妖の雛は人を識るのか

人でなければ妖でもない存在がある。いや、本当はどちらでもあるのか。けれど、どちらでもあることは、どちらにもなれないとも言えよう。
ある意味狭間で揺れているような、けれどどちらにもなれない存在が、それでも心を育んでいく。
では果たして、どちらでもないものを何と呼ぼうか。

どこまでも丁寧に、ともすれば覆い隠して逃げてしまいそうな部分まで綴られた、腰を据えて読みたい和風ファンタジーである。
己のしたことは必ず己に返り、どうしても逃れられるものではない。
けれどそんな息苦しさすらも愛おしく、そして応援してる背を押したくもなるのだ。

ゆっくりと丁寧に、この物語を紐解いて欲しい。
ぜひご一読ください。

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