幼馴染の自動販売機にプロポーズした経緯について。

作者 二宮酒匂

2,313

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★★★ Excellent!!!

タイトルから少し敬遠してたけど、いざ読んでみると面白過ぎて一気に読んじゃいました。時間の流れが速いから人によっては読みづらいかもしれないけど、その分テンポが良く自分にとってはすごく読みやすかったです。最後はハッピーエンドだし、まぁ取り敢えず読んで絶対に損はないです。

★★★ Excellent!!!

当時更新されていたときに読み、以降私の中でカクヨム史上ナンバーワンです。数年が経った今でも変わりません。

何よりも読んでいて心地の良い美しい文章、そしてそれによって浮かんでくる情景。
幼馴染がとても可愛いし、主人公も一途で可愛く、一生懸命なところはかっこいい。

シリアスなシーンと甘々なシーンの見事な起伏で、どんどん先が気になってしまう…そんな小説です。

★★★ Excellent!!!

章構成から、それぞれ違うテーマなのかなと思っていましたが、時系列で区分けしたひと繋ぎのお話でした。一途……であり、ちょっとひねくれた恋の物語。
人に歴史ありとは言いますが、それぞれの時系列で体験した出来事が、後々の話に活かされていると感じました。よく練った構成だなと。
あと自販機の精ちゃん可愛いですね。

★★★ Excellent!!!

最初は最近ありがちな題名のラノベなのかなぁと思い手を伸ばしてみた。
(書籍で読んだわけではないけど)

ところが読後に抱いた感想は一転し、なんと軽妙洒脱な物語!
作者の慧眼を思えば幅広い年齢層に訴えるための工夫に違いない。

作中の言葉遣いやテンポも心地良く、美しい景色や香りが活発な自販機の精の様子と相まって脳裏で再現され、読書中非常に楽しく、またノスタルジックな思いに浸れた。(終わりへ向かうのが寂しくなるほどに。)

何より特徴的なのが度々登場する詩だと思う、調べてみた所明治のものだとか。筆者の文学と神道の博識さに脱帽した。

【当たりのおまじない羨ましいな、自販機の精の詩と香り気になるなと思いました。
そして〽の記号にハマった。笑
無料で読めて良いのかと疑うほどのクオリティだったので是非書店で購入して手元に残しておきたいと思います。
次回作楽しみにしてます!】

★★★ Excellent!!!

 彩り豊かに紡がれる、付喪神との恋物語。
 いつまでも変わることのない彼女は少年にとって故郷の象徴だった――

 目を引く一方で、一発ネタかと思ってしまう題名に、おそるおそる開くと美しい文体が飛び込んできた。私は小説を楽しむとき、想像したときの絵面の美しさが先に来ることが多い中で、この物語は聴覚に訴えてきた。

 何気ない会話が、やりとりが、惚れてるのだと叩きつけてくる。
 難攻不落にも見えたヒロイン、壁は高い中で老いることのなかった彼女にも変化が訪れる。結末は予想はついていたけど、それでも安堵と喜びでニヤリとしてしまう。

 とりあえず想像してもらいたい、美人のお姉さんが自販機に花をまいている姿を。萌えてしまった人は読むべし

★★★ Excellent!!!

びっくりしますよ?綺麗なお話でした。
流行りの長いタイトルだから敬遠してましたけど、とんでもないです。
夢中になって読んじゃった。

神道の描写も素晴らしくしっかりと書かれてるし、何より作中のうたがたまんなく美しい!
自販機の彼女の声で聴きたい!

ぜひいつまでも手元に居て欲しいお話です。
書籍買ってこよ♪

★★★ Excellent!!!

冒頭から引き込まれるように、最低限の文字で設定が記される。
そして、約7万文字ということもあってか、登場人物も主立っては主人公とヒロインの二人となる。

だが、この完成度はちょっと、ほかの投稿作品とは比較にならない
出版したり、賞をとった作品も含め。だ。

作者の詳細がプロフィールにあまりないし
このサイトの創設にあたって、角川から『お手本』として投稿されたプロの作品ではないだろうかと思う。

やおろずの神々や、宗教の専門知識も「素人はあまり知らない」が「わりかし一般的」なものを使用しているところや

詩によって、その場面を連想させる技術力など

ちょっと素人には表せない底力の深さを読んで感じた。

累計ではトップなのも頷ける。
むしろ、このレビューを書いた週間ランキングでは5位以内にこれがなかったことが驚いた程だ

今から物語を紡ぐ人は、ぜひ参考にするべき文法が沢山織り組まれている、プロの作品だ。

★★★ Excellent!!!

私自身、かなりひねくれた所があるので、所謂『人気作品』は敬遠がちなのだが。
この作品は、評価に値する、高評価作品であると実感する。
まず、タイトルが中々、混沌なのだが。

内容を読めば「なるほど、そうきたか。」と感じ取れる。
舞台は現代日本に近い感じを受けるが、自販機と、自販機の精のイメージが何となく、平成初期の空間を生み出しており、それが、読者の年齢によっては『恋心』に近いカタルシスを生んでいる。

また、ヒロインの自販機も、最近のこういった作品には珍しい、押しに弱い知的美人。なのが強みだと思う。こういったヒロインは現在ではあまり受けないようだが、正直、日本女性はこうでないと。という筆者の強いイメージが彼女の魅力をグイグイ引き出していた。この文法や表現は物書きにとって、かなり参考になるポイントだ。

最後は詩と、和傘の中で二人を隠す蜜時で、この作品は幕を閉じる。
その瞬間に「ああ、もう少し彼らの時間を見たかった。」と感じさせられたのは、カクヨムでは、この作品しか私は存じない。

少し、高校時代の夏の夜を思い出してしまった。

★★★ Excellent!!!

物に命が宿った物語にありがちな、悲しいラストを迎えると思ってたのですが。……いい意味で裏切られました。
読後感がとてもよく、あたたかい気持ちになれます。

また文章も、もの凄く巧みで驚きました。
語句の選び方、リズム、漢字の開きなどなど、細部にまで気を配っているのがわかって、読んでいるだけで、自分の狂っていた文章感が正しく調律されていくのを感じるほどです。

楽しい時間をいただき、ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

改めて装丁を拝見するに、作品の内容なり雰囲気を醸し出した、良い図柄ですね。既に読んだ作品ですが、店頭に並び始めたら買いに行こうかどうしようか、と悩んでいます。
カクヨミ内の評判が高いのには気付いていたのですが、タイトルに引いていました。遅ればせながら読んでみて、早く読んでおけば良かったと思いました。
彼女が口遊む幾つもの歌には出典があるのでしょうか?1つは島崎藤村だと出典が明かされていますが、それ以外はどうでしょう。出典が有ったとしたら、数あるうちから適切な歌を選択する博学に脱帽ですし、自作ならば、その技量に脱帽です。これらの短歌がアクセントとして効いています。
また、作者が神主の御家族でないなら、用語や祝歌に関する博識に脱帽です。
これらを背景に、主人公と彼女の遣り取りを平易な言葉で会話させ、行動や心情を表現しているので、すんなりと物語の中に入っていけます。
そして、まさに本の装丁のような映像が頭に浮かんできました。

★★★ Excellent!!!

現代のラブコメでありながら古風な描写もあり、そのせいか何十年か前の景色を思い浮かべて読んでいました。様々な要素があり(細かいことを言い出したらキリがないくらい)楽しめました。
しかしながら読んでしまったことに若干の後悔もあります。この次に読む作品選びのハードルがかなり上がってしまったので。書籍化、納得です。

★★★ Excellent!!!

この作品を読んで初めに思い浮かんだ感想が、物にも命が宿っているという言葉でした。
本当に自販機が生きているような、そんな感覚を味わえました。
身近にある物に、彼女のような付喪神や妖精が宿らないかと期待してしまいます。
読みやすく、登場人物にも好意が持てる素晴らしい作品。
まだ読んでいない方に、ぜひおすすめしたい小説です。

★★★ Excellent!!!

自販機の付喪神というマニアックな女神に恋をした主人公が、彼女と結ばれるまでのイチャラブストーリー。一気読み余裕でした(ほめ言葉)
 しかし終盤、主神様が彼女を○○したのって「お前らイチャイチャしすぎ」と嫉妬したせいなのではと邪推したり・・・。

★★★ Excellent!!!

これほど印象的な作品が(今だけかもしれないが)無料で読めてしまうなんて……。

こんなことされたら、プロ作家は食っていけなくなるんじゃないのか?

カクヨム、レベル高過ぎだよ。

コンテストで選ばれるにふさわしい作品と納得した。
が、同時に出版界の将来に危惧を抱く。
今までと同じビジネスモデルでは、この先やっていけないね、作家も出版社も。