概要
同乗者の瀧川翔を失った悲しみを抱え、凍り付いた心をとかすのは、アルバイトを始めた『喫茶・お散歩』に集う常連たちだ。
やがて、翔と凜が共有する秘密は、血で染まった過去を暴き出す。霧が晴れた先に見えるのは、悲しい現実だった。
きっと、お菓子を買っちゃいます。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!内側にこもるあたたかな寒気
小樽で起きた事故により心に深い傷を抱える凛は、様々な出会いを通じて傷を癒していく。
前半は喫茶店「お散歩」でのやりとりなどユーモラスに進み、凛は新たな生活の中で居場所を探り、物語は少しずつ前進していきます。
なにより特徴的なのが、無駄のない文章と丁寧な描写。
物語にとって必要な言葉が適切に置かれ、読めば読むほど引き込まれていきます。
あたたかみの中でも常に緊張感が漂っているのは、物語に謎が残り、深い傷の爪痕が消えないからこそ。
時おり見せる凄みのある場面は胸に迫るものがあり、拓海と凛のやりとりはとても細やかで、心理描写がとても秀逸です。
喪失と再生が一つのテーマとも言える物語は、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!血染めの雪に隠された過去と、彼女が真実を掴んで現在を生きるまで
冒頭からの引きが物凄いです。どんどん引き込まれていきます。
小樽で起きた凄惨な事故、記憶を取り戻すために再び因縁の場所に降り立つ主人公。そこで出会った人々。真実と思っていた偽り、忘れていた秘密……。
散りばめられた謎と少しずつ明らかになる真実、そこに至るまでのミスリードを誘う文脈、すべてが魅せられます! 小樽の街を舞台にした物語は人々の描写も生き生きとしていて、雪の様々な表情が美しく描かれています。それとシンクロするような、血濡れた回想がなんとも幻想的で……!!
すべてが明らかになったあと、その余韻を噛み締めて読み直すと、また違った顔が現れてくるような気がします。
本当…続きを読む - ★★★ Excellent!!!儚く、切ない。けれどとびきり美しくて温かい再生の物語
こんなに心揺り動かされるヒューマンドラマに出会えてよかった!
エンディングまで読んだとき、必ずそう感じる感動巨編です!
最初こそユニークで個性的すぎる登場人物たちを前に、主人公といっしょに叫び出しそうになります。逃げたくなるかもしれません。
けど、そんなユニークな方々に徐々に救われていって、中盤にはなくてはならない人たちだって思わせてくれます。とにかく優しく温かいんです!
主人公に感情移入させるというか、読者を物語の中に引っ張ってくるのが凄く上手で、終始主人公と同じように感情を揺さぶられてしまいました!
この物語は、ぜひ最後まで読んでほしいです。主人公の成長を描ききっており、伏線の回…続きを読む