下級女官の主人公・易妙は、後宮で占い師をやっている。そこへ、放浪者と噂される第一皇子・命累神が訪れたことで、物語が動き出す。上級妃妾が首をくくって死んだ?嬪が眼を斬られた?怪しい商売?妙は様々な事件に挑んでいきます。
周りに神経を注ぎ、ちょっとしたの言動から真相を解明していく妙がかっこいいです。また、肝がすわっていて堂々としているところも素敵だなぁと思いました。そんな彼女はとっても食いしん坊。食べ物に目がなく、美味しそうにモグモグしている妙を想像すると、すごく癒されます。
そしてこの物語の最大の魅力は、妙と累神の関係性(だと私は思います)。少しずつお互いを信頼していき、相手のために何かしようと行動するようになる二人。悲しいときには側で寄り添い、落ち込んだときには引っ張りあげる。
家族でもない、友人でもない、恋人でもない、だけど誰よりも信頼している。この不思議な関係性を持った二人が大好きです。めちゃくちゃ面白い後宮ミステリ。あなたも手にとってみてはいかがでしょう?
「後宮食医の薬膳帳」出版決定おめでとうございます!その興奮も冷めやらぬうちの、後宮モノ第二弾。
今度は占いによる謎解きモノ。主人公の観察眼に裏打ちされた、心理学から導き出される考察を、神託にまぜこぜ、鮮やかに解決していきます。
第一部で軽快に2つの事件を解決。テンポ良く進む物語にドンドン吸い込まれ、あっという間に読了します。
が、相変わらずの美しく生々しい描写の数々は、自分の中に後宮の情景が構築されるほど印象深く、すぐにその住人となれるでしょう。
廃皇子という響きもなんとも妄想を掻き立てられます。文句なくカッコいいのです。
これからどんな事件が待ち受けているのか、続きがとても楽しみな物語です。
ちょっと、なろうにもいってきます。