第47話 因果応報とは良く言ったものである
「えっと、マスクさんでよろしかったですか?」
俺たちは学園に到着すると受付へと向かい、そのまま受付の職員によって小等部の教師達がいる職員室へと向かい、一旦俺達の事をサポートする教師を紹介される。
名前に関しては、俺の事を知っている生徒や教員が多くいる中流石にロベルトと名乗るとバレかねない、というか即バレるであろう為偽名を使う事にした。
因みに偽名に関してはわざわざ凝った偽名にする意味も無いため何も考えず仮面をつけているからという事でマスクと名乗る事にした。
「あぁ。俺の事はマスクで構わない。学園長から確認しているとは思うが、俺が誰であるかは詮索しないように頼む。そして、ここにいる超絶可愛い少女が俺の娘であり──」
「ス、スルーズですっ!!」
「──そう、スルーズだ。よろしく頼む」
「……は、はいっ、ス、スルーズちゃんね……っ。私は小等部の教師をしているアミアよ。よろしくねっ」
「はいっ! よろしくお願いいたしますっ!! アミア先生っ!!」
とりあえず、第一印象は人当たりの良さそうな人が案内人でスルーズも過度に緊張することなく一安心である。
「それではスルーズちゃんにはこれから勉強してもらうんだけど、能力に応じてクラスを分けているの。だからまずはどのクラスが適しているか測る為能力測定をしますっ」
あぁ、懐かしいな。
AからDクラスに分かれており、当時の俺はDクラスレベルだったが、親の権力と金を盾に癇癪を起してAクラスにしてもらったんだっけ?
控えめに言ってクズだな。
しかし俺の娘であるスルーズはそんな事をしなくとも実力で余裕のAクラスとなる事だろう。
どうしてこうなった……。
俺は今スルーズが割り当てられた教室へ向かうところであった。
能力測定自体は一時間程度で終わったのだが、問題はスルーズの能力値であった。
いや、確かにアースドラゴンを一人で倒せる時点で小等部に収まるような子供ではないとは思っていたのだが……ハッキリ言って前世の感覚でいた俺は『飛び級』という制度を失念していた。
結果、スルーズは小等部どころか中等部も飛び越え、高等部から様子見で始める事となった訳である。
まぁ、ここまでは良しとしよう。
問題は割り当てられたクラスである。
そのクラスは高等部二年、Aクラスであり、俺の元婚約者たちがいるクラスであったのだ。
どんな罰ゲームなんだよ……。俺が何をしたって言うんだ…………いや、心当たりがありすぎて逆に何が原因なのだろうか……?
因果応報とは良く言ったものである。
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