編集済
4を読んだ時も少し引っ掛かってはいたんですが、アントワーヌ君が愛のない結婚を進めるのはって気がするんですよね。
まあ本人がお金に困ってるってのもあるでしょうが、彼の心情的にそれはどうかなって気が……
―――――――追記――――――――
成程。無敵超人に思われた彼にも限度があったという訳か。
まあ現実的な解決策がない上に、きつい時期と重なったのではしょうがないと言えますね。
作者からの返信
なるほどです。作者としては痛いところをつかれました。まんじさまの感じた違和感も分かります。というか、そんな細かいことまで気になさって下さってありがとうございます。
ここから作者の言い訳です。
アントワーヌ君、アメリに紹介されたアナに金策相談されたあの頃はですね、就職したばかりで大変だったのですよね。自分自身のことと第四作「蕾」で抱えていた件でいっぱいいっぱいで多忙を極めていた彼、本当はアナのことまで面倒見きれないのが本音だったのです。
ドウジュの無理をするなという進言にもかかわらずアナと会って彼女の話を聞くことにしたのは、彼の勘がアナを放っておくなと告げたからなのですよね。それでもアナの為に銀行等に掛け合った彼ですが結局は駄目だったので、そこで初めて誰か相手が居るなら嫁げば、それか相手を見つけて嫁げば?と勧めてみました。愛のない結婚を推奨したわけではないのです。
まあそれに男爵家出身の彼にしてみれば、アナなら侯爵令嬢なんだからそこまで苦労しなくても……という低位の貴族としてのやっかみも少しはあったのかもしれません。
アントワーヌさんは、秀才に加えて、冷静で現実的なキャラのように思いました。
銀行から融資を受けられない話の次に、援助交際ならぬ援助結婚の話をしました。
借金を減らす目的からすると、順当な提案だったと思います。
私が調べた借金だらけの英国貴族も、貴族でない金持ちから持参金付きで、嫁をとろうとしていましたので、やはりそうなのかと、現実味を感じた次第です。
ただ、女性のアナさんには、少々きついアドバイスかも知れません。
結婚を借金によって決められてしまうとか、悲劇のヒロインっぽい境遇です。しかし、アナさんもそれは予想の範囲内のようでした。
その辺りに、アナさんの現実的で聡明な一面を見た思いでした。
ですが、そこは、女の子、ジェレミーさんの姿が浮かぶなんて、かわいらしいといいますか、健気な面も見ることができました。
そんな女性的な魅力を持ったアナさんですが、自らの評価は厳しいようでした。
奥ゆかしい一面を見ることができました。
と、いうことで、この回はアナさんのキャラが多面的に表現された回と思いました。
アナさんの危機ではありますが、よい展開を望みながら見守りたいところですね。
作者からの返信
アントワーヌ君は前作でアメリと会った時からもう既に若いのにしっかりしていて頼りになるデキる男ぶりを発揮していました。今回はアナに頼られて、自分で何とかしてあげたかったのは山々だった彼です。
けれど、彼もアナの為に銀行をいくつか当たってみてやはり駄目だったということで玉の輿案を挙げたのですね。この「奥様」の作中では書いていませんが、困っているアナのことを助けてあげられなかったことに対して少々悔いが残ったアントワーヌ君でした。彼にも色々と事情があったのですが、それはそのうち明らかにされます。
それでも八方塞がりなボルデュック家の状況で、アントワーヌ君の苦肉の案が一番現実的ですね。物語も実際これからその方向で進んでいきますし。
アナはコンプレックスの塊のような子です。アントワーヌの提案が実現するとはとても思えないのですね。自分がそんなお金持ちの貴族にポンと嫁げるだなんて夢にも考えていません。
それでも、やはり彼女も恋する女の子ですからジェレミーのことが真っ先に思い浮かんでしまいます。
アナは侯爵令嬢として振る舞っていますが、ニッキーは庶民としてそんな貴族としての常識や礼儀作法などから解放されているのか、ジェレミーに対しても割と屈託なく接することが出来ているようです。