第77話 しっかりとそのノリは止めておく
「何をしたのかって、このスタンダートがもし貴女のように意識を共有できる魔物が
元凶である可能性も考慮して予め結界張って意識を共有できなくしていただけだが? そしていまだに助けが来ないという事がどういう事か理解できない訳ではないのだろう?」
「に、人間の癖に知恵が回る……。私の子供たちの無念を晴らす為にもお前だけは許さないわよ……っ」
ゲームの時でもスタンピートのボスの中にはこいつのように魔獣や魔物と意思疎通できるものもいたので予めそれを阻害する結界を草原一体に張っていたのは正解だったようだ。
「テレサ、マリエル。今から三人でコイツを倒す予定だがお前たちの持っている武器では恐らくダメージは殆ど与えられないだろう。こいつは炎属性分のダメージしか通らず、打撃や斬撃は勿論その他属性のダメージや魔術も炎魔術以外のものはダメージを与える事はできない。なので今日は俺の武器を貸してやろう」
「ありがとうございますっ!! ロベルト様っ!! あぁ、ロベルト様から貸していただいた剣……何だか人肌くらいに温かい気がするし、ロベルト様と心がより一層深くつながった気がするわね……っ! これが愛の力というやつかっ!!」
「違うと思うぞ」
とりあえずこの魔物は経験値が美味かったと思うので俺だけで倒して経験値を独り占めするよりもパーティーを組んで全員で倒した方が、テレサやマリエルにとっては良いだろう。そもそもそのつもりで連れて来た訳だしな。
特にテレサに関しては早く育って俺の弟子を一日でも早く卒業してもらいたい限りだ。
しかしながらこの魔物は炎属性のダメージしか通らず、テレサやマリエルが持っている武器ではダメージすら与えられない為テレサからこの魔物を倒せる装備を貸す事にするのだが、テレサが変な事を言い始めるのでしっかりと『違う』と言い返す。
ここで聞こえないフリをして無視すると『無言は肯定である』と判断して、言っても無いのに『言質を取った』とかふざけた事を言われたらたまったものじゃないからな。
俺は良くあるハーレム系主人公とは違って聞こえない、またはとぼけて有耶無耶にするという事はしない。
「……これがロベルト様の愛。確かに受けとりました」
「マリエルも変なノリにわざわざ乗らなくても良い」
そしてテレサの流れをボケと認識したのかマリエルまでそのノリに乗ってこようとするので、しっかりとそのノリは止めておく。
「腐ってもこのスタンピートを作った親玉だからふざけてないで集中しろ。それで怪我でもしたら目も当てられないぞ」
最凶悪役令息に転生した俺、幼女を拾い娘として育てるも強く育て過ぎたかもしれない……。どうしよう……俺の娘は天才なのかもしれない。 Crosis@デレバレ三巻発売中 @crosis7912
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