概要
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- ★★★ Excellent!!!暗い世界にほんの少しだけ、灯りがともるようなお話
この作者さんの作品は、私の無意識の死角から飛んできてクリーンヒットします。思っても見なかった展開と構想で、いつの間にか読み終えてしまい、感動して身体が熱くなります。
遺書(?)
返信
ふたつのエピソードを使って、巧みに読者の心を揺さぶってきます。前半『遺書(?)』の迫真の表現は鬼気迫るものがあり、文章の持つリアリティに圧されてしまいます。
後半『返信』では、その前半の感情を受け止め、共感し、少しの希望を抱くシーンなのですが、タグ通りとても切ないと思いました。
その『遺書(?)』が誰かに届いたかどうかも、『返信』が書かれたことも、
『遺書(?)』を書いた人物には知る術が無いのです。
この…続きを読む - ★★★ Excellent!!!こんなにもやさしい「死にたい」があるなんて
物語は『私』の遺書(らしきもの)によって進行していきます。
遺書(らしきもの)ですから、希死念慮が綴られているわけです。
私はよく「死にたい」と言われるのでわかるのですが、「死にたい」という言葉は鋭利な刃です。口に出したら周りの人を傷付けて回る。
しかし作中にはそんな刃はありませんでした。
なぜか。
それは、社会や身近な人に対する憎悪や嫌悪が撒き散らされたのではなく、諦観が静かに佇んでいたからなのだと思います。
この遺書(らしきもの)が、最後まで遺書と断言できないのは、そのあと『私』がどうなったかわからないからです。真相は告げられないのですが、そういうモヤモヤが心の中にあるうちは、世界のつ…続きを読む