友士灯―ともしび― 探求編

作者 葉霜雁景

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★★★ Excellent!!!

物の怪の蔓延る世に、人を護るため生み出された妖雛。
彼らは長じれば人妖となり、道具としてただ物の怪を倒すことを求められる。
夜蝶の志乃こと花居志乃もまた、そのような生を歩むはずだったが……数々の出逢い、経験、想いが彼女の心を育んでいく。

腰を据えて読める、本格派和風ファンタジーです。
特に優れているのが、人でもなければ妖怪でもない主人公・志乃の難しい心情を、逃げることなく丁寧に描かれている点です。
我々人間とは違った感性の彼女が、物事をどう捉えて何を思うかは、想像で補うのもなかなか難しいことだと思いますが、こちらの作品ではその全てが説得力があると言いますか、納得できる形で描き出されています。
少しずつ、でも着実に人の心に寄り添おうとしていく志乃。いつの間にか、彼女を応援したくて堪らなくなっている自分に気づかされます。

そして彼女を取り巻く人物たちも、皆魅力的で。
特に同年代の妖雛である芳親、そして治療術の使い手である茉白——志乃にとって初めての友達となる二人とのやり取りは必見です。

丁寧な筆致で描かれる、濃密な和風ファンタジー。
描かれた世界を心ごと旅できる素敵なお話で、大変お勧めできる一作です。

★★★ Excellent!!!

しっかりと練られた設定に世界観、それらが食事や会話といった何気ない場面でマッチしています。
またそれらが無理なく語られ、自然とキャラクターの動きを追いつつ友士灯の世界に入れます。
人間に災禍をもたらす異形、物の怪。
人でありながら妖の面も併せ持つ妖雛。
そして主人公『志乃』は妖雛の少女で、物の怪を討伐する宿命を背負い……
和の風情と魅力的なキャラクター、それらが丁寧に練られた世界の中で活躍する物語。

テンポよく、それでいて一話事に気になる構成力には脱帽です。

★★★ Excellent!!!

物の怪。人間に災禍をもたらす異形の化物は、そう呼ばれています。
討伐するために置かれた守兵遣。
その中に妖雛(ようすう)と呼ばれる少女、志乃が居ます。

妖雛。人間でありながら、妖怪としての面も併せ持つ存在で、高い戦闘能力を持ちます。それは、物の怪への対抗手段を持つということ。
その対抗手段は多い方が、いい。

人で在ると同時に妖怪でも在る『夜蝶の志乃』こと花居志乃が、進む道を照らす灯りを見付けようと、心の幼さが弱さに繋がる世界で、心の研鑚の旅に出る連載中の物語です。

登場人物が見付ける灯りの色を見届けたくなるような、綺麗な日本語で紡がれた物語。
ぜひ、どうぞ。

★★★ Excellent!!!

 妖雛(ようすう)。人間でありながら妖怪でもある存在。「物の怪」と呼ばれる異形の魔物と戦う宿命を背負った妖雛の少女を主人公にした、和風ファンタジーです。

 三人称でありながら、情感豊かに綴られる地の文。
 重厚に練りこまれた世界観。
 自分の事を「俺」と呼び、明るい口調で話す妖雛の少女、志乃。一見おどおどしているようで、凜とした佇まいを見せる妖雛の少年、芳親。彼女らを取り巻く、魅力的な登場人物たち。
 本作の魅力はそれこそ語りつくせない程あるのですが、なによりもテンポよく進む物語でしょうか。
 世界観を説明しながら、どんどん展開が進行していく第一章。
 志乃の過去に触れ、一転しておだやかなテンポで進む第二章。
 読めば読むほどに、巧みな構成力に舌を巻くこと請け合いです。

 ──長閑な春の道。
 ──ゆったりと進んでいく彼女たち。

 志乃が辿った冒険活劇を、追いかけてみませんか?

★★★ Excellent!!!

じっくり丁寧に書かれたことが伝わる文章の中に、和の風情と登場人物たちの個性が詰まっています。
食事や会話など、何気ない場面の中にも、作りこまれた世界観が醸し出す雰囲気を楽しみつつ、主人公・志乃のファンになっていきました。
丹念に世界観やキャラクターの内面を読み解きたい方におすすめです。
描写が優れているあまり、時々飯テロが潜んでいますのでご注意を笑

★★★ Excellent!!!

まず、タイトルの三文字を「ともしび」と読むそのセンスに脱帽しました。
和を基調とした世界を舞台にした、時代物のファンタジー。かといって堅苦しさはなく、個性豊かなキャラクターの彩りはさることながら、丹精に作り込まれた世界観や美しく精緻な文章もあって非常に読みやすい作品となっています。
様々な人、そして妖怪との触れ合いを通して、主人公である志乃が見るものとは。一話読むごとに、早く続きを読みたくなります。是非ご一読を。