちは過ぎ去るのをじっと待つしかないのです……。

★★★ Excellent!!!

本作は現代の中学校を舞台として、霊感の強い少年のもとに、一人の少女が転校してくることから始まる物語です。

少女は瞬く間に女子の人気者となり、あるブレスレットを友人たちに配るのですが、それが彼の目には奇怪なものに映って……?

化け物は突然現れる。そんな抗いがたい恐怖を描いたホラー短編です。

★★★ Excellent!!!

主人公の中学生、御門碧は霊感が強い少年です。
彼の学校に神子澤耶永という長い黒髪の女の子が転校してきます。
彼女はみんなと仲良くなる為に、周りの人達にブレスレットを配るのですが……。

地震、台風、事故等、災厄は本人に過失なくとも、突然に襲ってくることがあります。

この耶永もその災厄の仲間なのでしょうか。

ある日、なんの前触れもなく突然現れて学校の生徒達を日常を一変させます。

そんな彼女に対して主人公は……、この顛末は小説を読んでお確かめください。

非現実的な話でありながら、なかなか現実感ある物語になっています。

文章も上手くさらさら読めるので、ホラー好きにはオススメです!

★★★ Excellent!!!

 おどろおどろしい、という言葉がある。本作は、その言葉通りの内容だ。もちろんフィクションだが、実話系の恐怖専門週刊誌にでもとりあげられそうな内容だった。

 主人公は良心的な傍観者という立ち位置で、そうならざるを得ない状況ではある。しかし、本人の感じるもどかしさや恐ろしさがじかに伝わってくるのが大変おどろおどろしい。

 必読本作。

★★★ Excellent!!!

霊感の強い少年の学校に、ある日転校生がやって来ます。
転校生の少女は何故か周りの人々と急速に仲良くなり、不気味なブレスレットを友人に身につけさせるのですが…。

少女の不気味さの表現が上手く、最初の方あまり言葉を発しないので、少年に話しかけた時は空気が冷えるような気がしました(実際に見たわけではないのですが、笑顔が怖すぎます…笑)。

文章もとても読みやすく展開も早いので、最終話までサクサク読めます。一気読みがオススメです。震え上がるような怖さはないのですが、じわじわと染み入るようなホラーでした。

★★★ Excellent!!!

主人公は強い霊感を持つ少年。
彼が通う学校に不気味な転校生が現れたことを皮切りに、日常が少しずつおかしくなり始めます。

主人公は特別な力を持っていますが、ヒーローめいた華々しい活躍はできません。異常を認識しながらも、ただ不気味な転校生に狂わされてゆく学校を見ていることしかできないもどかしさが印象的です。

それでも、手の届く範囲で事態を何とかしようとする姿は最後まで読んで見守りたくなるでしょう。