レビューを書かれた方の中に「ハリポタのテイストを感じる」と本作を評していた方がちょいちょいいらっしゃいましたが、私も同感です。
魔術学園に通う未だ一人前ならざる少年少女達が思いがけない形で大きな事件に巻き込まれ、知恵と勇気とその身に備えた魔術を駆使して窮地を切り抜け勝利を掴む――ハリー・ポッターシリーズのみならず、児童文学やライトノベルにおける王道の筋立てであり、作中に通底する雰囲気は正しく「ライトファンタジー」であると感じました。暗い要素や作中世界におけるほの昏さが絶無ということはないのですが、総じて明るいファンタジーです。
闇の組織の蠢動と対峙しつつも、本質的には主人公であるフレアがその身に備えた制御不能な力とどのように向き合い、乗りこなしてゆくか――そうしたところに物語の軸足を置いていると感じました。
主人公兼ヒロイン担当と思われるフレア。
珍しい――といってしまうと失礼かもしれませんが、あまり「美少女」的なアイコンを持たない子としてデザインされているのが新鮮に感じられました。主人公でヒロインなのに――というのは多分に私の偏見とは思いますけれど。
その代わり、読んでいくと分かる愛くるしい子でした。わかりやすい美少女アイコンはないのでぱっと見――というか脳内でキャラを動かすうえでの初見の誘因となる要素は乏しいのですが、よくも悪くもあんまり人を疑わない素直な性格で感情豊か。日々いっしょうけんめいで、何と言うか、ころころした愛嬌のある子です。おにいちゃんはかわいかったろうなー、この妹。
割と初手からヤバい感じの失敗もしているような気がするんですが、その辺もひっくるめてふわっと「良し」とできてしまう愛嬌です。
なお、美少女要素が入ってるのは作中メインキャラだと高飛車エリート令嬢ローズの方だと思うのですが、この子はこの子で性格や振る舞いが若干飛び道具な感じなので、美少女というより、こう、おもしろ令嬢…（※ド失礼
先日晴れて完結を見たばかりで、続きを待たされることもありません。
引っかかりなくするするっと読める読み口のよいおはなしでもありますので、この機会に是非、一気呵成に読まれてみるなど。いかがでしょうか？
魔法少女、そして学園ものとくれば、ちょっとありきたり感を想像してしまいますが、本作はその設定をうまくアレンジしながら構成されています。
とにかく、メインで登場する三人のキャラ、可愛い天然ドジっ子フレア、ライバル・友人・プライド超高いローズ、そしてミステリアスなクール男子クロス、がとても良いんです！
他のレビュワーさんがハリポタをイメージすると書かれていますが、個人的には、SPY×FAMILYのアーニャ、ベッキー、ダミアンがそれぞれのキャラに通じるものがあるのでは、なんて思ったりしています。
そこにうまく魔法という要素を取り入れた、純粋な学園ファンタジーになっていると感じられます。
個性的な三人のキャラたちが繰り広げるドタバタ劇、過激な魔法描写も本作の妙味になっています。
テンポよく進んでいくストーリーは飽きさせることなく、1話当たりの文字数も少な目なのでついつい先へと進んでしまいます。
現時点で60話、物語はまだまだこれからです。是非手に取って読み進めてみてください！
オーソドックスな魔法学園ものなんですが、これを読んで私の頭に浮かんだのは、那須正幹先生の「ズッコケ三人組」ですね。雰囲気がとても優しくて、昔読んだ児童書を思い出させてくれました。
はちべぇに近いのが、いつも自信たっぷりなローズ、ハカセに近いのが、優等生のクロス、そして、モーちゃんに近いのがフレアって感じですが、この三人組がかみ合ったところが、ほんと「ズッコケ三人組」を思い出させてれるんですよね。
雰囲気はハリーポッターに似ているというレビューが多くありますが、私「個人」の意見では、「指輪物語」の方が「本質的」には近そうな感じはするですよね。なんとなく雰囲気というか、だた、ここは自信がありません。
でも、「チート」ファンタジーに慣れ切った人には新鮮に映る「オーソドックス」な「どこか懐かしい」魔法もの。たまには「テンプレ」以外の、こういう「オーソドックス」なファンタジー、読んでみませんか？
先のレビューにも書いてありますが、ハリー・ポッターのような、オードソックスな魔術（魔法）世界でのストーリーです。
たしかに、どこか児童文学のような雰囲気も感じられます。
このストーリーのなによりの魅力は、うまい具合にかみ合った（！）三人組のキャラの強さです。
自己肯定感が低く、嫌味に気がつかないような天然ぽわぽわの女の子、フレア。
いつも冷静沈着で謎めいた、どこか闇を感じられる少年、クロス。
そして自己肯定感とプライドの塊だが確実な才能をもつ少女、ローズ。
どれをとっても、ほんとうに愛おしいほどに魅力的です。
ぜひ、ご一読を。
『ハリー・ポッターと賢者の石』などに代表されるオーソドックスな魔法学園を舞台にしたファンタジーです。
キャラのみがハリポタの逆配置で、
ポッター→フレア♀、ドジっ娘
ハーマイオニー→クロス♂、冷静な優等生
ロン→ローズ♀、名家で高飛車
となっています。
ストーリーはオリジナルで、現在のところ（六話時点）、三人の紹介がメイン。
物語はまだ大きく動いていませんが、クロスくんが闇属性かつ謎の師匠に師事していたことから、犯罪組織との関係性が疑われる可能性ありといったところでしょうか。
キャラもよく出来ていて、描写も上手く、ストーリー次第では化ける作品です。今後に期待します。