第62話 レベルが違い過ぎる
なんてたって俺はスルーズのお父さんだからなっ!!
そう思いながら俺はスキルでスルーズの居場所を確認すると、確かにサラサラ先生が言うように東にある草原に居る事を確認する。
それと共に、大量の魔獣が湧き出ている事も。
「まったく、世話が焼ける……」
そう言いつつも俺は娘であるスルーズに迷惑をかけられる事が嬉しくて、思わず口元が緩んでしまうのであった。
◆スルーズside
「そ、それにしても魔獣だけではなく人型の魔物も、そしてその数も殺しても殺しても減るどころか増える一方な気がするのだけど、気のせいでしょうかっ!?」
「た、確かにこれはちょっときつくなってきたわね……。スルーズちゃんは大丈夫そうっ?」
「…………悔しいですけど……私のせいでお二人を死なせたくないのでここは一旦引こうかと思います……っ」
本音を言うとまだまだ狩り足りないのだけれども、きっと私がそういうとこの二人は私の為に残ってくれるだろう。
魔獣の群れを見た時は頭に血が上り復讐の事しか考えられなかったのだけれど、徐々に落ち着いて冷静になった今、私だけではなく二人の事も考えられるようになってくると、ここで私が自分の我が儘で二人を殺してしまったとなると、ここで死んでも生き残ったとしてもきっと後悔するだろう……。
「あら、もう終わり? せっかく私が殺してあげようと思ったのに。まぁ、逃がさないんだけどね」
そう思った私は最悪の事態になる前に一旦引き返そうとしたその時、目の前に人型の魔物が現れるではないか。
その魔物を見た瞬間私は理解した。
レベルが違い過ぎる……。恐らく倒す事も逃げる事もできない程に……。
「……ラインハルトさん、スフィアさん。ここは私が食い止めますので、その間に逃げてくださいっ!!」
「馬鹿言わないで欲しいですねっ!! この俺が子供を置いて逃げる訳がないでしょうっ!!」
「むしろ私たちが食い止めておくからスルーズちゃんが逃げるべきだわっ!!」
この魔物には勝てないと悟った私は即座にラインハルトとスフィアさんへ私がこの魔物を食い止めている内に逃げるように言うのだが、むしろ二人が食い止めている間に私に逃げろと言ってくる。
「友情ごっこも良いけど、そもそも私から逃げられると思われているのは癪だわね。一人たりとも逃がす訳がないわ。三人揃って殺した後にその刈り取った首をお母様に見せてあげたいもの。初めて殺した人間ですって……っ!! あぁ、早くお母様に褒められたいわっ!! でも、その前に少し遊んでも良いわよね?」
「あぐぅっ!?」
「スルーズっ!!」
「スルーズちゃんっ!?」
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