スイート・ライムジュース

作者 一初ゆずこ

89

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★★★ Excellent!!!

歌手でいうと、艶のある声質で声量があって、声域も広くて、
当然のごとくピッチが狂ったりもしない。
そういう歌い手が、十八番を歌っているかのような文章で綴られた、
とても魅力的な小品です。

※「小品」とは単にサイズの話であって、「大作」の対義語ではありません。

ふたりの女性が「ある種の対決」をする8000字弱の物語ですが、
その短いなかにも読む者の予想を裏切る仕掛け(のようなもの)がふんだんで
つまりは「読む悦び」を存分に味わえる――そんな作品です。

細かく書いてしまうとネタバレになるので避けますが、
ふたりの女性の造形と対比、過去の因縁、現在の状況、場面の構築と描写、
そういう隅々まで行き届いていて、そしてみずみずしい。
(それはもちろん作者の執筆へのこだわりでしょうけれど)

えー、つまり何が言いたいかというとですね、
「読んでいて楽しかった」ということです。
たった6行前に書いたことを思いっ切り重複してますが、
そこは見なかったことにしてください(笑)




★★★ Excellent!!!

苦手な人っていますよね。中学の時のムカつく奴とか。

そんな人と再会しちゃった主人公。イライラムカムカ。しかも迫る結婚の話なんかもあったりして……? 

読んでる最中に引き出される感情の波がとにかく豊か。ジェットコースターのような感じではありません。なんだろう。ぽわぽわ湧き上がる感じです。炭酸、なのかな? 

作中に出てくるジュース(?)はお楽しみ。ぜひ読んで、味わってくださいな!

僕はこの話を読んで、爽やかな気持ちになれました。
冒頭のモヤモヤがあるから、ラストのスッキリが鮮明なのかな。

作者の技巧も楽しめる作品です!

★★★ Excellent!!!

 街中で、偶然声をかけられた。
 中学の時の同級生だった。それも、大嫌いだった……。再会してしまった時には、そうキッパリと突きつけるつもりだった。

 そんな嫌っていた同級生が、主人公にお願いがあると言う。
 その誘いを断ることもできず、大嫌い……と突きつけることもできず、同級生とともにやってきたのは、小さな喫茶店だった。

 その喫茶店を手伝ってほしいと言うのが、同級生のお願いで、パートナーと別れてしまったからというのが理由だった。

 ここまで、ドラマは淡々と進んでいくが、ここから先の展開がおもしろい。
 大嫌いになってしまった理由とは? その本当の意味とは? 十三年経った今、変わることができたのか?
 それらをすべて、この物語のタイトルが表してくれているのかもしれない。

 スイート・ライムジュース………、それは、甘いのか、酸っぱいのか?

★★ Very Good!!

ドラマというドラマ、起伏という起伏もそれほどありませんが、日常の小さな岐路を切り取った甘苦いストーリーは、それを不可とは致しません。
非常に丁寧に書かれている作品ですので、読み心地が良く、読後感もライムジュースを飲み干したような、スッキリとしたものでした。

個人的には後日談、その後の主人公の心境の変化を描いて欲しかったです。