第48話 きゃぁっ♡
唯一良かった点があるとするのならば、元の教師が俺のサポートとして残ってくれる事である。
ただ、この教師は俺がまだ学園へと通っていた時は結婚適齢期をもう少しで過ぎそうな年齢である二十五歳になりかけておりかなりこじれていた(前世の価値観からすればまだまだなのだが)事を考えれば、あれから年月が経ち二十五歳となった今、どのレベルまでこじれてしまっているのか考えたくも無い……。
できれば良い出会いの末結婚してくれれば良いのだが……あそこまで露骨に、それこそ生徒にすら獲物を見るような目で見ている雰囲気すら感じる程焦っていては来るはずの良縁も裸足で逃げ出してしまうだろう……。
というか絶対生徒を獲物として認識していただろ……あれ。
なにが言いたいかと言うと、最も避けたいクラスにスルーズが入る事になったという事である。
しかしながらこれも娘の為と言うのであれば甘んじて受けようではないか。
それに担任となるとはいえ、常にこのクラスの面倒を見なければならいという訳ではなく、基本的には俺が受け持つ授業、そしてホームルームでの朝と夕方の出席を取る時くらいしかこのクラスには訪れないのでまだマシであると言えよう。
「一応、マスクさんの件に関してはこのクラスを受け持つ担任へ今しがた連絡して、マスクさんとの相談の後日本格的にマスクさんが担任へという流れで行くはずでしたが、このクラスの担任であるサラサ先生が食い気味で『男っ!? 若いっ!? なら私が全力でサポートしてあげるっ!! 相談によっては断っても良い? は? 何で? 断る意味がないでしょうっ!! 良いからその若い男を連れて来なさいっ!! 私が手取り足取りサポートしてあげるからっ!!』との事で、急ではありますが本日からこのクラスの担任という事になりまして……」
そして、ここまで案内してくれたアミア先生は、教室の前に着くなり面倒事から避けるかの如く『それでは後はサラサ先生にお任せしますので、私はここで~っ!!』と言って、俺が声をかける間もなく風のように去って行った。
「……たく、腹くくるか」
「きゃぁっ♡!! …………んんっ、すみません。本当に若い男性が来たもので思わず歓喜の声が漏れてしまいましたわ。 ですが、気にせずどうぞ中へと入ってくださいなっ!!」
しかしいつまでも扉の前で突っ立ているわけにもいかないの、俺は意を決して扉を開けると教室の中へと入ろうと思ったのだが、サラサ先生の圧に押されて思わず扉を閉めてしまった……。
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