大きくても猫じゃないか。近藤くんは小さいなぁ。
今まであまりこの手の作品は読んだことがありませんでした。ですが、ゆったりとしつつ舞台にしっかりと引き込まれ入り込まれる作品でとても良かったです。猫はやっぱり可愛いです。
猫が何か暗示しているかと考えてみても何も思い浮かばなかった。猫は可愛いものです。ちょっと田中哲弥っぽい。
いくら猫でも、それが二間(ざっと3m半以上)もあれば、立派な猛獣だと思うが、あくまで「ただ大きくて可愛い猫」である点は、ファンタジーな存在。そうした不思議の側の存在(もしかしたら猫の神さまか、猫妖精かもしれない)が、恐ろしく洒脱な文章で描かれる。冒頭の書き出しから、気だるい夏の空気の包み込まれ、そのまま一気に読んでしまった。繰り返し主張される「熊本人気質」もくすりとさせられ、まさに珠玉の短編だろう。
昔の小説を読んでいるような言い回しや表現が面白かったです!UMAを見つけて面白がったり、怖がったり、右往左往する人々のようすが目に浮かびました。
夏の湿気に猫の鳴き声に、将棋を指す爺さんの手つきまで想像できそうな空気感。素敵です。
とてもお洒落な文章。リズムに乗せられて一気読みしました。全てのシーンが見どころ。ひたすら腹筋を震えさせられ、最後に柔らかな気持ちを残してくださる作品です。猫好きさんもそうでなくても、ぜひどうぞ。
異形退治のファタジーかと思いきや、明治エッセイ。しかしてほっこり猫話。いや、脱帽です。是非また、こういうの書いてください。
もっと見る