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  • 第二条 飲み屋への応援コメント

    なるほど、変身ってそういう方向性なんですね。
    中々苦労の多いヒロインですが、就職先がみつかって一先ず安心ですね。
    よかったです。

    作者からの返信

    この物語を書き始めた頃は、最初アナが苦労に苦労を重ねるので可哀そうで早く話を進めたかったのですよ。

    就職できたものの、飲み屋のバイトですよ。何だか危険な香りがプンプンですね。

  • 第一条 上京への応援コメント

    変身ヒロインの企画から来ました。
    第一話ではまだおわずけですねw
    引き続き楽しませて頂きます。

    作者からの返信

    リゥルさま、私の作品をお読み下さり、ありがとうございます。

    この作品は題名にもバッチリ変幻と銘打っておりますのでヒロイン変身するのですよ、しかも自在なのです! 続きをお楽しみ下されば幸いです。

  • 第五十四条 ニッキーへの応援コメント

    スピンオフ1作品から、王国物語のご縁をいただきました。

    本当に面白く、部屋で声を出して笑ったりしていましたが、

    王国物語3の作品は泣けました。

    何度、着ている服で涙を拭ったことか!

    素敵な作品を見せて下さることに感謝致します。

    まだ他の作品を読んでおりませんが、とても楽しみにしています。

    益々のご活躍を心より願っております(^^)

    作者からの返信

    chocoballyさま

    私のシリーズ作を多数読んで下さり、コメントもありがとうございます。感激です。

    シリーズ第三作「奥様」は私の中でも思い入れの深い作品です。ええ、アナの健気さに時々泣けますよね。

    chocoballyさまのペースで他の作品も目を通してくださると嬉しいです。

  • 第五条 接吻への応援コメント

    自主企画に参加していただきありがとうございます。
    とりあえず5話まで読ませていただきました。
    アナは若いのに苦労してますね。幸せになって欲しい!
    というわけで、続きが気になるので、時間が取れ次第また読ませていただきます。

    作者からの返信

    いとうみことさま
    私の作品を早速読んで下さってありがとうございます。コメントまで丁寧に頂けて恐縮です。

    実を申しますといとうさまが求めている魔法使いの物語に合っているかどうか少々不安でしたので嬉しいです。続きも良かったらお読み下さい。

  • 第四十五条 決別への応援コメント

    涙が....

    作者からの返信

    アナのあまりの潔さに泣けてきます。

  • 第四十四条 幻覚への応援コメント

    バカヤロウ~

    作者からの返信

    全く何をやっているのでしょうね……

  • 第四十三条 女将への応援コメント

    会員登録希望します。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    希望者は私の作品の愛読者であれば誰でも大歓迎でございます。

  • 追記 独壇場(二)への応援コメント

     おっしゃるとおり、聞き手がイザベルさんでよろしかったようです。

     ジェレミーさんのかなり危ない18禁発言にまで、聞き手として耐えるのは誰でもできないことでしょう。

     そして、ジェレミーさんを上げて降ろすあたり、面白かったです。
     騎士団の将来とか、ずいぶん真面目と思いましたが、分身の術+変幻の術など、超ヤバイ方向へ行ってます。しかもシャルボンも入れてとか……。(真面目パートは今後のストーリー上についての方向性でしょうか?)
     でも、もし分身ができるなら、アナさんには精神の鍛錬が必要になりそうです。同時にあーなってしまったら、気絶を通り越して精神破壊しそうです。

     そんな心配はさておき、次回作か次々回作の前振りでしょうか、アントワーヌさんが登場しました。
     確かに煮ても焼いても食えない印象です。裏と表を持っていて、色んな意味で深みを感じています。(色んな意味とは、キャラやその行動や思考などです)

     今後どんなストーリーが繰り広げられるのか、楽しみでもあります。


     ラストは『アナたん♡』『ジェレたん♡』で締めくくられていました。もう世間では、そのイメージで固まっているようです。

     変態っぽい座談会でしたが、微笑ましい印象で幕が引かれました。終わり良ければ全て良しですね。


    作者からの返信

     イザベルさんを聞き手に選んだのは正解だったとつくづく思います。

     ジェレミーに真面目なことを言わせたのは、その後のアブナイ分身の術発言をより際立たせるためなのです。まあ彼も一応仕事熱心ではあるのですが……

     本当に分身の術が出来たら……大変ですよね、一人三役をするアナは。

     この作品「奥様」の番外編後半は本編完結してから時間を置いて公開しました。この座談会公開時点ではもう次作の「開かぬ蕾に積もる雪」は本編完結、次々作「王子と私のせめぎ合い」の連載もかなり進んでいたのです。ですからそれぞれの作品の人気の比べることが出来たのですね。

     ジェレミーとアントワーヌ君はこの作品でも少々述べていましたが、仲が良いのか悪いのか微妙な関係でした。彼らの友情?がどんな形で深まって?いくのか次作「蕾」で明かされます。そちらも宜しかったらお読みください。

     この作品も最後の最後まで丁寧にお読み下さってありがとうございました。感謝の言葉もありません。

  • 追記 独壇場(一)への応援コメント

     思いっきり、独壇場ですね。

     はじめ、座談会なのに、どうしてこの夫婦だけなのかな? と思ったのですが、独壇場の方向がアレに向いていたためなんですね。

     アメリさんやリュックさんが入ってたら、ののしりあいとなってヤバそうですし、増してやクロードさんが入ったりしたら、罵声合戦になりそうです。王妃様と王様が入ったら、いったいどうなることか? もう、座談会どころじゃないかも知れませんね。

     それはさておき、シャルボンについても聞けましたし、良い読者サービスになっていると思いました。でも、マジで18禁でした。


    作者からの返信

     ジェレミーが大暴走失礼いたしました。けれどこれは次回にも続きます。

     私は最終的にイザベルさんが聞き手で良かったと思っています。この方以外には居ないな、と書き終えてから思いました。

     めくるめく官能のモフモフの内容が少しお分かりいただけたでしょうか! あまり露骨に書くのも……と思いましたがオトナの皆さまにはお分かりですよねぇ。

  • 主要でない登場人物と動物への応援コメント

     愛が溢れていました。

     チョイ役の登場人物にもこれだけ光をあてられるなんて、きちんと登場人物をまとめている証拠です。愛をもってしかできないことでしょう。
     そして、キャラを重視して物語を組立てていると思いました。

     最後の方で人物紹介を見ると何か懐かしいですね。
     長い旅の終わりに、その行程にて出会った人たちを振り返ったようでした。

     いい企画でした。

    作者からの返信

    はい、ありがとうございます。作品を完結させる度にチョイ役の人たちにも光を当てるようにしています。

    少ししか出てきていない登場人物でも結構思い出に残る人も居るのですよね。何作ものシリーズ作に出てきている人も居れば、一つの作品だけとか、あとはこちらでは主要登場人物でも別の作品ではチョイ役に回ってしまった人とかも。

    毎回楽しんでまとめています。


  • 編集済

    追記 長髪(二)への応援コメント

     この国王陛下はしょうもないですね。
     面白いと思って、仕事をやりくりしてまで、時間を作るとは……。

     王妃様だけならまだしも国王陛下直々とは、アナさんもさぞやビックリしたことでしょう。

     それだけ、ジェレミーさんの禁煙は興味を引く一大事だったようです。


     そして、合間妹子様の目の付けどころに感服いたしました。

     禁煙も長髪も読んだままに、私は受け止めていたのですが、こうやって夫婦仲を角度を変えて客観的に見ると、ここまで面白くできるのだと、勉強させていただきました。

     しかも、ご褒美の件を伏せたままでも、ここまで面白くできるのです。メッチャスゴイです!



     アナさんが長髪を望んだのは、白い近衛服とセットだったようです。
     少女マンガを思い浮かべました。
     確かに、近衛の白い制服姿に長髪ってカッコいいです。アナさんに、なるほどと思いました。

     そして、それが第2子につながっていく、きっと、その子の顔を見るたびにジェレミーさんの近衛服と長髪がセットになって蘇ってくることでしょう。
     毎日見る我が子で、あの時のアレを思い出す。なかなかの成人向きですね。


    作者からの返信

     国王陛下も仕事をやりくりした甲斐があったというものです。一国の長ですから責任ある立場でストレスも多いことと思います。けれど、こんな王妃さまを娶った彼、彼女に頭が上がりませんが、夫婦で過ごす時間は良い息抜きになっていることでしょう。大笑いすることはとても健康のためでもありますしね。

     実は国王陛下は王妃さまだけでなく、彼女の家族にも結構振り回されているのですね。ジェレミーの弱みを握れてさぞかし楽しかったことでしょう。

     アナとジェレミー夫婦の全てを知っている読者の皆さまが一番面白がっていることと思います。しかし全てを知らない国王夫妻、セバスチャンなどの登場人物の皆さんもこの夫婦の、というかジェレミーの変わり様を喜びながらも大いに楽しんでいます。だって純粋にジェレミーがアナにベタ惚れな様子が面白いのですものね! お褒め頂き、光栄です。

     近衛の制服に長髪、萌えます。乙女の憧れです。乙女と呼ぶにはもう歳がいってしまっている私でも萌えます。ジェレミーはデフォルトは短髪ですが、ほんの一時期だけ長髪になったのですねぇ。これも愛妻におねだりされて、しかもリュックに張り合って、だなんて騎士団の部下には絶対内緒です。

     第一子のギヨーム君は夫婦が仲直りしてすぐにできました。第二子のアンリ君は、アナによると『長髪で制服ぷれい』の時の子らしいです。第三子のミレイユちゃんはジェレミーによると『ニッキープレイ』の時だから母親はニッキーなのだそうですね。人にもよるでしょうけれど、子供の顔を見る度にこの子はアノ時にできたと思い出すものなのでしょうか……とにかく、夫婦円満なようで何よりです!!!

  • 追記 長髪(一)への応援コメント

     『ウソだぁー!』に笑いました!

     女性の本性と言いますか、王妃様の、女性キャラの地が乗り移ったかのような一声でした。

     と、そのくらいにジェレミーさんの禁煙って、信じられない事だったようです。

     セバスチャンさんも喜んでいるようですし、ジェレミーさんの禁煙は一大事件だったのでしょう。


     にしても、弟を朝早くから呼んでおいてまだ寝ているなんて、とんだぐうたらお嬢さんです(子供もいる女性ですが……)。
     そんなことなら、遅刻しても全然平気そうです。そうすると出勤時間に間に合わないのかな?


     さあ、次回は王妃様が禁煙をネタにジェレミーさんで遊ぶのでしょうか?


    作者からの返信

     王妃さまがウソだぁー!と叫ぶくらいジェレミーの禁煙は天変地異だったようですね。セバスチャン氏を始め、周りの家族や友人は皆驚いていますものね。

     王妃さま、ジェレミーを呼び出しておいて何ということでしょう。まあ、気心の知れた身内なので寝坊した上、寝衣のまま飛び出していっても許してやって下さい。ジェレミーは流石に自分は仕事に遅刻するわけにはいきませんけれどもね……

     次回、ジェレミーで遊ぶのは王妃さまだけではないようですよ! お楽しみに!

  • 追記 正妻(二)への応援コメント

     夫に愛人がいるとバラしてしまいました。

     ちょっと不安が残りますが、自分を女として立てずに、愛人を1番に立てているところが面白かったです。
     それでも、アナさん自身は正妻であると、その愛人の上に立つのです。

     もちろん、その愛人はニッキーさんなので、アナさんに変わりはないのですが、嫉妬するほどのニッキーさんを立てるなんて、心の底では複雑な想いがあったかも知れませんね。

     その想いを押し殺して、悪妻さんの前に立つ勇気! さすがでした。

     そして、ニッキーさんに変幻するのは禁止だったはずなのに、激レアに負けたジェレミーさんでした。(まあ、クロードさんたちに大丈夫と言われているので、変幻してもいいと思ったのかも知れませんね)


     『正装していると身の危険感じるんだけど』は笑いました。強烈なアナさんの特徴を裏付けていると思いました。


    作者からの返信

     自分の容姿に絶対の自信を持っているマチルダ二号には、ジェレミーのアナ(とニッキー)にベタ惚れな性癖が理解できないのですよね。人の趣味はそれぞれなのですけれどね。

     アナは自分がいくら言ってもマチルダ二号には効かないと思って、架空?の存在のニッキーという恋人を持ち出したのでしょう。マチルダ二号も容姿も何も知らないジェレミーの恋人に対しては想像だけが膨らんでどんな美人なのかしら?と納得するのかもしれません。

     それにしてもアナのマチルダ二号に立ち向かう勇気には乾杯です。リュックもタジタジしていますね。

     えっと、妊娠中のアナは猫のシャルボンになるのは禁止されていますが、ニッキーになるのはジェレミー的にはオッケーです。そもそもシャルボン中に産気づいたら子猫が生まれるというおバカな理由ですから。

     アナもニッキーも正装姿のジェレミーに対しては積極的?になって攻めます!


  • 編集済

    追記 正妻(一)への応援コメント

     このお話を読んで、サブタイトルの『正妻』は、アナさんの称号のようなものと感じました。

     正妻として堂々と立ち振舞っているように思いました。

     それにしても、ジェレミーさんに相手にされず、猫のシャルボンにすら負けたのに、まだ諦めていなかったんですね。
     執念深いといいますか、今の生活は不満でしかないようです。その不満から抜け出す突破口として、ジェレミーさんを利用しているようにも感じました。

     リュックさんがいるのに、悪口をやめないなんて、その不満はかなりのものなのでしょう。男性が居ればなかなか続けられないと思うので。

     今後のためにも、このような悪口はやめさせたいところです。
     アナさん自身が立ち向かうのは、アナさんの意思表明になると思いました。

     それに、愛されているという裏付けが力になっているとも感じました。
     愛の力でアナさんは立ったのです!



    作者からの返信

     アナはいくつもの修羅場を通り抜けてきたので強くなっていますね。

     マチルダ二号さんはかなりしぶとい方です。女性としてかなり自分に自信があるようですが、そんな押せ押せ女はジェレミーが一番苦手とするタイプなのですねぇ。今の生活に不満があるのか、ジェレミーが自分に見向きもしないのが腑に落ちないのか……都合の良いようにしか考えられない人のようです。

     アナはそんな女には負けることはありません。ジェレミーに愛されているという事実がより彼女を堂々と奮い立たせています。頑張れアナ!

  • 追記 優勝への応援コメント

     いつの間にか、『アナたん♡』『ジェレたん♡』が広まっていました。
     本人達は恥ずかしいことでしょう。
     本当ではないので……。

     そして、やっとジェレミーさんが優勝となりました。
     禁煙の効果は絶大だったようです。

     公共の場で『スケスケ』が出てきました。さすが、ジェレミーさんでした。そのくらいのことは気にしない男でしたね。

     今回は、初優勝とそのご褒美と『アナたん♡』『ジェレたん♡』とエティエン王太子の喜びだったでしょうか?
     ジェレミーさんの赤ちゃんへの気遣いは以前からですから。

     『アナたん♡』『ジェレたん♡』の印象が強いですが、エティエン王太子の喜びも印象に残りました。これまで準優勝で悔しい思いでしたから。

     なので、護衛や侍女を待たずして飛びついたのでしょう。
     子供の動きというのは、絵になるものなのです。

    作者からの返信

     『アナたん♡』『ジェレたん♡』の噂は広まっていますが、全くのデマですね……テレーズさんとアルノーさんがふざけてそんなことを言っていただけですから!

     ジェレミーは三度目の正直で優勝です! 夫婦仲もラブラブ、子供も生まれるし、禁煙も順調、良い事づくめです。

     幼い王太子殿下の前ですから、あれだけに留めておきましたがジェレミーさん……

     この話から二年前、ビアンカとクロードが運命の対面をした時の騎士道大会ではジェレミー叔父がリュックに負けてエティエン王太子が機嫌を損ねておりました。良かったですよ、やっと叔父さまが優勝して。侍女も護衛も振り切って駆け出したくなる気持ちも分かります。

  • 追記 禁煙(二)への応援コメント

     シャルボンには『めくるめく官能のモフモフ』ですか。詳しくは未だに不明でした。どんなモフモフでしょうか?


     そして、テオドールさんには秘密基地の使用権が与えられました。

     秘密基地の存在は初めてだったような気がします。みんな大人ですから、そこで遊ぶというより、くつろぐ空間でしょうか?
     それなりの大きさがないと、くつろげないと思うので、樹上の山小屋のように思いました。
     洞窟はジメジメしたイメージですが、夏は快適なのでしょうか? でも、洞窟特有の動物も潜んでいそうですね。コウモリとか。

     私のお話にも秘密基地が登場しますので、執筆前に何通りもの想定を考えました。採用したのは、電気も水道もない壁と屋根があるだけで、床は無く地面がむき出しの小屋です。子供の遊び場にはいいですが、決してくつろげる空間には成りそうもありませんでした。

     ですが、ここでは違いそうです。貴族の秘密基地です。何もない洞窟や、壁と屋根と床があるだけの小屋ではないでしょう。それなりの設備がありそうです。

     また、現世の別荘でも維持管理は大変です。長い間空けておくと、土埃が床に溜まっていたり、虫や蜘蛛が湧いていたりで、始めに掃除をしないと、とても使えません。秘密基地となればもっと大変でしょう。
     でも、貴族の秘密基地なので、その辺りも克服できていると思いました。

     今後のお話で、秘密基地が出てくるか分かりませんが、アイテムとして活用して欲しいと思いました。秘密なだけに悪巧みにはもってこいですよね。


    作者からの返信

     具体的なことは何も分からず仕舞いのシャルボンからのご褒美でした。頑張って禁煙したジェレミーなのでまあ許してやって下さい。

     秘密基地の存在が明かされたのは亜逢さまのおっしゃるとおり、初めてです。この次の作品から重要な場面として出てきますのでお楽しみに。

     実は「奥様」の番外編はたくさんネタがありすぎて、次作の連載中から完結後にかけてもずっと続けて書いていたのですね。

     秘密基地はクロードからルクレール家の三人に引き継がれ、それからアナも学院に通い始めたので使っていたことになっています。大人数で集まるというよりも、一人か二人が昼休みに寛ぐのが主な目的です。それぞれ皆さん年が少し違うので学院に通っていた時期も少しずれていますしね。

     この「禁煙」の回を書いている時、アナの弟のテオドール君も秘密基地を使う権利を与えてやろう、思いついたのでこのエピソードを添えたというわけです。

     そしてテオドール君の言う通り、もう一人この秘密基地を使っていた人が居るのですがそれは次作で明らかになります。

     第一秘密基地は大木の上で小屋のようになっています。主に春から秋にかけて使っています。気候が悪い時に第二基地の洞窟に彼らは行くようです。私も湿気のことは考えました。ジメジメしてそうですよねぇ。サンレオナール王都の冬は厳しいけれど、年間通して秘密基地を利用したいということで苦肉の策として第一、第二基地の二つを用意したというわけなのです。

     秘密基地の管理は使用している人物が皆卒業してしまった後、非常勤で学院で魔術を教えているクロードが担当しています。そして子世代に引き継がれていきます。

     たった今、自分でも気になったので再確認してみました。クロードが在学中秘密基地を建ててからというもの常に使用者の誰かが貴族学院に在学中でした。謎の六人目の人物が卒業してアナが編入するまでの一年間だけは間が空いています。それからアナやテオドール君が使い、きっとアナの妹ルーシーも使わせてもらったと思います。アナとルーシー姉妹は同時に卒業、その後は子世代たちが使うまで再びしばらくの間誰も使っていなかったようですね。細かくてすみません。

  • 追記 禁煙(一)への応援コメント

     禁煙は家族のご褒美で進めるのが近道ってところでしょうか?

     家族であれば、ご褒美をしてもらうという目標を、顔を見るたびに思い出します。
     それだけでも毎日の励みになることでしょう。

     ご褒美が豪華レストランでの食事とか、遠い地域への旅行とかであると、その時限りです。

     ですが、家族ならご褒美をした後でも、顔を見るたびに、ご褒美をしたもらった、ご褒美をしてあげた、という事実が思い浮かぶことでしょう。

     ご褒美をしてあげたのだから、禁煙を続けてくださいねと言う、無言のプレッシャーにできるかも知れませんね。

     家族のご褒美は、禁煙の継続的な効果が期待できそうです。
     さすが、お医者さんはの提案は違います。


     ジェレミーさんの場合、特別奉仕といいますと、なにか、Hな奉仕を考えていそうです。(前回のオチが頭に残っているので、特にそう感じます)

     ですが、シャルボンというところが気になりますね。
     シャルボンでは体が小さ過ぎる?

     それに、妊娠と分かったので、シャルボンは禁止ですよね。
     うーん、どんな特別奉仕なのでしょうか?



    作者からの返信

     亜逢さま、いつもコメントありがとうございます。

     さて、禁煙だとかご褒美だとかこの二人は言っていますが……要するにイチャイチャしたいだけなのかもしれません! でも減煙禁煙することはいいことですから、ジェレミーがやる気になっているうちにサッサとやめさせるに越したことはありません。アナの弟テオドール君は流石、王宮医師を目指して勉学に励んでいるだけありますね!?

     ジェレミーの考えるご褒美、特別奉仕なんて絶対人には言えないようなことに決まっていますよね。それ以外に何があると言うのでしょう?

     でしたら黒猫シャルボンからのご褒美は一体どんなものなのでしょうか? どうせジェレミーのことですから……

     とりあえず、妊娠が判明したのでシャルボンはしばらくお預けのようです。

     それでも益々やる気になっているジェレミーなのでまあ放っておきましょう。

  • 追記 束縛(二)への応援コメント

     もっと早く気付けたのかも知れませんが、直前までこのオチに気付きませんでした。

     普通に妻を心配する「愛ゆえの束縛」とばかり思っておりましたので……。

     そうですよね。ジェレミーさんですよね。こっちの方が確実にしっくりきます。
     しかも、本を見せて具体的に教えるとか、アナさんもショックを受けたことでしょう。
     まあ、その方面に関する知識のギャップが面白いところです。


     オチに全てを持っていかれそうですが、ジェレミーさんが自ら辻馬車を呼びに行く行動力には愛を感じました。
     だから、アナさんも束縛されてもいいと思えるのでしょう。(普通の意味の束縛ですよ)

     馬車の壊れ具合の表現は、ちょうど良いように感じました。勉強になりました。


     また、クロードさんも面白かったです。
     おかしな冗談を言ったり、口真似をしたり、裏山の木々たちに八つ当たりをしてた頃に比べれば、人間としての魅力が高くなったようです。ビアンカさん様様ですね。
     なによりです。


    作者からの返信

     あのジェレミーですからこんなオチがしっくりくるでしょうと思って書きました。アナは婚約時代からビアンカのように夫にウザいくらい心配されることに憧れていました。ですから何だかんだ言ってもアナもジェレミーに束縛されて嬉しいのですよね。

     アナは少女時代から領地の立て直しに苦労しており、下世話な級友や侍女などの影響を受けてその方面の知識を得るということがありませんでした。それに本人の性格もあるのでしょう。ジェレミーに手取り足取り教えてもらって下さい。出産してからですね、もちろん。

     ジェレミーはただ口で言うだけでなく一応行動力の人ですね。身重の妻の体を思って寒い中自ら辻馬車をつかまえに行きました。この場面を書く時もそうですが、この物語では登場人物が馬車に乗る場面が多いので、馬車のことを少し調べたのです。亜逢さまはいつも細かい所にお気づきで、驚かされます。

     クロードはビアンカと幸せそうで何よりですよね。このカップルもこのシリーズ内に時々各所に登場してきます。


  • 編集済

    追記 束縛(一)への応援コメント

     『子猫が生まれちまう!』が、よかったです。

     確かにそうなった場合どうなるのでしょうか?
     産気づいたところで、変身が解けてしまいそうな気がしますね。

     もしかしたら、そんな風に変身が解けた場合、アナさんの身体に異常が起こるかも知れません。

     また、瞬間移動も胎児に負担があるかも知れません。胎児には瞬間移動に身を構えることもできません。思いがけないショックがかかる可能性もあります。

     浮遊については、重力と言うことを考えると、無重力状態と推測されます。無重力状態は飛行機の落下時に起こるので、体験ツアーなどがあります。私には経験はありませんが、大人でも不思議な感覚と思います。

     いきなり胎児が不思議な感覚となり、またいきなり元の重力に戻るとかを、何度も体験するのはよろしいようには感じません。

     そんなことを思うと、ジェレミーさんの心配は、当然と言えば当然です。アナさんも今回は真摯に受け止めた方がいいかも知れないのかな? と思いました。

     しかし、物語にあるように、クロードさんとビアンカさんがいます。
     2人の助言の方が的を得ていると思いますので、それに従いジェレミーさんへ伝えて、アナさんと2人で決めていけば良いでしょう。


     ジェレミーさんの心配性が過ぎるようにも思えますが、前例が少ないことには慎重になるべきと考えます。
     ニッキーさんへの変身も控えた方がいいかも知れません。
     私としては、ビアンカさん達の助言があるまでは、ジェレミーさんの意見に賛同です。

    作者からの返信

     魔法についてはご都合主義の設定なので何とも言えませんね。妊娠中に魔法を使っても大丈夫なのか、瞬間移動などは体への負担も大きそうです。空中飛行中は無重力状態になるというのは気付きませんでした。確かにそうですね。しかし胎児はそもそも羊水の中に居ますから重力はあまり関係ないかもしれません。

     クロードとビアンカが何と言おうがジェレミーは考えを改めることはないような気がしますね。妊娠中は大人しくしている方が賢明でしょう。

     ニッキーに変幻するのはいい、だなんてジェレミーがニッキーに会いたいだけではないのでしょうか? 自分の都合のいいように妻を束縛しているだけ?

  • 追記 再会(二)への応援コメント

     嫉妬のアナさんでした。

     以前からそんな雰囲気を何度か見せていましたね。
     自分に嫉妬とか、かなり複雑な想いでしょう。
     しかも、本人の目の前で見せつけられるのです。

     あの行為の時に好きな相手から、自分ですが自分でない名前を連呼される。
     うーん、いい気分ではありませんね。

     アナさんが気持ち的にもニッキーと1つにならないと、ニッキープレイは多用できないのかも……。そうなれば、ちょっと寂しいジェレミーさんでしょう。


     しかし、ジェレミーさんの例えは極端だし、違っているように思えました。アナさんに賛成です。

     そう、『〇〇〇ンの俺と近衛正装の俺、どっちも好きだろ?』の例えです。(本文にあるので伏字を増やしてます)
     普段から見ない姿と、外でもできる姿とは、違うと私は思ったからです。
     凛々しさも違うと思います。
     フリーな美しさもありますが、形式美もあります。
     「好み」もありますが、どっちも同じとは思えません。

     考えてみますと、近衛正装プレイの時に、アナさんが『近衛様、近衛様』と呼ぶはずがないのです。
     もし、そういう呼ばれ方をしたのなら、全く同じではありませんが、ジェレミーさんも少しはアナさんの気持ちが分かるような気がします。
     『俺は近衛だけど、俺は俺だ! それに、お前は近衛なら誰でもいいのか!』とか、言いそうに思いました。


     後半は打って変わって、夫婦でお買い物です。
     和みますね。

     1年前と比べれば、幸せがひとしおでしょう。
     めでたし、めでたしでした。




     あと、個人的なことですが、伏字を見て『〇』の変換方法が分かりました。ここで聞こうと思ったのですが、試しているうちに自分で気付きました。
     変換の選択肢の下の方に『〇』があるんですね。
     いつも『○』と小さく丸が出てしまい、カクヨムではそうなのだろうと、諦めていたのでした(ワードでは大きい丸で表記されるのです)。
     以前からも、この作品等で大きい丸を見ていたのかも知れませんが、今回改めて知ることができました。気付くきっかけになりました。
     ありがとうございました。

    作者からの返信

    亜逢さま

     いつもお読み下さって、応援コメントもありがとうございます。一週間カクヨム活動を休んでおりました。返信が遅くなってしまいました。

     はい、今回はニッキーに嫉妬するアナでした。が、正体がジェレミーに分かる前までの嫉妬は良く分かりますが、今はアナ=ニッキーと分かっています。ですから彼女も承知の上でのニッキープレイなのでしょう。しかーし、久しぶりにニッキーに会えたジェレミーの彼女に対する愛情表現があまりにもアナに対する時より率直なのでそれが引っ掛かっていたアナだったのでした。

     ジェレミーの極端な例えは、彼が勝手に言っているだけなので放っておきましょう。〇〇チ〇だろうが近衛正装をしていようがジェレミーはジェレミーなのですからね。『フリーな美しさもありますが、形式美もあります。』亜逢さまのこの表現には笑ってしまいました!

     とにかく、最後はラブラブでめでたしめでたしです。

     私は伏字の〇は『まる』と入力して出しています。まるにも色々種類がありますね。パソコンと携帯ではまた違いますし。

  • 追記 再会(一)への応援コメント

     今回はあまり書くことがないと言いますか、ラブラブモードにあてられそうでした。

     夢のニッキープレイが、ここに実現! と言ったところでしょうか?


     前振り通りでした。
     『体のある部分に血液が集まって来るのを感じ』などは、結構きてますね。
     私も以前に似たような表現を使ったことがあり、思った以上に恥ずかしかったことを思い出しました。
     ここで、「お察しします」と書くと、それほどでもないようなご返信をいただきそうなので、ここまでで留めておきましょう。


     表現において、『コアラのように自分にしがみついているニッキー』が、ただ、しがみついているだけじゃなくて、情景が思い浮かんでよかったです。どうやら私は動物の比喩が好きなようです。


     そして今回、虚(きょ)をつかれたのが、『変幻魔法で膨らませましょうか?』です。
     そうか! 変幻魔法には、そういう部分的な使い方もあるんだと、創作された設定の幅が広いことに感嘆いたしました。

     今は、『そんなインチキやめろ』と、ジェレミーさんは言っていますが、将来マンネリになった時に、大きくしたり小さくしたり、または形を変えたりと、有効的に使用できそうです。
     でも、こんなラブラブが続いていたら、マンネリも無いかも知れませんね。


     幸せなようで何よりでした。


    作者からの返信

     ニッキーが現れて喜びもひとしおのジェレミーでした。何と言っても結婚前に彼女が消滅して以来ですからね。

     この話を書いたときはまあまあ恥ずかしかったのですが『体のある部分』と間接的な表現を使っただけですので、誰にでもお分かりですよねぇどの部分か……お恥ずかしい限りです。今現在私はより過激なことを書いているので少々感覚も鈍ってきております。

     コアラのようにしがみつくニッキー、可愛いですよね。アナも可愛いですが、ニッキーは侯爵夫人という肩書もなく、ただのニッキーなのでもっと大胆で積極的になれるのです。とアナも以前言っていました。

     変幻魔法とは物や人の見た目などを変える魔法なので、胸を大きくすること、プチ整形代わりに使うことは最初に思いつきました。しわとかシミも消せますよねー! ジェレミーはそれをインチキと言いますが、じゃあニッキープレイは? 奥さんをニッキーに変幻させてマンネリ化を防ぐ?のはインチキじゃないのか!とツッコミたくなります。

     まあ幸せラブラブだからよしとしましょう。

  • 追記 妊娠(三)への応援コメント

     『ん? デーモン閣下が何でいるんだ?』
     笑いました!

     始めはデーモンだけと思っていたのですが、『閣下』がついて、あの顔が思い浮かんじゃいました!

     似てるのでしょうか?



     ジェレミーさんも禁煙に苦労したようです。
     咳が出る間だけ我慢すればいいと考えなかったようです。
     将来的にも禁煙は必須と思ったのでしょう。
     優しいです。



     妊娠を夫に伝えるシーン、妻が妊娠したと夫が知るシーンは幸せそうで、こちらも嬉しくなります。

     嫁いだ家のためではなく、両家のため、2人のためにと言う言葉が、すぐに出てくるなんて、日頃から思っていることのように感じます。
     いい夫です。



     妊娠中の禁止事項とは、過剰反応振りが見て取れます。
     心配も幸せの内というようなお父さんが目に浮かびますね。



     時期的にはよく憶えていませんでしたが、ビアンカさんが妊娠に気付いていたけど、本人に教えなかったシーンは憶えています。
     やっぱり、本人が1番に気付くのがいいのでしょうねぇ。
     

     

    作者からの返信

     デーモンと言えば閣下ですよね! ウケて下さって嬉しいです。

     テオドール医学生の協力の下、ジェレミーは見事禁煙に成功します。その話ももう少ししたらありますのでお楽しみに。

     ジェレミーもアナのことを大事に思っていますからね、それにただ威張っているだけではないのです。子供は将来男の子だったら(男の子でギヨーム君だと読者の皆さまは知っています)ルクレール家の跡継ぎなのですね。それでも、ジェレミーは二人の子供でボルデュック家の血も引いているのだと、なかなか先進的な考え方をしています。ジェレミーの株が少し上昇!

     ジェレミーがアナの体を心配するあまり、色々禁止事項を設けるのですね。その話ももう少し後に続きます。

     ビアンカは誰よりも早くアナの妊娠に気付いていました。やはり自覚症状があって、お医者様にきちんと告げられて、という段階を踏むほうが感動も大きいことと思います。

  • 追記 妊娠(二)への応援コメント

     お姫様抱っこで下校!

     噂が広まらない方が、おかしいですね。
     現代でも、そんなことが起きようものなら、翌日にはクラス全員が知っていることでしょう。

     でもまあ、ここでは既婚者なのですから、色眼鏡で見られることはなさそうです。


     『ジェレミーはその男子生徒が馴れ馴れしくアナに話しかけるのが気に食わないようである』
     ジェレミーさんが、クラスの男子にちょっと嫉妬? って、いいますか、予期していなかった態度に少々戸惑ったのでしょうか?

     男のかわいらしさが出ていました。
     女性向け作品と感じます。



     もう1つ、女性向けを思わせたのが、王様の命令? でした。
     『クロード、ルクレールを抱っこして学院まで瞬間移動でとんぼ返りしろ』なんて、もし現在進行形のシーンでしたら、女性の読み手の幾人かは身を乗り出しそうです。

     実現していたら、思いもよらないサービスシーンでしたね。
     想像の域に止めてくださいって、感じで本人が口にするだけでした。
     合間妹子様は、読み手の思いを、うまくかわしたようです。



     妊娠の可能性が十分にあると思いつつも、憶測では断言しないデュモンさんは、さすがに医師です。
     読み手は妊娠宣言を期待したかも知れませんが、現実味を感じる診断でした。
     物語に現実味は大切です。



     ストーリー中にあるにはありましたが、タバコの場面が多かったようには思いませんでした。ここにきてクローズアップされていたのに、ちょっとビックリでした。

     妊娠すればタバコを遠ざけるのは、現代にも通じます。
     タバコを吸うお父さんたちの寂しい現実に重なってしまいます。

     ですが、まだ妊娠を言ってないのです。咳のためでも、辻褄は合うのですが、なにかタバコに大きな役割が隠されているとか、想像していしまいます。
     だって、あのジェレミーさんが慌てているのですから。

     読み手が気付かない何かが、タバコにあったのかも知れません。
     次なる展開を期待しましょう!



    作者からの返信

     級友たちはまだ十代半ばですからね、お姫様抱っこだなんて特に女子は盛り上がります! 仲直りをしたら夫婦のこんな様子をまず書きたいな、と思っていたのです。

     ジェレミーもアナのことは信用しているのでしょうが、やはり周りに若い男子がうろちょろしていると大いに気になるようですね。せいぜい嫉妬していなさい、です。

     クロードがジェレミーをお姫様抱っこ……涎ダラダラものですよね。残念ながら実現しませんでしたぁ。というのもジェレミーがそれだけはやめて欲しかったから、時間がかかっても馬で行くという手段を選んだからなのですね。

     これが現代ならば妊娠検査薬や超音波検査でもうとっくに妊娠の有無が分かっている時期です。しかし、設定としてはお医者さんでもまだ断言するのは難しいということにしました。

     しかし、白魔術師であるビアンカだけは年末の時点でもうおめでたを確認していました。(本編第五十二条)彼女は心の中で思っていただけで誰にも言っていません。アナ自身は疲れやすくなり魔力が減るという自覚症状がありましたが、直接妊娠と結びつけてはいないようでした。

     時々本編でもジェレミーは喫煙者だということは書いていましたが、注目度は低かったですね。飲み屋時代にニッキーはジェレミーが煙草を吸うのを何度か目撃しています。その後、アナが初めてルクレールの屋敷を訪ねて行った時、ジェレミーは煙草を吸っていいか、とアナに聞いています。それから結婚後のジェレミーは暖かいうちは寝室のバルコニーに出て紫煙をくゆらせることが多かったのです。そんな時アナは決してバルコニーには出ようとしませんでした。

     デュモン医師はまだ診断としては妊娠を言えないのですが、十中八九確信しているのでジェレミーにやんわりと煙草をアナの前で吸わないようにと進言しているのですね。

     それをアナがどう解釈したのか、ジェレミーの寝室から自分の部屋に戻ると言い出しました。さあ次回どうなるのでしょうか?



     

  • 追記 妊娠(一)への応援コメント

     『誰にやられた?』
     (仕込んだのはお前だろーが!)

     いいツッコミでした!

     ジェレミーさんが大声を出しながら近づいてくる様子が、慌てた男を演出していました。
     クロードさんも一役買ったみたいです。

     女性が倒れると、男は一大事と思います。
     クロードさんは慌てる事はなかったと思いますが、一大事のような感覚だったように思いました。
     男どもの過剰な反応っぷりが、面白くてよかったです。


     『学院一の問題児が十年後の今や愛妻家とはね。私も歳をとったわね』は、若者には、なかなかひねり出せない感覚かも知れません。
     なにか、ワビサビの領域のように思いました。物語の幅を感じました。


    作者からの返信

     アナの弟のテオドール君もきっと「お前が仕込んだのだろーが!」と言いたかったに違いありません。エリザベット先生、ナイスツッコミです。心の中でだけでしたが……

     ジェレミーはそれはもう慌てます。今までの他人のような夫婦関係が嘘のようですね! テオドール君も一安心しているようで、お姉さんの幸せを願ってやみません。ジェレミーのことをちゃんと義理兄として認めているのかはともかく……

     作者の私も結構な歳ですから、十年前やもっと前にはきっと書けなかっただろうなと時々思う場面が多々ありますね。

  • 追記 長男(二)への応援コメント

     寝室が2部屋の意味が分かりました!

     新婚なのに、なぜ、ドアで仕切っているのか? 大きな疑問でした。
     子供ができた時のためなんですね。
     そこまで、私は思いが及びませんでした。深い設定に恐れ入りました!

     なるほどなるほど、だから、ドアで仕切られていないと安心して……。


     シャルボンさんのお嫁さんを探すギヨームさんがかわいかったです。
     子猫を見たかったのかも知れません。

     ミシェルさんの『どこのウマノホネ』がよかったです。猫さんなのに馬の骨とか、分かって言っていたら、もっといいでしょう。

     このしゃべりっぷりって好きですね。分かっているのか? 分かっていないのか? ってところが微妙で面白いです。

     そして、リュックさんの苦悩と言うか、女性に囲まれた処世術も、ためになりました。
     立派な騎士なのに、家庭では肩身が狭いのでしょうか? このギャップもいいですね。


     『甘えん坊でも恥ずかしくない』、これを外で言っちゃいそうですね。
     そう思うとハラハラです!


    作者からの返信

     夫婦それぞれ寝室があるのは、まあ子供が出来た時のためというよりも貴族で屋敷も大きいからと言った方がいいかもしれません。人によっては全くの仮面夫婦というところもあるでしょうしね。

     シリーズ作品中に他にもこんな形式の寝室がある主人公夫婦がいます。確かにいくら仲良くでも時々は一人で寝たいという時もあるのかもしれません。

     この夫婦は最初は契約でしたので、別寝室でした。それにアナも寝室が別でなかったらジェレミーに頼んで離れにでも住まわせてもらうつもりだったのです。この夫婦もそんな時期がありました。今はそんなこと微塵も感じさせないラブラブ夫婦です。

     ギヨーム君、可愛いですよね。シャルボンのことを男の子だと思い込んでいました。あまり会えないのが寂しいようです。それはしょうがないのです。時々ジェレミーにモフモフされにやってくるだけなのですから!

     アメリとリュックの娘、ミシェルちゃんはかなりのおませさんに育っています。アメリの娘で双方の祖母がかなり強烈ですから、それも頷けます。

     リュックさんは家では女性たちが権力を握っているのを上手く生き抜いていますねぇ。さすがです。まあその方が上手く世の中が回るのです。

     そしてギヨーム君、近衛騎士のお父さんも実は甘えん坊だということを……外で言うのでしょうか? ミシェルちゃんにはバッサリと切られそうですが。

    『フウフなのだから一緒に寝てトーゼンよ!』

     といった感じでしょうか。

  • 追記 長男(一)への応援コメント

     なるほど、そういうシャルボンさんの使い方ですか。

     それとなく子供の日常を見たり、一緒に遊んだり、時には悩みを聞いたり、得な使い方ですが、こうなってしまうと、子供にバレてはいけませんね。

     それに、『魔法というものは遊びで使ったり人に見せびらかしたりするものではないのですよ』と教えながら、これでは示しがつきません。子供に躾(しつけ)ができなくなってしまいます。

     何としてでも、正体を隠し通さなくてはなりません。
     その辺で気を使いそうです。


     ですが、シャルボンさんを使っていると、子供の前でも気兼ねなく、ジェレミーさんとベタベタできますね。
     メチャクチャ、猫の役得です。

     合間妹子様の目の付け所に拍手でした。


     また、子供同士の関係が、それとなく表されていました。
     予習といいますか、新しい展開の早見せのようでした。
     次なるストーリーとして、期待してもよろしいのでしょうか?


     そして、セバスチャンさんが言っていた『どなたか』とは、やっぱり、王妃様ですよね。
     名前すら出さずに存在感を表す。
     王妃様は、主人公になっていないのに、なかなかの大物キャラです。



    作者からの返信

     シャルボンみたいな猫が屋敷内を我が物顔でうろちょろしていたらどんな感じかな、と考えてこの番外編の話が出来上がりました。猫のシャルボンは子供たちのことを良く見ているようですね。親子関係とはまた違った側面から我が子が見られるなんて、何だか変幻魔法は便利だなと亜逢さまのコメントを読んで改めて思いました。

     アナはギヨームの前では魔法の濫用は良くないと言いながら……ジェレミーにも大いにツッコまれています。当たり前です。悪用したり私利私益のために使ったりがいけないだけなのですけれどもね!

     まだ子供たちが生まれていなかった頃も、使用人たちの前でジェレミーとイチャイチャニャンニャンできるからという理由でアナはシャルボン化して出てきていました。子供たちが生まれてからは余計人の目を気にしなくてもいいシャルボンになると気が楽なのかもしれませんね。

     次世代のキャラたちもなかなか個性的な子が多いです。彼らはスピンオフや番外編などにこれからも時々出てくることがあるかもしれませんよ。お楽しみに!

     セバスチャンの言う『どなたか』はジェレミーか王妃さまのどちらかです。きっと二人共ですね……

  • 追記 近道(二)への応援コメント

     笑った箇所が3つありました。

    1.『礼儀作法の本でございますか?』
     この勘違いって、好きです!
     そして、この本は物語に必須のようですね。
     そういえば、これまで読んだ3つのシリーズの内、ビアンカさんだけがこの本のお世話になっていないのかな?

    2.『それだけは頼むから止めてくれ! すみません、式まで待ちます!』
     口調が変化しました。そこが笑えました。
     私は、ジェレミーさんがアナさんに王妃様を見てしまったのでは? と思いました。王妃様の存在の大きさがうかがえます。

    3.『サンドリヨン「ポッポッポッ!」』
     出てくると思っていなかったことと、動物と言うところで笑えました。
     動物って可愛いだけじゃないんですね。



     笑った以外に気になったのが、ジェレミーさんの優しさです。
     『気が乗らないのに無理強いしようとは思ってないし……』とか、上記2項のように、『待ちます!』と言ったり、前回同様しっかりと我慢しています。
     なだめてその気にさせようとしたり、アナさんの好きな制服を着て迫ったりしません。
     ジェレミーさんは、アナさんに対しては立派な紳士でした。偉い!



    作者からの返信

     『淑女と紳士の心得』題名だけ見るとマナーの本だと思ってしまう女性主人公が多いです。今のところシリーズ作で読まされたのはアメリとアナですね。王妃さまの蔵書だというこの本、あちらこちらで活躍していますよ。

     このパラレルワールド内のジェレミーは式を迎える前にフライングしようとします。純真なアナは王都の人々は奔放なのねと思っているだけで、王妃さまやアメリに確認してみようとします。彼女たちの耳に入ろうものなら……ジェレミーもう一生弱みを握られて言われ続けますよね。言葉遣いも丁寧になるはずです。

     サンドリヨンもアナの身を心配している一人(一羽ですね)に入っていますからね、抜かせません!

     意外と紳士だったジェレミーでした。アナのことが好きすぎてしょうがないようです。惚れた弱みですね。


  • 編集済

    追記 近道(一)への応援コメント

     なんとも、ビックリ企画です。

     自らパラレルワールドを創ってしまうなんて……。
     1粒で2度美味しいって、感じでしょうか?


     そりゃ、アナさんが、ニッキーさんと分かれば、即抱きついて、お持ち帰りでしょう!
     朝までどころか、仕事も忘れて昼までコースだったかも知れません。でも、セバスチャンさんが許さないかも?

     そんな目論見(もくろみ)を我慢したジェレミーさんは、立派に紳士的でした。

     でも、あろうことか、母親であるテレーズさんが、『この子の本性を知ってからでも婚約は遅くありませんわよ』なんて、ひどい事、いえ、本音を言ってしまうなんて、我慢したジェレミーさんがかわいそうでした。


     いきなり、『ラプンツェル』って、言ったのは笑いました。
     生まれて初めて会った男(王子でしたか?)に、その場で手篭(てご)めにされてしまう囚われのお姫様だったような? グリム童話だったでしょうか? グリムかどうかはちょっと不安です……。しかし、童話って内容じゃないと思いますが……。初めて知った時は驚いたものでした。『いいの? 子供に教えて?』

     そんなことはさておき、その名前は何の脈絡もありませんでした。
     ここでも、名前をよく憶えていないジェレミーさんの特徴が現れていました。

     それでも、アナさんは自分の領地へ。
     さすがに、ジェレミーさんが1ヶ月の休暇を取って同行ってことには、ならなかったようです。

     お目付け役といいますか、監視役をつけて1週間短縮ってところで収まったみたいです。
     1ヶ月会えない苦痛と不安なんて、色々とたまって仕方ないですよね。


     今回は、驚きのビックリ企画でした。まだ続くようで、楽しみです!



    作者からの返信

     まあ要するにジレジレすれ違うか、すぐにラブラブになるかの違いだけなのですが。パラレルワールドもなかなか楽しいものです。

     ジェレミーは喜んで暴走気味なのです。彼が紳士的と言うよりはアナがなかなか手強いようで……キスだけはさせてもらったようですが……

     ジェレミーの両親も大いに戸惑っておりますね。今まで超のつく女嫌いだったはずのジェレミーですからね。テレーズさんなどはアナに考え直すように諭しております。

     ジェレミーは相変わらず人の名前を覚えません。ボルデュック領の立て直しを手伝ってくれたステファン・ラプラントさんは名前も間違われ、しかも見境なく女性に手を出すような人だとジェレミーに思われています。ちょっと可哀そうですね。

     ジェレミーの名前間違いはいつも結構考えるのです。ステファンさんの名前もジェレミーに間違わせようと思って、ラプラント、ラプ……ラプンツェル!と思いつきました。

     それにしても本家のラプンツェルのお話は結構ひどいというか何と言うか、私もお子ちゃまバージョンしか知らなかったのですね、昔は。原作はかなりのきわどさでびっくりしましたよ。

     アナは予定通り領地に帰ります。ジェレミーは気が気でしょうがありません。一カ月くらいは我慢しなさい!本編ではアナが帰っている時には放ったらかしだったでしょ!と私は言いたいのです。

     次回もジェレミーは大いにアナに振り回されています。お楽しみに!

  • 追記 御者(三)への応援コメント

     合間妹子様に拍手です!

     理由は後ほどです。


     ヒューさんは観察眼と洞察力に優れていると思いました。
     よくぞ、ニッキーさんの正体を見破りました。

     直(じか)にニッキーさんを見ただけでは、その解答に到達しないことでしょう。
     ○姉弟説からの推測して、本当の弟を観察し、そして、王妃様! にたどり着きました。(○姉弟、本文に表記されおりますが、私は書けませんでした……)

     以前にもセバスチャンさんが、結婚する前の王妃様が見せた変幻術について、言っていたように記憶しています。
     出演がないにもかかわらず、王妃様の存在感を感じました。

     その王妃様と、アナさんの魔法学院が結びついたのです!
     よくぞ、たどり着きました。素晴らしい洞察力でした。

     この中の王妃様の存在感が拍手の1つ目です。


     アナさんもヒューさんが気付いていると分かったようです。
     受け答えや仕草で分かってしまうのでしょう。

     アナさんは恥ずかしがることもなく、余裕のある大人の女性でした。
     ヒューさんの回(かい)でありながら、アナさんの成長振りを感じました。

     この間接的な魅せ方が拍手の2つ目です。(あえて「魅」です)

     
     そして、ラストのミニニッキーさんです!
     知る人が少ないこの子の容姿で締めくくるところが、拍手の3つ目です。
     多くが知らない特別感が読み手には、たまらなく心地いいのです。


     王妃様の存在感、間接的に魅せるアナさんの成長、ミニニッキーさんの特別感で、合間妹子様に3拍手でした。


     きっと、合間妹子様も楽しく書けたことでしょう。
     ヒューさんが洞察に至るラインを見つけた時や、ミニニッキーさんで締めくくろうと考えた時など、ワクワクしたのではないでしょうか?

     楽しく書けるから、楽しく読めるのですね。
     私も幸せな気分を味わいました。

    作者からの返信

     拍手ありがとうございます。嬉しいです。

     ヒューさんが洞察力に優れているというか、ジェレミーの目が節穴というか……それでもヒューさんも良く見ていらっしゃいます。

     品のない言葉を使って申し訳ありません。〇姉弟もそうですが、私にしてみると何となくですが穴兄弟という言葉の方がえげつないような……どっちもどっちですか……

     セバスチャンは王妃さまが変幻魔術が得意だったことを思い出し、黒猫シャルボンの正体を見破っていましたね。そうなのです、王妃さまは変幻魔術を昔よく使っていました。最近では年配の女性に化けてビアンカとクロードの結婚式に紛れ込んでいたこともありました。王妃さまの変幻魔術にルクレール家の人々は振り回されていたと考えられます。

     アナはヒューさんがニッキーの正体を気付いたことを察していて、どっしりと構えていますね。仲直り後のアナは愛されているという余裕が見えますね。微笑ましいです。

     アナとジェレミーの娘のミレイユはだんだんニッキーに似てきたのでミニニッキーと呼ばれるようになります。しかし、ほとんどの人が何故そんな名前なのか知らないのです。アナもヒューさんと秘密を共有して昔のことを懐かしむことが出来るのが嬉しいのでしょう。ヒューさんもこんな秘密でしたら穴に向かって叫ばなくてもいいですよね。

     この話の番外編はどれも書くのが楽しかったですけれど、執事と御者のこの二つの話は特に楽しめました。主人公二人が他の登場人物の目にどのように映っているのか、そんなことを考えるのも好きです。

  • 追記 御者(二)への応援コメント

     おかしかったです!
     笑いました。

     これぞ、別視点ですね。

     2人の修羅場や、ジェレミーさんの土下座を想像したり、ニコニコしたアナさんに、怖さを見るなんて、たまらなかったです!
     2人の状況を知らない人は、こんな風に写るのでしょう。
     メッチャ笑えました。


     あの料理長のグレッグさんが、失敗作を量産するくらいに入れ込んで、焼き菓子を作っていました。
     こういう裏の情報もよかったです。キャラの想いを感じました。


     何となくですが、ヒューさんは噂好きのように思いました。
     主人の秘密を言いたいけど我慢する、嗜好を断たれてストレスにならないか心配なほどです。
     でもまあ、主人の噂はよくないことですもんね……。セバスチャンさんは偉いです。


     ジェレミーさんも、さすがに、アナさんを担いだまま馬車に乗らなかったようですね。そんな必要はないのですが、担いだ状態から荒々しくアナさんを馬車に押し込むような絵を思っておりましたので……。(野生的なイメージでしょうか?)




     書く方に専念したためと、風邪をひいたためと、身内に不幸があったために、応援コメントも、しばらくぶりとなりました。
     なのに、面白おかしく読めました。
     案外と私も物語を憶えているようです。合間妹子様の印象深い文章の賜物なのでしょう。改めて凄さを感じた次第です。


    作者からの返信

    亜逢さま、お久しぶりの応援コメントありがとうございます!

     本編を書いている時から御者のヒューさんの思いを書きたくてしょうがありませんでした。彼の葛藤は如何ばかりだったことでしょう。少々事情を知っているヒューさんだからこそ、です。セバスチャンはジェレミーについて屋敷の外に出ないので知らないのですよね。

     料理長のグレッグさんは執事編でセバスチャン氏に料理長の首をかけて至高の焼き菓子を焼け、と脅されていましたものね。

     ヒューさんは噂好きというわけではないのです。しかし、婚約中から結婚してからにかけてのジェレミーの男色疑惑やら何やらで、ヒューさんもアナに対してあまりに心が痛んだからセバスチャンに言おうかどうか迷ったのですね。

     とりあえず夫婦は仲直りしてほっとしたヒューさんですが、新たな修羅場の危機が!またまた彼は焦ります。本編では二人が無事仲直りをして飲み屋のイザベルさんに一緒に報告に行くだけなのです。ヒューさんの目にはニッキー少年の所にアナがジェレミーの首根っこを掴んで対決に行くという図に映っているのですねぇ。

     長いこと読まなかったのに話を覚えて下さっていて感激です。これからもお体に気を付けて、時々私の作品も読んで下さると嬉しいです。

  • 追記 御者(一)への応援コメント

     そう言えばそうですね。
     送り狼(ストーカー)はヒューさんが操る馬車でした。

     つまり、知っていた以上に共犯者だったのです。

     主人の言いつけとはいえ、ややもすれば、警察沙汰です。
     困ったことでしょう。

     合間妹子様は、キャラへの目配りが行き届いていらっしゃいます。
     なので、こういう困り事・悩み事にも目が届くのでしょう。

     そして、ヒューさんの立場は第三者です。
     物語を外から眺めれば、ジェレミーさんは『美少年がお好きー』となるわけです。

     噂を禁じていなかったら、家中の者が知っていたことでしょう。
     厳しいセバスチャンさんの効果が、発揮されていた例でした。セバスチャンさん本人にも相談にいっていないようなので、本人が知るよしもありませんが……。


     今回の教訓は、「隠そうとしても、隠し切るのは難しい」であると思いました。
     普段の生活にも通ずるかも知れませんね。



     前回コメントにいただいた返信についてです。
     私の方は読んでいただけるだけで、嬉しいのです。
     途中まで読んでいただき、ありがとうございます。
     続きはどうぞ、ごゆっくり、お読みください。


    作者からの返信

     ヒューさんはルクレール家の使用人なのでジェレミーの命には逆らえませんから従属性のある共犯ということになりますね。

     罪に問われたとしたら王都警護団のリュックの出番ですが、被害者のニッキーは被害届を出していないのでしょうねー。

     送り狼のくだりを書いている時に、このジェレミーの行状は全て御者に見られているよなーなんて思ったのがこの番外編を書くきっかけでした。ヒューさんはあまりに刺激的な!現場を目撃させられて非常に悩むことになります。気の毒でたまりません。

     御者のヒューさんは外出先でのジェレミーを見ているので、セバスチャン氏よりもジェレミーの生態に詳しいといっても差し支えないでしょう。セバスチャンに何度も相談しようと考えたヒューさん、結局はしっかりと口を噤んでいたようです。

     言わなくて良かったのかもしれません。セバスチャンはセバスチャンで『素敵な奥様を迎える会』や『壁ぶち抜き隊』の活動で必死でしたから。ここで「美少年がお好きー」などと聞いたら作戦を大幅に変更してうんぬん。大混乱を招きそうです。

     ジェレミー自身は隠してもいなかったのでしょうが、周りがヤキモキヤキモキでした。気の毒なヒューさんはもうしばらく悩む日々が続きます

  • 追記 執事(三)への応援コメント

     やはり、あの焼き菓子にかけられた想いは、ひとしおでした。

     セバスチャンさんが大きく働きかけてできた焼き菓子でした。
     グレッグさんも大事(おおごと)になっていると気付いたことでしょう。

     使用人たちのこれまでの想いが、詰まった焼き菓子でした。
     私の想像と近く、何かホッとしました。

     まあ、焼き菓子がジェレミーさんとアナさんが仲直りするきっかけではなかったのですが、アナさんも使用人たちの想いを感じたことと思います。



     猫ちゃん変化を見抜けたのは、日頃の観察と学院で学べるほどの魔力から推測する以外に、先例があった(いた)からなのですね。

     王妃様です。

     気付きませんでした。
     王妃様に手を焼いた経験も、猫ちゃん変化を見抜ける礎(いしずえ)になったようです。

     こんな物語が絡(から)まった感じって、好きです。



     最後に、『猿ぐつわかまして手足縛ってでも連れ帰るからな』と『そういうプレイだってことで』は、実にジェレミーさんらしかったです。
     本編中に無かったのが、悔やまれるくらいです(笑)。


    作者からの返信

     そうなのです、あの焼き菓子ですよ! お気付き下さってありがとうございます。料理長のグレッグさんも気を引き締めて焼いたことでしょう。

     この焼き菓子の出来は夫婦の仲直りには関係ありませんが、まあ使用人達の気持ちというか彼らの応援も伝わってきますよね。

     王妃さまが変幻魔術だけ得意だということは少しだけ第一作と第二作で述べていました。彼女はビアンカとクロードの結婚式に年配の夫人に化けて大聖堂に潜り込んでいました。それ以前にも王家に嫁ぐ前に色々と変幻魔法を使って悪さをしていたようです。だからセバスチャン氏は変幻魔法というものの知識が少しあったのですね。

     私は今のところこの王国物語シリーズしか書いていません。それぞれの物語、登場人物が絡み合っています。最初からお読み下さっている読者の方々にはそれがお分かりのことと思います。

     この話でのジェレミーやセバスチャンの台詞、猿ぐつわ、そういうプレイ、異種間〇〇等ですね。そう言われてみると番外編の方が本編よりもよっぽど濃いかもしれません!

     次回からは「御者は見た」になります。引き続きお付き合い下さると嬉しいです。

     先週から私生活の方で色々とありまして、頂いたコメントの返事をするだけで精いっぱいです。いつも読んでくださっている亜逢さまの作品もまた落ち着きましたら読みに参ります。

  • 追記 執事(二)への応援コメント

     いきなりな、驚く一面でした。

     両親のアルノーさんとテレーズさんが、これほど砕けた人たちだったとは……。
     絶句でした。

     それも、例の本もご存知のようで……。

     しかし、よくよく考えてみると、ジェレミーさんの両親であり、あの王妃様のご両親です。
     この親にして、この子たちありでしょうか?

     このあたり、きちんと、設定してあるんだなぁと感じました。


     セバスチャンさんは見てますね。アナさんの『ジェレミー好きスキ大好きオーラ』は黙っていても、感じる人は感じているのです。

     そういう見方があったればこそ、シャルボンさん見抜きができたのでしょう。
     つながっていると感じました。


     にしても、やっぱり、寝室の壁が大きく立ち塞がっているようです。

     私も本編を読んでいて、新婚なのに2部屋? と思いましたから。
     本人たちは契約とかあって、そうかも知れませんが、周りは1部屋だろう! と、言いたくなりますよね。

     『主寝室の壁をぶち抜き隊』が結成されてもおかしくないでしょう。
     でも、結成できなかったみたいです。
     そこで、ヒューさんが出てきましたね。後につながる「振り」のようでした。



     噂話の禁止、家の厳しさが表れています。
     目立たない設定ですが、セバスチャンさんの統率能力が現れているように感じました。噂話の悪影響をご存知なのでしょう。
     徹底するのは難しそうですが、できているように思いました。



     最後に、『「「ないわー」」』が、よかったです。
     笑いました。



    作者からの返信

     貴族ですから乳母や教育係が居たといっても、あのジェレミーと王妃さまを育てた両親ですからある程度は砕けた人であると考えられますよね。

     設定と言いますか、それぞれのキャラの性格を考えてこうなったというのが正しいですね。

     セバスチャン氏は人を良く観察しています。大きな貴族のお屋敷を取り仕切っている立場ですから経験もありますしね。アナのこともジェレミーの奥さまに相応しい人だ、と最初から認めていました。アナの気持ちも早くから察しています。

     ルクレール家の主寝室は元々二部屋という構造です。他のシリーズ作でもこのように中で繋がっている二部屋構造は出てきます。ラブラブ新婚だったら片方の部屋を使わなければいいだけですからね。実際仲直りした後、アナはジェレミーの部屋でずっと寝ていますし。

     番外編「執事は見た」の次は「御者は見た」になります。ヒューさんも活躍する予定です、お楽しみに!

     貴族のお屋敷に勤めているとやはり「家政婦は見た」状態で色々なことを見聞きするのですよね。それでも使用人が噂を広めるかどうか、は主従の間に信頼が築けているかなども関わってくることでしょう。ルクレール家は使用人の待遇も良く、働きやすい職場のようです。それについては「御者は見た」で少し述べています。

     他の登場人物にとっても読者の皆さまにとってもジェレミーが『アナたん、あーんして』なんて……絶対「ないわー」ですよね!


  • 編集済

    追記 執事(一)への応援コメント

     なるほど、なるほど、お客さんだからアナさんを丁重に扱ったのではなく、『仕草と言葉遣い』、『気立ても良く、よその屋敷の使用人にも気を遣う』など、執事の目からも丁重に扱うに足る人物と見抜いていたようです。

     着ている服の内側をも見定める眼力に頼もしさを感じました。


     『若い女性を屋敷に招くとは前代未聞のことでございます』とあり、アナさんへの期待の程が伺えます。
     加えてやっぱりアナさんが初めて招いた女性だったと分かります。
     ジェレミーさんは堅物ではないですが、貴族にしては異質と感じられます。
     そんなところも、第三者の目を通すと面白いですね。

     今回は、アナさんへの期待と進展していないもどかしさを感じました。
     次回は、結婚式と結婚後の語りでしょうか?

     式の裏に隠れたエピソードや、シャルボンさんの件(くだり)が楽しみです。



     手法についてです。
     始めの部分、ジェレミーさんの設定を、うまく語り上げているなと思いました。
     サブキャラにメインキャラの設定を語らせる上手な例のようでした。

     ちゃんと、途中に会話文があって変化をつけています。セバスチャンさんの語り上げだけでも十分なんですが、こういう変化があると、語り上げが引き立ちますね。
     計算されていると思いました。



     最後に、『ボルシチだったかな?』には、笑いました。



    作者からの返信

     この話を書き始めた時からこのセバスチャン視点の番外編は外せませんでした。初めてルクレール家を訪れたアナは家の格の違いに肩身の狭い思いをしていたようですが、全然そんなことはなかったのですねー。むしろセバスチャンには将来の侯爵夫人として既に認められていました。

     アナはジェレミーが個人的に屋敷に招いた初めての女性と言うことでセバスチャンの期待も否応なしに高まりますね。彼はジェレミーが女嫌いだと知っていても、外でニッキー少年を追いかけまわしているとは知りませんしね。

     婚約しても何となくよそよそしい二人のことをセバスチャンは心配し始めます。それはジェレミーの両親も同じことです。次回はその辺りのことを述べていきます。

     この話は私も主人公二人を始め他の登場人物にもかなりの思い入れがあるのです。本編では語りきれなかったことが沢山あり、それを番外編で小出しにしていけたらと思いました。他の登場人物視点で書くとまた違った見方ができますしね。

     ジェレミーは基本、人の名前をきちんと覚えない人なのですね(特に女性)。これからもボルシチだけでなく、彼の名前呼び間違いは頻発してきます。

  • 後書きへの応援コメント

     ジェレミーさんが『当て馬として人生を終える』と言うのは、私の感覚にもありました。

     なので、今作でジェレミーさんでした! の場面にはビックリしました。

     癖が強すぎて主人公、いえ、準主人公には向かないと思っておりました。
     しかし、合間妹子様はそんな考えなんてひっくり返して、上手に彼に活躍の場を与えたのです。

     なかなかの力量と思いました。

     しかも、ジェレミーさんの相手としてアナさんが生まれたんですね。アナさんは以前から暖めていたキャラに、主役を与えてあげた訳ではないんです。

     だから、かみ合った夫婦であり、かみ合ってない夫婦になり得たのでしょう。
     正面から作品に取り組む姿勢を感じました。

     『頭を抱えたくなるくらい、じれじれカップル』と言うのは、作る側からすると作り易い状態でしょう。ただ、読み手もその『じれじれ』にうまく乗せてあげないと、読んでもらえなくなります。

     合間妹子様は、その辺りも『じれじれ』一辺倒ではなく、うまく調整していたように思います。(シャルボンさんを使って、アナさんの本性を見せたりしています)



     この後、番外編に行かせてもらってから、4作目に手を伸ばすつもりです。

     その4作目は『頭脳明晰、冷静沈着、品行方正なアントワーヌ君』なので、期待と不安がありますね。

     期待は、これまでと違った男性キャラの活躍が見れそうという期待です。

     不安は、私事です。私は不安から頭のいいキャラを主人公に据(す)えるのを控えているんです。
     頭がいい設定なのに、この程度? なんて、いう評価を公募で受けたことがあるのです。
     だから、ちょっと、怖いんです。

     なので、たくさん調べて、頭がいいと思わせる演出も、考えなくてはなりません。苦労が多いと感じています。

     さらに、頭の悪いキャラ(男子)がいいこと言ったり、やったりすると、別のキャラ(女の子)に褒(ほ)めさせたり、キャラ本人を接近させたりできます。
     読み手が主人公に感情移入していると、いい気分に浸れるのです。そこの利用がやりにくくなるのです。

     なので、困難に挑戦された合間妹子様に敬意を抱きます。
     もう、完結されているかも知れませんが、がんばっていただきたいと、心より思っております。


    作者からの返信

     そうなのです。ジェレミーはアメリとリュックの物語でただの当て馬役をするために生まれたキャラなのですねー。それが何と次の作品の主役を射止めて、しかもアナという可愛らしい奥さまと最後には幸せになるという運のイイ奴です。

     その上、この「奥様」は今のところ王国シリーズ作七作中(六作完結一作連載中)一、二を争う人気の作品なのです! 何と言うことでしょうか!

     私は気の短い方なので、意味のないジレジレとかは読んでいられないのですね。さっさとくっつけよ!と思ってそこでもう最終回に飛んで終わりということも多々あります。この作品のジレジレは意味も必要性のあるジレジレと私としては思っていますが……

     黒猫のシャルボンちゃんは以前他サイトに掲載していた時には登場していませんでした。カクヨムに移ってきて改めて掲載するにあたって考え付いた新キャラなのですね。マチルダ二号もですね。彼女がジェレミーに色目を使っているのにアナはどう対抗するか、を考えていて、シャルボンが誕生したのです。それに伴い、題名も「契約結婚のススメ」から「奥様は変幻自在」に変更しました。あ、この作成秘話の部分、後書きに付け加えておこうかな……

     この作品、番外編が結構あります。どれも面白いと私は自負しておりますのでゆっくりとお楽しみください。

     さて、第四作は初の試みで男主人公です! しかも頭脳明晰なアントワーヌ君。アントワーヌ君は若いながらもそのやり手ぶりは十分に「貴方の隣」でも「奥様」でも発揮しているので、亜逢さまのおっしゃるような苦労は特にありませんでした。公募に出すことはないから自由に書けているということもありますね。

     第四作は女性主人公でも良かったのですが、私は頑張る主人公が好きなのですね。第四作では女性主人公も努力しますが、アントワーヌ君の方がよりガンバるということと、この作品同様に相手役が誰かを途中まで伏せておきたかったので彼をメインに据えたわけです。

     第四作も番外編を含めてもう完結しています。亜逢さまのおっしゃるような意味ではないですが、シリーズ主作品四作の中で書き上げるのに一番苦労したのですね。

  • 第五十四条 ニッキーへの応援コメント

     最終回おめでとうございます。

     この作品、やっぱりニッキーなんですね。

     子供がニッキーに似ている。
     なかなかやりますね。

     ミニニッキーは外へ向かって言えませんね。
     由来の説明が……。

     それに、その時にできた子供だからとか。



     本当に3人でお終いなのでしょうか?
     まだまだラブラブなので、クロードさんの心配が現実となりそうです。




     にしても、自室にピアノを持ち込むなんて、ジェレミーさんは相当こだわっているようです。だって、あれを演出するためのピアノなんですから……。

     使用人たちは勘付いているかも知れませんね。
     ニッキーさんじゃなくて、ピアノの用途ですよ。



     最後に、今回1番笑ったのが、欄外の『シャルボンの毛の黒いうちは』です。
     動物だけに笑えました。




    作者からの返信

     亜逢さま、最後までお付き合い頂きありがとうございました。無事に最終回を迎えました。

     最後はニッキーでしめています。彼女は結婚直前に消えてしまい、仲直りしてからは『ニッキープレイ』を匂わせていただけでした。最終回でやっと久しぶりの登場です。

     ミレイユがニッキープレイの時に出来た子供というのが真実かどうかはともかく……ジェレミーが好きなように解釈しているだけです。それに悪阻やその他妊娠中の諸々症状やお産は全てアナが体験したのですしね。

     クロードの心配も分かりますね。やっと職場復帰したと思ったら、すぐに産休育休? さて、どうなることやら……

     ジェレミーは使用人にどう思われていようが平気でしょう。自分が思ったことを実行するのみです。ピアノの用途? もう好きにして下さいって感じです。

     「目の黒いうちは」というのは目の黒くない人には使えないなぁと思い、シャルボンは黒猫で毛は黒いじゃん、ということです。今のところシリーズ作で黒目の人はクロードだけですね。

  • 第五十三条 卒業への応援コメント

     卒業の時には2人のママでした。

     入学の時には契約結婚、名ばかり夫婦でしたのに、ものすごい変化でしたね。
     しかし、2人とは驚きでした。1人と思っていましたので……。
     合間妹子様は、斜め上をいっています。


     アナさんのお母さん言葉は、現代にも通じるメッセージでしょうか?
     子宝に勝るものはない。
     現代だからこそ、深いんでしょうね。


     そして、その1人、ギヨームさんが、以前に出演していた子供だったんですか。
     分からないわけです。

     ジェレミーさんから見ると、物足りなく見えるかも知れませんが、包容力のある雰囲気がします。
     そんな大人に育って欲しいですね。



     ただ、バカップルぶりに拍車がかかったのでしょうか?
     2人で制服とは、『お前のがうつった』とか、きっと、ジェレミーさんにも素養(?)があったのでしょう。



     それで、ルーシーさんの恋のその後は? ちょっと気になりました。
     余裕があるっぽいので、順調なのかな?



    作者からの返信

     ジェレミーも甥のエティエン王太子に懐かれていたりと子供好きな一面があるのですね。可愛いお坊ちゃま達に囲まれて幸せいっぱいです。

     アナのお母さんの言葉もいつの時代にも通じます。草葉の陰で喜んでおいでのことでしょう。

     ギヨーム君は前作「貴方の隣」の番外編でアメリとリュックの長女ミシェルちゃんに良いように言い負かされてばかりのあの男の子です。アナに似て穏やかで静かなタイプです。

     きっと優しい良い子に育つことでしょう。

     さて、この夫婦は子供が出来てもいつまでも二人バカップルぶりは治まりません。益々磨きがかかっています。

     アナの妹ルーシーの恋の行方も気になるところです。ですがこちらについては番外編でなく、スピンオフとして作品を書いております。

  • 第五十二条 落着への応援コメント

     ビアンカさんは、やっぱ、すごいです。
     男女の関係まで分かってしまうなんて……。

     あの夫婦は昨夜、この夫婦は8日前、そっちの夫婦は1ヶ月ご無沙汰、あちらの夫婦は……、なんて、確かに知りたくないですね。こんなことまで、分かってしまうのも考え物でしょう。
     ビアンカさんも、人に言えない苦労があって大変です。



     今回は出番が少なかったようですが、王妃様の存在は大きいですね。
     まあ、ジェレミーさんのお姉さんなんですからね。

     夫婦仲に何かあった時とか、ジェレミーさんのことであれば、面白がって聞いてくれるだろうし、義姉としても頼りになる……のかな?
     ……まあ、アナさんの味方になって考えてくれ……そうです。(?)



     『私最近なぜだか魔力があまりなくて』とあって、懐妊の兆しかな? と、思っていたら、ビアンカさんも『すぐにおめでたい知らせが聞けそうね』とか、心で言ってますし、懐妊が濃厚のような気がしてきました。

     あれだけ愛されているのですから、当然な流れでしょう。



     ニッキーさんは世間からは消えてしまいましたが、あの時だけ現れる存在になったようです。
     ジェレミーさん以外には見る人はいないと思いますが、もしも誰かに覗き見られた時、浮気と思われるでしょうね。

     それも、将来の子供とかに……。しかも思春期頃とかに……。
     「おやじが若い男と浮気してやがる!」息子の場合
     「お父様が若い男と!」娘の場合
     (若い男とは、実は母親の化けた姿)

     おかしな原因による親子の断絶? これもまたドラマになりそうです。
     どう、誤解を解消していけば良いのでしょう?
     解消されても、そんなプレイと知って新たな問題に?

     読み手として想像が広がりました。


    作者からの返信

     ビアンカは赤の他人の夫婦生活まで網羅しているわけではないのです。彼女も自分の意志で人の心や将来を見ることはできません。割と親しい人で、強い感情に彼女の魔力が反応するのですねぇ。アナがジェレミーとの架空結婚を気にしていた時、仲直りしてラブラブになった時などにビアンカには彼女の感情が読み取れてしまったのですね。

     王妃さまはこれからもこの夫婦のことにやや口出ししてきます。特に番外編などで活躍されますのでどうぞご期待ください。

     アナがすぐ妊娠するだろうとちょっと匂わせてみたのですが、亜逢さまにはさすがお分かりでしたね。ええ、どうなるのでしょうね? ふふふ

     ニッキーはいつ現れるのか? ニッキープレイの時だけなのか、それとも? 野良猫シャルボンのように我が物顔でジェレミーの側には居られませんよねぇ……

  • 第五十一条 嗜好への応援コメント

     今回笑った2箇所です。

    ①『ミラ王妃の部屋から何冊か本を持って来て』です。
     未だに王妃様の部屋にはこういう本が残っているとは……。やっぱ、処分しないんですね。アメリさんの時もそうだったのかも知れませんが……。
     王子様が実家にやってきた時とかに、見られてしまいそうです。
     王妃様は、それもいいと思っているのかな?

    ②①の直前の『こんなことで感心されるのはお前が初めてだし、全然嬉しくねえし』です。特に『全然嬉しくねえし』です。
     かみ合ってない会話の集大成のようでした。
     確かに嬉しくないでしょう。意味が分かって感心しているわけではないのですから。
     そんなかみ合わない会話から、最後にジェレミーさんの心情が出てきたところが、テンポも合わせて、よかったです。



     ただ、今回は笑う以上に、読んでいるところを人に見られたくない内容でした。
     アナさんが学校の昼休みにあの本を開いてしまった時と、大差なかったように感じました。
     大人のための作品ですから、OKですけどね。

     でも、分かる人には分かるけど、アナさんのような人には、意味が通じないでしょうね。
     えっ? 私ですか? このくらいなら、十分通じます。

     合間妹子様は、それほどでもとおっしゃるかも知れませんが、もし私が書いたのなら、書いていて、また、読み返していて、非常に恥ずかしいですね。

     ただ、自分のことよりも、読み手のことを考えなければなりません。
     対象読者がどんな方たちなのかを想像しながら、その心境を考えてどの程度までなら許容できるのか、どんなものが楽しめるのかを考えることでしょう。


     この作品は大人の女性を対象に書かれているように思っておりますので、このくらいのサービスは十分範囲内と思います。

     楽しめる良いサービスになったことでしょう。

     それも、これまでの苦難があったればこそです。なので、危ない内容以上に楽しめたことと思いますよ。



     やはり、見た目もあるようで、ジェレミーさんはニッキーさんに会いたいんだと思いました。
     好きになった人に会いたいのに、その人がすぐそばにいるのに、会えないなんて、切な過ぎますよ。
     そんな寂しさが、ジェレミーさんの心の底に、こびり付いているのではないでしょうか?

     どうにかして、その寂しさを癒(い)したい気持ちが、『そのままのニッキーとサせろ』につながっていくのでしょう。

     もし会ったなら、そうしたいと思ってしまうし、そうなってしまうと気付いているのでしょう。

     離れからピアノの乱れた旋律が……? 弾かせながら? とか?
     ヤバイですね。




     最後に、御者のヒューさんが、後ろの会話が気になって、道を間違えたりしたら面白いですね。
     「道を間違えた? 俺たちの会話に興奮したんだろう!」などと、ジェレミーさんが言いそうです。



    作者からの返信

     昔の王妃さまの部屋には本だけでなく、色々なものがあります。時々ジェレミーがそのブツを探しに入っているようですよ。今作や次作の番外編などで書かれています。王家に嫁いだ王妃さまは実家に帰ることはまずありませんから王子様たちも教育上よろしくないものを目にすることはないのです。

     ジェレミーにとってはあまり感心されても嬉しくないですよね。そんな方面だけに物知りだなんて不名誉極まりありません!

     今まで二人大いにすれ違っていたのでジェレミーは暴走しまくり、アナはそれを止めるどころか一緒について走っているという感じです。作者としては少々恥ずかしくなくもないですが、私は直接的な行為の細部などは書きませんので……まだ健全な?ほうでしょうか。それでもまあ少しは恥ずかしいです。

     性描写ありとつけていますので、その辺りは読者の皆様にもご了承いただいて心構えをしてからページをめくって下さっているものと考えております。思った以上に品がない内容だ! 思っていたよりもエロ成分が足りない! などと思われる方々には非常に申し訳ないです!

     ジェレミーはやはりニッキーにかなり執着していますから、彼女にまた会いたいのも頷けますね。彼女との再会は叶うのでしょうか? 再開したらジェレミーは大暴走してしまいそうですね。ピアノは今ルクレール家の居間にあります。結局愛人ニッキーを離れに住まわせよう計画は計画倒れでしたので……

     御者のヒューさんはこの物語の中では色々とヤバいシーンを目撃している人物です。実は彼視点の番外編もありますのでお楽しみに!


     

  • 第五十条 報告への応援コメント

     クロードさんにも、からかわれていたようです。

     彼も仕事がオフの時だけではなく、オンの時でも人をからかうんですね。
     だいぶ近づきやすくなった印象でした。


     高校や大学に新婚さんがいたらどうなんだろう?
     と、想像してみましたが、なかなかできないものですね。

     学校に妊婦さんがいるというのは、考えたことがあったのですが、新婚さんがいるというのを考えるのは、難しいことと思いました。
     面白いシチュエーションを気付かせていただきました。




     リュックさんから、持久力が足りないと言われてたジェレミーさんでしたが、夜の持久力は思った以上にあるようです。

     でも、アナさんは、学院がある前夜はお休みではなく、1回戦は許すんですね。アナさんも新婚さんと言うことです。

     最初が肝心との1番の実践が、あのことだったとは、お母さんもビックリしているかもと、思ってしまいました。「夫婦なんだから、仕方ないわねぇ」



     2人ともイザベルさんにはお世話になっていましたね。報告に行って当然でしょう。
     端折(はしょ)ってもよかったのかも知れませんが、合間妹子様はエピソードに加えてあげました。心遣いに重きを置いているように感じられました。そんな執筆姿勢は好きです。




     シャルボンさんは自分からばらしちゃいましたね。
     ジェレミーさんは、「こいつ、知らん振りしながらも、メチャメチャ寄って来てたのかよ!」と、思ったに違いありません。
     それまで知らなかったアナさんの一面を見た思いだったことでしょう。

     そして、猫と人なのに何となく会話が成立している感じが面白かったです。



     馬車が2人の思い出の場所を通るシーンです。
     私もこういうエピソードを振り返るのが好きで、作品の中に取り入れたいと思っているのですが、文章が長くなりがちなんです。(私の場合、なんでも長くなりがちなんですが、……。短くする技を身につけるのが課題です)

     なので、合間妹子様くらいに、すっきり書きたいと思いました。
     勉強になりました。
     

    作者からの返信

     クロードはビアンカと出会ってから人間がだいぶ丸くなりました。きっと家ではビアンカに「あまり厳しいばかりでは学生たちもついてきませんよ」とか言われているのでは???

     そうなんですよね。アナは新婚らしくない新婚さんでした。これからは今までの遅れを取り戻すがごとく、新婚ぶりを学院でも発揮してくれることでしょう。十代半ばの周りの学生には少々刺激が!?

     リュックが何気なく言ったことを良く覚えていて下さいました。持久力がないと言われていたジェレミーです。剣の試合での持久力と夜の持久力はまた違った要素もあって直接は関連付けられないと……

     まあ今まで二人共我慢していましたから……アナも一回戦まではいつでもオッケーと言うことで……大目に見ましょうか……草葉の陰からお母さまも少々呆れておられることでしょう。

     イザベルの飲み屋は二人の(三人ですね)恋の始まりの重要な場面ですから、外すわけにはいきません。ジェレミーが後日一人で飲みに行ってイザベルに報告しても良かったのでしょうが、二人揃って行くのが筋でしょう。イザベルさんも大層心配していましたしね。この時の様子は番外編でも別の登場人物視点で書いておりますので、そちらもお読み頂けたら、と思います。

     やっとジェレミーとの思いが通じたアナは幸せいっぱいでシャルボンのことをすっかり忘れていました。それもそのはず、もうシャルボンになる必要もないのですから。丁度どこぞの黒猫ちゃんが馬車の前を横切ったためにシャルボンの正体を明かすいい機会となりました。

     シャルボンはこれからも時々登場する予定ニャのです。本人も言っているように、シャルボンやニッキーはアナよりも随分と積極的ですね。ジェレミーにはシャルボンがニャーニャーと言っているようにしか聞こえませんが、シャルボンは人間の言葉は分かりますからね。会話もなんとなく成立しているのです。

     私は時々描写がない、と言われることもあります。気が短いのでダラダラと書き続けるのは苦手とも言いますか……それでもニッキーとアナの両方がジェレミーと出会った飲み屋はアナにとっては思いでの場所で、思い入れがたくさんあるのです。


     

  • 第四十九条 変更への応援コメント

     ジェレミーさんの休みは、契約の変更・書き換えと、改まっての求婚をするためだったのでしょうか?

     なんか、そんな気がして、仕事よりもアナさんを優先しているジェレミーさんを思いました。

     ただ、求婚は普段着でしたね。
     その辺りに、彼らしさが出ているのでしょう。

     契約書の変更内容は、もはや契約ではないですね。宣誓書みたいなイメージと思いました。
     家族って、思いました。

     結婚式も含めて、ちゃんと始めから始めようとしてくれる、けじめと心遣いを感じました。
     やっと、名実ともに夫婦になりましたね。

     そして、領地への新婚旅行、庶民には全く分からない感覚です。今の日本では存在しないだけに、読み手としても想像の羽が広がります。


     ジェレミーさんは、『今までニッキーのことばかり考えていて、アナの気持ちを知らなかったとはいえ、その、俺は最低だったな。悪かった』と謝ります。

     謝るのは当然なんですが、ちょっと気になったのが『アナの気持ちを知らなかったとはいえ』の部分です。

     『好き』という気持ちは、迎えに来てくれた時に、アナさんから伝えたのですが、ニッキーさんに対してどう思っているとか、ニッキーさんばかりを追いかけるジェレミーさんをどう思っているとか、そういうのは言って無かったように記憶しています。

     すると、例のあの獣の場面で、アナさんがもっと深い気持ちを吐露したのかな? と、変な想像をしてしまいます。

     そんなことを考えていますと、合間妹子様が読み手に対して考える余地を与えてくれていると、思えてきました。

     言葉の1つ1つが、奥深く感じられました。



    作者からの返信

     ジェレミーはこの日はたまたま休みだっただけです。前日にニッキーの正体が分かってアナと仲直り出来るとは思ってもみなかったですからね。

     そして一日時間があったジェレミーは契約内容を書き直します。まあ普通に契約なかったことにしても良かったのでしょうが。

     そして今更ですが改まって求婚、結婚式の仕切り直しまで提案します。仕切り直したりしたら周りが不審に思うだけですよ。そこでアナは新婚旅行をしてみたいと言います。

     この新婚旅行は春になるまで実現されません。新婚旅行の様子はこの話の中では語られませんが、別のシリーズ作内で書いています。

     アナはジェレミーに好きだという気持ちは打ち明けました。ニッキーに対する思いなどはまだまだ彼には言っていません。それもまあそのうち夫婦で話し合いがなされることでしょう。


  • 編集済

    第四十八条 仲直りへの応援コメント

     楽しいその後を拝見いたしました。

     ドアの外に3人もいたのは意外でした。
     ある程度分かれば引いていくものですが、部屋の防音性がよく、よく分からなかったのでしょうか?
     また、3人とも、たった今、来たばかりだったのでしょうか?

     まさか、始まりから終わりまで、ずっと張り付いていたわけでもないと思いますが……。

     何はともあれ、何があったのかは3人に知れてしまいました。
     女性としては、恥ずかしくてたまらないことでしょう。

     なのに、すぐに一緒の食事なんて、アナさん以外は面白がっているようにしか思えませんでした。

     まあ、幸せなことなので、よしとしましょう。



     焼き菓子が出ました。
     この辺りが、きちんとした合間妹子様の執筆姿勢が表れていると感じました。

     以前の料理エピソード、アナさんの領地の材料、セバスチャンさんの心遣い、調理長さんにも慕われている様子+アナさんの料理への姿勢の評価などが、ミックスされた焼き菓子なんです。

     ルクレール家での日々が凝縮された焼き菓子だったのです。
     うまいなぁと思いました。菓子だけに。




     蒸留酒の話が出たところで、ジェレミーさんはどうするのか? 飲酒に乗ってくるのかな? と少々不安になりましたが、きっぱりと断りましたね。

     偉いです!

     しかも、仲直りの続きの予告が付きました。
     アナさんが喉をつまらせるのは、仕方ないことでしょう。

     ジェレミーさんもそのくらい、この一家に心配をかけたと思っていたのでしょう。
     私はただ、調子に乗っているだけとは思えませんでした。

     その理由は、ラストの台詞にある『義弟よ』です。
     ジェレミーさんなりに、ハードルを1つ越えようと考えた呼び方だったように思えたのです。

     ハードルを越え、自ら一家に歩み寄ることで、心配を安心に変えようとしていると思ったのです。




     前回の『ジェレミーさま!』は、読み手に「驚き」を与えてあげたかったために提案いたしました。
     おっしゃるとおり、アナさんの心情としては、離縁状を持っているだろうというマイナスの場面です。

     ですが、アナさんはその時そこにジェレミーさんはいない、それどころか、誰もいないと思ってピアノを弾いていたと思います。

     そこへ、人がいた!

     しかも、その人がジェレミーさんだったという「驚き」の場面です。

     読み手は、「驚き」を作品に求めていると私は思っております。

     ですから、驚かせたい箇所には、普通にボールを投げるのではなく、振りかぶって派手なモーションを持ってボールを投げたいんです。
     ビジュアルとしてのパフォーマンスです。

     フィクションなので、そのくらいの演出は許してもらえると考えております。

     えーと、何が言いたいかと申しますと、私も「驚き」が欲しかったのです(読み手として)。

     もっと、「驚かせて!」と、言うことなんです。

     出過ぎたことを書いて申し訳ありませんでした。
     ただただ、読んで驚きたかったんです……。


      

    作者からの返信

     伯父さまと伯母さまとテオドール君、趣味悪! でも気になりますよね、盗み聞きしたい気持ちも分かります。

     恥ずかしがっているアナに対してジェレミーは平然としています。三人の気配を感じて上半身裸でドアを開けるくらいですから。こういう度胸が据わっているのですよね、彼は。セバスチャンの前ではフリ〇ンでうろうろするくらいですしね……

     そしてすぐ皆で夕食という、アナにとっては羞恥プレイ?ですか。しかもジェレミーは機嫌が良くて伯父さまたちの前で更に暴走気味です。

     ジェレミーが手土産に持ってきたこのりんごの焼き菓子はルクレール家料理長グレッグさんの渾身の作です。ボルデュック産のりんごの味を生かした逸品であります。これをグレッグさんが作ることになったことやどんなに力を入れて作ったかを番外編で少し述べています。

     ジェレミーも仲直りしたばかりですからね、伯父さまと飲み交わしている場合ではありませんよ! 早く帰宅して第二回戦に突入する気満々です。それに伯父伯母に弟の前で今までのダメ夫としての減点を取り返そうと仲の良い夫婦であることを見せつけないといけない、とでも思っているのではないでしょうか?

     テオドール君がやきもきしていたのも察していたのでしょうね。とりあえず彼にも義兄としてきちんと認め直してもらわなければいけません。

     前回の『ジェレミーさま!』に対しての亜逢さまの見解、私の理解が足りなかったようで、再びの丁寧なご説明ありがとうございます。興味深く読ませていただきました。読者の方々を驚かせるためなのですね。

  • 第四十七条 激白への応援コメント

     カッコよかったです!

     でも、ジェレミーさんでもなく、アナさんでもなく、ニッキーさんでもないんです。
     合間妹子様がカッコよかったです!

     ピアノ! ピアノです! ピアノですよ!

     ピアノの決定打が光ってます!

     何か、心に訴えるモノがバレる原因になっていると、カッコいいんです!
     思いついて書いた人がカッコいいんです!

     長くこの作品を読んでおりまして、この作品のピアノは、私が読み手として、何か忘れていると思っていたモノ、ちょっと思い出したのですが、他に気を取られてしまったモノでした。

     匂いによるヒントについては、猫さんの回で頭をよぎったのですが、ピアノはニッキーさんのために離れに用意したところで、ふと思ったのですが、別の話題に気を取られて忘れておりました。

     忘れていたところへ、アナさんがピアノを弾くシーンが現れて、『これだ!』と思って、ズンズンと読み進めました。

     ニッキーさんのアレンジ曲が出てきて、決定的になりました。

     そこへ、ジェレミーさんの来訪です。(すぐに本人とは書いておりませんでしたが、流れからすれば、読んでいる全員が分かります)

     もうここで、こじれる要素はありませんよね。
     どんな再会の絵になるのか、それを期待して読みました。

     期待以上です!

     きちんとアナさんが自分から告白しました。
     迫られてではなく、自ら言ったところがよかったです。
     しかも、ジェレミーさんよりも先です。

     本来は男が先ですよね。ジェレミーさんが遅れをとった感じでした。
     でも、そこに、アナさんの本心が露(あらわ)になったようで、大変よかったです!

     さらに期待以上だったのが、担がれていくシーンです。

     おーい! ここはよその家ですよ! アナさんの実家でもないですよ!

     そんなことを心で叫んでいたら、ちゃんと、欄外にも同じものがありましたね。
     そこも、流石でした。

     このジェレミーさんの強引さは、予想できませんでした。
     女性漫画雑誌張りと思いました。

     うーん、対象読者が違うと、ここまで持っていかないといけないのか……。勉強になりました。

     『ただじゃおかない』は、そっちの『ただじゃおかない』でした。
     前回で笑みまでは思ったのですが、この家で、ここまでとは、予想できませんでした。
     獣のように激しくなりそうです。



     ちょっと戻って、呼び方です。
     『アンタ』、『お前』など、呼び方による親密度を感じました。
     この辺りは重要と思っておりますので、拍手でした。

     気付かない読み手もいらっしゃいますので、書き手の方から積極的に書くのは賛成です。
     映画とかですと、役者さんがその役目をこなしてくれますが、書き物ですと気を付けて欲しいところは教えてあげるのが親切と思います。


     とにかく、この回はカッコよかったです!
     ああ、このために、ここまでのストーリーがあったんだなぁ、としみじみしました。



     大変よかった回なので、書こうか悩んだのですが、決定打を場外ホームランにできるかもと思ったので、気になった箇所を1つ書きます。

     背後からの拍手で振り返るシーンです。
     『ジェレミーさま!』と、アナさんの心の声、もしくはリアルの声が欲しかったと思いました。
     ただ、『張本人』という表現もよかったので、難しいところかな? とも思いました。
     (もし私なら、両方使っちゃうかも知れませんが……)




     私事ですが。
     私も、こういう隠し事や分からなかった事が、バレる時とか知れる時に、声、しゃべり方、匂い、特別な仕草などを考えておりました。
     公募に出した作品の中にピアノを聴いて、弾く当人を思い出すシーンを書きました。思い出すどころか、踊らせました。
     実は他界していても、そっくりに演奏を再現できるピアノが現実にあるのです。それを利用した作品でした。

     なんか、それを思い出してしまいました。……懐かしいなぁ……。



    作者からの返信

     熱い応援コメント、ありがとうございます。このピアノの場面は長いことネタとして温めていたのですね。是非この物語に使おうと思っていたわけでもないのです。この話のキーアイテムの一つはピアノですから、すんなりとこの場面でアナにピアノを弾かせるという筋書きができました。

     亜逢さまの感動ぶりに私の方が感動してしまいました。この回は何度も何度も読み返して、書き直したということもあって作者冥利に尽きるの一言です!

     実は私の方は匂いを失念しておりました。ジェレミーはシャルボンの匂いでは気付かなかったのですけれども、何となくシャルボンの行動などからニッキーを連想しただけに留まっていますね。人間と猫ですからなかなかそこは関連付けるのは難しいかったのでしょう。それはそうと、この時点でのジェレミーはまだシャルボンもアナだということを知りませんね。

     アナはジェレミーが訪ねてきた時には正体はバレたからと言って自分が妻の座に返り咲けるとは思ってもいません。ですから、これが最後だということで思い切って告白するのです。私はアナのこんな行動力があるところや潔い所が好きですね。

     さて、ジェレミーは遂にアナと気持ちが通じ合って、もう遠慮はしません。よそ様のお宅だろうが何だろうが……キャー! ちょっと弟のテオドール君の反応が気になるところです。帰宅してみると姉と義兄が部屋に籠って……

     さてこれからはこの二人、今までの反動でラブラブバカップルに成り下がります。次回からは覚悟の上でお読み下さい。

     人の呼び方や一人称には登場人物ごとに気を遣っています。ジェレミーはアナをアンタ、ニッキーをお前と呼んでいました。今回からはアナもお前になります。前作「貴方の隣」でもジェレミーはアメリのことを最初はアンタと呼んでいました。親しくなるにつれてアメリと名前で呼ぶようになっています。彼自身は自分のことを普段俺と言っていますが、両親の前では私となり言葉遣いも丁寧になります。姉である王妃さまの前でも同じです。

     アナが拍手を聞いて振り返るシーン、亜逢さまのような考え方もありましたか。なるほど、ためになります。私はここは失意のアナの抑えた感情をそのまま表したようなものです。まだこの時にはジェレミーは離縁状を持ってきたのだろうとばかりアナは考えていることですしね。

     亜逢さまもピアノが出てくる作品を書いておられたのですね。それにしても、公募に精力的に色々応募されているようで、頭が下がります。私はコンテストの類とは無縁で、細々と執筆活動をしておりますから。

  • 第四十六条 正体への応援コメント

     愛称には男女それぞれに由来する名前があるようです。

     このような愛称の付け方は、日本ではあまりなじみがないので、気付きにくいですね。
     言われてみれば、のりちゃんと言っても、典高君と、法子さんとが近くにいた場合、どちらなのか難しいです。

     それに、ニッキーは男性、というより男の子由来の愛称だったでしょうか? 確か、アナさんの亡くなった母親が使っていた呼び方だったように記憶しております。母親しか使わなかったみたいな?

     なので、一般的には、男性と思い、女性と気付きにくい愛称だったかも知れません。

     愛称からくる男女の連想という、作品における一般常識を逆手に取った、うまい手法だったと思いました。
     いいところに目を付けられたと思いました。



     フランシスさんは、なかなか機転の利く人のようでした。
     すでに、知っていると思っていたのに、知らないと気付くや、アナさんの約束を守り、口を割りませんでした。

     そこは偉いです!

     ただ、男装していたのに、彼女とは、口が滑ってしまいましたね。
     ジェレミーさんにヒントを与えました。


     こういう所は、書いていて、きっと楽しいことでしょう。
     私も、前提がドドーンとひっくり返るような場面は、書いていて楽しいです。



     ただ、ジェレミーさんはアナさんを追い出して、セバスチャンさんに叱られたにもかかわず、別の女性ニッキーさんのためにフランシスさんを訪ねたようでした。

     すぐにいなくなったアナさんについて、落胆してはいなかったようです。
     契約破棄を言い渡したところで、踏ん切りがついていたのでしょう。

     また、セバスチャンさんに離縁と言わずに喧嘩と言ったところにも、気持ちを軽くした要因があったかも知れません。

     なんにせよ、ジェレミーさんの心の中からは、アナさんを追い出してしまっていたように思いました。



     そこへきて、「ニッキーさん=アナさん」のどんでん返しです。

     ジェレミーさんの心やいかに?

     私のような楽観主義者ですと、最後の台詞を言うジェレミーさんの口には、笑みがこぼれていたと思ってしまいます。
     さあ、物語ではどうでしょうか?


     目立たないですが、ゴダン家の方々はいい方たちです。あれやこれや言ってきませんでした。

     ただ、不審に思った弟のテオドールさんは、いつ、ゴダン家の方たちの前で、不満を爆発させるか分かりません。
     早くジェレミーさんが迎えに来て欲しいものです。




     最後に、ちょっとした事で申し訳ありません。
     もしかしたら、国語力の低い私の方が間違っているのかも知れませんが、『昨夜とりあえずゴダン家に戻り』は『昨夜は、とりあえずゴダン家に戻り』ではないでしょうか?
     「、」が入るかは別として、「は」が入るように感じました。
     
     細かいことですいません。


    作者からの返信

     はい、今回は亜逢さまの小説での超肝回ということになります。なんと、四十六話目にしてやっと「ニッキーの正体見たり古女房」です。アナもまだまだ新婚で古女房ではないですが……

     この話を書き始める時にアナの名前を決めるまで結構時間をかけました。男女共用の名前で、しかも男とも女ともとれる愛称があって、それもすぐに正体がバレるのでは駄目だから……複合名前(日本語では正式にどう言うのかは知りませんが、ジャン=クロードのような名前のことですね)にしようと……

     ここで長々と語らせていただきますと、ニッキーはすぐに決まりました。どちらかと言うと男の子ニコラやニコラスの愛称で、でも女の子ニコルでもイケます。そして、もう一つの名前と重ねて言いやすい名前でないといけないので最初はアン=ニコル(Anne-Nicole)を考えていたのです。アルファベットで書くと良いのですが、カタカナでさん付けにするとアンさん……なんかオッサンくさい……アンは泣く泣く諦めました。カタカナ表記はアンヌでも良かったのですが、それだとアナの方がすっきりしていてより私好みと言うことで、アナ=ニコルが誕生したのです。

     ニッキーという愛称でアナのことを呼んでいたのは母親と祖母だけです。この祖母からアナはピアノを教わったのですね。

     従兄のフランシス君は口の堅い、約束をきちんと守る人ですね。機転も利きます。ジェレミーに壁ドンされそうになって恐怖?で思わず『彼女』と口を滑らせてしまいました。本人は気付いていません。

     良かったですね、そのお陰でやっと四十六話目にしてジェレミーはニッキーを見つけることができました。

     ジェレミーのアナに対する感情や契約破棄すなわち離縁を言い渡すことになった理由はそのうち明らかにされます。彼なりに誠意を示したかったのです、と今の時点では申し上げておきます。

     ジェレミーは最後に「アナの奴、よくも今まで! ただじゃおかないからな!」と吐いています。亜逢さまは彼は笑みをこぼしながらこの台詞を言ったとお思いですか。ある読者の方はジェレミーが怒り狂ってる!とアナの心配をして下さっておりました。さて、次回はどうなるでしょうか?

     アナの王都での実家、ゴダン家の伯父さまと伯母さまはとても良い方です。弟のテオドール君はどう思っているでしょうか?やっぱり出戻ってきた、もうルクレール家には帰るな!とでも息巻いているかもしれませんね。

     『昨夜とりあえずゴダン家に戻り』の部分は『は』を入れました。自分的にはなくてもいいような気がしてそう書いたのですが、あった方が確かにいいですね。ご指摘ありがとうございます。


     


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    第四十五条 決別への応援コメント

     早いっすね。

     契約破棄を言われるや、すぐにアナさんは出て行きました。
     行動が早いキャラは好きなんですが、この場面で早くなくてもいいのに! と思ってしいました。

     ジェレミーさんが、やっとニッキーさんへの手がかりであるフランシスさんに、たどり着いたところなのに……。

     タイミングがいいのか、悪いのか?



     アナさんが家を出る時、瞬間移動の大技が出ました。
     そうですね。人に見られたくないですよね。

     なので、朝まで誰も気付きませんでした。
     セバスチャンさんを糠喜(ぬかよろこ)びさせたくらいに、鮮やかな幕引きでした。



     一気に展開が慌しくなってきた印象です。

     こんな騒動の中で、ジェレミーさんはフランシスさんを問い詰める行動を、この日の内にとるのでしょうか?

     フランシスさんは白状するのでしょうか?
     知った時のジェレミーさんの顔は?

     行動をとるのかも含めて、気になりますね。



    作者からの返信

     アナは行動が早いです。というのも潔く身を引くのが彼女の美徳であり、矜持であるからです。契約もそのような内容でした。ジェレミー側からはいつでも破棄できるのでした。

     そしてジェレミーは記憶力の良いバーテンダーのお陰でやっと従兄のフランシス君までたどり着きました。さあ、口の堅いフランシス君は吐くのでしょうか?

     アナはもちろん瞬間移動で去りました。スーパー執事のセバスチャン氏までもしかしてジェレミーの寝室に?とぬか喜びをするくらいでした。カッコいいですね。

     さて、今後の展開が気になるところです。ジェレミー、早く正体に気付くのです!


  • 編集済

    第四十四条 幻覚への応援コメント

     へっ? 破棄なの?

     何か、ニッキーさんについての詰問くらいと思っておりました。
     このジェレミーさん、やることが極端過ぎるようです。

     読み手といたしましては、もうちょっと悩んで欲しかったですね。
     もう少し、目に見える疑惑とジェレミーさんが、対決する場面を見たかったです。

     そして、悩んでいる間に、アナさんの失態とかがあって、それがきっかけになって破棄となるの方が、ジェレミーさんにとっても気が楽だったと思いました。まあ、アナさんが失態なんて無いと思いますが……。

     破棄のリスクを背負い込んだ割には、短時間で決断してしまったように思いました。


     それでも、契約云々よりも、アナさんを手放すなんて、そこが、馬鹿です!

     この思いっきりのいい、目的のためなら捨て身にもなれる度胸を持った女性です。
     このような女性は、探したって、なかなか見つからないでしょう。

     残念な決断だったと思えてなりません。

     ただ、まだ『契約破棄させて欲しい』と、言っただけです。手放すかどうかは分かりませんね。
     この先を注視しましょう。


     話は戻って、アナさんの看病です。
     なかなかの献身ぶりでした。

     『寝台脇で勉強しながら夜を更かした』なんて、眠いのを我慢しての看病に、「この幸せ者!」と、心の中でジェレミーさんに叫んでしまいました。
     こういうのは本人が気付きにくいのですが、気付いて欲しいと思っておりました。

     そこへ、ニッキーさんとの勘違いですもんね。困った男です。



     ただ、アナさん1人の看病に、なんか、家庭的と思いました。

     そこは、使用人が何人もいる侯爵家です。その当主の病気なので、1人での看病ではなく、チームのような、アナさんが中心としても、使用人が何人か付くとか、主治医の病院に勤める看護婦(看護師)が付くとかなど、複数人の看病が現実的と思いました。
     病院としては、貴族の病気や怪我は稼ぎ時です。例え風邪でも、人を派遣して治療費に上乗せしたかったことでしょう。

     1人というのは、セバスチャンさんを制したくらいに、アナさんの強い希望だったかも知れませんね。

     でも、そのために、ジェレミーさんがニッキーさんと間違えるボケが発生したので、ストーリー的にはグッドでしたよ。


    作者からの返信

     この辺りは作者としても展開が強引で無理矢理かなとも思いますが、今後の話の進め方のためにもどうしてもこういう風に持って行きたかったのですね。ジェレミーはニッキーのことについてまだアナとの関係も全然手掛かりもつかめていません。ですから詰問も何もできないのです。

     まあ、ジェレミーにはジェレミーの考えがあったのです。いきなり契約破棄という決定をするに至ったには彼なりの想いがあります。

     アナを離縁してしまうのはもったいない!とお思いなのも分かります。未だニッキーの本当の姿が分かっていないジェレミーにとっては……まあ彼も苦渋の決断だったと察していただけるとありがたいです。

     アナは夜通し看病します。が、まあただの風邪ですから放っておいても大丈夫なのです。アナは妻として夫に献身する理由が欲しかったのかもしれません。大病でしたら医療チームが組まれて二十四時間体制で医者に看護師が待機するに決まっていますものね。

     熱に浮かされているジェレミーにアナをニッキーと間違わせたかった作者の策略です。

  • 第四十三条 女将への応援コメント

     アナさんはそういう心境でしたか……。

     『酔った勢いでさえも』と、感じるほどに欲していたんですね。
     そうですね。その時アナさんは抵抗しませんでした。受け入れようと努力さえしていました。

     そんなところに、女心が隠れていたようです。すいません、そこまで読めませんでした。

     読めない私も馬鹿ですが、妻がこんなになっているのに、ジェレミーさんは確かに馬鹿です!



     そして、アナさんはジェレミーさんが酔って帰ってくるのは、ニッキーさんのためと疑い、確認に行きました。

     イザベルさんは、アナさんがジェレミーさんの妻であると知らなかったようです。
     彼女からしてみれば、何を馬鹿なことしているのか?
     気付かない馬鹿も馬鹿だが、教えない馬鹿も馬鹿だ。
     と、思っているかも知れません。

     アナさんは、ジェレミーさんの中に残っているニッキーさんの思い出を汚すと思っているようですが、そんなことはやってみなければ分かりません。

     契約とは関係ないのであれば、真実を教えて、ジェレミーさんを解放してあげればいいのでは? と思いました。

     しかしながら、鈍チンのジェレミーさんでも、アナさんとニッキーさんが重なる部分を発見しているようです。
     何かのきっかけがあったなら、スルスルと気付いてしまうかも知れません。

     読み手としては、その後のアナさんへの恨み言が、気になったりしますね。



     『ジェレミーを馬鹿呼ばわりしちゃおう会』の件。
     私も馬鹿なので、とても、キャラを馬鹿呼ばわりできません。残念ながら、入会できる資格がないようです。

     ただ、副会長に吹き出しました!

    ーーーーーーーーー

     前回のご返信をありがとうございました。
     猫用出入り口の件です。

     おっしゃるとおり、アナさんには瞬間移動という最大の武器がありました。
     忘れておりました。

     読んでいる様で、読めておりませんでした。
     馬鹿ですね。お恥ずかしい次第です……。


    作者からの返信

     そうなのです。アナはジェレミーに押し倒されて恐怖よりも緊張で震えていたのですね。とにかくコトに及ばなくてアナにとっては残念でした。

     ジェレミーもっとしっかりしろー!と言いたい気分です。

     さて、アナはアナの姿でイザベルさんの飲み屋に訪ねて行きます。就職活動をしていた一年ちょっと前に行って以来です。ニッキーの正体もすぐに見破ったイザベルさん、アナのことも覚えていました。彼女はジェレミーが結婚したということはもちろん知っていましたが、その相手がまさかあのニッキーに化けていたアナだとは知りませんでした。長いこと飲み屋をやっていて色々な人間を見ている彼女でも流石にびっくりしていましたねー。

     アナは頑なにジェレミーにニッキーの正体を言ってはいけないと信じ切っています。ジェレミーが自分で気付くしかないのでしょうか?その時の彼の反応は?アントワーヌとドウジュでなくても興味深々ですねー。

     『ジェレミーを馬鹿呼ばわりしちゃおう会』の入会資格はございません。ジェレミーを馬鹿呼ばわりしたい人ならどなたでも大歓迎です!会長と副会長は最強ですね!

     猫用入口の件については亜逢さまのご指摘もごもっともです。アナや黒猫が寝室とバルコニーを行き来しているところを使用人が見たら不審に思いますよね。いつも色々と読み込んでくださってありがとうございます。


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    第四十二条 未遂への応援コメント

     今回の注目は、やはり後半なんですが、順を追いましょう。

     アナパパは名調子でした。
     そりゃ、娘が結婚すれば、孫孫と言いたくなるでしょう。
     それが、メッチャ、ストレートです。

     これまで思うように生きてきたって感じがしました。芸術家らしいです。
     欠かせない、いいキャラと思いました。

     でも、こういう年寄りって、案外多くいると思いますよ。



     その昼食の様子から馬車の様子は、まるで昼と夜くらいに違っていたようでした。
     終始無言の姉夫婦、弟しては心配の種でしょう。

     痣の誤解もあって、姉の夫婦仲を語らせたら、ごまんとジェレミーさんの悪口が出てきそうです。
     どこかで爆発しそうでちょっと怖いですね。



     寒くなって、猫用の出入り口を、ジェレミーさんの部屋に作ってもらいました。
     でも、アナさんの部屋には猫用出入り口はありませんよね。

     冬でも少し窓を開けておく必要があったり、窓を閉めているのなら、鍵をかけないで、バルコニーで人型に戻らなくてはなりません。出る時はその逆です。

     何か不都合が起きるのではないかと心配です。
     冬なのにいつも窓が少し開いているとか、突然にバルコニーにアナさんの姿が現れたのを、使用人に見られるとか、読み手としては、そんなところに新しいエピソードを想像してしまいます。



     移動魔法は、酔った夫をベッドまで運ぶ手段でした。
     人に自慢できる使い方ではありませんが、なんとも実用的と思いました。
     大変面白かったです。


     リュックさんも久々の登場で嬉しかったです。
     いい男ですね。



     今回、このまま最後まで行くのかと思いました。
     ジェレミーさんは、誰かと間違えたのではなく、アナさんと認識していたので、そう感じました。

     ただ、アナさんには準備がありませんし、酔った勢いなんてかわいそうです。

     それに、ジェレミーさんはなにか、やけになっていたようです。そんな不満を埋めようとしてコトに及んでも、夫婦とは言え楽しいはずがありません。

     ジェレミーさんも、こんなことしても何もならないし、不満は解消しないからと、思い留まったのだと思いました。
     そこに、僅かな優しさが垣間見えた気がしました。僅かです。

     一緒に暮らしても心が通わない。寂しいし、悲しいですね。


     おっしゃるとおり、アナパパの願いは、まだまだ叶いそうにありませんね。



     最後に、ジェレミーさんの部屋における視点の違いが、新鮮に思いました。
     猫と人の視点の違いなど、気付きにくいところですが、きちんと書いてあって場面の臨場感を楽しめました。大変よかったと思います。勉強させていただきました。



    作者からの返信

     アナパパが、娘夫婦が家庭内別居だと知ったら……大変です。彼が王都のルクレール家にいきなり訪ねて来たりしませんように!

     さて、アナの弟テオドール君はまだまだ姉夫婦の仲を疑っているようです。彼も言いたいことは山ほどあるのでしょうねー! 亜逢さまご察しのように(鋭い!)テオドール君、何処かでジェレミーのことをブツブツ文句言っているのですねぇ。シリーズ作のどれかにその場面が書かれています。

     冬になってシャルボン専用出入口がジェレミーの部屋に設置されました。実はシャルボンは魔法で錠や扉を開けられるので必要ニャいのです。瞬間移動ニャンかもできるのです。ジェレミーさまにはニャいしょニャのです。

     ということでアナの部屋からバルコニーへの出入りは問題なく猫の姿でできます。まあ王都の気候は雪深い冬ですからバルコニーが面している庭にも目撃するような使用人は出て居ないという設定でお願いいたします……

     移動魔法は便利ですね。私がやると上手く操れなくて彼の頭を壁や柱にぶつけてしまいそうですが……リュックさんにお姫様抱っこされて寝室に運ばれるのもねぇ……リュックさんも本人も嫌でしょうしねぇ。

     さて、酔っ払いのジェレミーは最低です。いきなりですよ。しかもアナは初めてですよ。アナパパの望みは叶えられるとしたら、もちろん本当に愛し合った証としての孫誕生がいいですよね。

     とりあえず、泥酔ジェレミーは思いとどまって実行には至りませんでした。アナの心境はどうなのでしょうか?


  • 編集済

    第四十一条 豊作への応援コメント

     ご返信にあったとおり、アナさんはシャルボンさんの姿で、ジェレミーさんと会っているようです。

     正体を見破られていても、続けるとは度胸があるといいますか、知られても、それを上回る愛情があるように思いました。

     そのシャルボンさんでも、近頃はすれ違い気味、領地に帰ると、さらに想いが募る。妻という線路の上ながらも、機関車は思うように走らずに、ダイヤはガタガタになっているかのようです。


     希望は上京しそうなルーシーさんが、アナさんの話し相手になってくれそうってくらいでしょうか?
     そのルーシーさんはステファンさんに恋心、アナさんのお相手をどのくらいできるのでしょう?

     豊作とは裏腹に、アナさん自身はトンネルをなかなか抜け出せないでいるようです。



     小高い丘から領地を眺めるシーン、『風と共に去りぬ』(古!)を思い出してしまいました。
     なにか、領地である農作地は、眺めている人物のよりどころのような気がします。

     アナさんには、そのよりどころを2人で眺めたい、という想いがあったようです。
     読み手として、現実が想いに達していない悲しさを思いました。



     ルーシーさんもまだ片思いですし、豊作という以外は、明るい話題が少ない回のようでした。

     これから上向くことを期待しましょう。



    作者からの返信

     シャルボンの姿でしかジェレミーに会いに行けないのでそうするしかないのですね。正体はセバスチャンにしか分かっていませんし、彼は誰にも言わないとシャルボンに約束しています。

     妹ルーシーが上京してくるとアナも少しは寂しさが紛れるとまで思ってしまいます。ルーシーはボルデュック領の再建を手伝ってくれているステファンさんに片思い中です。ステファンさんの居るボルデュック領を後にして王都に出るのはかなりの決断だったことでしょう。

     ジェレミーとの結婚は当初、ボルデュック領の再建のためでした。どうせお金のために結婚しないといけないのだったら好いた人と、という考えでしたがその契約結婚という形に、書類上だけの妻という立場に首を絞められているアナでした。切ないですね。

     アナが小高い丘の上から領地を見渡している場面は、名画とかは関係なくなんとなく思いついて書きました。うーむ、そんな大名作を彷彿されるとは、気が引き締まる思いであります。

     物語の始めからの大目標である領地の復興が実現しそうだというのに、何故か暗くなってしまいましたね、この回は。もうしばらくはこんな辛気臭い雰囲気が続くかもしれません……

  • 第四十条 取引への応援コメント

     やはりと思いつつも、遅過ぎた調査依頼(頼み事)ですね。

     我慢していたけど、我慢しきれなくなったのか?
     それとも、別の理由なのか? シャルボンさんとか?

     依頼のきっかけは、残念ながら分かりませんでした。

     調査依頼に惑わされそうでしたが、依頼のやり取りの中で3点気付きました。

     1.『お兄様』とアントワーヌさんがジェレミーさんを呼んでいた点。
     2.いきなりアントワーヌさんが現れた点。
     3.アントワーヌさんには思い人がいる点。

     1のお兄様は、手紙の偉そうな態度の裏付けになりました。血縁者? に相当する親密な関係なのでしょう。詳しいことは、後々明らかになりそうですので、その機会を待ちましょう。

     2は、アントワーヌさんも変幻の術を使えるのではないでしょうか? もしくは、透明になる術とか? ドウジュさんも同様のようです。こういう人たちは敵に回したくないですね。

     3の思い人は、姿絵が出てきたところから、ビアンカさんでしょうか? 2枚描かれていたような? 彼女くらいしか姿絵を思い出せませんでしたし、会ったエピソードもありましたので……。深く考えておりません。それだけの理由です。

     読み手といたしまして、これだけの想像がめぐりました。

     こんな風に、情報を小出しにして、読み手に考えるきっかけを与えるというのは、私の苦手とする手法なので勉強になりました。ありがとうございます。


     また、このアントワーヌさんは何食わぬ顔をして、ジェレミーさんの依頼を受けて、情報を小出しにして、結局見つけられないと結論付けた挙句、まんまと姿絵をゲットしています。
     まあ、仕方ないと言えば仕方ないのですが、したたかな性格が出ていたと思いました。


     そして、ジェレミーさんのニッキーさんへの認識が明らかになりました。 
     やはり、女性と気付いていたようです。読み手としては、大きな収穫でした。

     でも、どの時点で気付いていたのかは、不明ですね。

     読み手として、すぐじゃないような感覚があります。すると、始めは女性としてではなく人間として、アナさん、いえ、ニッキーさんに惹かれたのかな? と思いました。

     これって、これからの深い関係を予感させます。
     読み手が期待するところです。


     最後に、飲み屋の女将のイザベルさんは、口の堅い人物のようです。前からそう思っていましたが、改めて信用できる人物に写りました。
     きっと、長く商売を続けていけることでしょう。



    作者からの返信

     どうして今更ジェレミーはアントワーヌに調査を頼むことにしたのでしょうか? それはアントワーヌ君に対していつも偉そうな口をきいている彼ですから中々言い出せなかったのが理由の一つです。

     それに何故調査を依頼するのをアントワーヌ君に? ドウジュの存在をジェレミーは知っているのか? 謎が多いですね、この回は。アントワーヌ君自身に謎が多いのですからしょうがありません。

     亜逢さまの三つの疑問点については今の時点ではどれにもはっきりとお答えできません。

    1.アントワーヌ君がジェレミーを何故お兄様と呼ぶのか? ジェレミーはそれを嫌がっていますね。どうしてでしょうか?

    2.アントワーヌ君は約束の部屋にいきなり現れました。窓から入ってきたようです。しかも気配を消してです。騎士のジェレミーでも気配を察知できませんでした。これは少し説明できます。ドウジュならこんなことは可能ですね。アントワーヌもドウジュのようにニンジャごっこ?が出来るのかもしれません。

    3.アントワーヌ君には想い人がいます。以前「第二十三条 用心」でもアナに少し漏らしていましたね。彼女と結ばれて娘が生まれたらお姫様と呼ぶ、と言って切ない表情をしていました。第一作「世界」の姿絵のエピソードから、亜逢さまはもしかしてビアンカさん?とお考えになったようです。ずっと前にお読みになった作品の細かい内容まで覚えていてくださって嬉しいです。ジェレミーはアントワーヌに想い人が居て、その恋がまだ叶っていないことも知っています。その上、ジェレミーは彼女の姿絵や昔身に付けていた×××や○○を手に入れることができる立場のようです。これは大きなヒントです。ビアンカではないことは確かです。ジェレミーが彼女の姿絵や×××や○○に手をかけるだけでも夫のクロード副総裁の黒雷でやられてしまうでしょうからね!

     疑問が明らかになるのはこの作品の結末ではないのです。実は次作の「開かぬ蕾に積もる雪」で全てが繋がります。よろしかったら気長にそちらに入るまでお待ちください。

     アントワーヌ君はニッキーとアナに義理立てして、ジェレミーには何も言いません。したたかに姿絵は手に入れましたが、成功報酬の×××や○○は諦めざるを得ませんでした。非常に残念ですね、若。

     ジェレミーがニッキーの性別についていつ女の子だと分かったのか、などはそのうち彼自身が説明します。でも最初は男の子だと思って好きになったみたい?ですよ。

     飲み屋の女将イザベルさんは口の堅い信頼できる人です。飲み屋なんて経営していると色々な人生を目にしていますからね。もう一人、口の堅い人がいます。アナの従兄フランシス君です。飲み屋の仕事を紹介してくれた彼はアナ=ニッキーを知るもう一人の人物なのですよね。

    編集済
  • 第三十九条 黒猫への応援コメント

     アナさんは味を占(し)めてしまったようです。

     シャルボンさんの姿なら、好き勝手に甘えられる。手足を広げて胸の上に乗るなんて、思った以上に大胆でした。

     もし、ばれたら、なんて思わないのでしょうか?


     でも、ばれましたね。

     不意に鎌をかけられて、セバスチャンさんにばれてしまいました。
     これから、彼にはそういう目で見られてしまいますね。

     そういう目とは同一人物としてです。

     ばれたから、猫ちゃん変幻は、やめちゃうのでしょうか?
     同一人物と知られても、続けるのでしょうか?

     アナさんの度胸は、いかに!

     でももし、続けるのなら、もらえる食べ物も、生ではなく、人間用になるのかも……。余計なことを書いてすいません。


     そうとは気付くこともないジェレミーさんです。
     猫さん相手なら、何を着ていようが、いまいが、気にしないのは分かります。
     心を許しているから、無防備なんですね。ひっかかれると思っていたら着ますもんね。

     ジェレミーさんにもばれた時に、彼がどう思うのか、どう行動するのか、興味が湧くところです。



     また、変幻すると匂いはどうなんでしょう?
     ジェレミーさんの言う『何かいい匂い』とは、アナさん本人の匂いなのでしょうか? 猫さん特有の匂いなのでしょうか?

     アナさんの匂いだった場合には、予期せず近づいてしまった時などに、匂いでばれてしまうかも知れませんね。



     鏡のチェックです。
     1回目は仕方なかったですが、2回目以降は姿をチェックしているようです。
     この辺りが、女性らしいといいますか、きちんとした性格の女性と感じます。
     良いキャラ表現と思いました。

     また、アナさんが鏡に写る姿を見て、『少年や猫になった方が美しいなんて、凹むわ』との感想を漏らしていますが、私はそれこそが真実と思いました。

     変幻した姿が美しいのは、アナさんの心が美しいからではないでしょうか?
     そんな風に思いました。



    作者からの返信

     猫のシャルボンは今まで抑えていた分、ジェレミーに対して積極的であります!

     もしばれたら? そんなことないなーい! ですよ。あの鈍チンジェレミーですからね、ニッキーの正体もばれていないのにそこらの野良猫がまさか自分の契約妻だとは思いもしません。

     しかし、スーパー執事セバスチャンにはバレてしまいました。流石セバスチャンですね。彼は秘密にしてくれるようです。それにしてもセバスチャン氏はすごいです、ジェレミーが全裸でウロチョロしていても眉一つ動かさず、彼を叱りつけています。

     シャルボンはこれからも出没すると思いますよ。セバスチャンにもその辺りは黙認してもらえるのではないでしょうか。

     今から実はアナがシャルボンだったとジェレミーが知った時の彼の反応が楽しみですね!

     ジェレミーはアナとはそれほど接近しないので匂いをかぎ分けられるほどではありません。けれど、鋭い亜逢さまのご指摘に少々驚きを隠せません。彼はこのずっと後にニッキーの匂いについて一言述べるのです! 作者としてはギクッとさせられました。

     シャルボンも恋する猫ですから、鏡でチェックは怠りませんね。

     変身願望と言うのでしょうか、自分の容貌にコンプレックスを抱いているアナですから、自分ではない何か別の姿になってみたいのです。

     


  • 編集済

    第三十八条 怪我への応援コメント

     伝わっているんですね。

     結婚しても幸せそうじゃない。
     仲のよい弟なら、すぐに新婚なのに幸せでないと気付くのでしょう。

     そこへ顔に痣、そこから想像できるのは、夫の暴力。
     いい家族なだけに、真実を言えないのは苦しいですね。

     今は言いくるめられても、もう一度何か言えないような怪我を見せたら、今度こそ、家に乗り込んでくることでしょう。

     テオドールさんにとっては、危険信号のランクが1つか2つ上がったことでしょう。
     思わぬ所で思わぬことを言い出してしまいそうで、ちょっと心配です。



     一晩経っても目が開かないくらいの腫れは、思ったより重傷だったのかも知れません。
     あの友人の妻は、猫相手に本気を出していたようです。
     アナ猫さんが脅威を与えてた証です。

     勇士の証だったのです。そこは誇っていいですよね。



     さっそく、ビアンカさんが来訪してくれました。
     1回で、即完治なんて、ビアンカさんの治癒魔法は、半端ないです。
     力の程が知れるというものです。

     クロードさんは、相変わらずのように感じました。
     痣をビアンカさんに伝えるだけで、連れて行こうとは思わなかったようです。
     やはり、他の女性には関心が薄いようですね。でも、伝えるだけでも、前進なのかも知れません。



     怪我の功名、まさに、言葉の通りでした。
     クラスメイト達との距離が縮まりました。

     彼らは若いですから、夫の暴力という発想は起こらなかったようです。
     純粋さを感じました。
     素直な若さ、うらやましいです。



     忘れてました。追記です。
     セバスチャンさんの『あの鈍チン』は、ギャップ萌えでよかったです。
     一度口に出しちゃうと面白そうですね。



    作者からの返信

     アナの弟テオドール君は婚約時からアナとジェレミーの仲を疑っていましたから無理もありませんね。アナにしてみても真実を告げるわけにもいきませんから少々困っています。テオドール君もとりあえずルクレール家に乗り込んでくることだけは思いとどまってくれたようです。

     アナの名誉の負傷ですが、あちらこちらで波紋を呼んでいますね。それもジェレミー以外の人々に。

     ビアンカの治癒魔法は軽い怪我ならすぐに治せます。クロードもアナだけ特別扱いするのもどうかと思ったのではないでしょうか。それでも後でビアンカに報告しています。とにかく傷が治って良かったです。

     怪我をしたことで、級友たちと話すことが出来てアナの気持ちは少々上昇しました。彼らは編入してきた時点で既に結婚していたアナしか知りません。彼女が怪我をしていても夫の暴力などという発想に至るほど仲が良いわけでもありませんね。

     セバスチャンは主人に対して好き勝手なことを言います。ジェレミーに対してもかなりの辛口です。


  • 第三十七条 救護への応援コメント

     してやられました!(もちろん、いい意味です)

     猫さんに変幻して、いい寄る女性を撃退するとは、思ってもみませんでした。

     下女さんの身なりで、どう立ち向かうのかと思いましたし、言葉ではあちらの方が上のようですし、正直、分が悪いと思っておりました。

     そこへ猫さんの姿で、直接攻撃です!

     とてもいい見せ場となりました。

     「猫」というチョイスが、よかったです。
     もし、シベリアンハスキーや土佐犬のような大型犬でしたら、攻撃力や与える恐怖心が大きいですから、かえってバトルになりません。一方的になってしまいそうです。

     それでは見せ場としてはイマイチです。

     猫さんくらいの方が、どっちが勝つか? とういう醍醐味も味わえます。
     それに、闘う犬さんより、闘う猫さんの方が、かわいいですよね。野良と思わせることもできます。

     そして、黒猫さん、体が黒いとミステリアスに感じます。
     突然現れた不思議さを、後押ししてているように思いました。

     黒猫さんなら、フッと消えてしまっても、何か納得がいくと言いますか、神様とか精霊さんに近い存在だったと、思えてくるかも知れません。

     色も含め、グッドなチョイスでした。


     ジェレミーさんにとっては、嫌な女性を撃退してくれた恩人でありますので、なついてくるのは必然でしょう。(なつくとは、人と猫さんが逆ですが)

     その後に続く場面が、絶妙なエロ具合いでした。

     全裸なのに脇の下から持ち上げられて、胸からお腹を見られたり、雄か雌を確かめようとしたけど、毛深過ぎて分からないとか、猫さんに人間の肉体がうまく重なって、エロさが弾けていました。

     とてもよかったです。

     と、言うことは、アナさんは服をどこかに置いたまま出てきたことになります。

     人型に戻る時は、全裸で戻って、服を着たのでしょうか?
     「は、早く着なきゃ!」とか、そこら辺の慌てっぷりも気になりましたが、表現が無くちょっと残念でした。

     アナさんの戻りが遅いので、使用人が様子を見に行こうとしていた辺りと組み合わせたら、もう1つ見せ場ができたかも知れませんね。

     ただ、アナさんが少々ケガを負ったようなので心配です。
     アザが残るとか、長引かないことを祈りましょう。


     ちょっと戻りますが、ジェレミーさんの『ま、どっちでもいいけど』は、彼らしさであると同時に、デジャヴのような言葉でした。
     計算されていているなぁと思いました。


     最後にアナ猫さんの名前、石炭のシャルボンです。
     石炭と言えば、野暮ったい印象ですが、シャルボンとなると、がぜんオシャレに感じます。言葉(言語)の妙が光っていました。

     また、石炭が身近な時代をイメージできて、作品らしさを感じました。


     現実において、黒猫さんの名前と言えば、ジジという人もいるようですが、私個人としての感覚ですと、ヤマトかタンゴ(古っ!)なんですよ。年が知れますね。


     これより欄外です。
     『それでも地面落ちる寸前にくるりと回り、怪我無く着地出来た』の『地面落ちる』は『に』が抜けているのではないでしょうか? ご確認願います。小さな事を書いて申し訳ありません。



    作者からの返信

     アナにはしてやられましたね。奥様は変幻自在ニャのでした!

     粗末なドレスでジェレミーの正妻として対峙しても絶対不利でしょうし、ジェレミーとの契約で彼には個人的に関わってはいけないということもありました。やっぱりアナの性格からして、犬よりも猫かなと何となく思ったのですね。ニッキーは私の中では犬というイメージです。

     シャルボンはアナの髪の毛と目の色そのままで、黒い毛並みに碧い瞳です。黒猫って、神秘的で神出鬼没のような感じがしますから丁度良かったのです。

     思わぬ援軍の登場で、友人の悪妻の魔の手から逃れることが出来たジェレミーでした。ピンチを救ってもらったこともありますが、彼はもともと動物好きなようです。余談ですが子供好きでもあるのですね。もちろん黒猫ちゃんをそのまま帰すわけにはいきません。モフモフしないと気が済まないでしょう!

     性別チェックも忘れません。しかし、やはり猫ちゃんは毛深くて!ちょっと見では分からないようです。ニッキーもそうですが、ジェレミーにかかれば「女でも男でもどっちでもいいや」となっちゃいますね! 猫アナが羞恥に悶える様子、萌えます。

     変幻魔法ですから、アナは服を着たまま猫の姿になり、人間の姿に戻る時は着衣状態で戻ります。わざわざ服を脱いで……なんてことにはなりません。少し悩みましたがそのあたりは省略させていただきました。

     猫の時に殴られたところがアナに戻っても腫れているようです。この怪我をめぐって次回、一悶着あります。お楽しみに。

     シャルボンの名前についても少々迷いました。名付け親はジェレミーですから、絶対野暮でそのまんまな名前になるに違いないと作者は考えました。しかも、彼は雄か雌か知りません。

     シリーズ全作を通して、出てくる動物は毛色で名前を決めています。(例外はリュック子供時代の番犬ランス君)炭団(たどん)ちゃんでも良かったのですが、まあ名前は登場人物皆カタカナなので石炭のシャルボンに決定しました。アナは少々不満なようですが、ジェレミーは気に入っているようです。黒猫のジジも懐かしいですねー。

     脱字指摘をありがとうございました。何度も読み直しているのですが、とても助かります。

  • 第三十六条 厨房への応援コメント

     うーん、アナさんの普段着って、侍女さんたちよりも粗末だったんですね。
     これまで、そこまでとは思っていませんでした。

     思った以上に不憫だったようです。

     しかし、外見より中身です。
     料理の知識や学ぶ態度に厨房の人たちも、親しみを感じてきているようでした。

     合間妹子様の外と内のギャップ表現が効いていました。

     アナさんに楽しむ場ができてよかったです。
     ストレス発散になることでしょう。


     ストーリーはその食材となるハーブを摘むという流れで進行します。
     つなげ方が絶妙です。
     何の疑いも無く、読み手を、あの場面に誘(いざな)いました。


     あの場面、いうまでもなく、ジェレミーさんが友人の奥方に言い寄られている場面です。

     この奥方、ジェレミーさんとの付き合いは短いのではないでしょうか?

     好き嫌いがハッキリしているジェレミーさんと分かっていれば、そっけない態度を感じれば、言い寄っても無駄と分かるはずです。

     あまり知らないのに、言い寄ってきている様に思えました。
     つまり、外見に引き寄せられただけです。
     そんな薄っぺらな情愛にジェレミーさんがなびくとは思えません。

     ですが、友人を傷付けまいと、耐えるジェレミーさんです。

     アナさんが飛び出すのも分かる気もしますが、こういう一筋縄にはいかない女性を相手に、下女の姿で立ち向かえるのでしょうか?

     次回の見せ場に期待が向きますね。


     なにか、今回は前半と後半で違う内容ように見えますが、『外見』というキーワードで、つながっているようにも思えました。

     合間妹子様のストーリー構成、大変勉強になります!



    作者からの返信

     はい。アナが婚約前に着ていたものはルクレール家の侍女のお仕着せよりも粗末でした。それはアナもジェレミーに自分を売り込みに屋敷に来た時にひしひしと感じていました。

     それでも、厨房で働こうと思ったら貴族の奥さまの恰好では汚れるし邪魔になるしで実用的ではありません。厨房の使用人にも最初は敬遠されていましたが、アナが本気で料理を学びたいと思っていることが伝わったのでしょうね。

     アナも少しずつ婚家での自分の居場所を作りつつあります。思い切ってセバスチャンに頼んで良かったですね。

     さて、アナはハーブを摘むために勝手口から屋敷の外に出ます。お気づき下さってありがとうございます。ジェレミーが悪女の毒牙にかかりそうなところ、どうやってアナと鉢合わせさせようか迷っていたのですね。不自然にならないようにバッタリ、という展開にしたかったので少々考えました。

     ジェレミーに言い寄ってくる女性はどうも自分に相当自信がある方ばかりのようです。ジェレミーが女嫌いということも、女を前面に武器として押し出してくるタイプが一番苦手だということも理解しようとしません。付き合いが長い短いの問題ではないのです。アナのような控えめな女性が妻の座に収まったことも彼女たちには最大の謎なのです。

     ということで友人ロイックの悪妻に迫られているジェレミーの危機?に思わずみすぼらしい格好で飛び出したアナです。どう対峙するのでしょうか?

     次回をお楽しみに。

  • 第三十五条 孤独への応援コメント

     冒頭の『ニッキーの消滅』に少々ショックを受けました。
     その通りなんですが、改まって示されると寂しいものを感じます。


     アントワーヌさんからの報告の表現は過不足なく、スッと目になじむように入ってまいりました。
     合間妹子様の文章が洗練されていると感じました。

     内容としてもアントワーヌさんは必要最小限を伝えて、無用な心配を与えないようにしています。紳士を感じました。


     そして、首謀者のマチルダさんは、引きこもり? になったようです。誰かに行動を知られた、今でも監視されているのでは? との恐怖が付きまとっているのでしょう。
     気の毒ではありますが、おっしゃるとおり自業自得ですね。



     ジェレミーさんって、思った以上に交友関係が広く深いようです。

     友人の家族も招くなど、なかなか無いのではないでしょうか? ただ、貴族となると事情が違うのかも知れませんが……。

     友人が奥方を連れてくるなら、アナさんも出席するのでは? とも思いますが、ジェレミーさんはそこまで考えていないようです。

     その招かれた友人の奥方が、なぜ、ここの奥方が出てこないのだろう? と心配に思うところから、噂に発展するかも知れません。まあ、交友関係が広ければ、遅かれ早かれ、不仲説は知れ渡ってしまうでしょう。

     そうなると、ジェレミーさんが必要とする女避けの役に立ちません。ある程度体面は保っておかないといけない、と2人は気付くのでしょうか?

     実のところ、私はこの対人関係としての体面と、普段の希薄な関係のギャップを楽しめると期待しておりました。今のところ表現されていないようです。



     手紙のやり取りは、なにも無いよりはいいですね。それに、手紙は残ります。ジェレミーさんの方も、アナさんからの手紙を、きちんと残していたりして……。



     学院で友人ができにくいのは、当然と思います。
     編入したのが既婚女性、年下の子たちが気軽に声をかけられません。

     特に異性にとっては人妻同級生と、色っぽい形容が、はびこりかねません。人妻に声をかけるなんて、漫画ならともかく、10代にとってはハードル高過ぎですよ。

     同性としても異質感はあるでしょう。

     結婚に興味がある同性は聞きたいこともあるとは思いますが、それは知識であって友人としてどうなのか? という疑問が残ります。

     そういうことを想像するに、声をかけずらいと思いました。
     もし、学院で友人を持とうと考えるのなら、アナさんが積極的にならないといけないのでしょう。



     使用人たちとは良好のようなので、アナさんの救いになっている気がします。

     でも、それだけでは足りないのかも知れません。
     ウツなど、目に見えにくい病気になったら、ジェレミーさんにも迷惑が及びます。

     アナさんにストレス発散の場が、いくつかあると嬉しいのですが……。
     ニッキーさんの復活! ないでしょうねぇ……。



    作者からの返信

     はい、ニッキーは消滅してしまっています。「第三十条 消滅」の最後に私は書きました。「それ以来、ジェレミーが飲み屋でニッキーを見かけることは二度となかった」と。残念ながらジェレミーが飲み屋でニッキーを見かけることはもう二度とないのです。けれど、飲み屋以外の場所では……今の時点ではノーコメントなのです!

     アントワーヌとドウジュは全てを知っています。でもアナには最小限の報告だけをしていますね。もう心配はいらないということだけをアナには知っていて欲しかったのでしょう。

     マチルダは、まあしょうがないですね。そのうち外出もできるようになって、ドウジュの言った通りにその辺のボンクラ貴族に嫁いでのうのうと暮らせることになるのではないでしょうか。

     ジェレミーは友人たちと遊び歩いています。結婚したということでとりあえず熱烈なファンからの攻撃?は止み、彼は契約結婚も悪くないと思っているのではないでしょうか。しかし、アナと別行動ばかりしているとそのうち不仲説が流れますよ!

     私も実はこの作品を書き終わってみて、もっと仮面夫婦としての外面と屋敷での冷え切った関係のギャップを書けば良かったかなーなんて少々後悔していました。結婚したこれからも色々とイベントが盛りだくさんでなかなかそこまで手が回らなかったと申しますか……

     貴族のお屋敷は何せ広いです。家庭内別居なんて簡単です。事務連絡はセバスチャン経由もしくはメモのやり取りです。猫の額のような我が家ではそうはいきません。

     アナの同級生は皆十代半ばですからね。年の差五、六歳は大きいです。アナが馴染めないのも無理ありません。下手をすれば教師の方がよほど年が近いでしょう。

     屋敷でも学院でも孤独なアナですが、唯一の救いはルクレール家の使用人達が親切だということです。彼らはセバスチャンの教育がなっていますからね。

     次回はアナのストレス発散の場になるかどうか、グレッグ料理長による「きょうの料理」開催です。いかん、テーマ曲が頭の中をグルグルし始めました。タッタタタタタタタッタッター♪タッタタタタタタタッタッター♪


  • 編集済

    第三十四条 新婚への応援コメント

     冷めた新婚生活でした。
     いえ、元々熱くない延長線に乗った新婚生活でした。

     今回は寂しさの地固めみたいでした。仕方ありませんが、読み手も淡々としてしまいますね。

     ただ、セバスチャンさんの『ジェレたん』が、笑いを誘いました。
     こういうギャップ萌えのようなキャラを、ところどころに見せてもらうと、読み手のいい刺激になることでしょう。

     2人に進展はありませんが、サンドリヨンさんの名前を、ジェレミーさんに知られてしまいました。

     動物で気を紛らわしていると、思われたかも知れません。



     入学式がありました。
     新しい舞台です。なにか、次なるストーリーを予感します。

     でも、アナさんはジェレミーさんに入学式に日も教えていなかったのですね。
     出席する/しない以外にも、騎士同士の会話の中で、入学式の話題となった時など、知らないと不都合があったかも知れません。
     「妹の入学式に出席したのだが、奥方が入学なのに、お前いなかったよな」とか、同僚に言われた時など、知らなかったと言えず返答に困るのではないでしょうか?
     ちょっと心配になりました。


     そして、ルーシーさん。
     今後の恋の成就に期待を抱かせる存在です。
     どんな恋をして、どんな結末を得るのでしょうか?


     さあ、これから、アナさんの学院編がスタートするのか? 冷え切った新婚生活の中でストーリーが進むのか? 読み手として注視して参りましょう。




    作者からの返信

     契約結婚ですからこうなることはアナにも分かっていたことでしょう。ジェレミーにとっては結婚後もあまり変わっていないようです。

     執事のセバスチャンさんはアナに親切です。アナも婚家のルクレール家で一人きりではなく、味方もいます。セバスチャン氏の頭の中には新婚なのにどうして?という疑問でいっぱいでしょう。

     ジェレミーはアナの部屋に何が出入りしているのか不思議に思っていることでしょう。サンドリヨン???なんだそりゃ?といった感じですね。一応アナのことも気にはしているのです。

     学院への編入学式がありました。またまた生活に変化が訪れますね。アナにとっては激動の年ですね。

     貴族学院の入学式がいつ頃行われるかということは王都近辺に住む貴族なら誰でも知っていることです。ということで、ジェレミーもアナの入学式がだいたいいつ頃なのかだけは分かっていたことでしょう。ジェレミーが夫として出席しなくても別にいいとアナも考えたので知らせなかったのでしょう。

     アナの妹ルーシーはこの物語にも何回か登場します。彼女の恋の行方は……どうなるのでしょうね!

  • 第三十三条 制裁への応援コメント

     こういう人たちは、味方や手下がいるから付け上がると思います。

     脅し文句の中で一番効いたのが、『痛めつけたら速攻降伏したぜ、忠誠心の欠片もないな、あいつら』ではなかったのではないでしょうか?

     手下に裏切られるなんて惨めなものです。

     『媚薬を盛っ』た男女を1つの部屋に入れるや、『獣の如く奇声を発し』は、確かに下品ですが、脅し文句には有効ですね。

     もし私だったら、書いている最中は乗って書いているので、そうでもないのですが、後で読んだ時に、かなり恥ずかしいです。なので、心中お察しします。


     働き者の女の子が脅されていた。ひどいことです。

     貴族という身分がハッキリしている社会は、こういうことは起こりやすいのでしょう。
     困った一面です。

     吹き矢でアナさんを狙うなど、異常とも取れる行動です。そして、吹き矢といえば毒です。嫌がらせの域を脱しています。アントワーヌさんが直接的な脅しに出るのも分かる気がしました。

     ただ、吹き矢には練習がいるのでは、と思いました。
     現場には大勢いるのですから、他の人に当たってしまっては、元も子もありません。コーチによる訓練などもあり、思ったよりも大掛かりな準備があったのかも知れませんね。


     アントワーヌさんは、結婚式の出席を断ってまで、その結婚式を警護していたようでした。私的なのでしょうか? なんか、別の使命から来る理由や、誰かからの特別な指示があったようにも感じます。

     貴族社会の安定を裏で支える任務も負っているような、必殺仕事人みたいな印象でした。


    作者からの返信

     この回を読んでお分かりと思いますが、悪人どもをアントワーヌ&ドウジュのコンビが捕まえたのでアナの結婚式にはドレスのほつれ以外は滞りなく進んだのですね。

     親分マチルダ、手下の男女全て痛い目に遭わせることが出来ました。可哀そうなモードもアントワーヌ君の采配により、更生の道が与えられました。良かったですね。

     ドウジュとマチルダの絡みは書いてて楽しく、何度読み直しても楽しく、あまりの下賤なドウジュの台詞にも恥ずかしさは感じていない、厚顔な作者です!

     脅されてアナの花嫁衣装に細工をしたり、吹き矢など物騒なものを使わされていたモードは、マチルダ&手下にとってはただの捨て駒だったのでしょう。彼女が捕らえられたとしても、お母さんと妹のことがあるので自分たちにはまず足がつかないと考えたわけですね。卑怯な奴らです。吹き矢が上手くアナに命中せず他の人物に当たったとしても、お目出たい結婚式に水を差しますから彼らの目的は果たせるわけですね。

     アントワーヌはこの物語でまだまだ謎の動きを見せます。どうして彼はこんなことをしているのか……気長に王国シリーズお付き合いください(本当は言いたくてたまらないです!)

  • 第三十二条 誓言への応援コメント

     事件が起こるかもと、少し構えて読んでいましたが、何も起こらなくてなによりでした。

     始めに、クロードさんの魔法防御壁が展開されました。
     私はこういうのに弱いんです。

     「こういうの」とは、危機を見越して黙って味方してくれることです。
     黙ってがいいんです。

     その心意気にグッときました。

     男性向け作品でしたら、それを知らない悪い連中が何か事件を起こして、手痛いしっぺ返しを食うのでしょう。

     ここは現実的に何も起こらずでした。
     ドレスのほつれで十分と思っていたのか? 魔法防御壁に気付いたのか? その辺りは不明でした。


     結婚のキスシーン
     双方とも結婚とは別の想いが渦巻いていました。

     アナさんはニッキーさんの時にもらったキスを思い出し、ジェレミーさんはアナさんの唇にニッキーさんを思い出す。

     このシチュエーションには、拍手です!
     読み物の醍醐味です!

     契約結婚、仮面夫婦にピッタリでした!
     読み手の心を刺激することでしょう。

     そして、ジェレミーさんの溜め息、こちらもうまい演出でした。
     アナさんが違う意味として受け取ったのがよかったです。

     事件が起こるかも知れないと気を取られていましたが、しっかりとストーリーに引き込まれてしまいました。
     合間妹子様の力量を実感した次第です。


     アナさんのウソ、ジェレミーさんはちゃんと見抜いていたんですね。
     なんだかんだ言っても、アナさんをよく見てくれています。
     晩餐やダンスの時も一緒にいようと考えてくれていました。
     男性としての評価が上がります。


     アメリさんの車椅子ダンスがよかったです。
     最後に抱っこされてクルクルなんて、女性から見れば夢のようでしょう。
     羨(うらや)ましがる読み手もいるのでは?


     アメリさんとジェレミーさんの仲の良さを見るリュックさんの台詞がありました。もう余裕ですね。しっかりとアメリさんを信用しています。ホッとしました。

     かたや、アナさんはなんか、他人ごとのように振舞った印象でした。(ワザとかな?)
     内心はどうなんでしょう。
     相手はアメリさんなので何の心配も無いはずなのですが、心の奥ではモヤモヤがあるのかも知れないと感じました。


     ラストで、アナさんが自らジェレミーさんとの距離を取っているようでした。
     『肘に添えていた手をさっと離』す、や『何も言わず彼の顔を見ることもなく背を向け自室にひきとった』です。

     自ら距離を取らないと、好きで堪(たま)らない自分を押さえられない。
     そんなようにも感じます。

     アメリさんの弱いハートの裏返しのようでもありました。
     切ないですね。

     ジェレミーさんから見ると、望んだことなのに何か釈然としない、癪に障るとの思いが湧いてくるのではないでしょうか?

     これからの2人の関係の行方に注目です!
     そうです。結婚って、決してゴールじゃないんですよね。


    作者からの返信

     読者の皆さまはこの回で絶対に嫌がらせの嵐だと思われていたことと思います。身構えて読み始めた方も多いのでしょう。しかし、何も起こりませんでした。私が嫌がらせをする立場だったら花嫁衣裳のスカートを落とすだけでは気が済みませんけれどね!

     相変わらずカッコいいですよね、クロード。彼もビアンカに会ってからかなり丸くなりました。男らしく黙って援護射撃です。

     アナの花嫁衣裳のスカートは式が終わるまでもちました。犯人は焦っていることでしょう。魔法の防御壁が見える人間は魔術師くらいであまり居ません。アメリは例外で、魔法が使われているのが見えますが。それにしても他の嫌がらせは?

     ジェレミー、誓いのキスは一瞬だけでしたからね。もっとディープにブチュブチューっとしていればニッキーと同一人物ということが分かったのでは?と思わずにいられません! 作者の私も呆れてため息です……いつになったら気付くのですか? 二人共ニッキーのことを考えているというのにお互いの気持ちは大いにすれ違っています。

     この辺りの切ない展開いいですよね。手前味噌ですみません。自分で書いていて切なくてつらくて泣いていました。

     アナのことも少しは考えているジェレミーでした。決して悪い人間ではないのですね。とりあえず彼がアナの側にずっと居たから嫌がらせも何もおこらなかったのでしょうか?

     アメリとリュックの車椅子ダンス、素敵ですよね。アメリは怪我が治ってから結婚式を挙げたいということで未だ婚約中です。後から婚約したアナとジェレミーが先に結婚してしまったわけです。

     前作「貴方の隣」で王妃様の策略により、ジェレミーは当て馬として活躍しました。ジェラシー作戦は大成功、リュックはアメリへの気持ちに気付くことができ、めでたく二人は婚約しました。色々あった二人だからこそ、ジェレミーの妨害?などにはもう揺らぎませんね。

     アナの方はどうなのでしょうか。彼女もアメリと仲良くなるにつれて、アメリとリュックの絆の強さがどのくらいのものなのかもう分かっていますね。それに今はジェレミーの気持ちがニッキーにあれだけ向いていることも。ですからもう以前のような嫉妬はしていないのでしょう。

     さて、アナとジェレミーはこうして無事に結婚してしまいました。アナは契約内容をきちんと実行しています。ジェレミーの寝室に乗り込む!こともなく、後ろ髪を引かれる思いだったのでしょうがさっさと自室にひきとりました。そして夫婦は別室で寝てしまいました!

     ジェレミーはどう思っているのでしょうか? ニッキーとあんな別れをした直後です。アナと結婚したからといって、じゃあ代わりにアナと……なんてことができる人ではないような気がします。

     式を妨害されることもなく、この日は終わりました。嫌がらせ犯は何をしていたのでしょうか??? ご心配なく、次の回で明らかにされます。


  • 編集済

    第三十一条 細工への応援コメント

     私はこういうのが好きです!

     「こういうの」とは、妨害にめげずにがんばるアナさん? この1人で向かい風に立つようなアナさんも好きですが、ここでは違います。

     なら、妨害の件をアメリさんとだけの秘密にするところ? そのルクレール家に迷惑をかけまいという心意気も好きですが、こちらも違います。


     ここで、私が一番の好きは「設定が活きている」という点です!
     アナさんが貧乏貴族の子女であり、裁縫ができたという点です!


     経済的に苦しいとは、このストーリーの前提ですが、しばらくその事実(設定)が活きた場面がありませんでした。ジェレミーさんがアナさんの領地(実家)へ行って以来でしょうか?

     経済的に苦しいという設定が読み手の気持ちから薄れた頃に、重要なアイテムとして使用されたのです!


     しかも、最大のピンチに活きたのです!


     私の心にグッと、スコップを突き立てて、深く潜り込んだ薄れた気持ちを掘り出された思いでした。

     私は、こういうのが好きなんです!


     一番の事を先に書いてしまったので、前後しますが、イザベルさんもよかったです。なにか、心の大きな後ろ盾をもらったようで、頼れる大木を見つけたようで、不安なアナさんには心強いことでしょう。


     ドレスのほつれを見つけたアナさんの心情表現もよかったです。
     馬車で無言、参列者の前でスカートが落ちたらとの想像、家の名に傷がつくこと、新しく雇っていた少女、その少女が純粋で働き者だったこと、でも、おそらくその少女が犯人であること、アントワーヌさんの助言を活かせなかったこと、そして、犯人よりも直すことが先決であると転ずる思いと、婚礼にはお金がかかっており、『何の苦労もなく甘やかされて育った貴族の令嬢の醜い嫉妬』には負けないという決意です。

     この続けざまに押し寄せるアナさんの心情表現が、せっぱつまった感じで、読み手としての気持ちも焦らせていきました。

     しかし、アナさんの目的意識がハッキリしており、ぶれずに読めるのです。

     次へ次へと私の心が、物語へと引っ張られました。
     このアナさんの心情表現は大変勉強になりました。


     現地に着いた時も、アメリさんよりも先に控え室へ行くなど、時間的に余裕がない演出となっています。

     アメリさんへの口止め、『一人で乗り切って見せる』決意、アナさんの性格が前面に出ていました。誰かに泣きつくなんて、全然考えていません。

     ジェレミーさんに下着姿を見られても、縫う手を休めません。アナさんの戦う決意、負けていられない気持ちが、ひしひしと伝わりました。

     10分と時間制限をつけるところも、読み手を焦らせてくれます。それも、事情を知らせないで言うんです。男らしささえ感じます。

     母親の話題が父親からもたらされて、読み手が天国の母親と一緒にアナさんを俯瞰します。読み手が一呼吸おける時間を与えています。
     さあ、式場へと読み手の思いを向かわせています。
     この誘導もお見事でした。

     そして、もし何かあった場合、魔法で対処しようと考えるところに、まだ終わっていない、意地悪お嬢様の弾は全弾撃ちつくされていない、まだ何か残っていると読み手は予感します。

     さらに、アナさんの魔法防御壁には粗(あら)があり、つけ入る隙がありそうと、読み手の不安を増大させています。

     次の回も、事件が起きそうと、読み手に期待と不安をあおっています。

     しかし、そこで終わらずに、『新侯爵夫人としての戦いの始まり』と明言することで、その期待と不安は次回に限ることではないと、読み手の心を、さらなる未来へ馳せさせる演出で締めていました。
     この読み手の一歩先を表現した点もよかったです。

     メッチャ読み応えがあり、ドキドキを楽しめる回でした!



     このように、この回は大変面白かったのですが、最後にちょっと引っかかった点を1つ、『さあ行きましょうか』と、控え室を出た後に、もう少し〝間”が欲しかったかな? と、思いました。

     父親の元へたどり着く間の情景やアナさんの想いがあったら、準備から本番へ読み手の気持ちを転換させる時に、もっとスムーズにできたかも知れません。
     生意気を書いて申し訳ありませんでした。



    作者からの返信

     亜逢さま、今回の話もお楽しみいただけたようで大変嬉しいです。

     作者の私も好きな回です。何と言ってもアナの覚悟がイイですよね。アナはまだ学院で魔術を学ぶ前ですから、かなりの魔力を持っている彼女も細かいところまで使いこなせません。ですから針と糸でチクチクと人海戦術でいくのです。アメリも平民として育っていますから裁縫はお手の物なのですね。

     細工をした犯人はアナが魔法を使えるということも、ドレスがほつれていることが分かって縫い直せるということを知りませんでした。アナは犯人にとってはなかなか手ごわいです。

     飲み屋の女将、イザベルさんもいい味を出していますよね。自分で言っておりますが、彼女のキャラ好きなんですよ。酔っ払い相手の客商売をしているだけあって人物観察に長けていて、人生相談にも乗ってもらえるような頼りになる方です。以前「貴方の隣」でもリュックが恋のアドバイスをもらっていました。

     犯人はきっとあのマチルダかどこかの貴族の令嬢だとアナは思っています。何の苦労もなく育ったお嬢ちゃまなどとはアナは背負っているものの重さが違いますからね。ジェレミーにただ憧れて彼の婚約者を陥れようと卑劣な手を使ってくるような人間なんかよりはよほど根性があります。王妃まで参列している晴れの日にルクレール家の面目、領地の復興のために既に使ったジェレミーからの大金、ジェレミーとニッキーとの三角関係などなど……

     そう考えるとジェレミーには男主人公としてもう少ししっかりして欲しい所ですねぇ……今の時点アントワーヌ君やドウジュの方がよっぽど頼りになっているではないですか! まあ物語の進展具合からしてしょうがないのですが……

     アメリは今の時点で王太子襲撃事件の時の怪我が完治しておりませんので杖をついて歩いています。ですからアメリは付添人を辞退しようとしましたが、アナが無理を言ってアメリ以外には頼めないとお願いしたのですね。ですからアメリは先に控室に向かうアナより遅れて来ます。アナもアメリを置いて一人控室に行くのは心苦しかったでしょうが、今は時間がありません。

     さて、ジェレミーは花嫁控室に乗り込んできました。普通なら花婿は先に祭壇の前で待っていることでしょう。そして普通花嫁が遅いと迎えに行くのは花嫁の父親なのでしょうが、何も知らないジェレミーにも少しはアナの窮地を知ってもらいたかったのでこんな演出になりました。

     再び、ジェレミーと仮面夫婦として結婚する直前に父親の言葉から母親のことを思い出したアナです。良心が痛みますね。でももう後戻りはできません。アナの決意が痛々しいです。

     魔法の防御壁もアナは騎士道大会の時に見てヒントを得ていました。自分でも真似して練習していましたが、なかなか上手く行きません。

     アナは敵が次に何を仕掛けてくるのか分かりませんから気は抜けません。しかし、ビアンカと仲の良い動物たちに他にも彼女を守ろうとしてくれる人もいます。彼女には味方も沢山いるのです。次回はどうなることでしょうか。

     控室から大聖堂入場前の間についてのご意見もっともですね。この回はあまりに色々な出来事があり、アナの心情も揺れ動きなかなか書くのに力が要りました。もう少し読み直してみます。

    編集済
  • 第三十条 消滅への応援コメント

     ジェレミーさんも結婚を前にして、心が揺れているのでしょうか?
     一段ギアを上げたようです。

     王宮楽士とその紹介状という餌を釣り針に付け、だめなら、ピアノと住居の餌に付け替える。
     でも、魚のニッキーさんは、食いついてくれない。

     うーん、王宮楽士がダメなら、自ら囲う、いいえ、囲った上で王宮に働きに出そうと企てていたのでしょうか?

     とにかく、ニッキーさんを自分の生簀(いけす)に飼いた……、手元に置きたかったようです。

     ニッキーさんは当然断るのですが、ジェレミーさんは悲しそうな表情になってしまいます。
     ニッキーさんのすぐ前にいて、2人きりでなんです。
     目の前で、そんな悲しい顔を見せつけられて、アナさんとしては心が痛いことでしょう。

     その表情を見せている相手が、自分ではなくて、他の人(男性?)であり、でも、自分なんです。
     このややこしさが、さらに、アナさんを苦しめそうです。


     一方、ジェレミーさんは、ニッキーさんが断るのは、アナさんとの結婚が理由と思っているようです。
     彼にしてみれば、アンさんとの契約結婚のために、ニッキーさんを失う瀬戸際なのです。

     自分で決めた契約結婚ですが、苦々しく思い、その満たされない矛先がアナさんに向かうかも知れません。

     この幻の三角関係(言葉を使わせていただきます)が、さらに深まった印象です。

     読み手といたしましては、このハラハラドキドキ感がたまらないです!


     実に、面白い関係をストーリーに持ち込んだものだと思いました。
     楽しみが膨らみます!


    作者からの返信

     この時点ではジェレミーが何を考えているのかは明らかにしていません。物語の最後の方で分かるようになっています。

     ちょっとズルい気がしますね。侯爵令嬢のアナと結婚して平民ニッキーは愛人として離れに住ませようだなんて。

     ジェレミーはニッキーがどうしてこんな美味しい!申し出を断るのかが分かりません。きっと自分がもうすぐ結婚することが原因だと思っているのですね。まあそうなのですが、少々ニッキーにはややこしい事情がありますねぇ。

     ニッキー(アナ)にしてみれば辛い所です。ジェレミーを傷つけたり悲しませたりしたくはないけれど、断腸の思いですね。ニッキーもアナもジェレミーがそこまでニッキーのことを好きだったとは思ってもいなかったようです。

     そしてニッキーは消えてしまいました。ジェレミーとアナの関係はどうなっていくのでしょうか?

     亜逢さまにこの物語も楽しんでいただけているようでとても嬉しいです。

  • 第二十九条 苦悩への応援コメント

     ニッキーさんが王宮楽士、うーん、とてもできない相談ですよね。
     採用の内容を教えられても、困ってしまうことでしょう。

     アナさんがニッキーさんに嫉妬するなんて面白い関係です。
     いいところに目を付けられたと思いました。

     心の葛藤や、心の決着があるのか分かりませんが、あまり例のないことと思いますので、掘り下げて取り組んでいただきたいエピソードと思いました。


     ジェレミーさんが着る近衛服の白正装、確かに、飲み屋以外の印象が薄かったです。
     アナさんはよく気付きました。

     読み手の皆さんも、この白正装は記憶に強く残っていると思います。その白で結婚式、とても映えそうです。

     白は新婦のイメージですが、結婚式で白・白もいいと思います。
     何事も無く、白・白を見たいものです。


     アントワーヌさんをアナさんが直接呼べない理由として、経済的なことを挙げていました。

     現実味があるうまい理由でした。
     合間妹子様が物語の全体を俯瞰できていて、一番合う理由を当てはめているように感じました。さすがでした。

     でも、ちゃんとジェレミーさんがアントワーヌさんを呼んでいたんですね。人間関係を大事にしている印象を受けました。

     ジェレミーさんは、好き嫌い、いえ、好き(嫌い)と無関心がハッキリしていて、人間関係において好き(嫌い)以外は無頓着と思っておりましたので、呼んでいたことは意外でした。
     それとも、ジェレミーさんにとって、アントワーヌさんは好きの範疇なのでしょうか? 嫌いは呼びたくないと思いますが……。


     アナさんの夢、不安でいっぱいのようでした。
     ひどい気疲れは不安から来るのでしょうか?

     そう言う時には、フロレンスさんの息子さんの顔を見に行くべきです。
     元気をいっぱいに、もらえると思いますよ。

     あとは、サンドリヨンさんと戯れるとかかな?



     今回はアナさんが、結婚へとたたまれていく中で、納まらないで、はみ出してしまうニッキーさんとアントワーヌさんのお話と、アナさんのマリッジブルーのお話のようでした。

     結婚という華やかなエピソードには、影が付き物であると、説得力のあるエピソードでした。

     こういう裏側を映すことは、書き物にとっては大事なことと思います。
     見習いたいところです。


    作者からの返信

     全くもう、ジェレミーはニッキーの就職の世話をしてどうするつもりでしょうね? アナがジェレミーに嫁いで学院に行き始めたらとてもではないですが、二重生活は無理です。

     アナはニッキーと自分に対するジェレミーの態度の格差に時々落ち込むのですね。ニッキーはもう少ししたら居なくなってしまうからということもあります。ニッキーに向けるその笑顔が見られなくなる危惧を抱いています。

     この後もずっとアナはニッキーに嫉妬し続けるのですね。幻の三角関係と私は呼びますが、物語が終盤に差し掛かるに従ってこの奇妙な三角関係も変化が訪れます。一体どう変わっていくか、観察してみてください。

     アナは良く思い出しましたね。それにしてもジェレミーも何だか細かいところは細かい人でした。ニッキーはいつも飲み屋で彼の制服姿に萌えています。が、アナは初めてルクレール家に訪れた時以外にはジェレミーの制服姿は見たことがありませんでした。

     花婿も白を着るというのも悪くないと私は思うのです。無事に結婚式を迎えられるといいですね。

     アントワーヌ君はアナの数少ない友人です。アナが結婚式に呼びたいと思う気持ちも分かります。しかし、やはり侯爵家の式ですしアナは費用を出してもらっているということであまり自分の意見を出せません。付添人とジェレミーの装いだけですね、彼女がどうしても譲れなかったのは。

     この時点ではジェレミーとアントワーヌ君の関係は明らかにされていません。(実は言いたくてしょうがない人)ジェレミーも彼を自分の結婚式に呼ぶきちんとした理由があるのです。方やアントワーヌ君は他に用事があると言って辞退しています。この辞退にも深いわけがあるのですが、ここではまだ言えません! 今後のアントワーヌ君(とドウジュ)の暗躍にもご期待ください。

     アナはストレスが溜まってきています。読者の皆さまに心配をおかけしております。しかし、アナは自分でこうと決めた道を自分の信念をしっかりと持って突き進む人ですから最後にはきっと幸せを掴むことでしょう。

     アナとジェレミーの結婚へ向けて、色々な登場人物の思いが折り重なっていきます。式の前にも、式当日にも何か起こりそうな予感が……

  • 第二十八条 葛藤への応援コメント

     動物さんたちが、意地悪の仕返しをしてくれました。

     どうやら、動物さん自身で決めたようでした。
     それなら、仕方ないですね。
    (前々回の返信の歯切れが悪かった理由が分かりました。私が踏み込みすぎたようでした。申し訳ありませんでした)

     仕返しを受けた側は『なぜこんなことに?』と、チンプンカンプンかも知れません。
     アナさんと違って、ドレスを何着も持っているのであれば、大きな痛手にはならないでしょうし、アナさんがいただいたドレスとは、想いや心の価値が全然違うかも知れません。
     
     しかし、読み手にとっては、爽快なエピソードだったと思います。
     加えて、賢い動物さんたちが味方してくれたのは、心強いと感じることでしょう。

     悪いエピソードを良いエピソードに転じる、読み手が望むことと思います。勉強になりました。

     ここで光るのが、アナさんがサンドリヨンさんを気遣う言葉です。
     『危険なこと』と心配し、『気持ちが晴れた』とお礼を言います。
     アナさんの好感度が、さらにアップする場面でした。


     ジェレミーさんの変化に、彼の心がアナさんに近づいていると、ワクワクしました。

     アメリさんやビアンカさんに言われてか、アナさんを気遣う気持ちが芽生えてきています。
     関心がなかったアナさんの中途入学も気になっています。(今さら聞けないでいるようですが……)

     彼の恋愛感情は、0からの出発です。
     僅かですが、1メモリ進んだ気がしました。

     これからどのように変化していくか楽しみです。


     ですが、アナさんはジェレミーさんを全く信頼していないといいますか、彼との関係を、負担とか債務のように思っているようにも感じます。

     自らの債務は自らが支払う。「契約結婚当初の覚悟に変更は許されない」といったようです。
     この点では、アナさんは意外と頑固そうです。

     この頑固さを、どう融かすのか? どう融けていくのか? 見所になりそうです。

     ただ、『あの意地悪なマチルダの肩を持つジェレミーなど見たくはない』との女心は、いじらしく感じました。ニッキーさんの想いがにじんでいたようでした。


     そう、この回の始めに登場したアントワーヌさんとドウジュさん(謎の人物ですね)は、アナさんを調査しているようでした。そのニッキーさんも、知られたようです。

     それに、アナさんを何かの駒に使おうとしているようにも、受け取れます。(駒とか、悪い言い方ですいません)

     始めの頃から、「謎が多い」と教えてもらっていましたので、私は動じませんが、謎とかを知らない読み手には、ショックがあったかも知れません。
     頭が切れるだけの好青年ってだけには、とても見えません。

     悪事を働くのか? そうではないのか? で、読み手をヤキモキさせそうです。
     (合間妹子様の作戦でしょうか?)


     キャラたちの異なる目的や行動が混ざり合い、楽しみが増えていくようでした。
     期待です。



    作者からの返信

     さて、動物さんたちも活躍を始めます。因果応報ですね!やられた彼らは何のことやら分かっていないでしょうが、いい気味です。踏み込み過ぎとかお気になさらずに、何でも思ったことを書いて下さい。私はただ、あれもこれも今言いたいのだけどネタバレになってしまうというジレンマにじれじれしているだけなのです。応援コメント欄はとりあえずそこまでの話のネタバレは良いとしても、それ以降の話の内容については控えるべきですよね。他の読者の皆さまもふと目にするかもしれませんし。

     ビアンカのことですから、彼女は直接手を下すことはないでしょう。でも賢いサンドリヨンやお友達の動物が頑張ってくれました。ビアンカもそこまでしろ、と命令してはいなかったのでしょう。鳩のサンドリヨンは結構手厳しいですね!

     アナもサンドリヨンたちが身の危険を冒してまでも、そんな仕返しなどは望んでいなかったようです。優しいですね。私だったらざまーみやがれ!と大喜びするところです。それでもアナは動物たちの活躍に少し心が軽くなったようです。

     ジェレミーはマチルダを始め、周りのウザい女性たちに悪い意味で慣れてしまっているのですね。アナが何も言ってこないのが彼の目には逆に新鮮に映るのでしょう。しかし、見せかけとは言えアナは婚約者です。彼女の身に何か起こったらジェレミーだって不本意でしょう。ジェレミーもただの女嫌いなだけで悪人ではないのです。

     方やアナは、契約通りに形だけの婚約者として控え目に、ジェレミーを煩わせることは一切しませんし、言いません。それが彼女なりのけじめなのです。大金を援助してもらっているからには感情を抜きにして契約内容を遂行しているのです。健気ですね。泣けてきます。

     アナは自分の容姿に自信もなく、マチルダのような目がぱっちりとした美人に憧れているのですね。その上、彼女の家は豊かでルクレール家とも家族ぐるみで親しくしていて、ジェレミーにも馴れ馴れしくベタベタできる。アナは彼女に対してコンプレックスだらけです。いくら自分が婚約者だからと言って、マチルダから意地悪をされているとはとても言い出せないのでした。

     晩餐会の様子は、サンドリヨンだけでなく謎の人物ドウジュがどこからか観察していたようです。ドウジュが助けに入らずともアナは自力で切り抜けました。それだけでなく、ニッキーのこともドウジュからアントワーヌ君にまでバレています。ドウジュさんは優秀ですね。アントワーヌ君には何か彼自身の計画だか陰謀があるのでしょう。アナが結構な魔力を持っていると知って彼女のことも駒というか協力してもらえるのではないか、と言っています。それを当てにしてアナに親切にしていたのでしょうか?アントワーヌ君は悪人なのかそれとも……?

     王国物語はシリーズ作なので、作品それぞれは完結していても、沢山の登場人物が脇役に至るまで関わり合い次作や前作などに関係を及ぼしています。続けて読んで下さっている亜逢さまも、時々前作では確かこうだったな、この人がああでこうで、などと思い出しながら(いえ、別に忘れていても全然構いませんが……)読み進めて下さると嬉しいです。

    編集済
  • 第二十七条 罠への応援コメント

     なるほど、葉を隠すなら森の中、赤ワインのシミを隠すなら、赤ワイン色に染まるドレスの中なんですね。

     お見事でした!

     そうでしたか。マチルダさんは、アナさんの泣きっ面を見たかったんですね。
     なかなか現れないので、戻ってみると、何事も無かったようにお食事中?
     『どういうことよ!』なんて、声が聞こえてきそうです。

     してやったりでした。
     読み手は拍手喝采でしょう。


     そして、マチルダさん以外にも意地悪さんがいたようです。
     こっちの方がひどいですね。大柄な男まで使っています。

     アナさんの聡明さも光りました。
     動揺して、すぐに飛び出さずに、瞬間移動も中にいた男に見せない。

     仕掛けた意地悪さんからすれば、屋敷の抜け道でも知っているのか? と思ったかも知れません。(通風口か、大きなねずみ用の抜け道でしょうか?)


     アナさんには空圧の攻撃魔法もあったようです。酔っ払いを撃退するくらいは造作もなかったかも知れません。

     それも、水も出たというオマケ付きでした。
     失禁した酔っ払いが出来上がっていました。

     酔ったからと言って、女性に手を出そうという曲がった性根を持った男の末路です。

     よくぞ、切り抜けてくれました!
     と、褒めてあげたいところですが、このことを誰も知りません。
     アナさんを褒めてあげるキャラがいなくて、かわいそうでした。

     ただ、ジェレミーさんは何となく気付いていたのかも知れません。
     今後アナさんに対するフォローがあるのか、ないのか? 気にかかりますね。

     これは幕開けにすぎず、これから似たようなことが続くのかも知れません。
     ジェレミーさま、気付いているなら、助けてあげて! なんて、読み手の想いが聞こえそうです。

     もしかしたら、ビアンカさんには策があるのかも知れません。


     まあ、これだけ事件を浴びせられたら、疲れてしまうことでしょう。
     精神的ダメージもあると思いますし、アナさんが無言だったというのも、うなずけます。

     一休みしてもらって、次なる展開を待ちましょう。


     前回も含めてですが、すぐに、逆転劇を見る(読む)ことができてよかったと思いました。
     後に引きずっては爽快感が下がります。

     次回くらいにピシッと見せてくれるのは、間といいますか、タイミングといいますか、そんな時間的な骨(コツ)が活かされているように思いました。



    作者からの返信

     アナは変幻魔法でワインの染みを見えなくすることも出来たのでしょう。ドレス全体をワイン色にする方が簡単で、晩餐会が終わるまで持続できるとの確信があったようです。それにジェレミーにもこれはただ事ではないと示すことができましたしね。

     ははは、マチルダざまーみろ!でした。

     しかし、一難去ってまた一難とは正にこのことです。今度は複数犯でした。少々ネタバレをさせて頂くと、彼らはマチルダの手下なのですね。酔っ払いはその辺でスケベオヤジをあつらえたのです。彼も少々気の毒ではありますが、自業自得ですね。

     アナもまだ学院に通う前で魔術のことは何も学んでいませんから、特に攻撃魔法は日常生活でも使わないし、上手く操れないのですね。酔っ払いさん、失禁したように見られてしまってご愁傷さまです。

     こうしてアナが一人頑張って危機を乗り越えたのに誰も気付いていません。ジェレミーは友人たちと飲んだりカードで遊んだりしています。いくら形だけの結婚だと言っても婚約者としてこれはどうなのでしょう!

     それでも、何が起こっているか見ていた目はいくつかあるのですねぇ。次回それが明らかにされます。お楽しみに!

  • 第二十六条 嫌がらせへの応援コメント

     まさに、少女マンガに見るような悪役お嬢様でした。

     でも、自分で手を汚すところがかわいいです。
     怖いのは、周りの人間、動物、物体、自然現象を利用した意地悪ですよね。
     誰が首謀者か分からない怖さに震えます。

     ドレスの惨状にアナさんも、怒りが湧くようでした。
     いただき物のドレスですもんね。

     贈った人、作った(縫った)人、材料を栽培・生産した人、多くの人たちの想いや苦労が、そのドレスにはつまっているのです。
     それを一気におとしめたのですから、怒るところでしょう!

     汚れたドレスのまま、どのようにしてその場から退くのか? 興味が向きましたが、瞬間移動でした。
     そうですよね。痴漢対策にも使える一番の武器です。

     ただ、自分でドレスを元通りにできない限り、ドレスの状態は知れることになるでしょう。
     何かを察する人が現れるかも知れませんね。


     そして、ビアンカさんはこの事件も予見していたのでは? などと考えたりします。


     また、始めの鏡のシーンは、後の鏡のシーンにつながっていました。
     この辺り、書き手として上手です。
     惨めさが引き立つ演出となっていました。


     その始めの鏡のシーンで、アナさんは鏡に話しかけています。
     赤毛のアンを思い出しました。
     でも、全然、状況や表現の意味が違うのですが……。


     事件と比べたら地味ですが、アナさんの心情も細かく表現されていました。

     『こっそり分からないようにため息をついた』の『ため息』に含まれる気体に、マチルダさん、ジェレミーさん、そして、アナさん本人への気持ちが、どのくらいの分量で混じっていたのか? などと、想像すると面白かったです。


     さあ、怒りの矛先はどこへ向かうのでしょうか?
     読み手を引きつけることでしょう!


    作者からの返信

     マチルダは自ら宣戦布告をしてアナの前では本性を現しています。親切なふりをして実は裏で工作する人間ほど質は悪くないようです。が、ドレスにワインのシミは許せません!

     とりあえず瞬間移動で自室に避難しました。さて、この惨状からアナはどう復活するのでしょうか?

     ビアンカも薄々こんなことが起きるのではないかと心配していたようです。

     アナは新しい薄い色のドレスを着てうきうきしていた気分に、マチルダの登場により水が差され、そのうえワインをかけられてもう最悪の状態です。頑張って意地悪令嬢などやっつけて欲しいところですね。

  • 第二十五条 友情への応援コメント

     今回は結婚が順調に進んでいる印象でした。


     始めに鳩さんが登場しました。
     前々作と同じ鳩さんだったでしょうか? でも、以前に登場した鳥さんは、鳩さんでもない別の鳥さんだったでしょうか?

     でも、もし同じ個体の鳩さんなら、お元気で何よりです。

     その鳩のサンドリヨンさん、女の子とあって、ちょっと納得しました。

     公園や路上にて、鳩が鳩を追いかけている光景をよく目にします。私は鳩に詳しくありませんが、おそらく、オスの鳩が美メスの鳩を追いかけているんだと思っています。
     そうなんです。オスはメスを追いかけるので忙しいんです。なので、ビアンカさんのお使いなんて、やっている暇は無いように思いました。

     なので、サンドリヨンさんが女の子とあり、納得しました。


     そのサンドリヨンさんは、アナさんが鳩笛を吹けば飛んできてくれる。

     なんて、ロマンチックなんでしょう。

     アナさんとビアンカさんは女性同士ですが、なぜかそんな風に感じました。
     思わず、桜田淳子さんの代表曲を思い出してしまいました(古っ!)。笛で呼ぶとかありませんし、手紙も運びませんし、鳥の色も違いますが……。フッと出ました。

     それはさておき、アナさんからも発信ができるとは、双方向通信のようで、この時代には先進的と思いました。

     ビアンカさんがそこまで気を使う。大きな出来事を予見してしまいそうです。



     主寝室が出てきました。
     始めから2部屋あるようです。親としては、1部屋にして早く孫を見たいと思うところかも知れませんが、貴族には色々と事情があるのだろうと察しました。

     主寝室があるのですから、副寝室もいくつかあるのでしょう。そちらは1部屋ずつかも知れませんね。

     アナさんが寝室の改装は不要と思ったけど、言えなかったところに、キャラを感じました。大変彼女らしかったです。


     2歳のダニエルさんがアナさんの母性をくすぐっているようです。女性にとっては嬉しい効果のように思いました。子供はかわいいです!

     それに、結婚が順調に進んでいることを表現するのにも効果があるようでした。計算され、いい位置に挿入されたエピソードと思いました。


     そして、婚約披露の晩餐会、アナさんのお父さんは逃げましたね。こちらもキャラを感じました。人と会いたがらない。芸術家らしいと思いました。


     ただ、作品の枠外に『波乱の』とありました。興味を惹かれます。騎士の大会で会った、あのマチルダさんと関係があるのでしょうか?



    作者からの返信

     はい、ビアンカのお友達の鳩サンドリヨンの登場です! 第一作では鳥と言えばビアンカが遠くの実家に文を送るのに大型の鳥(鳥の種類は明記せず)を使いにやっていましたね。それから百羽ほどの白鳩さん達が結婚を祝いに大聖堂に集まっていました。第二作ではアメリが襲撃された時にいち早くビアンカに知らせた大鷲くんがいました。

     サンドリヨンは雌ですが、次作では雄の鳩も出てきます。彼は美鳩を追いかけて寄り道などせず、忠実に働く頼りになる子です。

     クック、クック、クック、クック〜とても懐かしいですね!

     ビアンカは白魔術でサンドリヨンと意思の疎通ができます。賢いサンドリヨンはビアンカ以外の人が言っていることも分かるようです。アナは笛でサンドリヨンを呼び、文を送ることができるのです。携帯も電話もない世の中ですから、かなり便利ですね。

     お貴族さまは結婚しても夫婦それぞれが寝室を持っているということですね。とりあえずルクレール家ではそんな造りになっているようです。アナは部屋の大改装は行わず、壁紙だけを自分の好きな色に変えてもらいました。これからずっと住むのですからこの位はしてもいいでしょう。

     フロレンスの子供ナタニエルはジェレミーそっくりでとても可愛いのです。アナの母性本能が疼くのも分かります。このエピソードはアナにも友人が何人か出来たということを示すためだけでなく、フロレンスとナタニエルがもっともっと後で出てくるその導入部分です。

     アナパパは領地で芸術を極めるのに忙しいようです。王都のような賑やかな所に出て来るのは苦手な人です。

     晩餐会では一波乱も二波乱も起きます。お楽しみに!


  • 編集済

    第二十四条 送り狼への応援コメント

     かなり、ねっとりとしてきました。

     馬車を降りたら、キスしてもいいと言う、階級を背にした勝手なルールによって、ニッキーさんがつけ込まれてしまっているようです。

     ただ、中身は婚約者のアナさんです。

     内心嬉しいかも知れません。でも、そんなそぶりは見せられません。アナさんに心の葛藤が芽生えそうです。

     『キスも首から上と手以外にはしない』とか、ニッキーさんが察するとおり、それ以上を我慢していると感じます。
     バレちゃいけないニッキーさんにとっては、警戒レベルが上がることでしょう。

     でも、なぜか、ニッキーさんはどうしてジェレミーさんが我慢しているのか? を聞いていません。それが分かれば送り狼の対策を考えられたかも知れませんね。


     ジェレミーさんはお酒に強いのでしょうか?

     こういうことに困る時の対策として、しつこい相手にはタップリとお酒を飲ませます。
     シラフの時と全く同じって人は少ないです。感覚や能力が鈍ったり狂ったりするものです。
     飲ませて動きが鈍くなったところで、とっとと帰宅するとか?

     それに、多く飲ませれば、お店も潤います。一石二鳥です。

     ただ、タガが外れるのも事実です。この対策は相手の適正を見ることも必要となります。
     その辺りのお話が読みたかったと思いました。


     そんな対策を取らなくても、いざと言う時には瞬間移動という大きな武器があります。うまく作られてるなぁと思いました。


     そして、このダミーに使った家がアントワーヌさんと会った家でした。見つかった時に言い訳ができると思ったのでしょう。
     でも、なにか、そのために、思わぬモノを踏んでしまったのかも知れません。

     早い段階で掲載された人物紹介が気になりますね。確か、謎の人物がいたような……。
     今後の展開に大きく関わっていきそうです。

     今回もそういう予告編のようなエピソードがありました。次回に心を惹かれるうまい手法でした。



     サブタイトルは「送り狼」とありましたが、ジェレミーさんは送り狼にまでは至っていないようです。
     でも、この送り狼は現代に使われる意味の送り狼です。

     古来の送り狼は縄張りに入った人間を見守る(見張る)狼のことで、馬車で後からつけてくるジェレミーさんの行動に近いといっていいでしょう。

     狼は自らの縄張りに入る人間を警戒します。
     なので、縄張りに入った人間の後をつけて見張るのです。縄張りの中ではずっとです。人里とか縄張りを出ると離れます。
     多くの人間は人間が造った道を通ると狼も知っているので、そこから外れて狼の家族達(巣穴とか)に近づかないか見張ります。
     当時の人間から見れば、夜など心細い時に、強い狼が後からついて来て、見守ってもらっているようで、逆に心強く感じたのです。
     なので、古来は『送り狼がいたから安心だった』や、『送り狼がいたから怖くなかった』などの使い方をされたのでした。

     始め、ジェレミーさんが馬車で後をつけていたので、それを思い出しました。


    ――――― 
     前回の応援コメントに、私の誤りがありました。
     ごめんなさい。

     『お姫さま』で思い出したのは、アナさんのお父さんではなく、アメリさんのお父さんでした。
     見直した時にも気付きませんでした。
     申し訳ありませんでした。




    作者からの返信

     ジェレミーが少々突っ走っています。馬車の中では何もしない=馬車を降りたら何してもいい、という自分ルールを作り上げてしまっています。けしからんですね。

     ニッキーになっているアナは、実は女とばれているのではないか、住んでいる場所から自分の正体が見破られるのではないか、結婚までは純潔を守らないといけない、などの心配が大きくてジェレミーとニッキーの親密度が増しているのに嬉しさを覚えるどころではないようです。

     『キスも首から上と手以外にはしない、手と口と舌以外では触らないし、服に隠れている部分には指一本触れない』などとセクハラオヤジ化したジェレミーはそう言っていますが……それでも騎士に二言はないと誓ったようにその約束は守っているようです。

     どうしてこの時ジェレミーが権力をかさに着てニッキーを自分のものにしてしまわないのか、という理由は物語の最後の方で明らかにされます。とにかくいざとなったらニッキーは魔法で攻撃するなり逃げるなり何とでもなりますからね。

     ジェレミーがお酒に強いかどうかと聞かれれば強い方だと言えます。ニッキーもただのピアノ弾きで、飲み屋での経験も浅いです。女将のイザベルさんのような人だったら、飲ませるだけ飲ませて後は辻馬車に押し込めてハイさよーなら、でしょうね。

     ニッキーが仮の自宅としてジェレミーに送らせるのは、前回に出てきたアントワーヌ君の使用人?の家です。お察しの通り、登場人物紹介に謎の人物が居ますねー。アントワーヌ君も謎が多い人ですからね、これからの彼らの活躍にもご期待下さい。

     送り狼の由来は知りませんでした。教えて下さってありがとうございます。勉強になりました。現代で言う送り狼がこの意味で使われ出したのは江戸時代くらいからだそうですね。元々の送り狼の『送る』は家に送るではなく、後をつけるということだそうで、馬車でついてくるジェレミーが正にそうでした! ただの偶然ですが、言葉の奥の深さを知りました。

    ――――― 
     前回の応援コメントについてですが、私もすっかりアメリパパのミシェルさんのことを失念しておりました。娘をお姫さま呼ばわりならこの人と言うくらい姫、姫と繰り返していたというのに、作者自身が忘れてしまっているとは……情けない限りです。

     実は二月からずっと王国シリーズのスピンオフでアナの妹ルーシーの話を連載中だったのですね。ですからアナとルーシーのあの頼りないお父さんの方が私の頭の中に常に居てですね、アメリパパの影が薄くなってしまっていました。

     まあとにかくアメリがそうであるように、姫と呼ばれて育つ娘はかなりのファザコンですよね。


  • 編集済

    第二十三条 用心への応援コメント

     使用人の家で会う。
     よく考えられていると思いました。

     他人の婚約者と2人きりで会うなんて、現代においても悪いことを疑われても仕方ないことです。
     アントワーヌさんの用心は、社会人としては、ごく当たり前の用心なのでしょう。

     物語を書いていく上で忘れがちでありますが、合間妹子様は深く考えてから執筆に取り組まれているように感じました。

     小説の世界ようだとありました。
     事実は小説よりも奇なりとも言いますし、小説を真似した犯罪や、犯罪にまで至らなくても、嫌がらせのような行動を小説から思いつくかも知れません。

     現代でも起こり得ることですし、ここでも、きちんとストーリーに組み込んでいらっしゃいました。

     こういう外堀を埋めていくようなエピソードは、私の場合、気づいて書いていると結構面白いです。

     その中で新たな展開の足がかりが見つけたりもします。

     読み手としても、作者の気の回しように『うんうん』とうなづきながら共感を得られますし、物語としての現実味を感じます。

     私としてはこういうエピソードを読むのは好きですね。


     そして、アナさんに護衛がつくことになったのでしょうか?
     護衛がつくとニッキーさんはどうなるのでしょう?
     ニッキーさんに護衛がついたらおかしいですよね。護衛をつけずに伯父さんの屋敷を抜け出すのでしょうか?

     ニッキーさんに変装してから出掛ければ、いいようにも思えますが、ニッキーさんの姿で屋敷を出れるのでしょうか?

     色々と問題が起きそうです。注目ですね。


     ビアンカさんのこれからの行動に、私は気付きませんでした。
     そうですよね。ビアンカさんでしたら、悪いことが起きそうと分かっていれば、何らかの手を打ってきてもおかしくありません。

     何に気付いて、どんな手を打つのか? こちらも注目です。

     このように、読み手を誘導する手法は勉強になります。
     読み手にある程度予測させることは、重要なことですね。私には足りない部分です。


     最後に呼び方の話題になりました。
     呼び方はキャラ同士の距離感に直結しますので、書き物としては重要です。

     アントワーヌさんは自身の考え・感覚を持っているようでした。
     こういうキャラの深みに触れるエピソードも、読み手にとっては嬉しいですね。

     そして、『お姫さま』が登場しました。
     アナさんのお父さんを思い出しました。

     娘を溺愛しているように思えますが、娘からすると父親から特別扱いされて嬉しいことでしょう。
     わがままがどんなものなのか、教えた上での溺愛は容認してしまいそうです。


    追伸
     ごめんなさい。
    『お姫さま』で思い出したのは、アメリさんのお父さんでした。
     見直した時も気付かずでした。本当にすいません。


    作者からの返信

     アントワーヌが指定したこの家は、彼によると使用人の家とのことですが、まあそれが本当かどうかはともかくとして、この場所は今後の物語にとってもキーポイントになってきます。

     それにアントワーヌにはアナと大っぴらに会えないまた別の理由があるのですね。それは次作で分かります。

     嫉妬に駆られたジェレミーを慕う女性達はアナに色々仕掛けてくるようです。アントワーヌやビアンカの助けも借りながら(あれ、ジェレミーは?)アナがどう切り抜けて行くかお楽しみに。

     アナはアントワーヌがつけると言った護衛の件は断っています。しかし、アントワーヌ君にしてみれば心配でしょうがないでしょうね。ですからきっとアナが何と言おうが護衛はつけることでしょう。となるとニッキーは?良くお気付き下さいました。さあニッキー対護衛の人の勝負はいかに?

     ビアンカは彼女の白魔術を使ってアナを守ることになります。具体的にはどんな手でしょうか?

     アントワーヌ君は自分の想う人(将来妻になる人)以外は呼び捨てにしないと断言しています。

     芸術家であるアナのお父さんはどちらかというと放任主義で自分のアトリエに万年籠っているような人ですねー。だから領地の経営が傾いたのもこの人が原因の一端を担っているとも……


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    第二十二条 侯爵位への応援コメント

     アナさんの入学が決まったな、といったところで、もう結婚の話になってしまいました。

     アナさんは、婚約中に別れることも想定していたようですが、ジェレミーさんとしては、一生、うるさい女性たちの盾になってもらいたいようです。

     契約の時に、跡継ぎの話もあったことですし、ジェレミーさんはそっちの方向と思っていたのかも知れません。

     もしかしたら、アナさんを手放したくない気持ちが、ジェレミーさんの中に僅かながらでも存在するのでしょうか?


     アナさんとしては、領地経営を助けてもらい、その中から学費を捻出して、これから入学するのですから、彼女からは断ることはできませんね。
     腹をくくりましょう。


     また、婚約破棄と離婚の違いがよく分かりました。
     手続きや貴族間の体裁が関わっているようです。
     貴族社会という分野は、読み手の日常にはないので、丁寧に記してあって理解の助けになりました。
     良かったと思います。

     ビアンカさんがわざわざ忠告してくれました。
     なにか、前触れのようなものを感じているのかも知れません。
     アナさんもそれを承知しているようで、鋭い状況判断をする女性と思いました。アナさんの聡明なところがうまく表現されていました。


     結婚について、ただ一つ、ニッキーさんが気がかりです。結婚してしまうと、ニッキーさんになってジェレミーさんと会うことができなくなりそうです。

     それは、読み手といたしましても困りものです。
     なんとか、ニッキーさんを続けていただきたいものです。
     そうでないと、つまらなくなってしまいます。

     読み手が気をもむところです。


     そしてなにより、本人たちよりも、両親が結婚に積極的でした。そこが、現代に通じるように思い、おかしかったです。
     親として安心したいのでしょうし、早く孫に会いたいこともあるのでしょう。

     現代と結びつけると、がぜん親しみが湧きますね。手法として勉強になりました。



     ----

     前回のご返信、恐縮です。

     本編の記述が分かりにくかったということは、全くございません。

     私が端折(はしょ)ってコメントを書いてしまっただけなんです。
     想いが及ばなかったために書き方が足りず、大変申し訳ありませんでした。


    作者からの返信

     ジェレミーの両親にしてみればさっさと結婚してしまいなさいという気持ちなのでしょう。あれよあれよという間に式を挙げることになってしまいましたね。

     この時点でジェレミーがどうして結婚を承諾したのか、彼の心境は書いていません。物語の最後の方で明らかにされます。とにかく、ジェレミーがすぐに結婚してもいいと言うのでアナには断ることはできませんね。

     婚約中に二人が別れるのならまだ傷も浅くてすむでしょう。特に女性側はバツ一の経歴は免れますから良縁に恵まれる機会もあるでしょう。しかし、一旦結婚してしまってからの別れとなるとそうはいきませんね。アナはジェレミーの自由のためにも婚約者のままでいたかったようです。しかし、ジェレミーの両親は息子の連れて来たアナを大層気に入ったのか、結婚に向けて直進しちゃっています。

     ビアンカはアナに会って近未来が見えたのでしょうか、彼女に気を付けるようにと助言しています。絶対何か起こりそうですね。あの悪役令嬢が何か仕掛けてくるのでしょうか?

     さて、婚約中はともかくアナがジェレミーに嫁いでしまうとニッキーとの二重生活は無理になりますね。ニッキーが出てこなくなるとジェレミーも寂しいでしょうし、幻の三角関係を見守って下さっている読者の方々もつまらなくなってしまいます。これからどうなるか、申し上げられませんが式を挙げるまでにもう少しありますので、ニッキーの活躍をお楽しみ下さい。

     ジェレミーの両親はとても気さくな方たちです。アナは彼らにも気に入られて、とりあえず嫁としては及第点余裕ではじき出していますね。それに小姑に当たるジェレミーの姉王妃さまと妹フロレンスとの関係も良好のようです。まあ結婚しても大丈夫なのではないでしょうか。

    ----

     前回のコメントについて、お気になさらないで下さい。亜逢さまはそうでなくてもかなり読み込んで下さっています。それに毎回の丁寧なコメント、私の方が恐れ入ってしまいます。ですので疑問点は何でも遠慮なく聞いて下さい。

  • 第二十一条 魔力持ちへの応援コメント

     なるほど、ここの貴族学院は、爵位と学費で決まるんですね。
     そして、筆記試験は免除できる学科が、どのくらいあるのかを見る。

     それなら、才能に乏しい貴族の子女でも入学だけは可能と言うわけです。
     最低ラインで卒業すれば、卒業証書がもらえるといった寸法でしょうか? うまい設定ですね。

     アナさんの場合は、そのコースではなくて、大きな魔力を持った特別なコースが用意されているのかも知れません。

     ただ、まあ、ビアンカさんほどの魔力レベルではないようです。

     広域において天候を操れるような、領地経営に役立つほどの魔力が存在する世界なのかは分かりませんが、アナさんはそこまでできなかったようですし、普通より大きい魔力ではあるが、別格と言うほどではなさそうです。

     でも、やっぱり、アナさんの魔力は頼もしい気がしました。
     今後の展開に期待します。



     後半になって、ニッキーさんが帰ってきました。
     ジェレミーさんも喜んでいるようです。読み手といたしましても嬉しいです。

     どんな男女(男同士?)のエピソードが待っているのか? ジェレミーさんとの関係が、どのように発展・進展していくのか? そして、いつ、アナさんであるとバレるのか?

     楽しみです。


    作者からの返信

     貴族のボンボンや甘やかされたお嬢さまたちでも入学出来て、卒業できるのが貴族学院です。しかし専門科になるとそうはいきません。騎士、医師、魔術師、高級文官、薬師など専門職は能力が伴う難関です。もちろん貴族の子女で学費が払える者だけです。記述の仕方が分かりにくかったのなら申し訳ありません。

     アナは実技の試験で魔術師の先生に言われたように、かなりの魔力を既に持っているようです。ですから魔術科編入が決まりました。ビアンカの魔術は白魔術と言って彼女は数百年に一度の逸材ですから単純には比べられません。アナが使う魔術はクロードと同じ系統です。クロードには劣るものの、彼女もなかなかの力を持っているようです。

     さて、アナの進路も決定して落ち着いたところでニッキーが再び現れましたよ。気になりますね、この幻の三角関係がどうなっていくのか……

  • 第二十条 稽古場への応援コメント

     デコチューがありました。

     ジェレミーさんとしては、契約結婚の目的の1つである「うるさい女性たちを黙らせる」が、大きく前進しました。

     晩餐会でアナさんをお披露目した効果もあったようです。晩餐会で見たであろう女性が、他の女性たちに教えてたようでした。

     注目され、さらに噂が広がることでしょう。アナさんは重たい物を背負ったようですが、当人はジェレミーさんの稽古着姿に男らしさを感じ、また、デコチューまでされてしまいフワフワしているようでした。

     アナさんにとっても、誰にも言えない恋が一歩前進したってところでしょうか?

     少々暢気な気もしましたが、これでアナさんが矢面(やおもて)に立ってしまいましたね。


     フロレンスさんは物事に、あまり積極的でないキャラのように見受けられました。なので、両親が結婚を決めたように思いました。

     ただ、女の子としては恋の憧れが残っているのでしょう。

     例え今、幸せの森がいっぱいに茂っていたとしても、青いまま枯れて育つことのなかった恋の若木を、抜き去ることができないでいるように感じました。

     いくら水をやっても芽吹くことない若木に、フロレンスさんの未練を思いました。

     寂しいですね。


     そんな2人が1つの馬車に揺れれる。何か、人生の旅情のようなものを感じて、よかったと思いました。



    作者からの返信

     ただのデコチューでファンは大騒ぎです。アナはジェレミーがわざと見せつけてウザい彼女たちを黙らせると分かっていても、他の女性の怖い視線が気になりながらも、嬉しくてしょうがありません。

     アナはジェレミーが女性にとても人気があるということを承知で契約を結んだので覚悟は出来ているのです。領地復興のためですからね。ジェレミーからのデコチューというご褒美くらいあってもいいでしょう。

     フロレンスの性格や結婚生活については今はあまり述べないことにします。これからフロレンスもアナや他の登場人物と大きく関わってきます、とだけ。彼女は何と言ってもあの王妃さまとジェレミーの妹ですから、大人しい女性に見えて当然ですね。

  • 第十九条 王妃への応援コメント

     さすがに、王妃様です。

     アナさんとフロレンスさんが、答えられない話題が出ましたね。『無言で目配せ』もいい表現でした。

     喜び勇んでいじめっ子たちをやっつけに行く。真を突いているのかも知れませんが、その話題に乗って会話ができる女性は少ないことでしょう。
     歯に衣着せぬ、いつも通りの王妃様でした。


     なんとか、アナさんは馴れ初めの披露を切り抜けましたね。

     確かに、酔っ払いに絡まれたニッキーさんが、ジェレミーさんに助けてもらっていましたね。一応そのまま使えるエピソードでした。
     読んでいて、そう言えばと思い起こしました。いいエピソードを引っ張り出したものです。


     そして、その馴れ初めと同じくらいに興味を引いたのは、若きレベッカさんのパシリでした。

     貴族の子弟は自ら、いかがわしかったり、怪しかったりする物を買えないみたいです。そこで、近い年齢の使用人が代行して買いに行くんですね。さらに、家を抜け出す技も伝授して……。

     それが、レベッカさんだったようで、以前に入院したアメリさんに渡した危ない本も、レベッカさんが買ってきたのかも? と思いました。

     高校生くらいのレベッカさんが、いかがわしい店に入って、顔を赤らめながら店員と目が合わないようにして、危ない本の会計をしている、そんな姿を想像しました。

     もしかしたら、パシリのお駄賃で、自分用も一緒に購入していた? う~ん、レベッカさんだったら、それは無いかな。

     読み手といたしましては、面白く楽しいエピソードでした。
     アナさんの物語ですが、別な刺激をもった味を加えていたように思いました。よかったです。


     王妃様は人間をよく観察し、その性格を推測しています。人の上に立つ者として、役立つ技術のように思いました。

     ジェレミーさんとアナさんが、S極とM極! 端的でした。

     にしても、『S極』と『M極』、いい表現です。
     この言葉が世間に広まって欲しいと思う反面、こんな言葉が広まる世間も困りものかなとも思いました。

     私の『妹☆ビ』にもN極S極が登場しますが、普通に磁石なので、もじった合間妹子様は私よりも1つも2つも上と思いました。勉強させていただきました。ありがとうございます。



    作者からの返信

     王妃さまもフロレンスもジェレミーのことが良く分かっています。侍女のレベッカも同様ですね。ジェレミーの長所を挙げるのに苦労!していましたが、アナのことはジェレミーと良い夫婦になるのではないかと三人共歓迎ムードです。良かったですね。アナはとりあえず小姑チェックという難関を越えました。

     馴れ初めはアナが酔っ払いに絡まれていたところをジェレミーに助けてもらったことにしよう、と二人で口裏を合わせていたのですね。実際助けられたのはニッキーでしたが、まるっきりの嘘ではありません。

     ルクレール家の三人の子供とレベッカの十代の頃のお話はスピンオフで書いています。あの問題作『淑女と紳士の心得』など、庶民の読む本を王妃さまやジェレミーがどこからどうやって入手したかなどの謎も明らかにされます。ここではちょこっと述べただけですが亜逢さまは細かいところにお気付きですね!まあ私はあちこちでちょこちょことエピソードを小出しにして、後日それを実はあの時あの登場人物が……というような総まとめをすることが多いです。(伏線と呼ぶほどのものではありませんが)

     レベッカは十代のその頃から王妃さまに振り回されていた少々気の毒な人です。

     この物語を書き始めた頃でしたか、カクヨム内でSMについてのエッセイを呼んだのですね。作者の方が実体験等をもとに本当のSMとはなんぞや、と語っておられました。以前は第一作でも第二作でもやれクロードがSだとかいや実はMだとか書いていた私です。

     そのエッセイを読んでから私も認識を改めました。気軽にその用語を使ってはいけないなと思い直し、少し婉曲的にS極などと言い改めたのです。そうしたら意外にウケてしまいまったという……

     ということでこれ以降は私の作品ではサドマゾ表記は出てきません。

  • 第十八条 公爵夫妻への応援コメント

     かわいそうなアナさん……。

     今回、一番の印象がこれでした。
     騎士たちが勝手なこと言っていました。アナさんはよく耐えていたと思います。

     人の痛みを教えるためにも、アメリさんにビシッと言ってもらった方がよかったように感じました。

     今は騎士たちだけの噂ですが、翌日からはそれに尾ひれが付いて、市中をめぐることになりそうです。

     アナさんは、どう耐えしのぐのか? 心配になりました。
     そして、ジェレミーさんの擁護はあるのでしょうか?


     冒頭部分に戻ります。
     注目を浴びたアナさんの緊張、味も分からないというのを見て、結婚式の披露宴を連想しました。ただ、主役は別にいて、そっちは緊張なんてないようですが……。

     キスなどを強要されるというのも、前出の味と同様に、アナさんの心情・性格をよく表しているように思いました。
     
     合間妹子様が書き手として、アナさんとシンクロしているようで、アナさんの性格になりきっているようでした。


     この晩餐会なら、と思っていましたが、やはりビアンカさんの本格登場がありました。ついでにクロードさんも。

     アナさんと会って、ビアンカさんが何か予言めいたことを言うのかな? と少々期待しましたが、アナさんが持つ魔力の大きさくらいでした。
     例え分かってしまっても、早々に口にするものではないですよね。私が先走りました。

     でも、よくよく考えると、アナさんとビアンカさんは義理の姉妹になるということですね。なんか、大きな縁を感じました。

     学院へ入れば、クロードさんの教えを受けることになりそうですし、この2人との今後の関係も楽しみになりました。
     読み手の期待を膨らませる出会いのエピソードでした。


     再びアントワーヌさんが登場しました。

     そして、彼は聞き上手とありました。
     物語において、聞き上手と言うキャラは、他のキャラをしゃべらせるいい相手役になると、私は思っています。さらに、彼は相談事も受けるようなので、他のキャラはもっとしゃべってくれそうです。
     主要な登場人物に聞き上手が1人いると、書き手は重宝すると思います。

     そのアントワーヌさんは、アメリさんもそうですが、アナさんにも以前から好意的に関わっている印象です。

     アナさんが警戒心を持たないのも、うなずけます。

     それを見たジェレミーさんは、かすかな嫉妬を覚えているようでした。
     どのようにそれが彼の記憶に残り、今後の展開に、どのように作用するのでしょうか?

     彼のかすかな嫉妬を、読者として心に留めておくと、これからの面白さが増すかも知れません。そんな期待も抱きました。

     そして、ジェレミーさんとアントワーヌさんがよく知った間柄であるようです。
     前回に見たアントワーヌさんの驚きが、関係しているように思いました。

     うーん、でも、僅かに臭うだけみたいです。まだ何も見えていません。
     こういう謎っぽいところって、好きですよ!


     そして、次回は王妃様ですか? なんとも、ワクワクさせる告知でした。



    作者からの返信

     いつも丁寧なコメントをありがとうございます。

     騎士仲間はお酒も入ると好き勝手なことを言い出しますね。そんな男子トーク、悪気はないものの、アナの耳には応えます。小説中に記述はないのですが、実は彼らは後でアメリにこってりと絞られました。

     ジェレミーの婚約が世間に広まったら、王都の貴族社会は、ジェレミーファンの女性達はどんな反応を示すのでしょうね。気になるところです。女除けのアナへの風当たりが強くなるのは必至です……

     晩餐会主役であるアメリとリュックカップルは幸せいっぱいで招待客の前でラブラブぶりを隠そうともしていません。それに対してアナとジェレミーは……何だか周りもけしかけたりからかったり出来そうにないよそよそしい雰囲気なのでしょう。

     ビアンカには人の気持ちが分かったり、近未来が見えたりする能力があります。良く覚えていて下さいました。今話でアナとの対面ではクロードと共に、彼女には魔術師になるほどの魔力が備わっていると感じただけでした。

     それでもここでビアンカを登場したということは彼女も今後活躍するということです。そのうちビアンカが白魔術を使ってアナを助けたりするかもしれませんよ! 私のシリーズ作では前作以前の主人公カップルたちが活躍しますので! シリーズ作が進んでいく毎に登場人物が増え、話が複雑になっていきます。ご期待下さい。

     ビアンカがジェレミーの両親の養女になったので、ジェレミーとビアンカは血は繋がらないですが兄妹ですね。その上ジェレミーとクロードは従兄弟同士です。ビアンカとアナも将来は義理姉妹であり義理の従姉妹という関係になります。その上、アナが学院に通い出すとクロードに教わることもあるでしょうね。流石です、良くお気付き下さいました。ビアンカとクロードもこの物語には欠かせない脇役となります。

     アントワーヌ君は若くしてその人当たりの良さと豊富な知識で年上女性に頼られます。アメリもアナも相談を持ちかけて、助言をもらいお世話になっていますね。アナも婚約者のジェレミーがあんな人ですから、まあそれはしょうがないのですが、アントワーヌ君との方がよほど親密です。

     ジェレミーもイラっとするくらいアナとアントワーヌ君は仲良しなのですね。それだけではなくてジェレミーとアントワーヌには何かの因縁があります。直ぐには種明かしされませんので、少し心に止めおいてください。

     次回は王妃さまです。アナとジェレミーの馴れ初めに興味津々で手ぐすねを引いて待っておられます。お楽しみに!

  • 第十七条 晩餐会への応援コメント

     貴族の男女が晩餐会へ赴く。

     その身なりについて、ドレスや髪の毛など詳しく表現されて、さらに相手のジェレミーさんも礼服が決まっていて、いざ晩餐会! って、思わせてくれました。

     晩餐会と言う華やかな場に、読み手をうまくその気にさせて、誘(いざな)っているようでした。見習いたい導入でした。勉強になります。


     女性から「仲がおよろしい」や「仲がよくて」と、言われた男性は、その女性からの嫉妬を覚えるものです。

     ジェレミーさんも少なからず、アナさんの嫉妬を感じ取ったかも知れない、と思ってしまいました。


     会場に着いてアナさんを紹介した後、ジェレミーさんの『まあ、な』は、端的でピッタリと思いました。
     アナさんは拍子抜けと思ったようでしたが、私は鼻を高くして、礼服姿で胸を張ったジェレミーさんが思い浮かびました。


     そこで、ジェレミーさんがアナさんを大会に呼ばなかった理由が分かった気がしました。
     もっと、華やかな晩餐会でお披露目をやりたかったんですね。

     大会のように、試合に目が注がれる場所で、ついでのようにアナさんを見せるよりも、誰からも注目を浴び易い晩餐会で見せた方が、『俺は本腰を入れているんだ』と周囲に思わせる効果を狙ったように推測しました。
     一般人には、翌日以降に、噂が広がればいい訳です。

     同じ侯爵ですし、身分としては吊り合いが取れています。小うるさい女性たちも静かになるかも知れませんね。


     また、リュックさんの『やっと仕返しができるぞ!』もよかったです。男女関係において、相手がいる・いない、どっちが劣勢なのか? 女性視点が多い中で、男性的視点に味が出ていたようでした。



     そして、ラスト、アントワーヌさんのビックリした様子が、今後の展開に影響しそうで興味深かったです。
     彼は、みんなの知らない何かを知っているように感じました。

     アントワーヌさんは謎の多い人物とありましたが、謎っぽいのって、読み物としては重要ですよね。


    作者からの返信

     はい。今晩はアナが銀行前で会ったアメリと、リュックの婚約披露晩餐会です。彼らもすったもんだの末にまとまりました。王都銀行の入口階段の出会い時点ではアナもアメリも二人共大変な時期でしたねぇ。

     私はドレスのデザインや髪型などを詳しく描写するのが苦手でして……描写はなんでも苦手なのですが……まあとにかくアナは目の色と同じ青色、ジェレミーは紺色の礼服姿です。二人正装で友人カップルに同乗して自分たちの婚約も公表してしまおう!という計画です。

     ジェレミーがアナの嫉妬に気付いたかどうかはともかく、ジェレミー自身はアメリのことをただの友人だと思っていますね。最初は二人の仲の良さにリュックが妬いて、今度はアナです。

     ジェレミーはアナを連れて公共の場に現れ、周りが驚いているのを大層面白がっていますね。形だけの婚約とは言え、まあ楽しめているのです。良いことです。リュックとアメリは今まで散々からかわれた仕返しが出来る!と張り切っているようです。特にリュックですね。

     しかし、アナとジェレミーはラブラブアツアツカップルには程遠くて少々拍子抜けしてしまっています。もう少し仲の良いふりをした方が良かったのでは?と作者の私でも思わずにはいられません。

     ぎこちなさは残るものの、この晩餐会の出席者にはアナとジェレミーの婚約も知れ渡りました。女除け作戦は成功するでしょうか?

     アントワーヌ君はリュックやアメリとは違う意味で驚いています。亜逢さま、よく気付いて下さいました! 嬉しいです。アントワーヌ君は謎の多い人ですから、まあここでは何も申しません。この作品ではアントワーヌにもう一人の謎人物ドウジュが色々と妙な動きをします。その辺りもお楽しみいただければ、と思います。

  • 第十六条 騎士道大会への応援コメント

     やっぱり、女性のヤキモチって、メッチャかわいいです!

     さらに、相手がアメリさん、アナさんの友人なんです。
     彼女を大切に思う気持ちと女性のヤキモチが、せめぎ合っている様子が、アナさんのかわいさを、より引き立てていました。
     うまいです!


     ジェレミーさんは大会へ来いとは言わなかったようです。

     アナさんが家族ぐるみで付き合っているように、人前に晒(さら)したならば、小うるさい女性たちの牽制になると考えそうなものですが、そういうアナさんの使い方をジェレミーさんは選択しなかったようです。

     彼には何か意図があるのかも知れません。憶えておくとしましょう。


     以前からあるように、前作と重なる部分は読んでいて楽しいです。それでいて知らない読み手にもフォローがあります。書き手が独りよがりとならず、配慮があります。見習うべき大事なことと思います。


     そして、人物紹介の回で注目していたマチルダさんが登場しました。
     予想通り、アナさんに敵意むき出しです。期待を裏切らず、読み手に分かり易く、良かったと思いました。

     今後に起きるであろうマチルダさんの騒動が楽しみです。


     そして、そして、あの王妃様が、ご登場でした。
     アナさんには、この方への対応が一番の難関と思います。

     今回は大会の席ということもあって穏やかな王妃様でしたが、アナさんはお茶に呼ばれそうです。

     馴れ初めのストーリーをきちんと作って、ジェレミーさんと申し合わせておかないと、細かいところで不審に思われて、ジェレミーさんにも問いただされたりして、非常に困ってしまいそうです。

     アナさんには、がんばって欲しいと応援したい反面、王妃様の暴れっぷりも期待してしまいます。申し訳ないことですが……。


     ----
     前回の『愛で』の件、穴があったら、入りたい心境です。
     私の国語力が足らないところを披露してしまいました。見苦しいものを書いてしまい、申し訳ありませんでした。

     私は『あいで』と読んでしまい、その意味で捉えようと、おかしなループに迷い込んでいました。
     ご指摘を受けるまで『めで』と読めませんでした。情けないことです。

     ご教授ありがとうございました。

     ----
     敬語の件です。
     おっしゃるとおり、王族・貴族が絡み合ってくると、どう表現していいか悩みますね。

     悩んだ時の解決法として私が考えているのが、多面的に眺めてみるというものです。一番は逆から見ます。

     例に挙げられた「ジェレミーさまが〇〇なさって」は、言われた相手が、ここでは王妃様でしょうか? どのような言葉遣いだと、彼女が不快に思わないか? と、いう視点で考えてはどうでしょう?

     さらには、同席している王様の視点、同じく同席している家臣たちの視点、家臣たちの奥方たちの視点、近くに控えている侍女の視点、警備している騎士の視点、などなど、彼らがその言葉を聞いた時の印象をそれぞれ考えてみると、より客観的に敬語を決められるのではないでしょうか?

     ハッキリこうだ、と言う回答でなくてすいません。
     国語力の足りない私なんかの意見よりも、考える手法の方が役に立つと思いましたので……。

     しかし、おっしゃるとおりですね。日本語とは難しいと、つくづく私も思います。



    作者からの返信

     亜逢さま、いつもコメントありがとうございます。

     アメリに嫉妬するなんて本当に見当違いだと本人も分かっているのです。アメリはリュックとめでたく婚約したのですから。前作「貴方の隣」を読んでお覚えの方はよりそうお思いでしょう。この騎士道大会でリュックとジェレミーそれにアメリは本当に馬鹿馬鹿しい話しかしていません。

     それでもアナはただの友人としてもジェレミーがアメリと本当に仲が良いのが羨ましくてしょうがないのですね。自分はただのお飾りの婚約者でしかなくて、軽口を叩き合える関係とは程遠いわけですから。

     さて、この時点ではまだアナとジェレミーの婚約は世間に知らされていません。ですからまだ二人は外では付き合いのことを隠しているわけですね。

     シリーズ作で以前に書いている場面を別の登場人物視点で書くのはとても楽しいです。キャラそれぞれの思いが交錯しているのを改めて確認出来たり、前作では書けなかったアレやコレも付け加えることが出来たりと、シリーズ作の醍醐味ですね。

     登場人物紹介で明らかにライバルだろうと思われていたマチルダ嬢、ここにきて初登場です。分かり易すぎる彼女、これから色々とアナに対して何を仕掛けてくるのでしょうか?

     アナがジェレミーの両親に連れられて王室桟敷に行くということでマチルダ嬢も目をひん剥いています。婚約はまだ家族しか知らないことですから、マチルダにしてみれば『何なのこの女!』といったところでしょう。

     さて、王妃さまは超女嫌いの弟がいきなり婚約したのでビックリすると同時に面白がっています。彼女は義理の妹となるアナに会ってどう思ったのでしょうか?

     漢字や言葉については気軽に指摘、質問して下さい。私が当然のように読めて書けても読者の皆さまにはそうでないことも、その逆もありますしね。私が振り仮名をつける基準というのもいい加減なものですから。

     敬語をきちんと使うのは難しいですよね。随分と前のことになりますが、そう言えば皇太子妃雅子さまのお母さまが雅子さまのことを第三者に『妃殿下がお可哀そう』みたいなことをおっしゃっていたのを聞いたことがありました。その時は自分の娘でも皇室に嫁ぐと尊敬語を使わないといけないのかぁ……へぇーなるほどー状態でしたね。

  • 第十五条 帰京への応援コメント

     初っ端(しょっぱな)からすいません。

     冒頭の『アナはジェレミーにお礼を述べた』に、あれ? と思いました。
     少々違和感を感じました。

     『お』を外して『礼を述べた』、または『お礼を言った』ではないでしょうか?
     あー、でも、大丈夫と言えば、大丈夫かなぁ~? うーん……。
     私の国語力不足のため、不安定ですいません。


     ジェレミーさんは、突然の訪問にアナさんたちが慌てる様子が面白く、そして、新鮮だったように思いました。
     自己の日常からかけ離れた初めて見る他人? の生活、さぞ新鮮で面白かったことでしょう。
     私も現実において、そういう場面は、興味深く見させてもらったりします。


     『既視感』。
     さすがのジェレミーさんでも、アナさんとニッキーさんが、まだ結びついていません。
     そうですよね。性別が違うと思っているし、侯爵家のお嬢様と飲み屋のピアノ弾きなんて違い過ぎますよね。

     そう思い返しますと、なかなかうまい設定だったのだと、改めて私の中で作品の評価が上がりました。うーん、やっぱ、素晴らしい!


     ジェレミーさんは渋々、買い物に付き合わされてしまいました。

     契約結婚を承諾した時には、思いもよらない展開だったのではないかと思いました。
     『母親がうるさく言わなくなると思ったが、買い物に同行なんて、とんだ誤算だった』との声が聞こえてきそうでした。

     しかし、『たまには仲の良いふりもしないと』とあるので、ジェレミーさんもその誤算を飲み込んでいるように思いました。

     ただ、そうは言っていましたが、私は彼の受け入れる行動に、潔(いさぎよ)い男らしさを感じました。
     カッコいい男性です。


     天然石の色が、瞳の色だから気に入る……。
     女性的でロマンチックに感じました。
     こういう感覚は、大切にしたいものですね。


     経済的にはおんぶに抱っこの状況に、どうしようもないアナさん。
     その不甲斐ない思いを苦(にが)く感じました。
     でも、やっぱ、金銭面としては、どうしようもないんですよね。
     そのもどかしさが、読み手としては面白いです。


     ラストのジェレミーさんの否定形を使った受け答え。
     そういう人っていますよね。

     空気を悪くする場合もありますが、ここでは、あまりそう感じませんでした。
     合間妹子様の技量であると思いますし、ジェレミーさんを見ていると、そういうところも、彼らしいいいキャラのように感じてきます。
     うまい締めくくりだったと思いました。



     最後にすいません。『アナはもう一度手にした首飾りを愛で、自分でつけた』と、ありましたが、私の読む技量が不足しているためか、『愛で』と言うところが、よく分かりませんでした。
     ご教授いただければ幸いです。



    作者からの返信

     前回のコメントの方にもお返事しています。少々遅くなりました。

     亜逢さまのおっしゃるとおりかもしれません。『礼を述べた』に訂正しておきました。ありがとうございました。三人称視点(神視点とも言うのでしょうか)なので地の文では敬語を使う必要はないのですよね。この作品は私の三作目で、書いた当時はまだまだ慣れていなかったこともあってまだまだ模索中だったのです。

     ところで敬語については色々と悩みます。ある番外編で結婚後のアナが王妃と話す場面があるのですね、そこでアナはジェレミーについて語る時に尊敬語を使います。例「ジェレミーさまが〇〇なさって」ジェレミーは自分の主人ですが、王妃にとっては弟なので尊敬語だろうと私は思いました。その後今度はアナが国王と王妃の二人の前でジェレミーの話をする時、これにはちょっと悩みました。国王の前ではやはり彼の義理の弟にあたるとはいえ、自分の夫のことは謙譲語ではないだろうか……と。例「主人が〇〇と申しました」 日本語って難しいですね。

     まあジェレミーも別に自分より身分が低い人や裕福でない人を差別するような人間ではないようですからね。(何しろ飲み屋のピアノ弾きにご執心ですし……)アナの実家の事情も知っていたことですし、その辺りは理解があるのではないでしょうか。アナや侍女が慌てる様子や、アナパパの空気読めない発言は彼にとっては面白かったのでしょう。

     アナのはにかんだ笑顔を見て、ジェレミーは再び妙な既視感を覚えます。それにしても飲み屋の女将イザベルさんはニッキーの正体をすぐに見破りました。流石、飲み屋で色んな人間を見ている彼女です。なかなか気付かないジェレミーとは違いますね。

     この話の大まかなあらすじについてはずっと長いこと温めてきたのです。それでも王国シリーズに入れることは考えていなかったのですが、結局はこんな形でカクヨム上で発表ということになりました。その上今のところ私の公開作品の中でも人気作です。私自身もお気に入り作品です。

     母親のテレーズさんや執事のセバスチャン氏に対しては強く出られないジェレミーです。ですから彼らにアナを迎えに行けと屋敷を追い出され、母親がアナと買い物に行く、と行ったらもちろん同行させられますしね……家族に振り回されるのは今に始まったことではないのでしょう。アナはテレーズやセバスチャンを既にしっかり味方につけています。肝心の将来の夫はともかく、婚家の皆さんとはうまくやっていけているアナでした。

     さて、私はアナがお店で首飾りを目に留める場面が大好きです。二人の瞳の色の石、しかも形はハートという、そして作者はなんとアナパパ! その上ジェレミーママはお店のウインドウに張り付いている! これはもうジェレミーも買うしかないですねぇ。

     「アナはもう一度手にした首飾りを愛で、自分でつけた」の部分ですが「愛(め)でる」という動詞です。確かに一見読みにくいですね。本文には振り仮名を振っておきました。ご指摘ありがとうございます。

    編集済
  • 第五条 接吻への応援コメント

    企画から参りました。
    会話文が多めで、テンポが良く、また行間も程よく空いていて綺麗で読みやすかったです。

    作者からの返信

    柊月さま

    私の作品にまで目を通して下さってありがとうございました。

  • 第十四条 昼食への応援コメント

     この酔っ払いオヤジはっ!
     って、感じが面白かったです。

     言わなくていいことを思うがままに口にする。
     アナパパさんは、いらないことを言った時も、許されて育ってきたのだと思いました。甘やかされたボンボンのイメージでした。

     他の貴族達と、どのくらい親交があったかは分かりませんが、なんとなく、同性で同じ身分の友人は少なかったのではないかと思いました。

     そういうことは、芸術肌なら珍しくないと思います。
     なので、アナパパさんの余計な物言いは、孤高の芸術家を表現しているようにも思えました。

     アナパパさんは芸術家なのですが、『どうかあの子をよろしくお願い致します』など、家族を気にかけているところに、人間味を感じました。
     普通に父親、という位置づけに安心しました。
     (家族をも、ないがしろにする芸術家、っていう話も聞きますので……)



     アナさんのジェレミーさんへの呼び方についての話題が出ました。

     馴れ初めの打ち合わせは以前にありましたが、呼び方の打ち合わせはなかったのでしょう。
     婚約者なのに苗字で呼ぶのは、確かに不自然ですね。

     呼び方については、再度申し合わせが必要なように感じました。

     ただ、心の中では『ジェレミーさま』って呼んでいる。

     そこ、かわいい! って、思いました。


     そして、ジェレミーさんからいただいた焼き菓子を食べたルーシーさんについて、アナさんの『こんな笑顔が見られるならいくらでも頑張れる』との感情に家族愛を思いました。
     大きな部分ではないと思いますが、私はアナさんにさらなる魅力を感じました。



     そして、立ち聞きのアナさんです。
     アナさんは、アナパパさんの父親らしい言葉に喜ぶよりも、その言葉を言われたジェレミーさんの方が、『既に嫌気がさしてないだろうか』と心配しています。

     私は一歩早かったように感じました。
     読み手といたしまして、まず、父親の言葉に感動した後に、ジェレミーさんを気遣うと予測したからです。

     予測と違ったので、アナさんは家族を思いつつも、ジェレミーさんへの気遣いが、それを上回っている印象を受けました。

     アナさんの性格上、立場上、そのような感じと、私も受け止めました。
     合間妹子様が意識的に、読み手の予測を外したように思いました。



     ラストは、いい別れのシーンでした。

     娘への愛情を口にする父親に対する感謝と、家族に言えない契約結婚の心苦しさが混じったアナさんの切ない思いが、別れの寂しさに追い討ちをかけているようでした。


     ラストにアナパパさんが言った台詞『新作をどんどん世に送り出さないとなあ』は、彼の特徴が良く出ていて、『誰もそんなこと言ってないよ!』と突っ込みたくなるくらいに、吹き出してしまいました。

     別れのシーンをうまい具合に茶化していました。

     合間妹子様は笑いを取るのも上手です。


    作者からの返信

     アナパパは何と言いましょうか、空気の読めない発言をして場を和ませようとしたのが大失敗で滑っていると、そう温かい目で見守っていて下さい。彼も娘を大事に思う気持ちは人並みにあるのです……

     彼も特にやもめになってしまってからはアトリエにこもりがちの芸術家ですから、人付き合いは苦手です。それでも亡くなった奥さん一筋で家族のことは大切なのですね。

     アナはきっとジェレミーとお互いどう呼ぶか口裏合わせを言い出せなかったのではないでしょうか。いつまでたってもルクレールさまと呼んでいるのもおかしいですけれどね。心の中だけで『ジェレミーさま』と呼んでいる健気な彼女でした。

     アナはいつも自分を犠牲にして弟や妹のために働いてきましたから、例えばこんなちょっとした妹の笑顔でも何よりの活力剤になるのですね。ジェレミーのおかげで(本当は執事のセバスチャンとジェレミーママのおかげ)美味しいケーキが食べられて良かったね、ルーシー。

     アナの心境としては、家族を騙しているという良心の呵責が彼女の心の大部分を占めています。ですから、父親の言葉に感動するよりも、彼の言葉をジェレミーが鬱陶しく思っていないかどうか気になるのですね。それに娘をよろしく、とジェレミーに頼んでいる父親に対しても申し訳ない気持ちしかないと思うのです。普通の恋愛結婚ではないのですから。

     アナパパも時にはキメる台詞を言ってみたり、でも時々は滑ってしまったりと中々予測の出来ない人です。憎めないですよね。

  • 第十三条 迎えへの応援コメント

     こういうピンチって、メッチャいいです!

     主人公のピンチは読み手にとっては、ぞくぞくするような高揚感を与えてくれるものなんです。

     いつもよりも速いペースで読んでいました。

     アナさんは好きな男性に、はしたない姿を見られて恥ずかしくてたまらなかったことでしょう。
     しかも、侍女と一緒に洗濯なんて、侯爵家のお嬢様とは、まるで反対側です。

     それだけではなく、お父さんのこと、昼食のこと、ひいては中がガランとした屋敷のこと、などなど、ピンチの連続でした。

     そんな慌ててしまいそうな状態でも、アナさんは1つ1つマリアさんに指示を出して、なかなかの非常事態対応能力を見せてくれました。

     頼もしかったです!


     ジェレミーさんも辛口な批評を連ねるかと冷や冷やしましたが、それは始めだけで、アナさんの姿を見てからは、紳士的に見守っているように思いました。

     お父さんと話している場面も、アナさんの心配が覆(くつがえ)され、ジェレミーさんの環境対応能力の一端をうかがえました。

     ジェレミーさんは、男としての許容範囲が広い!

     そのように感じられ、私といたしましては好感度が上がりました。


     また、お父さんのバサボサ頭も、芸術家らしいキャラが出ていて良かったと思いました。




     えっと……今回、1つ、気にかかったところがありました。

     アナさんがジェレミーさんと気づき、振り向く場面です。

     ジェレミーさんの名前を出すタイミングは難しかったことと思います。

     読み手といたしましては、ジェレミーさんと気づいた時の、アナさんが飛ばし出す一番のインパクトを求めていました。

     うーん、少し弱かったかな? と思ってしまいました。
     この箇所は難しく、表現に悩まれたように感じました。

     私も少々考えてみましたが、声の主がジェレミーさんと読み手に明かすタイミングは、思いのほか難しいことと痛感いたしました。



    作者からの返信

     ジェレミーさま突然のお宅訪問の巻でした。私も好きなのですよ、この場面。本当は予定の時間よりも早く着きすぎるのは無礼ですね。しかもアナは御者だけでジェレミー自身が来るとは思ってもいなかったし、ジェレミー自身も行く気はなかったのに執事のセバスチャンと母親のテレーズさんに無理矢理派遣されて来ました。

     アナは大慌てです。心の中で舌打ちをしながら何とか臨機応変に対処していきます。

     ジェレミーも最初は不用心だと責めていましたが、急に押し掛けた自分も良くないと分かっているし、アナの実家の事情は知っているので、その後は台詞はほとんどありません。実はドタバタ焦っているアナ達を面白がっているのですよ、彼。

     一応ジェレミーも形だけの婚約とは言え、婚約者の家族には礼儀を持って接しているようです。それにはアナもほっとしています。家族は契約のことは知りませんしね。

     アナパパは娘の婚約者が来た、ということで急いで身なりを整えたようですが、これが彼の限界だったのでしょう。とりあえず見られる格好で出てきて良かったです。でないと後でアナに大目玉をくらったことでしょう。

     突然の訪問者が誰だか、アナは声だけで分かりました。私自身はこの展開で、この話し方でこのアナの反応だから読者の方々にもアナとほとんど同時に誰だか分かるだろうと考えておりました。もう少し読み返して考えてみます。中々細かいご指摘をありがとうございました。


  • 編集済

    第十二条 領地への応援コメント

     資金援助のための結婚であるとは、アントワーヌさんにとっては、自分が提案したことでもあるわけですし、すぐにピンと来ると思いました。

     ただ、婚約に取り付けた方法は、簡単には分からないと思いました。
     そう考えると、アナさんは意外と策士なんだと改めて実感します。

     アナさんの作戦について、アントワーヌさんは、よい比較対象になっているように思いました。


     領地経営のために、ボルデュックさんが登場しました。
     人物紹介にあった人です。

     アントワーヌさんの紹介なので、領地乗っ取りなどを企てる悪人ではないと思いますが、なぜ、『破格の報酬でいい』と言ったのか? まだ解決していない小さな謎のように感じました。

     これから明らかになるのかな?



     執事のピエールさんが良かったです。
     雇い主にも辛(から)い物言いが、お父さんよりもしっかりしているようで、安心感を与える存在のようでした。



     亡くなった母親を思うと、アナさんの胸が痛い、家族を大切に描く合間妹子様の作風が良く出ていると思いました。

     また、お母さんの視点という客観性が、改めて偽装結婚について、読者に考える機会を与えていると思いました。



     そして、アナさんに貴族学院の中途入学の話が持ち上がりました。

     婚約したアナさんよりも、これから将来が決まっていく妹のルーシーさんの方が良いとは思いますが、この世界は魔力がモノを言いそうですので、魔力を磨くためにもアナさんの方がいいのかも知れません。(でも、本当にルーシーさんに、いい男性がいるのかも……)

     弟のテオドールさんも妹のルーシーさんも苦労していたお姉さんを見ていたから、学院を薦めたように思いました。

     きょうだい愛を感じました。(男女混合なので、兄弟は平仮名にしました)
     家族の表現がうまいです。


     テオドールさんは、アナさんのジェレミーさんへの振る舞いに、違和感を感じていたようですね。
     同じ屋敷に住んでいるからかも知れませんが、家族をよく観察しているようです。

     そうですね。人間を観察する力は、診察する力に通じると思います。
     テオドールさんは、お医者さんに向いている、との裏付けだったようにも受け取れました。

     そう思うと、表現が深いですね。


     こうやって、アナさんが領地へ戻ると、飲み屋でピアノを弾くニッキーさんも、お休みとなります。
     すぐに気づくかどうかは分かりませんが、ジェレミーさんは何かを察するかも知れません。


     アナさんとニッキーさんが同一人物と、見抜く根拠になったりして……。
     展開が気になります!




    ーーーーーーー

     1つ目のご返信をいただいての追伸です。

     急がなくても、大丈夫ですよ。

     合間妹子様におきましては、いつも心のこもったご返信をいただいております。

     それだけでも、ありがたいことです。

     ですので、時間的なことは気にしないでください。



    作者からの返信

    亜逢さま、いつもコメントありがとうございます。きちんと返信する時間が取れなくて、とりあえずお礼まで。明日にでもガッツリお返事致します!少々お待ちを!

    ******

     気を取り直してお返事いたします! 私は現在はカクヨムだけで細々と書いている身です。コンテストや読み合いなど相互交流を深めるための自主企画にもなかなか参加出来ずにいます。ですが、折角私の作品を読んで下さってしかも時間を割いてコメントをして下さる方には一つ一つ返信をするのが礼儀だと私は思っているのです。たいてい24時間以内くらいには返信するようにしています。

     さて、アナの結婚が急に決まったことに関してアントワーヌ君は彼女があまり幸せそうでないと心配なようですね。玉の輿を狙え!などと助言した彼ですが、アナのことはとても可愛らしくて魅力的な女性だと思っているのでそこまで愛のない形だけの結婚だとは流石に察知できていないようです。

     アントワーヌの遠縁のステファン・ラプラントさんですが、アントワーヌ君とはとても親しい仲のようです。ボルデュック領の経営が調子に乗るまでは破格の報酬でいいという意味ですね。別に謎でも何でもありません。

     アナの父親は頼りない人ながら、時々お茶目な一面を見せます。執事のピエールさんからはもう完全に領主として見られていないですね。アトリエにこもって大人しくしていて下さい、みたいな……

     結婚を純粋に喜んでくれている父親に、天国で一部始終を見ているだろう母親に、アナは両親の呵責を感じています。嘘をつくのは大の苦手のアナですからしょうがありません。亡くなったお母さんですが、今もずっと家族の心の中に生きているのですね。アナパパもアナも良く彼女のことを思い出しています。

     貴族学院というところは十代の貴族の若者が通う場所です。アナは領地の中等科を出ただけでそのまま領地の管理に忙しくしていたので完全に進学、編入する機会を逃してしまっているのです。そしてもう21歳という年齢ですが、アントワーヌも以前言っていたように入学も卒業も実は年齢制限はないのです。

     姉思いのテオドールは家族のために諦めた魔術師になるという道に是非進んで欲しいのですね。アナはアナで今までずっと自分を犠牲にして弟と妹のことを考えてきたので、学院に行くのなら次は妹のルーシーの方が年齢的にも丁度いいだろう、と言います。この場合、女男女という三人なので漢字は兄弟愛でいいのではないでしょうか。

     婚約したアナを一番近くで見ているテオドール君ですから、早くもジェレミーとアナの違和感に気付いているようです。医師のタマゴの彼ですから人物を良く見ていますし、実の姉であるからこそ彼女の『女子力度』を冷静に評価しているのですね。

     そうでした、アナが領地に帰っている間はニッキーも飲み屋を休んでいますね! ジェレミーはそこに気付くのでしょうか?

     

    編集済

  • 編集済

    第十一条 契約成立への応援コメント

     『恋人、という言葉がアナの耳に苦く響いた』が良かったです。

     耳に苦い、うまいです!

     そして、その苦いの中には相手のご両親を、本質的には騙している気持ちもある、と思いました。

     息子の恋人を、素直に喜んでいるアルノーさんとテレーズさんです。
     アナさんの身なりについて、何も言わないいい方たちです。

     罪悪感……。

     恋人なんて、とんでもない。
     協力者とか、事業提携者とかといえる関係で、ご両親の気持ちに反しているのです。

     思った以上に苦かったと思いました。



     また、始めは分かっていたのですが、ここで、改めて思い出させてもらいました。

     形だけでも結婚すれば、あの、あの、あの王妃様が、義理のお姉さんになるんです!
     こちらも、思った以上に危ない状況です!

     形だけというのを見破られてしまうのではないでしょうか?
     今からハラハラしてきました。

     人間関係を絡めるのが、実にうまいと思いました。



     婚姻許可証の件(くだり)も、細やかな配慮がありました。
     『馬車をやる』と、ジェレミーさんが言っていたところです。

     アナさんが徒歩で移動しているところも含めて、キャラの行動を洗い出しており、その配慮も欠かさない姿勢が勉強になりました。

     両親に会うという、この回だけの点に絞るのではなく、全体的にキャラ行動を把握する。その幅の広がりに現実感を覚えました。


     最後になりましたが、言い値の1.5倍、ジェレミーさんに男を見ました!
     メッチャ、カッコいいっ!



    作者からの返信

     亜逢さまいつもお読み下さってありがとうございます。

     まさに御洞察どおり、アナは純粋に喜んでくれるジェレミーの両親に対して申し訳ない気持ちになっているのですね。アナのことを見下したり馬鹿にしたりすることもない彼らですから尚更のことです。ですから『恋人』だなんて言葉は自分たちに使われるにはもったいないと思ったのですね。

     ジェレミーの両親にしてみれば、息子に早く結婚して欲しかったのですね。女嫌いで有名なジェレミーがある日突然婚約したいと言い出し、アナを連れて来るものだから驚いたでしょうが、基本は万々歳なのです。

     そうです、アナはジェレミーと婚約結婚すればあの王妃様という小姑がもれなくついてきます! さああの王妃さまは弟の相手のアナに対してどんな反応を示すでしょうか?

     ジェレミーもあまり細やかな気配りができるタイプではないのです。ですからまあ以前は執事のセバスチャン氏にこってりと絞られていましたね。それでも今回ばかりは、いつもアナが馬車を使っていないので、貴族なら当然のことと思われることでも少し気を回すことができました。

     実は良い奴なのですね、彼も。援助のお金も五割増し!よっ、太っ腹!男前ぶりも五割増しです。ボルデュック領の復興もこの気前のいい援助のお陰で早く実現すればいいですね。

  • 第十条 契約内容への応援コメント

     『アナはニッキーがキスされたあの日のことを思い出し、少し切なくなった』の部分に、心が揺れました。グッと、涙を堪えました。

     目の前で契約のために冷たく動くジェレミーさんの唇が、あの時、優しく額に触れた温かみが溢れていた唇なのです。

     その時の柔らかくも優しい感覚が、愛のない契約によって上塗りされていくような寂しさを感じました。

     悲しいですね。切ないですね。

     でも、『少々惨めな気持ちになりながらも、努めて冷静に』とあるように、切なさや悲しさを顔に出せない。
     20歳そこそこの女の子には、かなりきつかったことでしょう。

     過去の体験と現在を結びつける、合間妹子様の情緒溢れる感覚に、敬意を覚えました。



     そして、アナさんは服・身なりのために、食事の誘いも断らざるを得ませんでした。

     一般の家庭なら、そこまで考える必要はないと思いますが、貴族という格式の上では重要なことと思います。

     その格差も切ないです。

     伯母さんの流行遅れとなった服を、手直しして着るくらいしかできない。
     不憫・かわいそうが、アナさんに負んぶして離れない感じが、追い討ちをかけています。

     最後に出た伯母さんの言葉にあるとおり、自身に甘えを許さないアナさんの厳しさに、健気さも感じました。

     アナさんを応援してあげたい気持ちが、もっと高まりました。




     前回の応援コメントにいただいた返信についてです。

     返信をありがとうございました。

     番外編で、セバスチャンさん視点のお話があるとあり、微笑ましくなり吹き出してしまいました。
     そこまで、思い入れがあるキャラだったんですね。

     ニンマリしながら、期待しております。


    作者からの返信

     ジェレミーを訪ねて自分を売り込む前回とこの回は特に私も書いていて切なくて悲しかったですね。アナが憐れでしょうがありませんでした。

     アナの切なく苦しい日々が始まります。亜逢さまのおっしゃるとおり、特にニッキーに対するジェレミーの温度差が大きくてやりきれないですね。

     それでもアナは領地の復興の為に自分を犠牲にし、感情を押し殺してジェレミーとの契約を取り付けます。

     そして今度はジェレミーの両親との対面という試練です。アナは今度は何を着て行けばいいのか悩みます。アナの伯母さんも、アナを応援したいのは山々です。でもアナは既に居候の身、しかも伯父からの借金も返せていない状態で、これ以上の援助をしてもらうことを良しとはしません。

     ジェレミーの両親は前作でも出てきました、割に気さくな方々です。アナは彼らに良い印象を与えられればいいですね。

  • 第九条 売込みへの応援コメント

     さすが、ジェレミーさんです。矢継ぎ早に厳しいことをアナさんに言っています。
     無遠慮な点が彼らしく、いいキャラが出ていたと思いました。

     合間妹子様には良くお考えで、ジェレミーさんは、相手がアナさんでなくてもいいと言っています。

     まことに、その通りで、提案だけを採用して、別の女性でもいいわけです。
     その方が、経済的にも問題が少ないはずですよね。

     そこに気付いて、きちんと、ジェレミーさんが指摘している点に、合間妹子様の優れた一面を見ました。(多面的に事象をとらえていらっしゃると思いました)


     しかしながら、ジェレミーさんはアナさんの提案を了承しました。

     その理由は、はっきりとここには書かれておりませんが、跡継ぎを産むついて、人工的な方法までも、20歳そこそこの女性が口にしたことにあると思いました。

     アナさんが恥ずかしいことを、真面目に言ってのけた点を、ジェレミーさんが気に入ったように思いました。

     実際に、会って2度目の女性が、現世で言えば女子大生の年齢の女性が、『採取した子種を筒の様な器で女性の体に挿入する』などと言うなんて、普通の男性でしたら、引くことでしょう。

     それを笑い飛ばすというのも、ジェレミーさんの視点や好み(女性の好みと言うより、人間の好み)が、普通の男性とは違うところにあるのだろうと感じました。

     そんな覚悟も含めて、アナさんを気に入って、了承したように思いました。


     そして、今回はセバスチャンさんの存在が大きかったようでした。

     単なる執事ではなく、ジェレミーさんの教育係も努めていたように受け取れました。
     あのジェレミーさんに、頭が上がらない人物がいたのか、と意外な一面を見ました。
     
     セバスチャンさんあっての、ルクレール侯爵家である。と感じてしまうくらいの存在感でした。


     こんな強烈なキャラが、これまで隠れていたなんて、少々もったいなかったように思いました。(もっと早くから、以前の作品から、登場していても、おかしくないキャラでした)


    作者からの返信

     亜逢さま、コメントありがとうございます。

     アナが考えた契約内容ですが、作者の私も結構考えさせられたのですね。あまりに不自然で突拍子もないこの二人の組み合わせです。アナ側にしか有利な点がない契約ではジェレミーをうんと言わせられないだろうということです。

     この回ではジェレミーに何をどう言わせようか、書く時に時間を取られました。ジェレミーにしては急に降って湧いた話ですから、彼は別に乗らなくても別にいいのです。

     ジェレミーは淡々と事務的に契約内容を説明するアナが形だけの妻として感情抜きで上手く振る舞ってくれるだろうということを見越していたのではないでしょうか。それに彼女には嫌悪感も感じないようですから、彼は。彼女がニッキーであるということにはまだ気付いてはいませんが、嫌悪感を感じないのも当然ですね。

     ジェレミーも結構強烈な性格の人です。前作ではアメリ相手にセクハラ発言に下ネタのオンパレードでした。基本下ネタ大好き男です、彼は。アナが人工的に跡継ぎを……なんてことを真面目な顔で言い出した時には笑ってしまったのですね。

     セバスチャン氏は第一作の番外編で少しだけ出てきました。王妃やジェレミーを叱り飛ばせる数少ない人物であるという記載も少しありました。他に彼らを叱るキャラはリゼット女官長に王妃付き侍女のレベッカさんです。

     前作まではルクレール家での場面が少なかったですからセバスチャン氏の登場もなかなか機会がありませんでした。第二作ではアメリがドレスの採寸に訪れる場面だけでした。その時はジェレミーの強烈さを前面に出したかったので、セバスチャン氏は残念ながら出てきませんでした。

     今作ではセバスチャン氏は大活躍します、ご期待ください。主にジェレミーに喝を入れる彼ですが、アナの恋路を応援してくれる強い味方になります。完結後には彼視点の番外編まであります。

  • 第八条 侯爵家への応援コメント

     冷静に考えてみると、アナさんの提案は、ジェレミーさんにも好都合と気づいたようでした。

     両親から結婚しろと言われなくなるし、言い寄ってくる女性もいなくなる。そんな一石二鳥ではありますが、ジェレミーさんにとっては会ったこともない相手です。

     でも、そのことを気にしている様子はないようです。
     そんなドライな感じが彼らしさを表しているようでした。

     そして、さらに彼らしいポイントがラストですね。
    「で、俺の妻の座に収まってくれる代わりにいくら欲しいわけ?」
     単刀直入が過ぎるくらいの斬り込みようでした。

     アナさんには借金の肩代わりなので、ジェレミーさんにとっても、ドライな感じに受け取れて好都合でしょう。
     話に乗ってきそうに思えました。


     ここで、あっと、気づきました!

     もしかして、アナさんはニッキーさんであると、なかなか告げないのではないでしょうか?

     二役を演じて、ギリギリのところで、ハラハラしながら切り抜けながら、最後にニッキーさんであるとばれてしまうとか?

     そんな展開に期待が膨らみました。



     そして、アナさんがジェレミーさんを待っている描写が良かったです。
     雪道を歩いてきて濡れていたブーツ、冷えた指先をティーカップで暖めるなど、経済的ギャップを思い知るエピソードでした。

     また、使用人の態度で、家の格を表現されていました。この辺り、うまいなあと思いました。



    作者からの返信

     しばらくはアナの辛い日々が続きます。それでもジェレミーも形だけの結婚に心が傾いたようですね。全然知らない相手の方が書類上の妻としては最適だと考えたのではないでしょうか。

     ここでのジェレミーの目的はとにかくうるさい周りを黙らせて心穏やかに過ごすことだけですね。ですからアナの提案は需要と供給が成り立っていると気付くわけです。

     ジェレミーがニッキーの正体を知るのはいつになるでしょうか? そしてどのようにして知るのかというのも、今のところは読者の皆さまの想像にお任せしています。

     アナはジェレミーの屋敷を訪ねるにしても、自分の装いなどに大変気を遣っています。自分も同じ侯爵家の人間でありながら、ルクレール家の客として相応しい格好ができないということはアナのなけなしの矜持もずたずたになってしまっているでしょう。しかし、ボルデュック家のために恥を忍んでボロボロの身なりでルクレール家に単身乗り込みます。私も最初この場面を書いていてアナが不憫で少々涙が出てきました。

     アナは使用人たちは彼女の前では態度に出さないものの、陰で馬鹿にされているのでは、とびくびくしていました。本当のところはどうなのでしょうか。さて、このルクレール家の執事セバスチャンは色んな意味でスゴイ人です。これからの彼の活躍もお楽しみください。

  • 第七条 決行への応援コメント

     う、うまい!

     前作のアメリさんを女避けに使うというエピソードが、今作では大きく物語を動かす要因になっています。

     付属的と思われた部分をメインにすえて、大砲の玉のように派手に撃ち放っていました。
     拳銃が大砲に進化したほどのインパクトでした。

     私は、ドカンと撃ち込まれた気分でした。


     しかし、あまりに唐突です。
     飲み屋から出た所でいきなり、結婚して欲しいなんて、嫌われ立ち去られて当然です。

     もう少し作戦を練った方がよかったのでは? と思いましたが、アナさんはそこまで追い詰められているのだという事情を、強調する役目を果たしていたのかも知れないと思い返しました。

     すると、なんて、かわいそうな女の子なのでしょうと、暗い路地に立ち尽くすアナさんを、哀れに感じずにはいられませんでした。


     立ち去ったジェレミーさんが、アナさんが言い寄ってくる1人ではないと分かったところが、周りをよく見ている人物であると感じさせます。

     お酒が入った暗がりで不意を突かれたにもかかわらず、しっかりとアナさんを分析できていたのでしょう。
     侮(あなど)れない男です。

     まあ、普通に言い寄ってくるのであれば、飲み屋のある暗い路地みたいな雰囲気の欠片(かけら)もない場所を、選ぶはずはないでしょうけどね。

     ただ、本能的にと言いますか、心の根本と言いますか、そんな深い部分でジェレミーさんは、何かをアナさんに感じ取ったようでした。

     だから、メモは捨てなかったんですね。

     糸はまだ切れていない。細いけどつながっている。

     そんな期待が後を引きました。
     ホッとするような、火が消えた灰の中で、何かがいまだに燻(くすぶ)っているような感じです。

     よかったぁ~と、胸をなでおろしました。


    作者からの返信

     この物語の構成を考えていた時に、この女嫌いジェレミーにどうやってアナを接近させたらいいのだろうかと悩んでいました。女嫌いということでこれはやはり形だけの結婚という線が良いかな、なんてぼんやり案を練っていたのです。

     ニッキーが飲み屋で会っことがあるだけでアナとジェレミーは他には何の接点もないのです。結局はこんなとんでもない突拍子もない出会いになってしまいました。しかし、このとんでもない出会いだったからこそ、ジェレミーはこの後いつまでたっても鮮明に覚えているようなのですね。

     ジェレミーの印象にはどぎつく残ったこの二人の初体面でしたが、とりあえずアナは相手にされませんでした。当たり前ですねぇ。しかし、女性は絶世の美女であっても皆へのへのもへじに見えるジェレミー、アナには何かを感じたようでした。

     彼が観察していたわけではなく、それこそただ本能で感じただけなのですね。それもその筈です、あれだけ執着しているニッキーと同一人物なのですから。

     とりあえずアナの連絡先をジェレミーは捨てずにとっています。この後はどうなることでしょうか!

  • 第六条 金策への応援コメント

     アントワーヌさんは、秀才に加えて、冷静で現実的なキャラのように思いました。

     銀行から融資を受けられない話の次に、援助交際ならぬ援助結婚の話をしました。
     借金を減らす目的からすると、順当な提案だったと思います。

     私が調べた借金だらけの英国貴族も、貴族でない金持ちから持参金付きで、嫁をとろうとしていましたので、やはりそうなのかと、現実味を感じた次第です。


     ただ、女性のアナさんには、少々きついアドバイスかも知れません。

     結婚を借金によって決められてしまうとか、悲劇のヒロインっぽい境遇です。しかし、アナさんもそれは予想の範囲内のようでした。

     その辺りに、アナさんの現実的で聡明な一面を見た思いでした。

     ですが、そこは、女の子、ジェレミーさんの姿が浮かぶなんて、かわいらしいといいますか、健気な面も見ることができました。

     そんな女性的な魅力を持ったアナさんですが、自らの評価は厳しいようでした。
     奥ゆかしい一面を見ることができました。


     と、いうことで、この回はアナさんのキャラが多面的に表現された回と思いました。

     アナさんの危機ではありますが、よい展開を望みながら見守りたいところですね。



    作者からの返信

     アントワーヌ君は前作でアメリと会った時からもう既に若いのにしっかりしていて頼りになるデキる男ぶりを発揮していました。今回はアナに頼られて、自分で何とかしてあげたかったのは山々だった彼です。

     けれど、彼もアナの為に銀行をいくつか当たってみてやはり駄目だったということで玉の輿案を挙げたのですね。この「奥様」の作中では書いていませんが、困っているアナのことを助けてあげられなかったことに対して少々悔いが残ったアントワーヌ君でした。彼にも色々と事情があったのですが、それはそのうち明らかにされます。

     それでも八方塞がりなボルデュック家の状況で、アントワーヌ君の苦肉の案が一番現実的ですね。物語も実際これからその方向で進んでいきますし。

     アナはコンプレックスの塊のような子です。アントワーヌの提案が実現するとはとても思えないのですね。自分がそんなお金持ちの貴族にポンと嫁げるだなんて夢にも考えていません。

     それでも、やはり彼女も恋する女の子ですからジェレミーのことが真っ先に思い浮かんでしまいます。

     アナは侯爵令嬢として振る舞っていますが、ニッキーは庶民としてそんな貴族としての常識や礼儀作法などから解放されているのか、ジェレミーに対しても割と屈託なく接することが出来ているようです。

  • --主要登場人物紹介--への応援コメント

     なるほど、ここで人物紹介ですか。
     ジェレミーさんの名前が明かされて、早速というのがうまい配置のように感じます。

     ただ、この時点よりも未来の時点での紹介のようです。

     これまでの登場人物だけでなく、これから登場するであろう人物達も載っているようです。

     これも面白いですね。
     なにか、勝手な想像が膨らんでいきます。

     これからの登場人物の中で、私が一番に注目したのがマチルダさんです。

     ジェレミーさんとは幼い頃からの知り合いのように感じます。
     恋の障害になりそうな予感がビンビンときました。

     次に、一番最後のドウジュさん。いきなり『謎』と言う触れ込みです。
     しかも、アントワーヌさんに関わっている?

     アントワーヌさんは、優秀な年下キャラと思っていましたが、ここにも『謎』の文字があります。

     この2つの『謎』がどこかで絡まっていくのでしょうか?

     その『謎』が、アナさんにどう作用していくのでしょうか?
     そんな期待を抱かせるような人物紹介でした。



     最後に、イザベルさん。
     他にも年齢の記入がない人物がおりますが、特にイザベルさんは、年齢を記入しないということで、飲み屋の女将を象徴しているように思いました。
     親しみ易く、どこか、微笑ましくさえありました。


    作者からの返信

     登場人物紹介にもコメントをありがとうございます。前作までは主人公達の子供時代が終わってから紹介を挟んでおりました。今回はネタバレ回のすぐ後にしてみました。ですから主要登場人物でも、まだ出てきていない人物もいるし、これからどんな役割を担うのか興味を惹かれる人物もいるわけですね。

     マチルダ・シャルティエ嬢はどう見てもいわゆるライバル令嬢的な存在に読者の皆様の目には映るようですね。はい、その通りです。彼女の活躍?にもご期待ください。

     ドウジュは今作初登場です。アントワーヌの知り合い?のようですね。彼もなかなか癖のある役です。そのうち出てきますのでちょっと心に留めておいて下さい。

     アントワーヌは前作では怪我をしたアメリに親切にしてくれた優秀な若い文官という役割でした。今作ではドウジュと共に少々謎の動きを見せます。主人公の二人(ニッキーも入れると三人?)とどう関わっていくのか、その辺りにも注目していただけると作者としては嬉しいですね。

     イザベルさんはアナから見ると三十前後の妖艶な女性というイメージです。彼女の歳はまあはっきりさせなくてもいいだろうという考えから年齢は書きませんでした。

     この登場人物たちが今後どう活躍していくのか、お楽しみに!


  • 編集済

    第五条 接吻への応援コメント

     ハッ! そうでしたか!
     ジェレミーさんでしたか!

     あまり構えていなかったので、全く気づきませんでした。
     今回、ずうずうしくも店の奥の控室兼倉庫まで、やってきたことに、ちょっと違和感がありましたが、納得がいきました。

     そして、両刀使いにも納得でした。
     女性に興味がないわけでもない、みたな感じで前作にあったと記憶しております。そんなニュアンスと受け取れそうと思いました。

     性別を越えた個人を重視していて、近づきたいのは、男女関係なくその人(ここではニッキーさん)なのかも知れません。

     ただ、ニッキーさんが、女性かもって気持ちもあったようでしたね。
     やはり、見る人が見れば、男装と疑いたくなるようです。

     でも、意外でした。ジェレミーさんは、ニッキーさんのような、慣れない酒場で働く健気な人がタイプだったんですね。もっと、自身の相手が務まるくらいの力強いタイプかと思っていました。
     その意外性も裏を返された感じで良かったです。


     また、前作を知らない人も楽しめる配慮があり、知っていればより面白いという感じに思いました。

     ジェレミーさんの名前が出た瞬間も、ジェレミーさんを知らなくても、名前が印象付けられた瞬間だったと思います。
     こういう演出、大変勉強になります。

     もしかしたら、『今日は王宮で何かの行事でもあった』の行事も、前作にあった行事かも知れませんね。
     何だろう? うーん、思いつきません!


    作者からの返信

     相手役の彼が名乗ったことに驚いて下さったようで何よりです! 実はですね、男主人公がジェレミーだということは一応前作から続けて読んで下さっている読者の皆さまを驚かせたくて、私の中では超重要ネタバレ扱いなのです。(レビューでは彼の名前を明かされている方が多いですけれども……)

     まあとにかくですね、亜逢さまが驚いて下さったのでとても嬉しいです! ジェレミーは図々しさの塊のような人ですからね、ニッキーのピンチに駆け付け、飲み屋の奥まで押しかけ、まあ一応最後までフォローしています。

     今から申しておきますと、ジェレミーの性的嗜好についてはシリーズ全作を通して私ははっきりとは述べておりません。これからも明らかにするつもりもありません。私自身は特に異性、同性、両性だろうが何だろうが愛は愛だという考えの持ち主なので。

     前作の「貴方の隣」の第十話でビアンカが「確かに彼はどんな女性にも素っ気ない態度だけど……うーん、女嫌い? それはちょっと違うと思うのよ……だって……」と言っていました。彼女は人の心が読めたり近未来が見えたりするのでジェレミーのことも他の人よりは知っていたのですね。思い出して下さってありがとうございます。

     そうなのです、亜逢さまのおっしゃる通り今の時点ではジェレミーはニッキーが男だろうが女だろうがニッキーその人に惹かれているのですね。

     ニッキーは小柄で線の細い少年なので、そもそも素は女の子ですしね、女の子っぽく見えるのもしょうがありません。その辺りが酔っ払いオヤジの好みにも合ってしまったのでしょうか……

     ジェレミーがどんなタイプが好きなのか、については少しずつ明らかにされ、物語の最後の方でも語られます。彼は女性に人気がありますが、いつも彼の周りに寄って来るのは女としての魅力に溢れ、自分に自信のある方なのですね。彼はどうもそんなタイプは苦手なようです。前作ではアメリと気が合っていました。彼女は特別で女性なのに普通に会話できる、とジェレミーには友人扱いされるようになっていましたね。

     この話の最後、ジェレミーが自分の名前を名乗る場面は私の好きな場面の一つです。前作を読んでいようがいまいが、印象に残るように仕上がって自分でも満足しております。

     王宮で何か行事があった、というのはジェレミーに近衛の白い制服を着せる口実です。特に前作でのイベントではありません。この後も要所要所でジェレミーはアナもニッキーも萌え萌え!の制服で登場します。お楽しみに!

    編集済
  • 第四条 親切心への応援コメント

     はい、アメリさんと出会う場面でした。

     スクリーンの裏側から透かして見た感覚ですね。

     アメリさんが銀行にいる間に、何か、アナさんにあったのかな? と思っていましたが、本当に、外でボーっとしているだけでしたね。

     それだけ、借金が心に圧(の)し掛かっているのでしょう。そんな演出に思えました。

     そして、アメリさんと話した後のアナさんの心持ち、何も解決していないのに、気分が軽くなったというのは、よく分かります。
     私の場合も『花バト!』の中で、小百合さんが同じような気持ちになっていました。

     それだけ、アメリさんが話し易かったり、心が落ち着くとか、気持ちを許せるとか、そんな相手だったのでしょう。

     アメリさんの人となりを、それとなく表現されているようでした。
     私の場合も、『花バトの!』の主人公である華図樹の人間性を、小百合さんを使って表そうとしたのでした。

     似たような手法を見ると安心しますね。



     しかし、問題はアナさんの借金苦です。
     首が回らない状態がさらに浮き彫りになっています。

     でも、味方がいます。

     伯父さん達からも見放されたらと、思うとさらに不憫(ふびん)になってしまいます。

     借金という寒い状況の中で、伯父さん達からは、僅かな温(ぬく)もりを感じます。
     苦しい中で味方って大事ですね。



     あと、どちらに判断されても私としては構いませんが、『嵩む』には、ふりがながあった方が良かったと思いました。
     一般的にはあまり使わない漢字と思いますので。

     私がこの応援コメント枠内で、ふりがなを入れているのは、合間妹子様が読めないだろうと思っているのではなく、この枠が誰でも読める状態になっているためです。
     なので、読むのに突っかかりそうな漢字にも、ふりがなを入れるよう努力しています。

     私は合間妹子様よりも、国語的実力がありません。
     合間妹子様は、私より上の存在なので、十分漢字をお読みになれると思っております、ハイ。


    作者からの返信

     この話は実はシリーズ全四作の中で一番最後に構想が思い浮かんだのですね。それでどうにかして他のシリーズ作の登場人物たちとの関わり合いを持たせようと考えた末、借金が嵩(かさ)んでいるアナは銀行前でアメリと出会って知り合いになる、ということを思いついたわけです。

     嵩むという漢字、私も実は読めませんでした。振り仮名を振っていなかったのは、借金と言えば『かさむ』以外にないだろうと思ったからです。文脈から漢字を知らなくても読めるだろうと勝手に解釈しておりました。それでもやっぱりふっておくほうがいいかと思い、訂正しておきました。ご指摘ありがとうございます。自分が読めるかどうかは関係ありませんよね、読者の方々のためにどう読みやすくしていくかが課題ですので。それでも振り仮名の基準は今もまだ良く分からなくて、手探り状態です。

     さて、アナはちょっとアメリと話が出来ただけでも心が少し軽くなったようです。見ず知らずの人だからこそ、アナも思いを吐き出せたのかもしれませんね。アメリはそれだけ頼り甲斐がある、話し易いお姉さん的な存在なのですよね。亜逢さまも使われている間接的な手法ですが、姉後肌アメリの登場の仕方としては良かったのだと私は思っています。

     私の作品には基本的には根っからの悪人はまず居ません。いや、こいつは極悪人だろう!と読者の方々が思われても何らかのフォローが絶対に入ります。

     アナの伯父と伯母もとてもいい人たちです。でなかったらアナもテオドールも居候していませんよね。とりあえず、家族や親戚には恵まれているのでした。

     さて次回は急展開の模様ですよ。何しろ題名が『接吻』ですから!お楽しみに!

  • 第三条 一目惚れへの応援コメント

     白の正装が似合う近衛兵さん、ニッキーさんの視線に気付いているのか、話しかけてくれるようなったようです。

     近衛兵さんは、ニッキーさんに何か興味を引くものを感じたのでしょうか?
     ピアノを弾くのがうまいとか、弾き方が知っている誰かに似ているとか、でしょうか?

     もしかしたら、すでに女性と気付いているとか?
     にわか男装の女性なら、目を見て話をすると結構分かるものですから。

     近衛兵さんの心境が気になりますね。


     そして、今回はこの近衛兵さんと、領地の不作が対比されていました。
     心の安らぎと切実な痛みが、同時にやってきているように思いました。

     その対比が、不作がより痛く感じるような演出に、なっていたように思いました。

     つまり、安らぎと痛みのバランス状態を作り、それをあえて崩すことで、より痛みを印象付けているように感じました。
     なかなか、うまい手法と思いました。勉強になります。


     ニッキーさんの正直な性格が表現されていました。
     このような仕事に慣れていないという理由もあるかも知れませんが、心付けを主人のイザベルさんに報告する辺り、イザベルさんが言うとおり正直な性格と感じました。
     読み手が感じるイメージをUPさせたことでしょう。
     良かったと思いました。


     アナさんのお父さんは、お荷物的な存在から、僅かながら脱却しようとしているようです。
     でも、売れるものを作れるなんて、才能があるんですね。

     領地の農民たちから手先の器用な者を、弟子として手伝わせれば、工房に発展できるかも知れません。業として立ち上がるのではないでしょうか?

     そんな夢も広がりました。


     いえいえ、お父さんよりも、近衛兵さんですよね。
     どんな風に、ニッキーさんと関わっていくのでしょうか?

     そして、ニッキーさんのほのかな恋の行方は……?
     期待しましょう。



    作者からの返信

     さて、飲み屋で働き出したニッキーですが、早速?見目麗しい近衛騎士に出会います。彼の方もニッキーのことを気に入って曲をリクエストしたり心付けをくれたりしていますね。

     彼の心境はまだ分かりません。アナは金策に四苦八苦して中々大変ですが、ニッキーでいる時だけは少し現実を忘れて憧れの彼のためにピアノを演奏する……少しの間だけそのくらいは楽しんでも良いのではないでしょうか。

     イザベルさんのおっしゃる通り、ニッキーは正直ですね。私もこんな水商売では給金よりも心付けやチップの方が収入の大半を占めるのではないかと思いますね。何しろお客は貴族や金持ちばかりです。

     アナの父親、ボルデュック侯爵もろくでなしではないのです。ただ、領地の経営や人の上に立ち、人を使うことに向いていないだけなのです。彼は彼の得意な分野で領地の復興に貢献して欲しいものです。

     ニッキーと憧れの彼、これからどうなるのでしょうか?

     さて、次回はお馴染みのあの方の登場です。お楽しみに!

  • 第二条 飲み屋への応援コメント

     髪を切って、男装までする。
     切実に感じました。

     女性が髪を切るなんて、一大決心です。
     それだけ、いい給金とうかがえます。
     うまい演出でした。

     イザベルさんって……、と、思っていたら、ラストの解説にありましたね。
     やっぱり、リュックさんが行った、あの飲み屋でした。
     いいですね、こういうつながり。

     そして、『ニッキー』という新しい愛称が出てきました。
     アナさんと合わせて、注意深く読み分けていきましょう。


     騎士達の様子が多く描写されていました。
     この騎士達がストーリーに関わっていくであろう、と暗示になっているのかも知れません。

     そうですよね。
     こういう暗示的なものは大事ですよね。
     なのに、私はうまくできていないんです。羨ましいです。



    作者からの返信

     アナは髪を切りましたが、まだきちんとまとめられるくらいの長さです。とは言っても男の子の姿で仕事をするのは中々勇気が居ることですね。

     良く気付いて下さいました。イザベルさんは前作にも出てきましたね。リュックが飲んだくれていた飲み屋の女将です。ニッキーもその時は既にピアノ弾きとして働いていました。荒れているリュックの気持ちを落ち着けるような曲を弾いていました。

     前作の主要でない登場人物でイザベルもニッキーも紹介したように、今作では二人共大活躍します。お楽しみに。

     イザベルさんの飲み屋はリュックも常連として良く行きますし、アナの従兄もそうですね。騎士の方のたまり場です。彼らはニッキーとどう関わってくるのでしょうか。

  • 第一条 上京への応援コメント

     やっと、3作目に突入しました。遅くてすいません。

     今作はアメリさんが銀行で会ったアナさんが主人公のようです。

     借金とか、お金で困るのって、現代にも通じますし、切実な問題です。
     これまでと、打って変わったテーマとなり、新鮮に感じました。

     紹介された仕事が、どのくらい貴族の借金に貢献できるか分かりませんが、身を切るような切羽詰った感じが印象的でした。


     実は、私も英国の没落貴族を調べたことがありました。日本で言えば応仁の乱と同じ時代の貴族です。結局それを活かし作品は書けていませんが、……。

     その時の借金にキュウキュウしていた貴族の様子を思い出しました。


     これまでと毛色が違いそうなので、別の服に着替えたつもりになって読んでいこうと思います。

     これから、ゆっくりと読んでまいりますので、よろしくお願いいたします。



    作者からの返信

     亜逢さま、第三作でもこんにちはです!

     この作品はシリーズ全作を通して特に後半は書くのが楽しかった作品です。前半は切な過ぎてすこし辛かった時もありました。ゆっくりでよろしいのでお読み下さると嬉しいです。

     とりあえず紹介された飲み屋に職を求めて行くことにしたアナです。もちろん借金を返すためと言うよりは目下の問題である弟のテオドール君の学費をねん出するためですね。絶対何か起こるでしょうね、この展開だと。

     これまでのヒロイン達も貴族とは言え裕福な生活はしてこなかったですが、今回のヒロイン、アナはもっと窮地に陥っています。さてこれをどう挽回して行くのでしょうか?

  • 追記 独壇場(二)への応援コメント

    まあ本来は十台で体験するような事を二人そろって完全スルーしてますから。取り返すという意味も含めて、今からでも遅くは無いですよね!

    作者からの返信

    結婚後仲直りしたのが二人とも二十代ですからまあその頃からバカップルだったということで……まあいいのではないでしょうか。人には迷惑をかけて、いる時もありますが……

  • 追記 独壇場(二)への応援コメント

     面白かったなー、座談会!
     今回のジェレミー語録「シャルボンにはニャーニャー」
    「4P」は惜しくも次点でした。

     なお、お暇なとき、本作品の書評をチェック頂けると嬉しいです。

    作者からの返信

    空知音さま
    この作品も最後の最後まで読んで下さってありがとうございました。そうですか空知音さま的には「シャルボンにはニャーニャー」が良かったですか。参考になります!

    書評の方も読みます!

  • 追記 独壇場(一)への応援コメント

     読んでる方が恥ずかしいですにゃ~ん!

    作者からの返信

    書いて公開した私も恥ずかしかったですにゃぁーん! 恥ずかしがっていないのはジェレミーだけですにゃん!

  • 追記 独壇場(二)への応援コメント

    >「十代のバカップルじゃねぇんだぞ、勘弁してくれよ」

    この二人のバカップルは、十代のそれを遥かに超越している気がします(^^)
    アナとジェレミーにかかればただの日常会話が、たちまち壮大なラブコメコントに変わってしまうので、人気が出るのも納得ですよ。
    このメンバーでの座談会、いつまでも聞いていたいです(*≧∀≦)

    作者からの返信

    このいい歳したバカップル、いつまでも暴走し続けています。作者の私も書きながら呆れずにはいられません。

    無月弟さま、最後の最後までありがとうございました。

  • 追記 独壇場(二)への応援コメント

    『アナたんジェレたん劇場』、ブームになっているのですね。素敵な事です。
    二人は十代のバカップルではないかもしれませんが、バカップルであるのは間違いないと思います(`・ω・´)+

    座談会、お疲れさまでした。

    作者からの返信

    彼らはいい歳したバカップルです。長男のギヨーム君はもう中学生ですし!

    アナたんジェレたん、周りも十分楽しませているようです。

    無月兄さま、最後の最後までお付き合いありがとうございました。

  • 追記 独壇場(二)への応援コメント

    座談会、お疲れさまでした~!(*´▽`*)

    ついに、ついに「アナたんジェレたん劇場♡」が現実のものに……(´艸`*)
    このお二人は、二人の時は過激ですけれど、人前ではあまりいちゃいちゃなさいませんものね……(´艸`*)

    作者からの返信

    「アナたんジェレたん劇場」ですがアナは随分と乗り気ですネ!

    この二人が一番人前でイチャイチャしたのは仲直り直後、伯父さまたちの前ででしょうか。

    綾束さま、こちらも最後までお読み下さってありがとうございました!

  • 追記 独壇場(一)への応援コメント

    まさに、章タイトル通り、独壇場ですね!(≧▽≦)
    さすがはジェレミー様っ!!(*ノωノ)

    ……うん、これはイザベラさんしか聞き手が務まりませんね……(><)

    後半も楽しみにしております!(*´▽`*)

    作者からの返信

    イザベル以外の人には聞き手はまず無理でしたでしょう。彼女は飲み屋のおかみとして色んなことを見聞きしていますからね!

    後半もジェレミーの勢いはとどまるところを知りません!

  • 追記 独壇場(一)への応援コメント

    流石はジェレミー。少し前に謝り倒した鬱憤を晴らすかのように、絶好調で語っていますね。
    イザベルさん、色々言いたいことはあるとは思いますが、頑張って聞き役お願いします。

    作者からの返信

    ジェレミー、第四作の番外編で謝り倒していましたが本当に鬱憤溜まっていたのでしょうか? 全然懲りていませんでしたよね。この座談会でも好き勝手なことを言っています。

    イザベルさんも彼の暴走に呆れております。

  • 追記 独壇場(一)への応援コメント

    本当にジェレミーの独壇場でしたね。もしかしてジェレミーが喋る時って、当初の予定よりも大分文字数が多くなるのではないでしょうか?
    ぶっ飛んだキャラが出てくると、話が長くなるのは、結構あるあるだと思っています。

    イザベルが聞き役になったのも納得です。もし他の方が聞き役だったら、休み無くツッコミを入れるから更に話が長くなるか、逆に呆れて物が言えなくなってたのではないかと思っています(^^)

    作者からの返信

    なんかジェレミーには色々馬鹿な事ばっかり言わせたくて、作者の私も悪ノリしてしまいます! この座談会を書ききって字数を数えて唖然としましたもの。

    百戦錬磨のイザベルさんは我ながら聞き手に最適でした。アナの従兄のフランシス君や哀れな御者のヒューさんだときっと後で寝込んでしまうでしょう……