彼らが求め 宿そうとする灯は

 人の身の中に妖怪の血が入っている人であり人ならざる存在の妖雛。人ならざる力を持つためか、人とは異なり欠落している部分がある。この世界の夜蝶街にて妖雛の花居志乃は働く。彼女は常に笑っているがどこか空虚であり、泣くことも怒ることもせず、ただ笑っているだけ。いつものように自警団で働く彼女は直武と妖雛である境田芳親に出会う。

 志乃と芳親の関係性はお互いに認め合う仲であり、この二人の家族のような、血を分け合った兄弟のようなやり取りが良いです。
 二人は良き友人関係ですが、志乃と芳親には抗わなくてはならない、もしくは抗えない定めのようなものがあります。それを抗うのか飲み込まれれるのかは、二人と周囲の人々次第。
 空っぽな志乃がその身に灯を宿すとき、彼女が旅を通じてどのようにその身に灯を得ていくのか。見届けて見てはいかがでしょうか?

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