概要
過去の記憶を失くした翔は、帰るべき家もなく夜の公園を彷徨っていた。そんな時、一人の天使のような子供に出会う。
ひょんなことからトラブルに巻き込まれた翔は、絶体絶命の窮地を立花と名乗る殺し屋に救われる。
失われた過去を取り戻す為、翔は殺し屋の事務所に居候をすることになる。
過去を失くした復讐者。
復讐を請け負わない殺し屋。
事務員を務めるヒーローの卵。
奇妙な因果を紡ぎながら、三人の関係性は少しずつ変わっていく。
記憶と復讐、或いは救いのお話。
【カクヨムコン8読者選考、ネトコン一次突破作品】
※素敵なレビューを書いていただいたので、ぜひご覧ください!
※横海イチカさまより、素敵なイラストを描いていただきましたので、ぜひご覧くださいませ!
【
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ハードでハートフルな殺し屋物語
記憶を失くした青年である翔は、深夜に行くあてもなく彷徨っていたところでミナという少女に声をかけられる。最初はミナを邪険に扱っていた翔も、その天使のような愛らしい容貌と優しさに触れるうちに次第に心を開いていく。だが、ある日ミナが暴漢に襲われる事件が発生し、翔は彼女を救うために暴漢に立ち向かう。しかし丸腰の翔では暴漢に太刀打ちできず、絶体絶命と思われたその時、どこかから聞こえた銃声が暴漢を貫く。闇の中から現れたのは、金色の瞳を持つ謎の男だった。
錯乱の中で意識を失った翔。彼が次に目を覚ましたのはとある事務所で、そこにはミナと金色の瞳の青年がいた。立花と名乗るその青年は自分を殺し屋だと称し、昨…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「切り札を残して負けるなんざ、馬鹿のすることだぜ」
迫力満点のガンアクション!!
緻密な設定と、鮮やかな描写!!
スタイリッシュな文章が紡ぐ物語!!
復讐を請け負わない殺し屋、立花。記憶を失くした復讐者、翔太。死後の世界を信じない子供、湊。この三人を軸として展開される、心震える群像劇です。そして、中心となるテーマは、「善悪とは何か」でした。
善悪の判断なんてものは、人が変われば、住んでる場所が変われば、時代が変われば、易く変わってしまうもの。――ああ、そんなこと知ってるさ。けれど、本作品は、もっとその先。善悪を越えた先にあるものを見せてくれるような作品でした。
……とはいえ、これは小説なのか? 作中では、テロ、宗教、カルト、核戦争など様…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「最後まで読んでよかった」と心から思える作品です。
「地獄にも花が咲くことを知ってる」。これはこの作品のキャッチコピーなのですが、ホントカッコいいですね。こんなの見てしまったら、思わず読んでしまいますよ。
作品の中身といえば、キャッチコピー以上に引力がありました。
そして読み終えて思ったのは、この作品には、このキャッチコピーしかないってことでした。
こちらの作品、「地獄」とある通り、読者のメンタルを削るほどのパワーを持っています。
殺し屋や殺人者などがたくさん出てきます。おぞましいシリアルキラーや、人の道から外れた人たち、常軌を逸した価値観を持つ人々、そんな怪物のような悪役が次々と現れます。主人公の一人がまず殺し屋で、主要登場人物はみんな仄…続きを読む