血染めの雪に隠された過去と、彼女が真実を掴んで現在を生きるまで
- ★★★ Excellent!!!
冒頭からの引きが物凄いです。どんどん引き込まれていきます。
小樽で起きた凄惨な事故、記憶を取り戻すために再び因縁の場所に降り立つ主人公。そこで出会った人々。真実と思っていた偽り、忘れていた秘密……。
散りばめられた謎と少しずつ明らかになる真実、そこに至るまでのミスリードを誘う文脈、すべてが魅せられます! 小樽の街を舞台にした物語は人々の描写も生き生きとしていて、雪の様々な表情が美しく描かれています。それとシンクロするような、血濡れた回想がなんとも幻想的で……!!
すべてが明らかになったあと、その余韻を噛み締めて読み直すと、また違った顔が現れてくるような気がします。
本当に素晴らしい、特にこの時期に読むとさらに情緒深い気持ちになります。読ませてもらって、ありがとうございます……!!