丹寧

高校生三年生の遥貴は、同い年の沙世とひそかに付き合っている。ふたりで地元の大学合格を目指しながら受験勉強に励んでいたものの、ある日その歯車が狂い始める。 全４話の短編です。ステキ…

ニューヨークに住む皐月は、ある日グランドセントラル駅である匂いに気づく。誰も彼もから漂うそれに、皐月は昔とらえたある匂いを思い出す。ある意味特殊設定ミステリです。 ステキブンゲイ…

終電を逃し、数駅先まで線路沿いを歩いて帰宅することにした麻依と政樹。 付き合い始めたばかりの彼との関係を一気に進めたい麻依に対し、政樹は及び腰。 歩き続けながらとりとめのない会話…

「国乱れる時、怪異あり」と伝えられる瓊国では、後宮ですら怪異がみられる状況となっていた。 現れる怪異や霊獣の背景をひも解き、国を揺るがす謎に迫る連作短編。 公募の〆切との兼ね合い…

東京での仕事を離れ、祖母の住む壱岐島でゲストハウスを開業した瑠唯。ところが、開業初日に人語を話すオッド・アイの白猫にからまれ、「神の化身である自分を養え」と迫られる。 神を意味す…

天象が読める風神の末裔・夕星は、ある日故郷と許婚を失う。 姿のない近衛・葉隠に助けられ、落ち延びた筑紫洲。 そこで大国を統べるのは、日の神の末裔の巫女・日向大王だった。 大王に仕…

大切な存在を喪った人のための、グリーフケアのために開発されたアンドロイドの主人公。 若くして妻の美桜を亡くした直人に、美桜の記憶を移植された上で寄り添うことになる。 しかし、亡く…

女王・台与の命で伊勢平定に向かった騒速は、かの地を治める伊勢津彦の遁走後、人々を束ねることに。 伊勢津彦の娘と婚姻するよう申しつけられ、妻の狭依を想って悩むが、新たな問題が持ち上…

ウクライナの戦争のニュースにじりじりする中で考えたこと、映画や旅行で学んだ欧州史と結びつけて書いてみます。 というより、中東欧史を知るための作品紹介という感じかもしれません。 不…

映画もご飯も旅行も、何だってやろうと思えばひとりでできる。 ひとりでも映画は楽しいし、ご飯は美味しいし、旅は新鮮だ。 でも、そんな時間が思い起こさせる別の感情も、ソロ活動の良さの…

スマホがなければ生活できなくなった近未来では、スマホを通じた監視社会が成立していた。 監視の目を逃れられるのは、紙と文字によるコミュニケーションだけ。 その手段である紙や印刷機、…

私生活がぱっとしない社会人女性・科野柚季は、同僚の高野に彼女がいない理由を探れと密命を受ける。 期待を一身に受けて調査に乗り出した柚季は、かつての同僚の二次会である事実に気づく。…

この人、私のこと好きだな、と直感が囁いた。 私はもう大人になって何年か経っているし、自分で自分の取る道を選べる。 子どもにとって危険なことでも、私にとっては大丈夫だ。

天之比登都柱（あめのひとつばしら）とも呼ばれる伊伎洲（いきのしま）に、月神と雷神の末裔が降り立った。 二つの氏族は交わることなく並存していたが、ある日、月読の嗣子が雷の娘に恋をす…