第43話 最高なのではなかろうか?
◆
「ここが帝都っ!!」
あれからスルーズに野営の仕方などを教えてある程度様になって来たら後は実戦あるのみという事で、馬車で帝都へと戻って来た。
道中は何事もなく、何よりもスルーズの手料理が食べる事が出来たので最高だったと言えよう。
普段であれば俺からスルーズに料理を作って欲しいと言うのはなんか違う気がする(料理を作る為の使用人を雇っている訳だし)のだが、スルーズにご飯を作ってもらえる切っ掛をつくりやすい馬車移動というのは俺が思っている以上に最高なのではなかろうか?
娘が作ってくれる料理程美味しい物は無いからな。
因みに道中娘が作ってくれた料理はここ帝国ではポピュラーな豆と肉を煮たものとパンである。
このパンは鉄の棒に巻き付けて焚火で魚を焼くように棒を地面に差して焼いたものでイースト菌などは使っていないものの、これはこれで美味ったりする。
早い話がナンのようなものでる。
空いた時間は俺との修練は勿論、テレサが以外にも遊び相手になってくれていて助かる存在となっていた。
スルーズもテレサから剣術の練習相手になってくれたり、冒険者として経験した面白い話などを聞かせて貰ったり(この話は普通に俺も楽しめた内容であった)としてくれたため、今ではスルーズはテレサの事を『テレサお姉ちゃん』と呼ぶ程の仲になている程である。
…………べ、別に俺が父さんと呼ばれるよりも早くテレサが先にお姉ちゃんと呼ばれたからと言って嫉妬するほど俺の器は小さくない……のだが、それはそれとしてテレサには足の小指が箪笥の角にぶつかって欲しいなと思う。
「迷子になったら大変だから手を繋いで冒険者ギルドまで行こうか?」
「はい、ロベルト様っ!!」
そして帝都に着いた今、スルーズは始めてみる都市に目を輝かせながら周囲を見渡しているので、迷子になる前に手を繋いで移動する事にする。
前世では東京で暮らしていた俺からすれば異国情緒はあるもののそれだけという感想なのだが、スルーズからすれば人の多さも建物、特にお店や露店が多く活気にあふれている光景は初めて見るのだろう。
興奮がその小さな手から伝わってきそうだ。
「とりあえず俺は冒険者ギルドではマリエルを連れてギルドマスターとギルドの奥で話し合うと思うから、テレサはその間スルーズの冒険者登録をしておいてくれ」
そして冒険者ギルドが近づいて来たので、テレサにはスルーズの冒険者登録をするように頼むのと同時に隠密用マントと仮面をスルーズに渡す。
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