他の方が言うように、詩というのはどう評価したらいいのかわからないですね。
ただ、固定したキャラクターが居らず、また短い文の中に、ストーリー性を持たせたりメッセージ性を持たせたりと、読みながら「非常に高度な技術が必要なんだな」と思いました。
あえて抽象的な言葉を書いて、それを支離滅裂にしないようにする技術や言葉選び、文の綴りは、簡単ではないでしょう。
普段は私は詩を読みませんし、読んでもすぐに飽きてしまいますが、この作品だけは一気に読んでしまいました。この読み方が正しいかはわかりませんが、そうしてしまいました。
つらつらと書いてきましたが、レビューとして間違いかもしれませんが私が言いたいのは「非常に好こ」の一言に尽きます。
あまり詩に詳しくない者なのですが、たまに詩集を読んでいるときに、また歌を聞いているときに、「これ、好き! このことば、なんか無性に好き!」ということがあります。
詩は小説よりも、理屈抜きのひとめぼれをしやすいものなのかな?と感じます。
こちらの詩集でも、そういう「これ、好き! 理由はわからないけど、好き!」という出会いをしました。
個人的に、風景や物の描写を並べることで、読み手に自由な心象風景を作り上げてくれるような、曖昧なイメージをもった詩が大好きです。
寂しいと書いていないのに、不思議と寂しさを感じさせるような。
この詩集には、磨かれたことばの力で、そういう感情を呼び覚まさせてくれる詩が並んでいます。
やっぱり詩は、「好き! なんか好き」としか言えないのですが……とても好みです。