エルフはアレを食べなくては死んでしまうんです。
前世の記憶がある人間の16歳少年は、なんとアレの声が聞こえるんです。
アレを持ってきたら、恋人との結婚を長老が許すって言うんです。ヒーロー旅立ちます!!
異世界ファンタジーでしたら『魔物』とかがアレに当てはまりそうですが。もちろん違います。
ああ、ヒーローとヒロインのキスはアレの味ではなく胸きゅん恋の味で、ぱらぱらと降るのはアレではなく、正真正銘の雪なのです。
ですが不思議なもんで、読み手の脳内では。チャーハンの味と、米一粒ずつがくっつかないあの状態で鍋の中で舞っている風景が浮かんでしまうのです。
もしかしたら、この短編は長編に化けるかも知れません。みなさんも食べて、もとい読んで応援してみませんか?
こ、この小説、好きすぎるぜ……!!!
読み始めてほんの一分で、もう没頭しました。口元がニヤリとなっちゃいました。
ストーリーとして、その世界ではエルフたちが「冷凍食品」を愛好しています。それを食べないと死んでしまうと思うほどに。
そして、冷凍食品を手に入れるためには「ダンジョン」の中に入らねばなならない。異世界から転移してきた冷凍食品たちが、ダンジョンの奥底で冷凍されているという。
もう、設定が楽しすぎます。異世界ファンタジーものだと思って読み始めたら、突如羅列されていく「ニ〇レイ」、「味〇素」などの会社名や商品名。
知っている! この商品、知っているぞ! そしてどれも大好きだ!!!
こういう名前がいくつも出てきた段階で「ハッ」と目を奪われ、「これ絶対面白い奴! これ絶対好きな奴」と思って読み進めました。
至福の時でした。冷凍食品の数々、どれも美味しい。どれも大好き。それを手に取った時の幸せな思い出と共に、最後まで楽しく読めました。
でも、要注意。夜に読むと「飯テロ」の危険あるので、カロリーの問題などで致命的なダメージを負うかも。今ももう、「本格炒めチャーハン」の美味しそうなこと、美味しそうなこと。
最高に楽しい小説です。強くオススメ!!