大きな猫と虎の違いとは?

いくら猫でも、それが二間(ざっと3m半以上)もあれば、立派な猛獣だと思うが、あくまで「ただ大きくて可愛い猫」である点は、ファンタジーな存在。そうした不思議の側の存在(もしかしたら猫の神さまか、猫妖精かもしれない)が、恐ろしく洒脱な文章で描かれる。冒頭の書き出しから、気だるい夏の空気の包み込まれ、そのまま一気に読んでしまった。繰り返し主張される「熊本人気質」もくすりとさせられ、まさに珠玉の短編だろう。

その他のおすすめレビュー

雨藤フラシさんの他のおすすめレビュー1,207