概要
自分がどれだけ馬鹿だったのか、今なら分かる。でももう戻れない……。
「なんで……なんでよ!なんで私が──!!なんでよぉ……。」
判決を下された少女は泣き崩れた。
被告人 佐河伊織 享年15歳
同級生に冷遇されていた報復としてその中枢にいた人物を社会的に貶めようと目論み、自殺した。
結果それに成功し、報復の対象となった人物は苦難の現状にある。
自殺の起因となった同級生からの冷遇も本人の身の振る舞いから発生したことであり、情状酌量の余地はない。
また被告人に己の行動に対する反省は見られない事からより罪が重いものと判断する。
よって被告人を刑罰20年、等喚受苦処(とうかんじゅくしょ)の刑に処す。
死後の裁判で下された判決によって地獄の刑罰を受けることとなった伊織。
刑罰の拷問から逃れようと足掻く中、突如として起きた天変地異により見知らぬ世界への
判決を下された少女は泣き崩れた。
被告人 佐河伊織 享年15歳
同級生に冷遇されていた報復としてその中枢にいた人物を社会的に貶めようと目論み、自殺した。
結果それに成功し、報復の対象となった人物は苦難の現状にある。
自殺の起因となった同級生からの冷遇も本人の身の振る舞いから発生したことであり、情状酌量の余地はない。
また被告人に己の行動に対する反省は見られない事からより罪が重いものと判断する。
よって被告人を刑罰20年、等喚受苦処(とうかんじゅくしょ)の刑に処す。
死後の裁判で下された判決によって地獄の刑罰を受けることとなった伊織。
刑罰の拷問から逃れようと足掻く中、突如として起きた天変地異により見知らぬ世界への
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!その旅路は、少女の“生”を変える
自殺したことをきっかけに主人公が地獄へと落とされたところから物語が動き出す異色のファンタジー。序盤は主人公である伊織が地獄にて罰される過酷なシーンが続きますが、とある出来事によって彼女は異世界へと迷い込み、自らの起こした過ち、そして魂の在り方について見つめ直します。
主人公である伊織は序盤では被害妄想が強めで自滅的とも思える立ち振舞いをすることが少なくありません。読んでいて共感出来る部分があまりないというところが非常に斬新で、むしろ第三者として読み進められたので新鮮でした。しかし全く好感を抱けないという訳ではなく、現代に生まれたが故に思い悩む場面も多く、だからこそ行命との旅で心身共に成長して…続きを読む - ★★★ Excellent!!!過ちを過ちと知ってこそ
若さゆえ、取り返しのつかない過ちを犯してしまった主人公。
過ちは取り戻せないからこそ過ちと書くもので、本来ならそこで全てが終わってしまうはずだった。
しかしこの物語では、彼女に“続き”が与えられる。
その“続き”が救済なのか罰なのかは分からないけれど、彼女に一つの機会が与えられたことは事実。
その機会で、彼女は過ちを過ちと知る。
そんな彼女は何を思い、そうして何を選ぶのか。
それを見届けられる機会が、私たち読者にもまた、与えらえた。
人の感情を奥深くまで書き切ろうとする繊細な心理描写、細部までこだわって作り上げられた和風ファンタジーの世界観、そうして至るところに散りばめられた伏線。
読めば…続きを読む