いつか味わうかも知らない、監視社会の一端

 国外のSF小説に、華氏451度というものがあります。本作も冒頭で発禁書の存在を提示しており、監視社会を物語る描写がいくつも散りばめられています。
 私たちが暮らす現代においても、監視社会の一端が見え隠れし、表現の自由を謳いながら規制されるものも多くなっています。

 本作はKAC2021用に書き下ろされたものですが、ディストピアを連想させる下地は、読者に無限の可能性を提示できる素晴らしいものです。
 いつか来る監視社会について、貴方も思いを馳せてみてはいかがですか?