毒婦、という言葉がありますね。要するに悪い女のことです。この作品に出てくる女(ひと)は、とんでもなく悪い女です。ええ、まあ、本当に。しかし、坂水さんの書く悪い女には抗えない魅力がある。女がどのように自分の身体を持って、どのように生きてきたのか、そして生きていくのかを、職人が器を練り、釉薬をかけて削り、焼き上げるかのように坂水さんは言葉にすることができる書き手です。さあ、その世界をとくと味わってください。……くれぐれも過ぎぬように、どうぞお気をつけて。
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