数奇な旅路はカタルシス。

世界観から好みなんですけども。

精霊成りの少女紬と人狩りの男ヒスイの、けっして生半可では行けない道のり。その物語。
幼いうちから残酷な運命を課せられる紬ですが、周囲の環境から学び、成長していくのは幼いが故の吸収力ですね。ひとりの人間として意思をもち成長していく姿は、旅で世界が広がっていることの証左に思えます。
ヒスイはいわゆる汚れ仕事のようなことをしていますが、必要悪というか、彼も割り切れない思いを割り切って生きている。そんな葛藤が垣間見れます。

しかし、この物語の真骨頂は怒涛ともいえる終盤にこそあると思っているので、世界観に魅了されたまま最後まで読み進めると、とんでもないものを見た、という震えが待っていると思います。

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