起きたのは、主人公か、出来事か。
不条理が振り切っている。すごかったです。
主人公の太田は誕生日の前日女性に振られる。その女性に対し、太田は小説の最初と最後に「あ、はい」と同じ返事をする。この二回目の「あ、はい」で笑った。ちょっと「ざまぁ」の快感があった。状況は筒井康隆っぽいがキャラはつげ義春みたいだと思った。つげの描くキャラも常に受け身だがなぜかいい目を見る。といっても太田ほどではないが。ひさしぶりにナンセンスを読んで楽しかった。初期の諸星大二郎が好きなかたにおすすめします。
本作は現代日本を舞台として、主人公の誕生日をユーモラスに描いた作品です。前日に彼女に振られるという最悪のスタートを切った彼ですが、誕生日を迎えるやいなや、あれよあれよという間に周りから祝福の嵐を受けます。果たして、彼の誕生日はどこに向かっていくのか、謎が謎を呼ぶ展開が続きます。
ありありとリアルに綴られる冒頭から、巧みな表現力でグイグイ惹き込まれてゆきます。誕生日にとんでもない目に合う話、とのキャッチコピーからの想像を遥かに超えていく痛快さに、病みつきになりそうです。
主人公の太田くんが彼女に振られたことをきっかけに、彼のまわりに奇妙な現象が巻き起こる…ザ・不条理な作風。好きです。最後まで不気味です。おすすめです。
ナンセンス知らずに生きてきた。誕生日は何が意味かわからずに。予走。イベントなのか?ヤリの中からおめでとう。生きて。何故知っている。キミにおめでとう。 ナンセンスに誕生日ですか。僕はギャグセンスあると自分で思っています。しかし、無口無表情の少年だったため発揮しませんでした。ぼっち元引きこもり(15年以上)でした。僕は誕生日に持ち上げられても嬉しくないですね。疑います。普通の日々は生きている。 平坦に述べているところが素晴らしく特筆される。
レビュータイトルは紹介文の引用です。紹介文にこれだけを書くセンスの良さに敬礼したい。本作は「ナンセンス」というタグに惹かれて手に取りました。淡々と刻まれる時間に、ドミノ倒し如く次々に起こる容赦のない事象。生まれてしまったが最後、何はなくとも誰の身にもあらゆる出来事が積み重なってゆく。それが人生。様々な出会いも別れもあるでしょう。何があっても人生のそれには意味がなく……ただ今日は誕生日なんです。それは人生において唯一の在りし日なんです。
淡々と話(文章)が進んでいくのでいい意味で不思議な気分で読んでいけます文章の書き方もこの話に合わせてるのかも分からずオチも含めて、他人の夢をみているような不思議な世界にいれられた作品になります
訳も分からず突然世界中の人間からとんでもないくらいの誕生日を祝われるといううれしいのか怖いのか訳の分からない状況に陥ったのが滅茶苦茶怖い。しかも淡々と進むから引き返せない、あ誕生日おめでとうございます。
軽快な文章とテンポの良さで、ぐいぐいと話に引き込まれました。心情描写や状況の奇妙さが絶妙に絡み合い、リアルと非リアルの境界が曖昧になっていく過程が見事に表現されています。
誕生日一本勝負で、物語がどこまでも膨らんでいくんです。次はどうなるか、その次は……、と読み進める指が止まりません。どことなく懐かしいなと感じたのは、この世界観が世にも奇妙な物語の作風に似ていたからかもしれません。
世にも奇妙な物語に出てきそうな物語。悪い夢が覚めないような、読んでいると頭がくらくらするような感覚になる。でもそれが人生なのかな、と思ったり。不思議な世界観に酔いたい人におすすめ!
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(82文字)
誕生日に彼女に振られてヤケ酒を飲む男の奇妙な体験出会う人全員から誕生日を祝ってもらえる、嬉しいんだけど、なんだか不気味で不思議なお話ですでもラストまで読むと、なんだかんだ言って良かったじゃんと思わせてくれるお話でした世にも奇妙な物語のようで面白いお話です
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(67文字)
最初から最後まで展開が読めなくて、ちょっとゾクッときたり、うらやましいと思ったりと読者を絶叫マシンに乗せたまま物語のラストまで突っ走りますが、最後は主人公が、1番願っている事で落ちついた所が、素敵だなと思いました。とても、読みやすくそして素敵な作品です!!
誕生日の前日に、主人公の太田は付き合っていた彼女から振られてしまう。 意気消沈した彼は、どうにか家にたどり着くとそのまま眠り込む。 ――目が覚めると、信じられないような出来事の連続だった。 これまで読んだことのない内容で、結末を含めてすごく印象的な作品でした。どういうことか知りたい方は、ご一読を。