最凶悪役令息に転生した俺、幼女を拾い娘として育てるも強く育て過ぎたかもしれない……。どうしよう……俺の娘は天才なのかもしれない。
Crosis@デレバレ三巻発売中
第1話 新たな汚名
「残念ですけど貴方とはもうやっていけません。婚約破棄をいたします。婚約破棄に必要な書類等は追って貴方の実家へとお送りいたしますので、しっかりと記入しておいてください。万が一破いたり捨てたりした場合は然るべき処分をしていただきますので、癇癪を起したからといってそのような幼稚な真似はしないようにお願いいたします。それはただ貴方の立場を悪くするだけで問題解決にはなりませんので」
目の前の美人は一体何を言っているんだろう?
前世の記憶を思い出したその時、最初に抱いた感想はそれであった。
「…………」
「……あまりのショックで思考が停止したのかしら? しかしながらこれは既に決定事項であり、覆す事はできません。勿論お互いの両親にも話は通っており、皇帝陛下の許可もいただいております。ようは知らなかったのはあなただけという事です。フン、いい気味ね。そうやって今まで自分勝手に生きて行ける程人生は思い通りにはならないと知りなさいっ!」
そして目の前の怒れる美少女はそう言うと俺の目の前から去って行った。
一体何が起きていたのか理解できないなりに記憶を辿ろうとしたその時に頭に激痛が走ったかと思うと、次の瞬間俺は意識を手放し、通っていた学園には『婚約者から婚約破棄を言い渡され、その時の激しい怒りにより気絶してしまった男』という新たな汚名が追加されるのであった。
◆
「…………全て思い出した」
「旦那様っ!! ロベルト様が目覚めましたっ!!」
どうやら俺はそのあと自宅のベッドへと運ばれていたようである。
目覚めた時に側に居たメイドは俺が目を覚ました事をお父様へと告げに走り去っていく。
その走り去って行ったメイドは、以前から俺がきつく当たっていた側仕えメイドである為、次顔を合わせる時は謝罪しないとなと、ぼんやりと思う。
それはそれとして、メイドの慌てようからかなりの時間眠っていた事が推測できるのだが、そのお陰かは知らないが俺は何が起きたのか全てを理解する事ができた。
どうやら俺は前世で日本という国に住んでおりうだつの上がらないサラリーマンとして激務をこなし、不摂生とストレス、そして労働時間からくる身体的疲労が積み重なった結果体調不良でぽっくりと死んでしまったようである。
そして分かった事はもう一つ。
どうやらこの世界は学生時代にやり込んだ異世界恋愛シミュレーションゲームの闇落ちして闇魔術に魂を売る事で最凶悪役令息となるロベルト・フォン・クヴィストとして今世を生きているようである。
…………このキャラって確か、どのルートでも俺死んでいたような気がするのだが、気のせいだろうか?
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