物語の始まりは、主人公の青年:光汰(こうた)が不良グループにボコボコにされて気を失う……という、なんとも惨めなシーンから。
しかも、彼は、見ず知らずの中学生を不良グループから逃がすために立ち上がった結果、こんなことに巻き込まれているのです。
……なんて、理不尽なんでしょう……
不幸は続き、目覚めると目の前には、風変りな少女が現れて「大切なものが取られているよ」と言われてしまうのです。
その取られたもの、というのが『名前』というのですから。
さて、光汰の運命やいかに。
短編ですが、描写も丁寧で読みやすく、一気に読んでしまいました。
なのに、まるで映画を一本みたような満足感もあります。
それはたぶん、現代を生きる人なら、どこかでふっと感じたことのある「不確かさ」や「不安感」みたいなものを癒してくれるようなメッセージを、本作から感じるからだと思いました。
ぜひ、読んでみてください! おススメですよ!