仄暗い幻想と魔術に満ちた古き英国の町へ

十九世紀の英国が舞台の魔法と幻想の物語です。
何より特筆すべきは、当時のロンドンの様子についての描写の細かさです。生活感が漂っていて、歴史的背景にも触れられていて、まるでこの世界の匂いを感じながら歩いているかのような気持ちになります。
個人的には、特に登場する食べ物たちが魅力的です。いかにも古きイギリスといった感じで食べてみたいと憧れます。

独特の仄暗い雰囲気が漂っているファンタジーです。
物語は平易ではなく、読み手の理解力と想像力を必要とするので、誰にでも広くおススメという作品ではありません。自分もまだこの難解さを理解できているとは言えません。
ただ、確固とした世界観のあるお話ですし、この世界にハマった人には、とても魅力的で大切な物語になるでしょう。

この不思議と心をつかむ独特の魅力については、言葉で説明するのが難しいので、とにかく読んで味わってほしいなあと思います。
登場人物がパブに入るシーンでは、そのリアルさに、一緒にビールを飲んで揚げポテトをつまみたくなるかも。
お酒の飲めない自分は、この物語を読んでいると、紅茶やミルクティーが飲みたくなります。

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