私は、作者様がとある方に書かれた秀逸なレビューからこちらに辿り着きました。目を惹く文章に興味本位で覗かせていただいたのですが、一話、二話……。追うごとに、どんどんのめり込んでいきました。
こちらは作者様の旅行記で、タイトルの通り「ネットで知り合った方とシベリア鉄道に乗ってみた」お話です。
郷には郷に従え! なトイレ事情や鉄道事情等、その国ならではの風習が繊細な筆致で綴られています。
それだけでも読んでいてとても楽しいのですが、ひとつ、こちらのエッセイで欠かせないのはネットで知り合った方――Zさんの存在です。
ネット民に凸して、シベリア鉄道旅行と至った作者様の行動力には脱帽です。
しかしその源となったZさんへの想いに、私は甘酸っぱい、まるで淡い恋のような切なさを感じました。
自由を追い求める鳥に、もっと羽ばたいてほしい。
ひたむきなその心が胸を打ちました。
とは言っても、こちらが作者様の意図するところかは分かりません。ですので皆さまは、こちらを楽しい旅行記として読むのも良いと思いますし、はたまた私のようにZさんへの想いに浸りながら読むのも良いと思います。
多角的視点から読める、秀逸な旅行記です!
一万字ですが六話構成です。
一話一話は短いので皆さまもお気軽に是非。
作者様、この度は大変素敵なエッセイありがとうございました!
作者さまがZさんを追いかけていたように、私は作者さまのことが気になります。とても考えさせられるような深みのある作品や、どこまでも表現を追求した氷の刃みたいな作品を書かれる方で、初めてコメントさせていただいた時はものすごく緊張したのを覚えています。「ちょーおもしろかったです」とかコメントしたら即ブロックされるんちゃうかな……そんなことを思っていたのも今は昔。飾らない、時に(色んな意味で)泥臭い一面が見えてきて、その素敵なお人柄にいつも癒されております。
そんな方の思いつき突撃旅行記……他の皆さまがおっしゃる通り、面白くないわけない! 美しい景観、大切な想い出を懐かしむ優しい語り口、一割少ないビールにショボンとする作者さま、どこをとっても癒されました。かわいいかよ。短編ですが、フォローが多くて、私みたいに何度も読みたいと思ってる方が結構いるのではないでしょうか。作者さまはいつも丁寧に貰ったレビューの紹介をされていますが、私のはレビューというか殆ど私信なので気にしないでくださいませ。
その代わり、おかわりを所望いたします!! もっと読みたい!!!
(これからの作品も楽しみにしております。お体大切になさってくださいませ)
文章力の高い作家さまの旅行エッセイです。
読み応え抜群!
読んでるだけで、未踏の大地を旅する、ドキドキわくわくが、読者にまで伝染してきます。
描かれている事の密度が濃く、最初から最後までスピード感のあるエッセイです。
それでいて、描写は丁寧。
シベリア鉄道ってそうなんだ〜。
ロシア人って意外と親切なんだ〜。(いや、意外っていうのは、何も情報がない私の偏見ですね)
初めて並ぶレジ! ドキドキ!
そして描かれる、目の前に広がる壮大で綺麗な光景……。必見です。(必読、というより、必見、と書きたくなる)
この作家さまは、女性。旅のお供も、女性。女性二人旅です!
本当にネットで知り合った人と旅をするわけですが、この彼女、ネット上とはいえ十年来の交流があり、そして、とても魅力あふれる人物なんです。
作家さまは、この一緒に旅する方を、尊敬しています。(今の言い方なら、推し。)
それが伝わってくるから、拝読していて、読者も頬が緩みっぱなしになる、良い旅行エッセイです。
長期にわたる列車旅。日本では青春18きっぷや今は無きブルートレインなど、思い浮かべるかもしれません。
小説の舞台は日本のスケールを遥かに越えた世界大国ロシア。
ウラジオストクをスタート地点に世界最長を誇るシベリア鉄道での列車旅はスケール感が違います。
車窓から眺める壮大な自然。
美しいバイカル湖周辺で得られる旅の美味。
確かな筆致から現地の旅情がありありと伝わってきて、その場所に居合わせているような臨場感も楽しめます。
また、旅のお供は日本でネットで知り合ったというZさん(仮称)。ほとんど会ったこともない相手と世界情勢も危ぶまれているロシアでの列車旅ときたら……
その勇気と度胸には驚きを隠せませんね。
世界情勢が不安定な昨今、ハードルの高いロシアでの旅行は抵抗感が立ちはだかりますが、そこで得られた経験は本当に希少です。
美しい旅情と異国文化、ロシア人の人懐っこさに至るまで、本当に幅広い分野にわたり魅力で溢れています。
丹念かつ繊細に描いた異国情緒あふれる価値あるエッセイ、異国での旅の気分で読んでみてください。
ロシア旅行ってビザ取ったりなんだりと色々ハードルが高くて行きづらいのですよね。あとは治安が悪いとか、英語が通じないとかいうイメージもあるので言葉が分からないと更に行きづらい。(日本と比較するとどちらも否めませんが……でも英語はたまに通じます)
シベリア鉄道も昔乗ってみたいと思って調べたものの、長期の休みが取れずに断念したことを思い出しました。
そんな無念を晴らしてくれたこちらの作品。1万字とコンパクトですが、シベリア鉄道特有の情報からロシアだと割と一般的な情報まで色々と出てきたので、ロシアに行ったことがある人もない人も、どちらも楽しめる旅行記だと思います。
とても楽しい旅行エッセイです。
主人公(作者)が、シベリア鉄道に乗って旅をします。しかも、同行者はリアルでは実質初対面の人という、かなりの冒険コンセプトを含みつつ。
ロシアの方面ではトイレに紙を流してはいけないという、「日本と常識が違う」などの話が出てきて、「なるほど~」と心を奪われて行きます。
シベリア鉄道に乗った感覚、そして異文化の中での食事、バイカル湖の圧倒的な自然。
旅情、というものをしみじみと感じさせられ、異国文化に触れる喜びを濃厚に味わうことができました。
「これぞジャーニー! トラベルよりも更に冒険感のあるジャーニーだ!」
読み終えた後、そんな満足感で胸がいっぱいになります。オススメです!