晴見 紘衣

大坂冬の陣・夏の陣を真田幸村の娘の視点から描いた作品。 父の書状を携え、敵陣へと赴いた16歳の阿梅は、父が戦場に修羅を生み出すさまを目の当たりにする。 この戦いをよく知らない人で…続きを読む

「僕」が拾った手帳には、ある人物が経験した出来事が書かれていた。 筆者は可哀想な冒険者。人生のどん底まで落ちたものの、あるものを手に入れてからあれよあれよと……という内容。 でもそ…続きを読む

登場人物たちの会話を通して明らかになる事情と、主人公の目的や、その後どうするの、という興味から最後まで読んでいました。 結末も、そこで終わりのような、いや続きがあるような、後を引く…続きを読む

師匠のように親のように、オークの子供と親交を結んできた老竜。その慈愛と潔さに胸を打たれました。 成長したオークがその竜について語るとき、どうしても口をつぐんだ出来事。話さなかったの…続きを読む

　読み始めたらスッと物語のなかに入っていた。登場人物が過去を語る場面も、そこに至るまでの前段階が簡潔かつ充分に描写されているため、ごく自然に聞き耳をたてていた。 　閉ざされているよ…続きを読む

いったいどうやってアウシュヴィッツ収容所から生き延びたのか。 当時のことを語り伝えてはどうかと問われた主人公は「何も無い」と拒否する。 アウシュヴィッツで何がおこなわれ、ユダヤ人が…続きを読む

読んでよかった。読後感がとてもいい。 永遠の命を持つ存在と、彼を世話する務めを担った少年のお話。 たとえば人間でも、野生の猿の顔を見分けるのは困難だ。それと同じように、彼にとっ…続きを読む

表現が味わい深くて、行間にあるドラマに思いを馳せました。
状況を説明する言葉は少ない。だからこそ、心情が浮き彫りにされる。そんな作品です。

短いのでサクッと読めます。
先入観や思い込みを捨てて読むのが騙されないコツですが、きれいに騙されてみるのも快感です。
騙される人、もっと増えるといいなあ。

人として生まれたなら人として死ぬのが道理。けれどこの物語ではそうできない存在がいる。人の身から精霊へと変化した「精霊成り」だ。 精霊成りになった主人公は「理」に従い、生まれ故郷を…続きを読む

好きで好きでどうしても好きでやりたいこと。それを奪われたら魂が死ぬほどの、好きなこと。 主人公フラミィにとって、それは踊ることだった。 けれど彼女は足の指の骨が欠けていてうまく踊れ…続きを読む

送り狼、あるいは送り犬という妖怪がいる。 この作品はそれをモチーフにした哀しいお話。 獣の好意と人間の道理は相容れない。 笑っていてほしい相手が泣いたのは自分のせいだと、たぶんオオ…続きを読む

個性的な主人公。表現豊かな文章。確かな構成。悲劇感のある設定をベースに、ユーモラスに展開していくストーリー。 面白くてどんどん読み進めてしまいました。 もっと多くの人に呼んでほしい…続きを読む

あまりにひどい状況から物語はスタートし、救われるかと思えばまたひどい状況に追いこまれる。 レイラのまわりにいる人たちって、ひどい人ばっかりだなーと思う。けれど彼らの視点を読めば、け…続きを読む

最後の一行が良い。

どっちかがそうなんだろうなと予想はついたものの、そうか、だからこのタイトル。

ネタバレになるのであまり言えません。
読めばわかります。

生体干渉魔術によって人工的に生み出された、女王の継承者。 王位を継ぐべく育てられた少女と、「失敗作」として女王の血統についてまわる遺伝病と闘いながら生きる少女。 圧倒的存在感を放…続きを読む

サッと読めて笑える。
テンポも良くて、どんなオチが待っているのかと楽しんで読みました。
面白かったです。

近づいてはいけない両者が共に在ることを願った結果、どうなるのかと読んでいたら、そうくるか、と。 しんみりした展開かなという勝手な予想を裏切ってくれました。もっと大胆な作品でした。 …続きを読む

最初に無理難題をふっかけたのは祖父だった。 主人公は薬屋を継いで商売がしたい。でも祖父は孫娘に嫁に行ってほしい。諦めの悪い孫娘を諦めさせるための無理難題だった。 ところが主人公は持…続きを読む

誰も実態を知らず、噂だけが伝わる謎の遊牧民、狐追いの民。 怪我をして意識を失った主人公ハーンは彼らに助けられ、しばらく一緒に過ごす。そして恋をする。狐追いの民のなかにおいて見た目も…続きを読む

貧しい農家の娘ふじは、夏の間だけ大地主の屋敷に下宿している青年に憧れを抱く。 遠くからそっと見守るだけだったが、ある日、青年の落とし物を届けることになる――。 淡い恋の行方にもど…続きを読む

作者様から読者への挑戦状です。 犯人が誰か、動機は何なのか、すべて当てられたらあなたの勝ち。 （わたしは負けました） ミステリ好きにも、あまりミステリを読まない人にも、ぜひ読んで…続きを読む

読了。 面白かった！ 古代史というのはそれだけで謎だらけ、その謎にファンタジーを絡めて、なんとも読み応えのある物語になっています。 主人公セイレンは、まつろわぬ民、土雲一族の娘…続きを読む

猛毒のガスによって人が住める土地が限られている世界。 過去に滅んだ高度文明の遺産を駆使するスピリチュアルと、大多数を占める普通の人間フィジカル。 すべてのスピリチュアルが生まれる場…続きを読む

個人の記憶や人格を死後に再現できるようになった世界。 それは喪失感を和らげて、最終的にちゃんと死者と別れるためのステップ。 もしもこういう社会になったら、きっと他にも、この「わたし…続きを読む

直美が小学生の時、転校してきた香世子。短い期間を友達として過ごした後、香世子は再び転校していった。 大人になってから香世子と再会した直美は、当時のことを思い出さずにいられない。けれ…続きを読む

タイトルに惹かれてずっと気になっていた作品。 矛盾をはらんだ倫理観の推移を、巧みな構成と淡々とした文体とで描ききっている。 淡々としているけども、実はむせび泣いているような気配が漂…続きを読む

突如として現れた謎の霧によって生き物が乗っ取られ破壊されるようになった世界。霧が現れた原因を知る二人が、霧を止める旅に出る。 各国を通過するたびに良くも悪くも周囲を巻きこみながら、…続きを読む

タイムマシンの実験台として百年後の東京に行ったら、異世界かと思うほど変貌していた。その原因を探るうちに、主人公は非情な選択を迫られることに。 ミステリー要素が強く、謎が解き明かさ…続きを読む

世界の均衡を崩す恐れのある「魔眼」を持つ少女と、「魔眼」を狙う敵と、彼女を守る人たちのお話。続編なので、前作『キリノ』を読んでから読むことをおすすめします。 前作より今作の方が面…続きを読む

「感字」と「看字」。 書き手がその文字を書いたときの気持ちや、書き手の性格を読み取ること。また、たとえば同じ「馬」という文字でも、生きた馬なのかおもちゃの馬なのかという、何をイメー…続きを読む

愛する人の命を守るため、食人族を引き連れて闇の世界を創造した青年。 巻き込まれた人々の戸惑いと恨みは、創造主へと向けられる。 「食人族　VS　か弱い人間」という構図のお話ではあり…続きを読む

タイトルで素通りしてましたが、読んでみたらとっても素直な、「好き」を見つめ直すお話でした。 才能の所在、本当にそれが好きかどうか、人からの評価。 疑って振り回されて不安になるより、…続きを読む

「でも」と言いたくなる不要な執着をふっと手放せる魔法の呪文「まぁいいか」 みんなと同じようにできない子供を育てる大変さ、つらさを滲ませながら、それでも決して訴えかけるような文章では…続きを読む

誘拐された、けれど、ある意味「帰ってきた」とも言える主人公。 誤解を解く努力を怠るせいか、周囲に敵が多い「彼」の心をじんわりほぐしていく様子が読んでて楽しい。 不利な状況から逆転す…続きを読む

復讐のはずが、思わぬ展開に…びっくり。
自分を認めてくれる存在に好意を持つのは実に人間らしい。
こんな世界なら私は生き残れないかも。

お互いに恋人を想う優しさが伝わってくる。
だけど、エンドレス…それって幸せなんだろうか、と考え込んでしまった。

発想がいい。
読みに来てよかった。

現在とは異なる世界観と、登場人物の背景、ストーリー、それらが密接に絡み合っているため、あまり違和感もなく入り込んで読めた。 ところどころ共感できる内容もあり、涙腺を刺激してきた場面…続きを読む

竜と人のあまりに違いすぎる寿命のなかで「再会」を信じることができるのは、そこに魔法があるからで、そもそも主人公が「神秘」そのものだったから。 この先の展開を想像して、「愛」があれば…続きを読む

読みながら考えて、考えながら読み終わって。 自分にとって何が最優先したいことなのかを自分で知っていれば、つまりあらかじめ決めていれば、それに沿って行動するだけ。 一番守りたかったこ…続きを読む

言葉が、盛り上がる感情の頂点でピッタリはまる。
そんな感覚を味わいました。
心に残りました。

豚とか興味ないしと素通りしてたけど、なんとなく読み始めたら最新話まで夢中になって読んでた。
面白い。

戦国武将が死後、異世界に行って活躍するという空想は楽しい。
展開がサクサク進んで、心理面での駆け引きも読み応えがある。
難局を切り抜けていくのであろう幸村の活躍に期待。

「ユニークスキル」もだし、独特な「称号」も面白くて楽しい。
テンションの低い主人公が控えめに見せる優しさは呼んでいて安心感がある。
次々と展開するエピソードの続きが気になる。

登場人物の人柄に親しみ、大きな猫を愛しむ。
さらっと読めて面白い。

銃も剣も格闘も魔法も、竜を殺したり世界を滅ぼしたりもできちゃうんだ～いやまあそうなんだけど、いやいやそうじゃないんだけど、と笑った。