ある日、化け物としての側面が目覚めてしまい、過ちを犯してしまう主人公の王女、ファルトゥナ。死を望む彼女はしかし、行方不明の姉、ビアンカを探す目的を得て旅に出る。その道中で多くの人々と出会い、仲間を得て、ファルトゥナは成長していきます。
けれど、ファルトゥナは何度も、自分の中に潜む化け物に苦しめられ、捻くれていることもあり、辛辣な言葉を吐いてしまう時もあります。そんな彼女を支える仲間が頼もしく、そして、強く前へと進んでいくファルトゥナの姿が、抱きしめたくなるほど愛おしい。
幸あれと願わずにいられないファルトゥナの成長模様もさることながら、様々な風土を持つ世界観も素敵です。そんな世界を行くファルトゥナたちの旅を、ぜひ追いかけてみてください!
クールで強気な、それでも恋する人の前ではどこか可愛らしい姿を見せてしまう王女ファルトゥナ。
穏やかな始まりから一転して、過酷な運命にのみ込まれていきます。
果敢に運命に挑みながらも、いくつもの辛い別れを経て、やがて出会った、ややくせのある不思議な青年。
その出会いをきっかけとして、さらに多くの人たちと出会い、少しずつ変わっていく彼女の姿と、それに惹きこまれていく彼に、いつになったら進展するのこの二人……!とひたすらにドキドキしながら見守ってしまいました。
少しずつ、でも時に大胆に甘く変わっていく二人の関係に思わず笑みがこぼれますが、それでもなかなか一筋縄では行かなそうなこの先の展開がとても楽しみです。
繊細な描写と豊かな世界観が素晴らしい一作。おすすめです!
冒険、魔法、吸血鬼、とファンタジー好きに響く要素を具えているだけでなく、主人公たちの人物描写も楽しく、続きが読みたくなる作品です。
主人公のファルトゥナは、語弊を恐れずに言えば意地っ張りでわがまま。
それでも通用してしまうだけの地位や強さを持っていたために、彼女の本心に迫ることのできる人は今までいませんでした。
すべてを失って冒険の旅に出た先で、幸か不幸か彼女をお姫様扱いしない人材たちに巡り会います。
彼らの言動行動をあの手この手で突っぱねがちなファルトゥナの、心の機微がほんの少しずつ変わっていきます。
自分自身の体と心を持て余しつつも歩みを止めないヒロインを、ついつい追いかけたくなって続きを読んでしまうお話です。
ファルトゥナは、憎まれ口をたたくものの、それはお姫様の生活からくるものであったのだろう。
しかし、ある事件を境に旅に出るファルトゥナ。
それからの、彼女の言動は、相変わらずであるが、以前のものと異なり、どこか自暴自棄的なものがある。
自分のせいで大切なものがなくなったことが、常に付きまとっているのであろうか。
城を抜け出したファルトゥナはキッドと出会う。
キッドは最初はダメな奴と思いきや・・・
しかし、キッドはファルトゥナの身の上を分かっていながら、彼女を支える。
それはなぜ?ファルトゥナの母の遺言と重なり合う自分の過去。
ファルトゥナをかばい続けるだけの過去があるというのであろうか?
しかし、私が読んだところでは、まだこの過去が分からない。
徐々にファルトゥナの心にも変化がみられてくる。
さてさてこの先どうなることか楽しみです。
両親との悲劇的な別れからはじまる、
ダルシュアンの王女ファルトゥナの旅。
私はもう主人公ファルトゥナの大ファンです!
彼女の健気さとひたむきさには勇気付けられ、
そして見守ってあげなければと思わせる不安定に心を震わされます。
読んでいるとわかりますが、かなり無謀というか、
王女様であったという温室育ちも相俟って、かなり危なっかしい。
そんな彼女に手と共に歩む相棒も登場しますが、
彼もまた一癖、二癖あり、ファルトゥナの旅に安息はありません。
全編を通して感じるのは、主人公ファルトゥナの葛藤です。
犯してしまった罪への悲嘆と、そんな中でも先へと進もうとする渇望、
相反する終わりと再生の物語は、彼女の紡ぐ長い旅路のなかで、
出逢いと別れを繰り返し、やがて大きなうねりとなっていきます。
そして彼女のなかに潜む大きな秘密は、
このレビューを書いている現時点ではまだすべてが明らかなっておらず、
深い運命を感じさせながら、彼女の旅路を彩り、時には危険をもたらします。
普段は冷静な皮肉屋の王女ファルトゥナが、
その身に受け継がれた血の呪いに立ち向かい、
行方不明の姉を捜し出すためにはじまった旅。
終焉と共に在りながら、多くの試練と、
ほんの少しの光を頼りに進んでいく物語は、
きっとあなたの心を揺れ動かすでしょう。
その旅路の果てにあるのは更なる破滅か、新たな希望か――
ファルトゥナの旅を、どうかいっしょに見届けてください。
旅路の行く末は、いまあなたの手の中に。