終末世界『常夜』の謎に迫る。人々は『現実』へ帰還出来るのか、しないのか

こちらの物語は、『現実』から、常に夜だという不可思議な終末世界『常夜』へなぜか流れ着いてしまった零一という大学生が主人公の物語です。
そこでとある少女に出会い、そこから様々な事柄に巻き込まれて行きます。

この世界では様々な人々が暮らしており、主人公はどんどんとその輪へ入っていくのですが……
皆、それぞれ過去に重たい何かを抱えており、共通して『現実』の記憶を無くしています。
その『記憶』というキーワードがこの物語の要になっています。
主人公の零一は自分の記憶を段々と取り戻しながら、『常夜』の謎へ次第に迫っていきます。

こちらの作品は現段階では未完結なので、『常夜』の謎や各人物の謎はまだ全て解き明かされていませんが、少しずつ出てくる真実にドキドキして、次々に読み進めたくなります。

また文章もとても分かりやすく、描写もとても繊細で美しく綴られています。各人物達の様子が手に取るように分かります。
ふんわりとした優しい世界と語り口で繰り広げられ、淡く儚いような色彩を感じてしまいます。読者の時の流れさえもゆったりと感じられる、そんな不思議な魅力を持つ物語です。

色んな思惑や葛藤が交じり合う『常夜』で暮らす人々は果たして『現実』へ帰還出来るのか? その選択をするのか……?

ぜひその真実へ向けて、一緒に駆け抜けてもらいたいな、と思います。

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