血染めの雪に隠された過去と、彼女が真実を掴んで現在を生きるまで

 冒頭からの引きが物凄いです。どんどん引き込まれていきます。


 小樽で起きた凄惨な事故、記憶を取り戻すために再び因縁の場所に降り立つ主人公。そこで出会った人々。真実と思っていた偽り、忘れていた秘密……。

 散りばめられた謎と少しずつ明らかになる真実、そこに至るまでのミスリードを誘う文脈、すべてが魅せられます! 小樽の街を舞台にした物語は人々の描写も生き生きとしていて、雪の様々な表情が美しく描かれています。それとシンクロするような、血濡れた回想がなんとも幻想的で……!!


 すべてが明らかになったあと、その余韻を噛み締めて読み直すと、また違った顔が現れてくるような気がします。

 本当に素晴らしい、特にこの時期に読むとさらに情緒深い気持ちになります。読ませてもらって、ありがとうございます……!!

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