アゲイン 高校の同級生が、ペットショップで売られていました。

作者 柳なつき

318

110人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

タイトルに衝撃を覚え、読み始めて一月半ほどです。
すっかり人犬という字をひといぬ、と読めるようになってしまいました。

高校時代、自分をいじめていた女の子、幸奈とペットショップで再会した来栖春。
幸奈はもう人間ではなく人犬(ひといぬ)になっていたのです。
心まで犬にされかけて、それでも人の言葉を失わなかったがために壊れかけ、踏みとどまって、そんな状態の幸奈。
いじめの後遺症を生活のあちこちに遺す春。
このいじめの後遺症の描き方がとてもうまいです。
前髪を伸ばすとか、手が見せられないとか、そういうところにああ、この人は傷ついたのだなあと感じます。
君がいじめた後遺症だと伝える春君の様子がいい性格してるなあって感じでとても好きです。

人がヒューマン・アニマルに加工されると世界観に難なく入りこませてくれる作者様の文章。
おかげで幸奈が人間に見えている春がこの世界ではおかしな人になってしまう、ということが実感を持って迫ってきます。

作者様の脳みそを覗き見たいくらいにひきこまれる世界です。
本当にどんな脳みそしてたらこんな素敵な、緻密で鮮明に脳内に浮かび上がる世界ができるんだろう。
ちょっとだけ、ちょっとだけでいいから脳みそ見せてください(褒め言葉)。

個人的には来栖春が好きなのですけど、真ちゃん(幸奈の妹)の叫びがいつかの私そのもので、ネネさんの言葉が刺さって、本当に目が離せません。

★★★ Excellent!!!

弱い立場の人がみせる心情。
人以下の存在に成った人犬が、弱い立場の感情と辛さに気付いていく有り様。
お互いの弱さを必死に補おうとする様々な行動。
それを認めようとしない世界観を持つ人々の態度。
その全ての描写が気持ち悪くもあり、可愛らしく、そして恐ろしい。
読み進める毎に惹かれていく小説。

口くいは必読!!

★★★ Excellent!!!

なろうでは規制くらってこっちに来ました。
過激な表現が多々あるので、もしかしたらとは思っていましたが、こっちで読めることが嬉しいです。

主人公の感情がとても複雑で、以前自分のことを虐めていた幸菜に対して、復讐とも承認欲求とも取れる意識が混在しており、その人間描写がとてもリアルで読んでいて圧巻です。

また、社会制度の設定も細やかに出来ていて、思わず読み入ってしまいます。

これからの展開をドキドキしながら楽しみにしています。

★★★ Excellent!!!

人間が社会を作るのか。
社会がヒトを人間たらしめるのか。

因果性のジレンマに対し、社会の側へ端緒を置いたのが作中の世界。
社会全体の更なる幸福を目指して、倫理や道徳など超越した「人間」の最適化。
その先にあったものはヒトが獣になり、あるいは化物となる地獄だった。

ここまで平易かつ写実的に、「心の傷」を描いた作品は珍しい。
とても万人受けのするものではないが、試さないのは大いなる機会損失だと断言しよう。
どうか読後の、千々に乱れる感情を体験し愉しんで頂きたい。

★★ Very Good!!

 一気読みしてしまった(なろうに投稿されている最新話まで)。

 復讐か情けか、一概には表現できない主人公、「人外」となったことで人間や「思いやり」を学んだ元いじめっ娘——現人犬。
 その複雑な関係を深めるのはディストピアという背景である。もう少し言えば、「人間未満」とされた者を「人外」へ貶める世界。狂った人間がテクノロジーを“誤用”する近未来。
 いや、“誤用”でもないのかもしれない。それは現代的な「自由」に基づく感覚なのであって。

 そんな世界で「人外」とされた者を「人間」に戻そうとするのは異質だ。だからこそ、二人の辿る道が楽しみである。

 わたしたちとは違う思考で溢れる世界を描く。これこそがSF、ディストピアだ。これは良作に出会った。

★★★ Excellent!!!

単語や言葉の1つ1つは決して暴力的でも性的でもないのに、
過剰な修飾も、過激な擬音も無いのに、
どこまでも平易な文章で、どこまでも読みやすく。
なのに、何度も途中で息を整えないと読み進められない。
1話を読んで、ぞっとして、
2話を読んで、ぞわっとして、
3話を読んで、ぞくぞくしてくる。
この先を読むか止めるかは読者の自由。
でも、きっと、無理だと思う。この刺激に逆らうのは。

★★★ Excellent!!!

創作とはこうあるべき。

筆者が惜しげもなく晒けだした狂気と性癖と知性、卓越した文才が紡ぎだす人間模様――ヒューマンドラマ。
このジャンルにこれ以上ふさわしい作品を私は知らない。

決して感動に打ち震えるものでなく、決して心暖まるものでもない。
恐らくは相当に人を選ぶであろう問題作だ。

しかし、それを試さないのは何よりの機会損失である。
まずは是非あらすじをご覧いただきたい。

そして本編を読めば、狂おしい愛情、下卑た快感、後ろめたい背徳感、それでいてどこか切なく割りきれない感情があなたを襲うだろう。

まるで、奈落の闇が見える崖の縁を命綱無しで、じわり、じわり、と進むが如き読了感を味わうことになるだろう。

ああ、なんと素晴らしい。

それでいて本作は近未来SFであり、ミステリアスなラブストーリーでもあるのだ。

最後に私は筆者である、柳なつき氏にこう問いたい「あなたの目に人間はどう写っておられますか?」

★★★ Excellent!!!

ペットショップで高校の同級生が売られていた。

この小説の最初の一文です。
ここに出てくる日本では、人が多すぎて一定の基準を満たさない人間は「ヒューマン・アニマル加工」をされて、人犬や人猫などの愛玩動物になります。
主人公は高校時代に自分を苛めていた少女が人犬になってペットショップで売られているのを見つけて、30万円で買うのです。
そこから始まる二人の生活。
人の心の機微がとても細かく描写されていて、気がついたらぐいぐい最新話まで読んでしまいます。

テンプレものではない新しい小説を読みたい方は是非、読んでみませんか?