平坦な話の流れを最後に生かしている辺りが流石だと感心しました。
夏の湿気に猫の鳴き声に、将棋を指す爺さんの手つきまで想像できそうな空気感。素敵です。
もとは知っていた著者の名前を見てなんとなく読み始めましたが、そんなことなんて関係なく、読み終わった後にそういえばと思い出しました。読ませる力、情景を思い浮かばせる力というのを感じさせてもらいました。
登場人物がどういう人間で、どういう性格で、どういう生活を送っているのか、そんな想像がどんどん広がる。技巧によるものというよりも、作者が日頃からいかに人を観察し、分析し、理解しようとしているか…そん…続きを読む
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