概要
その日から〝常夜〟には謎の隕石が降り注ぐようになり、ある音楽が〝現実〟の記憶と結びついていることに気づく。
しかし、エリカとともに隕石の謎を追う零一の日々を、〝常夜〟を頻繁に襲撃するモンスターが脅かそうとしていた……。
〝現実〟と接点を持つ終末世界で、スローライフや食事を楽しみながら、失われた記憶を少しずつ取り戻していく、ボーイミーツガール長編。
※タイトルの漢字は「せいか」と読みます。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!終末世界『常夜』の謎に迫る。人々は『現実』へ帰還出来るのか、しないのか
こちらの物語は、『現実』から、常に夜だという不可思議な終末世界『常夜』へなぜか流れ着いてしまった零一という大学生が主人公の物語です。
そこでとある少女に出会い、そこから様々な事柄に巻き込まれて行きます。
この世界では様々な人々が暮らしており、主人公はどんどんとその輪へ入っていくのですが……
皆、それぞれ過去に重たい何かを抱えており、共通して『現実』の記憶を無くしています。
その『記憶』というキーワードがこの物語の要になっています。
主人公の零一は自分の記憶を段々と取り戻しながら、『常夜』の謎へ次第に迫っていきます。
こちらの作品は現段階では未完結なので、『常夜』の謎や各人物の謎はまだ全て…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ずっと夜の街で。交差する人々の想いを、スローな音楽が静かに彩ります!
常夜。それはこの世界と似てもいるけれど、夜が明けることのない不思議な街。
さらに時折、音もなく隕石が降り注ぎ、しだいに荒廃が進んでいるという。
主人公零一は、突如この常夜という謎の世界で目覚めます。
なぜかそれまでの記憶を失っているのですが、ひとりの少女・エリカに出会い、一緒に過ごすことになります。
文章を読んでいるはずなのに、幻想的な光景が目に浮かび、美しい音楽が聞こえてくるような臨場感。
さらに飯テロ要素もふんだんにあり、寒い日に食べるラーメンのあたたかさや、みんなでつつくお鍋の味までも思い起こさせてもらえます。
エリカとの距離が徐々に近づいていくスローライフは、ロマンチックでもあり…続きを読む - ★★★ Excellent!!!孤立した夜闇の世界に降る星は、人々を導く聖灯となるか……?
闇と濃い霧に閉ざされ孤立した世界《常夜》。太陽はのぼらず、荒廃した街並みを月光だけが照らす世界に、零一は全ての記憶を失って流れ着いた。現実世界で大学生だったらしい彼を助けたのは、エリカと名乗る女性。わずかな資源と食料を分け合いつつ、二人は共同生活を始める。
《常夜》に流れ着く人々は、みな現実世界で辛い目に遭い、記憶の一部を失っている。ラジオパーソナリティを務める女子中学生ユアとアユ、記憶に残る料理を屋台で作り続ける“大将“、子どもを喪った主婦……。人々は零一を優しく受け入れてくれる。
しかし、零一の到着と時を同じくして、《常夜》に隕石が降るようになってしまう。毎日同じ時刻に降る隕石は、零一…続きを読む - ★★★ Excellent!!!光のない世界で寄り添う者たちの優しく切ない人間模様
ファンタジーであると同時に細やかな心理描写の冴えるヒューマンドラマです。
舞台は「常夜」という光を失った町。一日中闇に閉ざされたその世界で生きるのは、「現実」でつらい過去を背負い、記憶を失った者たち。彼らは優しさを持ち寄るようにして助け合い、寄り添うようにこの世界で暮らしています。
突然この町へ流れ着いた主人公、零一もそのひとり。彼は自分を助けてくれた少女エリカや住人たちとの日常の中で、少しずつ自分の過去へと向き合うことになるのですが、その道は決して簡単なものではなく……。
記憶を取り戻せないもどかしさと、取り戻した先に向かい合わねばならない現実の苦しみ。そのはざまで生きる住人たちの葛藤は、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!明けない夜。覚めない夢。果てない終末世界の真実に挑め。
謎に満ちた世界、常夜。そこに暮らす人々は、この世界へ迷い込んだと言います。現実から、朝の来ない世界へ来た。だから常夜だと。
そこここにある店に訪れ、必要な品物を手に入れる。そんな風景を見ていると、日常系のお話だったかなとさえ思うことも。
しかし世界は終末を迎えています。商品の補充されない、無人の店。降り落ちる隕石。人々を襲う敵。
記憶を失った主人公、零一は現実に帰れるのでしょうか。そもそも現実なる世界が存在するのでしょうか。
夜と宙を描く美麗な文章と、謎が謎を呼ぶ入り組んだ物語。現時点ではまだ道の中途ですが、胸を高鳴らせながら結末までを追っていきたいと思います。 - ★★★ Excellent!!!決して明けない夜の世界で、記憶の深淵から響く歌声に耳を傾けて
物語は、記憶喪失の大学生・零一が『常夜』と呼ばれる不思議な世界に辿り着いたところから幕を開けます。
零一は謎の少女・エリカと共に、自らの状況やこの世界のことを探り始めますが……
記憶が欠けたまま暮らす住人たち、零一と同じタイミングで常夜に流れ落ちた隕石、そして知っているはずなのに思い出せない歌。
零一をはじめエリカや住人たちはなぜ常夜に来たのか、そもそも常夜とは何なのか。
美しい終末世界の中で謎を追っていく展開は、さながらノベルゲームのようです。
少しずつ明かされる常夜の秘密や、天啓のように蘇る記憶から、現実世界で零一の身に重大な何かが起きたことが分かってきます。
はっきりとは思い出せな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!不思議な世界に星が降る。人々の記憶と思いを包み込む、夜の空に響く音楽。
「常夜」と呼ばれる不思議な世界。
そこへ記憶を失くした大学生・零一が流れ着いたとき、世界に星が降り始める。
記憶喪失の零一視点で話が進むため、世界のことも、周囲の人々のこともわからない状態からのスタートです。
「常夜」とは何か?
ここはあの世なのか、それとも夢なのか。
始めからそばにいる、エリカという少女は一体誰なのか。
世界を救うために流れる、音楽の由来とは?
スローな終末感と、人々のそれぞれの生き方・考え方が絡み合い、星降る夜の世界を形作っています。
零一が少しずつ世界の謎・自身の記憶を解いていく過程が丁寧に語られます。
あちこちに散りばめられた、ヒントと思われるアイテムたちは、「現…続きを読む