物語の舞台は、異世界の田舎町。そこには、どんな怪我も病も癒す魔法の力を持った金の石の伝説がありました。
主人公は、そんな田舎町の少年:フルート。彼は、クールでケンカ嫌いな上、「お嬢ちゃん」と揶揄われるくらいに、中性的な顔立ちをしています。が、機転はきくし、いざとなれば体を張って誰かを守れるくらいの勇気を持ち合わせています。
物語が動き出すのは、フルートの父が瀕死の大怪我をした時。
彼は、無謀ともいえる決心をします。
父を助けるには、金の石を取ってくるしかない、と。
しかし、その魔法の石は怪物の潜む森の中にあるのです。さて、フルートはどうするか……?
まっすぐ王道な冒険ファンタジー、といった本作。
ですが、とってもリアルなんです!
特に、主人公のフルートが等身大の少年というかんじでして。
クールなんですけど、どこか幼い一面も見えるのが可愛らしい。
大人たちに見つからないように、こっそり冒険の準備をしたり。
何とか揃えた装備が、お鍋のフタや料理用のナイフだったり。(これが私の予想以上に役立ったのが、また可愛いですけども!)
フルート本人は至って真剣なのですが、「こんな装備で大丈夫?」と、微笑ましさと心配の半々の気持ちになりました。
でも、このレビューを書いていて思い出しました。
そうだった。これは、田舎町の少年が勇者に成長していく物語の、ほんの始まりの物語だった、と。
本作の続編も公開されている模様です。フルートの成長を、これからゆっくり見守っていきたいな、と思いました。