2LDK賃貸物件の恋

　読了後目頭を押さえた者です……いやぁ、不覚にもやられました。

　序盤は（物件ですが）ほんのりと某ブレげふん変なロボが脳裏をよぎり、中盤は思わず何度もツッコみ、終盤ではまさかの展開に言葉にできず……。

　ネタバレしたくなかったので「ちょっとお前何書いとるんや」的な文章になっていますが、1万字無い短い作品にも関わらず、とても濃くて深い物語でした。

　読ませていただきまして、ありがとうございました。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（105文字）

電車に乗っているときに読んで、声を出して笑ってしまった。

住宅の擬人化というアプローチ自体は他にもあると思うが、
ただ思考するだけでなく感情表現が設備や機能と連動しているのが新鮮。
それも単純に映像に寄せるのではなくて、
「トイレのタンクの水漏れちゃう。」のように、
文章だからこそスッと意味が入ってくる面白さがある。

中盤からの超展開に唖然＆興奮。
加速する物語に振り落とされないようについていく読書体験が楽しい。
笑っちゃうけど切なくて、変態だけど純粋で、
エンタメってこれだと幸せな気分になる短編作品でした！

予想の斜め上をいく展開に脱帽です。

タイトルや冒頭で、「あぁ、なるほど、こういう話ね」って、思った瞬間にまさかの展開。
「ん？　え？」と驚かされました。
予想外の情報に戸惑いを隠せません。

とにかく、読んでください。
おすすめです。

おしゃれなバーでカクテルを待っていたら、隣のお客様からです。と次郎系ラーメンがカウンターを「僕は飲み物だよ！」と言いながら滑ってきた。例えるならそんな感じだろうか。
もしくは、いちごパフェをファミレスで頼んだら、はいよ！っと油ギッシュな店長が野菜マシマシチョモランマ背油多めをゴトッと机に置いた。そんな作品でした。

多くを語る必要はここではありません。
あなたの想像を超えてくる作品であると伝わればそれでいい。
しかし、安心してください。

ぎっとぎとの油まみれのお口の最後には、店長がふふっと笑いながらいちごパフェをくれます。ひんやり甘酸っぱい、そして切なくも美しい。
そんな作品でした。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（1105文字）

　いやいやいや、ハッピーエンドですよね？
　でも、なんで世界の終わり感が？
　はい、おもしろければなんでもいいんです。

　人間が好きな主人公。彼女のほんわかとした生活が続くのかと思いきや、風向きが変わり彼女は運命の渦に巻き込まれて行きます。
　現在3月ですが、私の中で上半期1番驚いた作品になりました。驚きたけじゃなく感動も！主人公の感情表現が好きです！

最初からハテナが出てきそうな、でも何故か気になってしまう物語は中盤からトリプルアクセルみたいな方向転換を迎える。
変な声が出るくらい予測不能。
なのに面白い。
すごく面白い。
読み終えた後は、ただ二人（？）の幸せを願わずにはいられない一作。おすすめです。