異世界を舞台にした作品が、世の中には多く存在しています。
そのどれもが、ハラハラ、ワクワクさせてくれるような物語である一方、「この国の経済状況ってどうなってるの?」とか、「気候はどうなの?」とか、「食文化は?」とか、細かい事が気になる事ってないでしょうか?
異世界ファンタジーを書くという事は、その世界を文字通り創造するわけですから、小説に書く書かないは別にしても、細かい設定まで作り込むのが醍醐味であり、一番難しいことかと思います。
さて、本作は、ファンタジー世界の経済、しかも"税金"という非常にニッチで、しかし、絶対に必要な事柄に焦点を当てています。
(大人の皆さんも含めて)頭が痛くなりそうなテーマですが、極めて平易な文体で書かれており、地租に関する知識がスルスルと頭に入ってきます。
"勉強になる"という点だけでも十分に評価に値すると言える本作ですが、この作品の真の価値は、ある種の気づきをくれるところにあります。すなわち、"異世界にだって現代社会とそう変わらない、仕組みがあるのだ"という事です。
これを読んだあなたは、きっとこんな事が気になるはずです。
冒険者ギルドから支払われる報奨金はどこから来るのだろう?
その相場は、その世界においてどの程度のレベルなのだろう?
魔物退治という仕事が国軍の仕事ではなく、冒険者の仕事なのは何故だろう?
この国の運営って何に頼ってるの?農業?地下資源?それとも工業?
この国に港はあるの?ないなら肉しか食べものないの?それに輸出入は陸路だけだと、少しずつしか運べないよな…?
この国の法律ってどうなってるのだろう?魔法を使った犯罪に対しては、どうやって対処するの?
などなどなど……
これを読んで、誰にも負けない最強の世界を一緒に作りましょう!