第59話 復讐をしに行きましょう



「お母様、襲撃の準備が整いました……」

「そうか……いよいよ私の悲願、そして無残にも殺されて行った子供たちの仇を取れるのね……っ!!」


 やっとここまできた。


 そしてここまで歩んで来た道を振り返っていると、私の子供、その中でも特に精鋭部隊として育て上げた七体の内の一体が私の前まで来ると跪き、準備が整った事を教えてくれる。


 この子は特に私のお気に入りで、自慢の子供の一人である。


「では、人間どもに復讐をしに行きましょう……っ」

「はい、お母様」


 私はそう言うと、子供と一緒に地上へと出るのであった。



◆スルーズside



「しかし、スルーズも可愛いところがあるというか大人びているけど、なんだかんだちゃんと子供の部分があったんですねぇっ! お父さんに認められたいからと突き放して、自己嫌悪して、スタンピードを止めに行くだなんて、素直にお父さんへそう言えば良いだけでは? と俺は思うんですけどね」

「う、うるさいです。親子だからって言いにくい事もあるではないですかっ」

「大人げないわよ、ラインハルト。スルーズちゃんよりも子供みたいな事を言って、どっちが年上なんだか……」


 ラインハルトが持って来た情報では東の草原で近いうちに起こるのでは? というらしいので私たちは学園を休んで東の草原まで来ていた。


 ちなみにここへ来る事、そしてスタンピードを止める事、学園を休むことはロベルト様は報告せず、無断で来ている。


 やはりこういうのは後から『実は私たちがスタンピードの発生を防いだ』と言ってロベルト様を驚かしてやりたいし、こっちの方が初めに報告してからスタンピードを防いでくるよりもインパクトがあるだろう。


「しかし、スルーズの召喚獣に乗って東の草原まで来たは良いけど、そもそもスタンピードってどこから発生するのかどうやったら分かるんでしょう?」

「まったく、そういうのも事前に調べた上での今回の案を出したんじゃないの? まさか無計画だったとは……」


 そして私の召喚獣で数日かかるところを数時間で東にある草原へと着いて早々に、今回の案を出したラインハルトから『何をすれば良いのか分からない』と言うではないか。


 それには流石の私やスフィアさんも呆れてしまう。


「いや、だってそういうのは着いてから考えた方が、妄想で案を練るよりよりかはいいかなと思っていまして……」

「ほんと、ラインハルトは小等部の頃から計画性が無いんだから……まったく」

「それで、どうやって探せば良いとか無いんですか?」

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