海をテーマに、教授と子供たちが語り合う、ほのぼのとした作品です。
クラゲやタコ、ウミガメといった、水族館でもおなじみの海の生き物だけでなく、潮の満ち干や、果ては魚の流通まで!
実に様々な切り口で、海に関する知識を得られる作品です。
私も読んでいて「そうだったんだ~!」と何度も驚かされました。
ただ、私が本作に一番魅力的に感じたのは、そうした科学的な知識に触れるだけでなく、そこからどこか哲学的な要素にも触れることができる点です。
私は特に「クラゲ」と「マンボウ」のお話が印象に残りました。
海という神秘的で過酷な環境で生きる生き物たちの、生き抜くための知恵というか作戦というか……生き物としての在り方そのものを考えると、科学と哲学がリンクするような不思議な感覚を覚えました。
先生や子供たちのやり取りを通すと、広い広い海から、様々な生き物たちや命を肯定してくれるようなやさしいメッセージをもらった気がしました。
文体も読みやすいので、気楽に楽しめるのも魅力だと思います!