勇者のクズ

作者 ロケット商会

1627

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★★★ Excellent!!!

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書籍を読みましたが、こちらでも読ませていただいてます。
どこか人間臭い不完全な主人公の語りが自分には共感がもてますよね。
脇を固めるキャラクターたちもいい味出してます。

★★★ Excellent!!!

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タイトルとジャンルを見て「え?」と思ったものの、読んでみてビックリしました。その入口の巧妙さとまた文章がとても読みたくなるもので、参考になりました。

★★★ Excellent!!!

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興味深い世界設定に引き込まれました。
世界には見ることも触れることもできないギミックが満載で、エーテル知覚がそのいずれかを認識・接触可能にすることで異能を引き出す。
薬物乱用をイメージする描写や乱暴な言動は好みが分かれるところかもしれませんが、物足りないほど一線を越えない健全な作品です。
とりあえず《嵐の柩》卿が不憫で可哀想で可愛い。間違いない。

★★★ Excellent!!!

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勇者が魔王を倒す、かなりありふれ
定番のお話、それがこの作品は違う
倒すのは同じでもやっぱり違うと
言いたくなる展開に(笑)

倒した魔王をパシらせるどころか
倒してないのに、またはただの
敵相手してもパシらせようとする
勇者など、この物語の主人公
だけだかなと、思います(笑)

★★★ Excellent!!!

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書籍から入ったのでWeb版とはまた違うかもしれないがそこはご了承いただきたい。

客観的に見てもヤシロは決して吟遊詩人の歌や何かしらの英雄譚で語られるような英雄ではない。
我々現代社会ではその辺にいるヤクザくずれと大して変わらないだろう。
しかし、友達のために戦う姿はまさに勇者そのものだと言っていい。
英雄でこそないが、彼もまたれっきとした勇者と呼べる人間だろう。

第2巻待ってます。

★★★ Excellent!!!

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『魔王』と呼ばれるヤクザと、それを退治する『勇者』と呼ばれるアウトローの物語。

現代社会を舞台にしていながら、『魔王』や『勇者』や『アーサー王』などファンタジーな要素も取り入れた面白い舞台設定もさることながら。
そのキャラクター一人一人の魅力で、ぐいぐいと引き込まれていきました。主役級はさることながら、脇役の一人にいたるまで魅力的。

主人公の一人称で語られる物語ですが、その主人公が強いのに完ぺきではなくて欠点やアラも多く、どこか親しみが持てるところが一番引き込まれる要因かなと感じます。
その語り口調が、コミカルでなんとも面白味があります。

続き、楽しみにしています。

個人的には、《嵐の柩》卿と主人公の関係が気になります!



Good!

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確かに面白い。地の文もぐいぐいと読ませるし、キャラクターにも魅力がある。
でも、この作品はたぶん、無理やり「勇者」「魔王」というワードを使わなかったとしても破綻なく小説世界が成り立つだろうし。
そこへあえて「勇者」「魔王」というキャッチーな単語を入れたことによってネット小説の読者層を大量に取り込むことに成功したのだろうと思う。
マーケティングの勝利ですね。ある意味。

★★★ Excellent!!!

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中身が、ひたすらに陰湿でどろどろとした人間の側面を描くところが多いです。
ですがキャラクター一人一人が癖の強いキャラなので退屈させることなく話が進みますね。
結論として、《神父》好きですよ。

★★★ Excellent!!!

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 テンプレと王道の違いはどこだろう? 読みながらついそんなことを真剣に考えてしまった。ハイテンポで進むストーリー、派手で痛快なアクション。ダークでシビアな世界観。斜に構えた主人公と、彼を慕う美少女たち。ライトノベル、それも流行り物の要素をたくさん持っている。それでいて少しも安っぽくない。
 主人公のヤシロがとてもいい。自分や仲間のことをどうしようもないクズの人殺しだといい、口が悪く、粗暴で、性格はねじまがり、安っぽいチンピラのように振る舞う。だけど芯のところに捨てきれない理想を持っている。お人好しで、熱いところがあり、だけどそれを自分では認めたがらない。
 読んでいて胸の熱くなる作品。

★★★ Excellent!!!

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 スペンサー、ニール・ケアリー、あるいはウルフガイといった作品が好きな方におススメです。
 ドラクエ的勇者の再解釈物は数多くあれど、そこに現代の騎士たるハード・ボイルドヒーローを絡めた所がステキでした。
 また一人称でアクションを描く時にしばしば難しくなるテンポの問題を、主人公の能力が綺麗に解決しているのがスマートだと思いました。
 それと西洋剣術のバインドからの押し引きや刃の滑らせ方といった妙味が説得力十分に描かれており、そこも痺れました!

★★★ Excellent!!!

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 主人公の能力も相まって動きが割と細かく描写されており、動きの感じられる小説です。
 小説には、小説として読んでも面白いけど漫画になった方が、あるいはアニメになった方が面白いだろうな、と思えるものも多いですが、この小説は小説の描写量と脳内のアニメーションを組み合わせた状態が一番楽しめるタイプだと思います。つまり、普通に面白い。

★★★ Excellent!!!

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本作は、「エーテル知覚」と呼ばれる感覚を用いて異能を操る人間たち(これを「魔王」や「勇者」と呼ぶ)が描き出す、戦いと希望の物語である。
ただし、ここで描かれるのは、たいへん硬派で地に足の着いた戦いと、あまりにも軟弱で浮ついた理想論じみた希望である。
「エーテル知覚」には、使用者本人にしかその正体を知覚できないという特性がある。逆に言えば、異能の正体を知られてしまうことは戦士として致命的な弱点となる。こうした設定から生まれる彼我の異能の探り合いはもちろんのこと、武器術や格闘術から口八丁によるブラフまで、戦闘に関する知略を広く深く用いた骨太のバトルをわれわれ読者は堪能できる。
本作の主人公である「勇者」、《死神》ヤシロは、クズである。勇者以外の何者にもなれなかった社会不適合者、ケチなチンピラそのものであり、それを取り巻く友人たる勇者たちも、彼と同様に何らかの破綻を抱えた者しかいない。ヤシロは己がクズであることを大いに自覚しつつ、しかしクズなりのプライドを胸に抱いて日々を生きている。
そしてわれわれ読者は、ヤシロという勇者が帯びる破綻者ゆえの悲哀を直視せずには居られない。
「勇者なんてのはクズのやる商売だ」という言葉をヤシロはしばしば口にする。そして、ヤシロ以外の様々な勇者のありさまを目にするわれわれ読者は、彼の言葉を「全くもってその通りだ」と思う。なぜならこの作品に出てくる勇者たちは本当に尽くクズばかりだからだ。「勇者とはクズのやる商売である」という当たり前の事実を、ヤシロはやはり当たり前の事実としてわれわれに提示しているにすぎない。
そして、だからこそ、最終盤の彼が放つとある言葉に、われわれは胸を打たれずには居られなくなる。勇者以外の何者にもなれなかったヤシロが語る希望を、少なくとも私は笑うことができなかった。ケチな勇者が見せてくれた意地が、プライドが、私の目には最高に格好…続きを読む

Good!

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「俺はクズだ」って言ってるやつはテスト前に「俺ぜんぜん勉強してねーわ」って吹いてるやつくらいに信用できないと思っていて、何でかってそいつら大体、ちょっとプラスなことをしたときに「クズのくせにやるじゃねーか」って思われたい、期待値を低くしておけばどんなことをしても褒められる!って打算して「クズだよ」ってプラカードをぶらさげて歩いてるファッションクズなんだよな。
とくに異世界もの中心のネット小説で主人公の性格が悪いやつ、なんだかんだで善いことをしてるしなんだ捻くれてるけど善性じゃん可愛げあるじゃん別に許せるじゃんみたいなのが多い。そういうの見るたびに俺は心の中でそっと「こんなんクズの安売りだわ」って言ってきたし半額シールをそいつに貼ってきた。
けど勇者のクズの主人公はプレミアがつくレベルに高値のクズ。
強くて冷静で機転がきいて、相手の動きも仲間の動きもよく見て戦況をコントロールできる、やると決めたことをやり通す意志力もある、無敵ではないんだけどどんな状況でも頼れる高汎用性の能力も持ってる、憧れられてもおかしくないスペック、されど間違いなくクズ。心の底から友達になりたくないと思った。こんなのが隣に居たら正義を飾って自分の価値をアピールするとかできないよ。こっちのがクズだけど頼れるもん。

本編は可愛い勇者候補少女三人組がそんなプロのクズに「クズとはなんたるか」を体験学習で教わっていくお話。勇者はクズなので事実上この世界における「勇者とはなんたるか」というのが分かるようになっている。敵の魔王についてもいろいろと分かる。勇者と魔王と聞いて夢いっぱいでやってきた読者は吐きそうなほどに濃い泥臭さで描かれるこの世界の現実に「うわあ……」ってなることうけあい。こいつらファンタジー用語でVシネマやってるよ、とドン引きするかもしれない。
魔王に《卿》がついてるとか能力が《エーテル知覚》って名前…続きを読む

★★★ Excellent!!!

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「勇者なんて、最低のクズがやる商売だ」ーー主人公・ヤシロは事ある毎にそう口にする。勇者でありながら《死神》などという縁起でもない二つ名を持ち、常にドライでシビアな価値観で物事を捉える割に、少年のような青臭さを捨てきれない男。その青臭さは彼の言うクズ以下の存在に堕ちない為の線引きでもある。血生臭い抗争の最中でも、ヤシロがその矜持を手放す事は無い。それが意味する所は、なし崩し的に三人の弟子を取るに至り、嫌々ながら成長を助ける過程において、彼自身も自覚していく事となる。
だからこれは、現代の勇者譚である。例え過剰な暴力で武装したヤクザとチンピラの抗争の体を成していても、根底を流れるテーマは古式ゆかしい御伽話と通じている。即ち勇気と希望の物語だ。生き馬の目を抜く勇者業界にあって、それらを胸に戦い抜く事にどのような覚悟が、あるいは狂気が必要なのか。ヤシロの言う「クズ以下」に堕せば、もっと簡単に安全に世を渡って行ける事だろう。だからこそ、悪態を付きながらも自身の設定した最低限を護り抜く彼らの戦いは心を打つのだ。

★★★ Excellent!!!

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 この作品は非常に硬派な作品である。
 キャラクターはエーテル知覚と呼ばれる「自らの幻覚を現実に降ろす」異能を持つが、作中で行き交う戦闘技術は、精緻で堅実な剣術、体術が多い。
 異能にしても、万物を爆破する能力があるかと思えば、数メートルの高度優位を得る能力が極めて厄介に働き、戦闘前会話では隙あらば主導権を奪い合う。シビアな戦闘哲学がある。
 異能力者の犯罪者が『魔王』と呼ばれ、魔王狙いの賞金稼ぎのクズが『勇者』と呼ばれる世界。ただの珍しい異名にしか思えない『魔王』と『勇者』の名が、後半になって作品全体を貫く意味を持つ。深い感慨なしには追うことは出来ない。
 一方で、この作品はエンターティンメントである。凄腕の勇者であり最強のチンピラであるヤシロの下に転がり込む三人の女子高生。
 クール無愛想系美少女印堂、サラブレッド系世話焼きヤンキーのセーラ。正義に燃えるメインヒロイン(自称)(婉曲表現)城ヶ峰。
 こんなキャラクター達が、『最強のチンピラ』『元ダフ屋の今ホームレスの剣豪』『他人が背中を見せると襲い掛からずに居られない神父』などと共に、惨死した主人公の友人(倒した魔王の断末魔の声を録音するのが趣味)の真相を巡り戦うのだ。
 本来混じらわざる複合的なエンターティンメントの神髄がここにある。君も今すぐカードゲーム、ビール、ピザを用意して、クズではあるがクズ以下ではないヤシロ達の活躍を目に焼き付けるべきだ。

★★★ Excellent!!!

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魔王と勇者、それは人を超えた能力を得たヤクザとヤクザ殺しである。
そんなクズであると自覚する勇者ヤシロと、彼のもとに飛び入りで弟子入りする三人の『個性的な』ネジの飛んだ美少女勇者たち。
そんな少女たちに振り回されながら、師匠として、教官として、センセイとして振る舞わざるを得なくなるさまは、クズとそれ未満との差を浮き彫りにする。その中で、勇者ヤシロがクズではあるが、それでもそこに熱いものを燻らせているのが読み取れるだろう。
あとポンコツキ印カワイイ城ヶ峰、無口キリングカワイイ印堂、話の通じそうなセーラとヒロインズの徐々にヤシロとの距離を詰めていく言動も愛らしい。まあ、この作品の勇者らしく、近くにいてほしくはない存在だが。

★★★ Excellent!!!

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勇者とは名ばかり。実態はおいそれと手を出せない犯罪者を殺して生計を立てる賞金稼ぎだ。主人公は一貫して自分の職を「人殺し」、自分や同業者を「クズ」と呼ぶ。
いったいいつから、どこの誰が、そんなクズどもを「勇者」なんて大それた名前で呼び始めたのか?
傭兵とか賞金稼ぎとかハンターとか職業暗殺者とかとにかく何でも、クズたちに相応しい呼び名はあったはず。
けれど彼らは「勇者」と呼ばれた。いつかのどこか、魔王に怯える誰かにとっての彼らは、おそらく希望だったのだろう。

これは勇者の物語。
巨悪に立ち向かい困難に打ち克つ。弱きを助け強きを挫く…そういうストレートなストーリーではないにしても、古典的な「勇者」「魔王」の関係性を踏襲した、正義と勇気の物語である。


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あとすごいところ
・主人公がカッコいい
・主人公のわざがカッコよくてつよくてCOOL
・凄腕のチンピラと女子高生(しかも×3)の組み合わせとか好きな人絶対いるよね?
・設定のつじつまが合っていて面白い
・城ヶ峰さん苦手な人いるかもしんないけどレッスン7まで読めばかなり評価変わると思うのでそこまで読んでほしい。ついでに最終章を読めば完走だ!
・勇者仲間がみんないい味出してる

★★★ Excellent!!!

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正義感に溢れ、誰よりも優しく、勇気を持って悪の魔王と戦う存在、いわゆる勇者。
そんな平凡な勇者はこの作品には居ない。
絵に描いたようなダメ男を体現する性悪勇者に、正義に固執する自称美少女勇者、常識人ながらもビビリで元ヤンな令嬢勇者、不思議系クール女子な勇者…などなど、主要人物だけ取っても曲者揃い。
この作品の勇者たちが取る行動は決して賛美されるようなものだけではない。しかしながら彼らは単なるクズでは終わらないのだ。
彼らは皆それぞれに譲れないものを持っており、それこそが「クズ以下の存在」とは一線を画している要因だ。

そしてまた主人公である「ヤシロ」の能力は、同時多発的に起こる戦闘や瞬間的な動作を一人称で書くことにおいて、この上ない理由付けとなっている点にも注目したい。
その上で登場人物が「動く」物語を読むのも面白いのではないだろうか。あとはお供にビールとピザ、それから餃子も忘れずに。

★★★ Excellent!!!

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勇者=クズ、、、なんだけど、かっこいいところもあるし、かわいいところもあるし、女子高生の残念さもある意味リアル。
とにかくおもしろい。

あと、本編じゃない奴から、クズ共が可愛すぎるんじゃないだろうかと心配になる。

★★★ Excellent!!!

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たとえクズであろうと、クズ以下にはなりたくない。
正しいものを、善なるものをまっすぐに見据える、間違いなくここに描かれているのは現代における本当の勇者像である。

★★★ Excellent!!!

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近未来の日本は、勇者(殺し屋)と魔王(アウトロー集団)がそれぞれしのぎを削る暴力の世界になっていた。
はじまりは、凄腕の殺し屋「ヤシロ」と、ビルから落ちてきた女子高生(勇者養成学校の落ちこぼれ生徒)・城ヶ峰との偶然の出会い。(落ちものだ!)そこから、なしくずしでヤシロに弟子入りすることになった落ちこぼれ勇者見習いのJK城ヶ峰、印堂、セーラたちとのハートウォーミングでハードボイルドな物語が展開する。

毎日のように命のやり取りをしているヤシロたち凄腕の殺し屋と魔王たち。ささくれだった世界観のなかで、どこか明るく甘さの残るJK3人組の存在が眩しく、殺伐としつつどこか笑える会話が楽しい。
クスリと剣と異能バトルの裏側で繰り広げられる恋の鞘当ても含めて、ヤシロとJKの関係性がどうなっていくのか。各章で、さまざまなピンチに陥ったヤシロやJK3人組を含めた周りの勇者たちが、切り抜けるシーンも読み応えがあります。(2016.03.13)

★★★ Excellent!!!

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ついに完結!
現代社会に似た、でも独特の世界で繰り広げられる、剣術とエーテル知覚を駆使した血まみれ物語。


概要に偽りなく、よくある普通の剣と魔法のファンタジーRPGとは一線を画した傑作です。

見所はたくさんあります。
バイオレンスな世界に生きる主人公のハードボイルドさ、緻密なアクション、建前と現実のぶつかり合い。
そういった厳しい世界観でありつつも3人のヒロインが一服の清涼剤としてこの作品をライトノベルたらしめている……
そんなわけで、いますぐ読んで城ヶ峰さんのポンコツ可愛さを満喫しよう!!

追記
しぶくて駄目なおっさんの活躍もあります。
マルタさんいいよ。

★★★ Excellent!!!

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この小説の魅力は色々ある(既存語句の独自定義、ヒロインズの可愛さ、etc)のだが、私は作中で語られるロジックが、非常にわかりやすい点を推したい。

戦闘ロジックもそうだが――物語を通して描かれる主人公を含む「勇者」たちの行動原理もまた、単純明快だ。

好きなものは安物のビールとピザ、そしてカードゲーム。
見栄を張りたいが為に無茶をする。
友達を傷つけられたから報復する。

彼らの謳う「善なるもの」は呆れるほどにシンプルで、世俗的で、なんと飾り気のないことか。

だからこそ、私は心を打たれてやまないのだ。何のしがらみなどない、自由なその在り方に。

★★★ Excellent!!!

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あらすじを読んで、いわゆる『勇者』というものをメタ的に扱い、『逆張り』的なイメージを被せた変化球的作品であると想像する方も多いだろう。
しかし、読み進めていけば分かる。その根底には熱い血潮が流れていると。
勇気によって困難へと立ち向かい、光へと向かっていく。
そんな真の勇者の姿がここにある。

★★★ Excellent!!!

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本作で描かれる勇者と魔王は、現代社会の延長線上の存在です。
その殆どが下劣なクズで、ヤクザのように抗争に明け暮れ、政治戦や騙し討ちで汚く立ち回っています。
しかし、作中を通して描かれるテーマは、古典的な勇者を決して馬鹿にしません。
「勇者」が安易な固有名詞の言い換えとしてではなく、深いリスペクトの上で用いられていることは、
高い精度で描写される西洋剣を用いた剣術技巧や、西洋魔術のフレーバーに富んだエーテル知覚の設定など、
剣と魔法の戦いを極めてソリッドに描き出していることからも、強く伝わってくるはずです。
息つく間もない派手なアクション、チンピラどもが馬鹿をやっている空気感、そして物語を進めるごとに内面の深みが増すヒロインなど、様々な観点からおすすめできる作品です。

★★★ Excellent!!!

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一般人が後天的に異能を手に入れる手段が普及した現代のファンタジー。
人体改造で人間をやめるのは主にヤクザで、彼らは魔王と呼ばれ、法的に討伐対象として指定されている。
魔王を殺す賞金稼ぎは、魔王に対抗するためにドラッグで一時的に異能を手に入れる。
勇者と呼ばれる彼らの実態は、その大半が人殺ししか能のない犯罪者崩れのアウトローという有様である。
主人公である自称凄腕の勇者、ヤシロは自分がそんなどうしようもない底辺の世界で生きていることに鬱屈したコンプレックスを抱えており、「クズかそれ以下か」について異様なこだわりを見せる。
そんな苦みばしったハードボイルド野郎のもとに突如現れた3人の女子高生見習い勇者が彼を一方的に慕い、こぞって弟子入りを志願するところからこの物語は始まる。
若い女がクズのような仕事に憧れること自体に嫌悪感を抱くヤシロは、彼女ら、特に勇者とヤシロを真っ直ぐに賛美する城ヶ峰亜希を毛嫌いするが、城ヶ峰たちは『クズ以下にはなりたくない』というヤシロの美学につけこんでまで彼を自分たちのペースに引きずり込もうとする。

★★★ Excellent!!!

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勇者と魔王。
昨今では澄乃ままれ氏の作品を始めによく用いられるモチーフだが、この作品ではどちらもヤクザな連中として登場する。
エーテル施術による超人と化した魔王のヤクザ稼業と、それを排除する勇者として。
そこに栄光はないーー少なくとも社会的にはどちらもクズであるからだ。

だが、だからと言ってただのクズでいいなんて、一体誰が思うだろう?
真摯に登場人物たちは、社会からドロップアウトしているような場所であっても、よくあろうと生きている。
こうした生きていく様相を、作者様の高い筆力と構成力、剣劇アクションを始めとしたドラマを散りばめて描き出した小説だと私は勝手ながら思っている。

そしてすでに物語は完結し、きっちりと完成している。
剣撃を始めとしたアクション、ヒロインたちの可憐さと素晴らしさは上げればキリがないが、やはりここは”勇者”という言葉に親しんだひとにこそ、読んでほしい。
傑作である。