概要
開いた瞬間に黒いじゃん? そしたらなんか溺れそうになるっていうか。
あいつが教室で読んでいた本だ。駅の本屋の棚の中にあった、分厚い本を手に取ってページを捲った。自身の背丈を超える水位の活字の海に溺れそうになった私は、ページを閉じた。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!流行りの曲を見送って、君への一歩を踏み出した
まずね、キャッチコピーが良いです。
「開いた瞬間に黒いじゃん? そしたらなんか溺れそうになるっていうか。」
これはもう気になってしまう。
サブタイトルも最高なんです。
「あいつが読んでいた本があったんだ。」
「あいつの瞳は宇宙みたいだったんだ。」
これだけで優しく美しい世界観がどこまでも広がってゆく。
読み始めてすぐに「変わった文体だな~」って思いました。
こういうタイプの文体に出くわしたのは初めてで、ワクワクしながら読みました。
どこにでもある文章を持ってきて綺麗に並べたのではなく、一から自分で考えて組み立てたような手作り感あふれる文章。
ふわふわしていて、つかみどころがなくて。
そ…続きを読む