小学校の「とめはねはらい」が厳しすぎる、というニュースに、ふと思い出したのがこの作品。厳しすぎるのはどうかと思うけど、もし、デジタルだけになって多くの人が自分で文字が書けなくなったら……ひょっとしてこういうことも起きるのかな? と、思いました。大切なことは、無くしてから「大切なこと」だと理解する。果たしてこういう未来になるかどうかは……私たち次第ということなんでしょうか。それともひょっとして、手遅れなのかしら?
国外のSF小説に、華氏451度というものがあります。本作も冒頭で発禁書の存在を提示しており、監視社会を物語る描写がいくつも散りばめられています。 私たちが暮らす現代においても、監視社会の一端が見え隠れし、表現の自由を謳いながら規制されるものも多くなっています。 本作はKAC2021用に書き下ろされたものですが、ディストピアを連想させる下地は、読者に無限の可能性を提示できる素晴らしいものです。 いつか来る監視社会について、貴方も思いを馳せてみてはいかがですか?
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