その神奈備に、弔いを

作者 硯哀爾

67

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★★★ Excellent!!!

世間の風潮から断絶された山奥に、ひっそりと佇む金峰村。

主人公である篝はその牢屋で目を覚ました。

彼は、村の祭事に纏わる陰鬱な災禍の生贄として捕らえられたのである。

しかし篝は理不尽な現状に屈しなかった。

迫る刻限の中で僅かばかりの自由を駆使し、彼に同調する個性豊かな協力者達の力を借りて、村の謎に追求していく。

しかし深みに潜れば潜るほどに新たに現れる謎。影のようにチラつく、ここには居ない誰か。

徐々に浮き彫りになっていく、幽世にも似た異質な領域に青年は震撼した。

しかし、明かされたその背景には、邪悪、憎悪とは別に人間としての情愛と悲懐があった。

最後まで読んだ人はもう一度、読み返してみてほしい。

序章の言葉が誰のものであったのか。ふとした言葉がどんな意味を持っていたのか。

それを知れば、当時とはまた違った感情を覚える事になるだろうから。

★★★ Excellent!!!

土俗的ホラーと思って読み始めましたが、それだけにとどまらない、奥行きと広がりを感じさせる物語です。登場人物も舞台となる村も謎めいていて、読めば読む程グイグイ引き込まれて行くような、恐ろしくも美しい、唯一無二の世界観。そして驚愕の展開が待っています。
登場人物がみな強烈な個性を放っているので、ぜひ漫画化してほしいですね。

★★★ Excellent!!!

落ち着いた文章が描き出す世界観は陰がありながらも、登場人物たちの様子が鮮やかに浮かんできます。
主人公の篝は、容姿端麗な中性的な青年ながら、性格は尖っていて存在感ばっちりです。
重厚な空気の中でも、彼のキャラクターも手伝ってストーリーが停滞なく牽引されていきます。
いわくありげな村の恐ろしげな伝説から話がスタートしますが、その後の新たな展開も見逃せません。

★★★ Excellent!!!

閉鎖的かつ古い因習が残る山奥の村、金峰村に攫われ、土着神に捧げられる神楽を舞うこととなった主人公、篝。村で出会った協力者たちと共に、村が抱える秘密へと迫っていくが、彼にもまた秘密があり――?

登場人物たちの事情や世界観が少しずつ明らかになってきたかと思いきや、かなり気になる新たな謎が残されていく。読み進めるほど次話を求め、はまり込んでしまう作品です。

★★★ Excellent!!!

地の文が整った和風の物語です。
序盤、登場人物には艶めかしい、ともすると病的なまでの美が感じられ、作者様の構築された妖しく仄暗い世界観に、すっと惹き込まれていきました。

生贄を捧げることで続いていく村祭り。
美貌の青年が「娘」の身代わりとして攫われ、犠牲無き祭りを求めて奔走します。
旧き伝承と信仰を新しい形に成し得ることは、はたして可能でしょうか。
登場人物の魅力と躍動が感じられる物語です。是非どうぞ。

★★★ Excellent!!!

和風ファンタジー。
時代小説的なものは読まないので正確にはわかりませんが、文章が独特で、おそらくはそういった界隈の書き方なのかなと思いました。ですがとても読みやすいのでまずはぜひ、読んでみてください。
ゆっくりと文字を目で追いながら、頭のなかに情景がじんわりと浮かんでくるすてきな文章です。