終盤に面白さが増す

人として生まれたなら人として死ぬのが道理。けれどこの物語ではそうできない存在がいる。人の身から精霊へと変化した「精霊成り」だ。

精霊成りになった主人公は「理」に従い、生まれ故郷を去る。旅を先導してくれるのは「人狩り」を生業とする男。人狩りとは、人を殺せぬ精霊たちに代わって、精霊たちを苦しめる人間を殺す人のこと。

人狩りの仕事がどういうものかを目の当たりしていく主人公は、世の中の不条理を知っていく。この段階での見所は、ポストアポカリプスと和風ファンタジーの融合した世界観だろう。あと、ごはんがおいしそう。

面白さが増したのは、この二人旅の真の目的が明らかになってからだった。
主人公の変貌、そして決断が描かれる最終章まで、ぜひぜひ読んでほしい。

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