概要
非情な理に翻弄される人々を描く和風ポストアポカリプス
人類の文明が幾度か崩壊した後の世界。
大樹と呼ばれる不可思議な樹木に覆い尽くされた『大和』で人間・言葉を話す獣・精霊が共存して暮らしていた。
しかし人間の中には、獣や精霊に危害を加える者がいる。
そんな『理』を乱す人間を狩る『人狩り』と呼ばれる狩人によって大和の秩序は、保たれていた。
数十年に一度精霊の力で真冬に実り、純金よりも価値があるとされる遅れ米は、実る時その土地の人間を一人だけ精霊に変える。
遅れ米に頼って生きる村の少女である紬は、精霊となってしまった。
精霊となった人間は精霊成りと呼ばれ、人狩りと共に旅をしなければならず、紬はヒスイという人狩りの男に引き取られた。
人を狩り歩く旅路の中、紬はヒスイとの絆を育くみながら不思議で残酷な世界の理を学んでいく。
深い絆で
大樹と呼ばれる不可思議な樹木に覆い尽くされた『大和』で人間・言葉を話す獣・精霊が共存して暮らしていた。
しかし人間の中には、獣や精霊に危害を加える者がいる。
そんな『理』を乱す人間を狩る『人狩り』と呼ばれる狩人によって大和の秩序は、保たれていた。
数十年に一度精霊の力で真冬に実り、純金よりも価値があるとされる遅れ米は、実る時その土地の人間を一人だけ精霊に変える。
遅れ米に頼って生きる村の少女である紬は、精霊となってしまった。
精霊となった人間は精霊成りと呼ばれ、人狩りと共に旅をしなければならず、紬はヒスイという人狩りの男に引き取られた。
人を狩り歩く旅路の中、紬はヒスイとの絆を育くみながら不思議で残酷な世界の理を学んでいく。
深い絆で
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★ Very Good!!終盤に面白さが増す
人として生まれたなら人として死ぬのが道理。けれどこの物語ではそうできない存在がいる。人の身から精霊へと変化した「精霊成り」だ。
精霊成りになった主人公は「理」に従い、生まれ故郷を去る。旅を先導してくれるのは「人狩り」を生業とする男。人狩りとは、人を殺せぬ精霊たちに代わって、精霊たちを苦しめる人間を殺す人のこと。
人狩りの仕事がどういうものかを目の当たりしていく主人公は、世の中の不条理を知っていく。この段階での見所は、ポストアポカリプスと和風ファンタジーの融合した世界観だろう。あと、ごはんがおいしそう。
面白さが増したのは、この二人旅の真の目的が明らかになってからだった。
主人公の変貌、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!数奇な旅路はカタルシス。
世界観から好みなんですけども。
精霊成りの少女紬と人狩りの男ヒスイの、けっして生半可では行けない道のり。その物語。
幼いうちから残酷な運命を課せられる紬ですが、周囲の環境から学び、成長していくのは幼いが故の吸収力ですね。ひとりの人間として意思をもち成長していく姿は、旅で世界が広がっていることの証左に思えます。
ヒスイはいわゆる汚れ仕事のようなことをしていますが、必要悪というか、彼も割り切れない思いを割り切って生きている。そんな葛藤が垣間見れます。
しかし、この物語の真骨頂は怒涛ともいえる終盤にこそあると思っているので、世界観に魅了されたまま最後まで読み進めると、とんでもないものを見た、と…続きを読む